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2018年10月30日

基礎科学が基盤 研究費を30年削った日本の将来に危惧!

基礎科学が基盤 研究費を30年削った日本の将来に危惧!

ノーベル賞受賞、がん治療を劇変させたPD-1とCTLA-4
提供元:ケアネット 公開日:2018/10/03

 2018年のノーベル医学・生理学賞を、
京都大学高等研究院特別教授のスクリーンショット 2018-10-27 6.45.06.png
氏と
MDアンダーソンがんセンター教授のJames P. Allison氏が共同受賞することが決まった。

両氏はともにがんに対する免疫応答の制御に関連するタンパク質を発見し、
がん免疫療法の近年の急速な進歩に寄与したことが受賞理由となっている。

本稿では、ノーベル財団のプレスリリースから、2人の研究の足跡を紹介する。

ほぼ同時期に、2つの発見

 1992年、本庶氏ら京都大学の研究者が、
T細胞の細胞死誘導時に発現が増強される遺伝子として
PD-1(Programmed cell death 1)を発見。

その機能が明らかになるまでには時間を要したが、
1998年、マウスによる実験でPD-1がT細胞のブレーキとして機能し、
その働きを制御していることが明らかとなった。

その後に続く同氏らおよび他の研究グループによる動物実験の結果、
PD-1に結合してT細胞の活性化を抑制する PD-L1やPD-L2との結合をブロックする
抗PD-1抗体が、がんとの戦いにおいて有望な戦略であることが示された。

 2012年には、
非小細胞肺がん(NSCLC)、悪性黒色腫、腎細胞がん(RCC)といった複数のがん腫における
抗 PD-1抗体ニボルマブの臨床試験結果が発表され、
その結果は全生存期間および奏効率の双方で
臨床的に大きく改善するものであった。

 一方、カリフォルニア大学バークレー校の研究所では、
Allison氏が同じくT細胞のブレーキとして機能する
細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CTLA-4)を研究していた。

彼は、CTLA-4の阻害がT細胞ブレーキを解除し、免疫細胞の抑制を解くことで、
がん細胞を攻撃できる可能性があるのではないかと考えていた。

 そして1994年の年末、
マウスを使った最初の実験を行い、
抗CTLA-4抗体による治療で、腫瘍を持つマウスが治癒することが確認された。

当初、製薬業界の関心が向けられることはほとんどなかったが、
間もなくして、いくつかの研究グループから有望な結果がもたらされるようになった。

2010年には重要な臨床試験結果が発表され、
悪性黒色腫の患者に対し、抗CTLA-4抗体イピリムマブが顕著な効果を示した。

 PD-1とCTLA-4は同様にT細胞のブレーキとして機能するが、
その作用機構は異なる。
 
がん治療を根本的に変えた

 現在、多くのがん腫において多数の臨床試験が進行中であり、
ニボルマブとイピリムマブ以外の
新たな免疫チェックポイント阻害薬による治療法の開発も進んでいる。

また、抗CTLA-4抗体と抗PD-1抗体の併用療法がさらに効果的である可能性も、
悪性黒色腫に対する臨床試験によって示されている。

 100年以上もの間、
多くの研究者ががんとの闘いに免疫システムを結び付けようとしてきたものの、
その臨床的進歩はほとんどみられなかった。

しかし、2人の受賞者による発見の後、
治療法の開発とその成果は劇的なものだった。

免疫チェックポイント阻害薬による治療はがん治療に革命をもたらし、
がんの管理方法を根本的に変えるものであった。
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田中松平
元消化器外科医で,頭からつま先まで診れる総合診療科医です. 医学博士 元日本外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器内視鏡学会専門医, 日本医師会認定産業医, 日本病理学会認定剖検医,
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