2019年01月30日
十把一絡げズ 第53回 「かな文字」
こんにちは、酒保です。
今回はかな文字についてやっていきましょう。
かな文字は現在のひらがなやカタカナです。
もともと、日本語を表記するために漢字の音を借用して用いられた万葉仮名というものがありました。
これは、万葉集でもつかわれているものです。
しかし、そこからさらに一歩進み、漢字を崩したり、一部のみを使用することでさらに書きやすい文字を作り出したのが、当時の日本人でした。
これにより、日本人は当時の話ことばそのままで文章を書くことができるようになります。
自分の母国語をそのまま文字としてあらわすことの利点は、複雑かつ繊細な考えや感情を自由に表せるようになることです。
現代にたとえて言うならば、英語で手紙を書くことと日本語で手紙を書くことを比較して考えてもらうとよくわかるのではないでしょうか。
お互いに英語は異文化の言葉です。伝えたい気持ちに適する言葉が見つからなかったり、誤解のもととなってしまったりする恐れがあります。
それに対して、お互いの母国語である日本語で書いた手紙はそのリスクがはるかに少ないと納得できるのではないでしょうか。
私は、このかな文字の登場によって、中国文化からの完全な脱却を果たしたと考えています。
古墳時代の雄略天皇は、朝貢をやめ、中国から与えられていた暦や法を独自に作っていくことを決断しました。
これにより、日本が中国の一部とならずに済んだという考えもあります。
そして、その集大成として、中国から与えられていた文字を、日本独自のものに昇華させたかな文字は、日本が中国とは全く関係ない新しい文化を作っていく歴史の始まりにあたるのではないでしょうか。
そのように考え、かな文字の登場は日本の歴史上重要なポイントだったと、私は信じています。
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