2019年02月23日
十把一絡げズ 第66回 「御家人」
こんにちは、酒保です。
今回は御家人がテーマです。
何かと忠義にあふれるイメージを持たれる御家人ですが、鎌倉時代の将軍と御家人の関係は意外とドライでした。
将軍と御家人は、戦う代わりに褒美として土地をもらう、土地をくれないならば言うことは聞かない、という程度のつながりです。
もちろん、現代人が自分の会社に帰属意識を持ったり、簡単には転職しなかったりするのと同様に、御家人も不満があればすぐに反旗を翻す、というほど忠義がなかったわけではありません。
しかし、武士のイメージとして持っている、「どんな不利益があっても、主君の為にすべてをささげる」というような忠義者ではないのは確かでした。
そもそも、「やあやあ我こそは〜」という名乗りも、多くの褒美がもらえる「先縣」や「一番槍」の功績を認めてもらいやすくする目的があったともいわれている。
鎌倉時代末期の元寇でも、「元軍に名乗りをあげている間に攻撃されているあほ」という評価も聞こえますが、あれは味方に武功を認めてもらうために、名前を覚えてもらうためにやっていたのかもしれないし、実際にそれによって恩賞をもらうための証人となってもらった例もあるようです。
そして、結局恩賞を与えることができなくなったところで鎌倉幕府は滅亡するわけなので、忠義にあつい鎌倉武士のイメージはあまり正確ではないのだろうと私は思います。
もちろん、そういった人もいたと思いますが、一致団結してことに当たるより、一所懸命に自分の領地を守るのが御家人である、という方が私のイメージに近いです。
調べてみると別の側面や、別の受け取り方が出てくることはよくあります。皆さんも、今回の話で御家人について興味を持ってもらえると嬉しいです。
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