2018年12月09日
十把一絡げズ 第22回 「冠位十二階」
こんにちは、酒保です。
今回は冠位十二階です。
7世紀の初めに定められた冠位十二階の制度は、家柄にとらわれず、能力や功績のある豪族を役人に取り立てる道を開きました。
それまで血族主義として、豪族たちが権力争いを繰り返して政治を行っていました。
しかし、この制度によって、能力主義の考え方を日本の政治に取り入れることができたのです。
これは、聖徳太子の目指す中央集権国家のために必要なものでした。
昨日紹介した十七条の憲法でも、
「十一に曰く、功過をあきらかに察て、賞罰必ず当てよ。……」
(十一にいう。功績と過失を明らかにみて、それに応じた賞罰を行え。……)
という条文があります。
これは、功績を挙げた人には報いるということで、冠位十二階の考え方と合致します。
かの有名な小野妹子なども、この制度によって大きく昇進した人物でした。
聖徳太子の死後、日本はまたしばらく能力よりも家柄を重視する時代が続きます。
しかし、これは必ずしも悪いということではなく、「家柄がはっきりしていて」「ある程度の能力があることが見込めて」「ほかの役人とのつながりがある」人物を重用することで、政治の安定も狙うことができます。
悪いのは家柄を絶対視して、どんな暗愚な者であっても重用するという考え方です。
それによって人事は硬直化し、汚職・賄賂が横行し、政治は腐敗してしまいます。
どのような制度もいい面と悪い面があります。大事なことは、それを妄信し、かならず正しいと思い込むことだと私は思います。
今の世の中、様々な情報があふれています。皆さんも、1つのことを正しいと妄信するのではなく、いろいろな意見を聞いて、自分で何が正しいかを考える癖をつけてみるのはどうでしょうか。
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