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2018年03月31日

三角屋敷【怖い話】




よし18年ちかくだれにも話したことない話をしよう


実話なので地名は伏せます
直接かかわったわけではないので
何がどうという詳細はよくわかりません



ちょっと複数の事象が絡んでいて
なおかつ 思い出しながらかいてるので申し訳ない



現在はもうその土地を引越して私はすんでおりません
いつのころかあるのかは知りません。


私が小学校に通い始め物心ついたころには
その家はすでにありました。


結構田舎で学校に通うのに
あぜ道を毎日かよっていました


その途中にある一軒の家の話です。


その家は昔からあるというわけではなく、
和風建築の割とあたらしい家でした


小学校1年〜5年生までの間はなんの噂もなく、
私も気にとめておりませんでした。


5年生の夏の時期にA君が転校してきてから、
その家が、なんなのかわかりました。



その家の話を書く前にひとつ予備知識として、
その家のお向かいの家について説明しないとなりません。



便宜上お向かいの家を家A 問題の家を家Bとして書きます


問題の家の立っている区画は私が生まれるころくらいからの
いわゆる新興住宅地とよばれるところでした。


実際に家が建ち川が整備され畑もなくなっています


さて家Aについてですが、非常に奇妙というか異常というか
玄関のどまん前に 祠 がたっております。


どれくらいどまん前かというと玄関あけて1メートルの場所

 
道路-門-階段-祠-玄関という普通の1戸立ての家で
でかい屋敷というわけでもありません。


なぜそんなことになっているのかというと
私が聞いた話では 家を建てたのは
そこに土地をもっていた方でむかしから住んでいたと

 

元々は田んぼでとりわけなにかしら
因縁話もなかったと聞いております。


新しく県道が通るためにその土地を売って
自宅もまぁ開発のために立て直したとよくある話です。


そのさいにその場所にあった道祖神ですかおじぞうさまも
丁寧に祈祷して場所も移しました



家Aは何事もなく新築でたち
その家の方も普通に住むようになりました。


しばらくしてある日を境に家Aの中で
赤ん坊の泣き声がするようになったそうです。


家の人は最初近所に赤ん坊のいる家族が近くに
引越してきたのと思ってたそうなんですが、


夜昼関係なく一日中聞こえるようになって 
これはおかしいと思ってご近所にたずねたみたいです、


するとご近所の人全員
近くに赤ん坊のいる家族が引っ越してきたと。


家Aの人と近所の方が声の発生場所を探しあてたところ、
家Aの地下から声がすると大騒ぎになりました。


いろいろお祓いとかやったそうですが効き目がなく、
偉い霊能者さんかお坊さまがお地蔵様が原因なので
もとの場所にもどしなさいと



そういった行き先で家Aは私たちの間では
かなーり有名な場所でした。



小学5年生の時に引っ越していたA君は
そのいえの向い側の家Bにすんだ友人でした。


A君はたしか1ヶ月もしないうちに家Bから引越しました。


まぁその時はとくに何事もなかったように時間はすぎ、
小学5年の冬のときに私はべつの土地にうつりました。



生まれ育った場所であり幼馴染もいましたから、
しばらくは連絡をとっていましたが、

進学し、社会人になりすっかりわすれていました。





先日 幼馴染が結婚するということで 
10年ぶりくらいに生まれ故郷にもどり再会しました。



昔話に花をさかせてわいわいとしてましたが、
私があの地蔵の家まだあるなぁ

といった所から話が変わっていきました

ここからは友人Bの話ですが

「地蔵の家よりそのむかいの家おぼえてるか?」

と無論A君家族がたしか住んでたなと答えました

「すぐに引越したの知ってるか?」

もちろん私が転校する寸前だったんで覚えてると答えました

「なんでか知ってるか?」

それは知らないなと答えました。

どうもその家Bはなにかしらが出るというのです。



10年ほどの間に10世帯以上が出たり入ったり、
ボヤが3度あったそうです。


A君家族が引っ越したのもそのひとつだと
原因はまったくわからないそうですが

友人Bいわく

あの家に1ヶ月以上住んでいた家族はいないと


A君家族は何番目に入居したかはしらないが、
家の中で 老婆が徘徊していたり庭に女の子がうろうろしていたり

屋根に男がたってじっと外をみていると
A君のお母さんが精神的にまいって家を引っ越したと。



そのあとも何度かお祓いをしたと聞いたけども全然おさまっていないと


高校の時にTV局かラジオ局かが霊能力者をつれて撮影をやったらしぃが

霊能者がその家の敷地に入るなりぶっ倒れて大騒ぎになって
そのままおじゃんになったと。


私は家Bてなんだよ?

ときいたら

「生まれた時からすんでる俺らもわからん。

ただお墓の土つかってるとか地下に死体うまってるとか

噂はあるけどどれもほんとかは怪しい。



ただ事実として人は定着しないし、
俺も窓に何人も人がたっていてこっちをじっとみてたのをみたことある。

あそこは何かおかしい。

あぁそうだ家Bてさなんて呼ばれてるかしってるか?」


私「知るわけないだろう」


友人B「あそこの家ってさなんでか知らないけど敷地が三角形なんだよ 
    だから三角屋敷て今よばれてんだ。 今も空き家だぞ 
帰るときに見たらいいよ」



そういう感じで別れ帰路に着きました

もちろん気になったので帰りに家Bの前をとおりのぞきました。


県道沿いのその家の前には 土嚢がつんであり
入り口が見えない状態になってなっていました。


見た瞬間にあからさまにおかしい
それ以上はちかずかないようにして家にかえりました。



その話をきいて思い出したことがありました。

10年以上たって記憶がおかしくなっていたのかとおもっていましたが 

あの家Bの屋根の上に何人も人が立ってこっちを見ながら
ゲラゲラ大笑いをしてたのを

集団下校してた友人たちと見て泣きながら
はしって帰ったことがあったなと。




タグ: 三角屋敷
posted by kowaihanashi6515 at 00:28 | TrackBack(0) | 洒落怖

2018年03月27日

廃寺に潜む何か 【怖い話】





もう10年くらい前、
俺がまだ学生だった頃の出来事。


当時友人Aが中古の安い軽を買ったので、
よくつるむ仲間内とあちこちドライブへ行っていた、

その時におきた不気味な出来事を書こうと思う。



ある3連休、
俺たちは特にすることもなく、当然女っけもあるわけもなく、
意味も無く俺、A、Bで集まってAのアパートでだらだらとしていた。



そしてこれもいつものパターンだったのだが、
誰と無くドライブへ行こうと言い出して
目的地もろくに決めず出発する事になった。



適当に高速へと乗ると、なんとなく今まで行った事の無い方面へと
向かう事になり、3〜4時間ほど高速を乗りそこから適当に
一般道へと降りた。



そこから更に山のほうへと国道を進んでいったのだが、
長時間の運転でAが疲れていたこともありどこかで一端休憩して
運転手を交代しようという事になった。



暫らく進むと車が数台駐車できそうな
ちょっとした広場のような場所が見付かった。


場所的に冬場チェーンなどを巻いたりするためのスペースだろうか?


とりあえずそこへ入り全員降りて伸びなどをしていると、

Bが「なんかこの上に城跡があるらしいぞ、行ってみようぜ」

と言ってきた。



Bが指差した方をみると、ボロボロで長い事放置されていただろう
木製の看板があり、そこに「○○城跡 徒歩30分」と書かれ、
腐食して消えかかっていたが手書きの地図のようなものも
一緒に描かれている。


どうも途中に城跡以外に何かあるらしいのだが、
消えかかっていて良く解らない。


時間はたしか午後3時前後くらい、
徒歩30分なら暗くなる前に余裕で戻ってこれるだろう。


俺たちはなんとなくその城跡まで上ってみる事にした。



20分くらい細い山道を登った頃だろうか、
途中で道が二手に分かれていた。



看板でもあれば良いのだが、
あいにくそういう気の効いたものはなさそうで、
仕方なくカンで左の方へと進んでみる事にした。



すると、
先の方を一人で進んでいたAが上の方から俺たちに

「おい、なんかすげーぞ、早く来てみろ!」

と言ってきた。


俺とBはなんだなんだと早足にAのところまで行ってみると、
途中から石の階段が現れ、更にその先には城跡ではなく
恐らく長い事放置されていたであろう廃寺があった。


山門や塀、鐘などは撤去されたのだろうか、
そういうものは何も無く、本殿は形をとどめているが
鐘楼やいくつかの建物は完全に崩壊し崩れ落ちている



本殿へと続く石畳の間からは雑草が生え、
砂利が敷き詰められていただろう場所は
一部ほとんど茂みのような状態になっていた。


ただ不思議なのは、山門などは明らかに
人の手で撤去された様な跡があったにも関わらず、
残りの部分は撤去もされず朽ちていてかなり
中途半端な状態だった事だ。



時間を確認すると、まだまだ日没までは余裕がありそうだ
俺たちはなんとなくその廃寺を探索することにした。


が、周囲を歩き回っても特に目に付くようなものはなく、
ここから更に続くような道も見当たらず、

Aと「多分さっきの分かれ道を右に行くのが正解なんだろうなー」

と話していると、

本殿の中を覗き込んでいたBが「うおっ!」と声を挙げた。


Bの方をみると本殿の扉が開いている。


話を聞いてみると、だめもとで開けてみたら
すんなり開いてしまったという。


中は板敷きで何も無くガランとしている、
見た感じけっこうきれいな状態で中に入っていけそうだ。


中に入ってみると、床はかなりホコリだらけで
恐らくだいぶ長い事人が入っていないのが解る、
なんとなくあちこちを見回していると、
床に何か落ちているのが見えた。



近付いてみると、それはほこりにまみれ
黄ばんでしわくちゃになった和紙のようで、
そこにはかなり達筆な筆書きで

「うたて沼」

と書かれていた。



なんだなんだとAとBも寄って来たので、
俺は2人に紙を見せながら

「うたてって何?」

と聞いたのだが、2人とも知らないようだ。


そもそもこの寺には池や沼のような物も見当たらない。


本殿の中にはそれ以外なにもなく、
「うたて沼」の意味も解らなかった俺たちは、
紙を元あった場所へ戻すと、城跡へ向かうために廃寺を後にした。



元来た道を戻り、さっきの分かれ道を右の方へと進むと、
すぐに山の頂上へとたどり着いた。


ここには朽ちた感じの案内板があり

「○○城跡 本丸」

と書かれている、どうやらここが目的地のようだった。


山頂はかなり開けた広場になっており、
下のほうに市街地が見えるかなり景観のいい場所だ。


と、なんとなく下のほうを見るとさっきの廃寺も見えた。


3人でさっきの廃寺って結構広い敷地なんだなー
などと話していると、ある事に気がついた。


寺の庭を回った時に一切見かけなかったはずだが、
庭の端の方に直径数mくらい、大きな黒い穴のようなものが見える。


「あんなものあったっけ?」

と話していると、寺の庭に何か小さな動物が出て来ていた、
そしてその動物が庭の中を走り出した瞬間、
その穴のようなものが「動いて」まるで動物が穴の中に
消えてしまったように見えた…



わけが解らない現象を目の当たりにした俺たちは

「…今あの穴動いたよな?なんだあれ…」

と唖然としていると、更にとんでもない事が起きた。



その物体が突然宙に浮くと、
かなり高い距離まで上りそのまま移動し始めた。


その時になって、俺たちはあれが穴などでは無く、
真っ黒で平面のなんだか良く解らない物体である事に気がついた。



その平面状の物体は結構な高さを浮いて、
俺たちが来た道の上を山頂へと向かって進みだした。


その時、
恐らく移動する物体にびっくりしたのだろう、
木の間から大きめの鳥が飛び出し、
宙を浮く平面状の物体とぶつかった。


が、鳥はそのまま落ちる事も物体を通り抜ける事も無く

消えてしまった…


何がなんだか解らないが、とにかくあれは何かヤバそうなものだ、
そしてそのヤバそうなものは明らかに俺たちの方へと
向かってやってきている、その事だけは理解できた。



とりあえずここからすぐに退散した方が良さそうだ。


3人でそう話して気がついた、
あの物体は俺たちが登ってきた道沿いにやってきている


ということは、来た道を戻れば
確実に鉢合わせしてしまうという事だ。


とりあえず逃げようと言ったは良いがどうしたら良いのか解らない。


すると、

Bが「ここ通れそうだぞ!」

と茂みの方を指差した。


そこへ行ってみると、
近くまで行かないと解らないであろうくらい
細い獣道のようなものが下へと続いている。


ただし、この道がどこへ続いているか全く解らないうえに、
俺たちが登ってきた道とは完全に反対方向だ、
当たり前の事だが逃げれるには逃げれるが車からは遠ざかる事になる。


その事はAもBも解っていたのだろう、
この獣道を下るかどうか躊躇していると、
突然耳に違和感を感じた、感覚としては車で山を登っていて
気圧差で耳がおかしくなる感じが一番近いだろう。



AもBも同じ違和感を感じたらしく戸惑っている、
その時俺はふと下のほうを見た。



すると、例の物体はもうすぐそこ、
恐らく二の丸であろう平地の部分までやってきていた。


もう迷っていられるような余裕も無い。


俺は2人にもうあれが凄くそこまで来ている事を伝えると、
おもいきって獣道のある茂みを下る事にした。



2人もそれに続き、
殆ど茂みを掻き分けるように道を下っていくと、

後ろの方からAが

「ヤバイ、もうすぐそこまで来てる!急げ!」

と言ってきた。



俺が後ろを振り返ると、例の黒い物体が
もうあと10mくらいのところまで近付いてきている。


俺たち3人は最早草や木の枝をかき分けることすらやめ、
がむしゃらに獣道を駆け下りた。



どれくらい走っただろうか、
暫らくすると木の間から舗装された道路が見えてきた、
俺たちは泥だらけになりながらも必死で殆ど転がるように道を下り、
なんとか舗装された所までたどり付くことが出来た。



その時、
突然金属質の耳鳴りのような音が聞こえ、
次いで後ろから「バチンッ!」と
何かが弾けるような音が聞こえてきた。



びっくりして後ろを振り向くと、そこには例の黒い物体はなく、
爆竹か何かを破裂させたような、そんな感じの煙が漂っているだけで、
俺たちは呆然としてしまった。



その後、民家も無いような山道を散々迷い、
殆ど真っ暗になる頃にやっと最初に車を停めたところまで
戻る事が出来た。



結局その後もあれが何だったのかはわからない、
そもそもあんな体験をしてまた同じ場所へ戻る勇気などなかったし、
そんな事をしても俺たちに何の得も無かったからだ。



タグ:怖い話 廃寺
posted by kowaihanashi6515 at 15:40 | TrackBack(0) | 洒落怖

諭す【不思議な話】





七年前に勤めた会社が倒産し就職難の中、
運転手に転身したTに起きた事です。



最初は小さい2t車での仕事だったTも運転手に転身して
一年も経つと4t車に乗る様になり、
県内だけでなく県外にも足を延ばすようになった。



今から五年程前の雨の夜に隣県から帰る為に
県境の峠道を走っていたTは尿意を覚えて
山頂の少し手前の広い所にトラックを停めて用を足した。



雨は小雨程度だが霧が出ているし交通量も疎らな峠道にいつになく
嫌な雰囲気を感じていたが、用を足してスッキリしたTが
トラックに戻ろうと振り向くと・・・・・


助手席側に人が立っているのに気がつき一瞬身を固くする。


こんな真夜中に峠で人が?


恐る恐る観察するTに人影が振り向いた。


若い・・・二十代前半位の女性。


肩までくらいの髪も、どこかの会社の制服と思しき衣類も
全部が雨で濡れている。


思わず声をかけようとしたTより先に女が言葉を発した。


「峠を降りた○○まで乗せて下さい」


小さく、か細く・・・

しかしはっきりと聞き取れる声だった。



女の申し出に一瞬よく耳にする様々な怪談話を思い出すTだったが、
その女の何とも哀しく寂しそうな顔への同情が恐怖を上回った。


いいですよ、どうぞ。


そう言うとTは助手席のドアを開けてやり、女に乗る様に促した。


ステップを踏み手摺りに手をかけ女が乗り込む時、
ふとTは彼女の足元を見てやっぱりなと感づく。



助手席側や運転席側のドアを開けると
室内灯が点くようにしてあった。


光があたれば物体は必ず影を残すはずなのに
彼女には影が無かった。


だが不思議と恐怖を感じないままにTは彼女が助手席に座ると
そっとドアを閉め運転席へと乗り込み車を走らせた。


走らせながら彼女の横顔をチラチラと横目で伺う。


最初と変わらない寂しげな横顔のまま言葉もなく
ただ俯き加減に座っている。


意を決してTは彼女に勝手に、独り言のように話しかけた。

悲しい事とか色々あったりしましたか?


「辛い事、悲しい事、何があったのか僕には分かりませんけど
 こんな所に居ては駄目です。
 行くべき所があなたにはあるんじゃないですか?
 僕にはしてあげられない事かもしれませんが。」

Tの言葉に彼女は反応を見せない。



この峠を下り彼女の望む所までにはまだ二十分はかかる。


その間もTは構わず一方的な会話を続けた。


「○○にはあなたの何かがあるのかな?

 そこに行ってその後どうするんですか?

 またあの峠に戻ってしまうのですか?

 繰り返しては駄目だと思います。次へ進まないと。」


彼女はただ俯いたまま黙っている。


聞いているのかさえ分からないままTは話しかけ続け、
ようやく峠を下った。



突然彼女は前方を指差すと

「あそこで。」

とだけ言った。


なんの変哲もない住宅街への交差点だった。


Tはハザードランプを点けトラックを停めると彼女のほうを見た。


「ありがとうございました。」


微かに聞こえる声だけ残して彼女は消えてしまった。


そしてもう一言、

どこからともなく聞こえた「行きます」の声にTは
安堵のため息を吐き出し、再び車を走らせ無事に会社に帰った。



後日、Tはあの峠で起きた事件を同僚から聞いた。


十年前、情事のもつれから当時二十二歳の女性が絞殺され
死体が遺棄されていたのだと言う。


当時の彼女が住んでいた町こそTが彼女を降ろした住宅街だったそうだ。



その後あの峠で彼女を見る事もないままTは
三年前に子供をもうけ幸せに暮らしていた。


生まれた女の子も大きな病気や怪我もなく
明るい元気な子でTは溺愛し娘も父親を慕っていた。



そして今年・・・


峠の彼女の事も記憶から忘れていたTは再び彼女と再会する。



9月の半ば、夜中に目を覚ましたTが
喉の渇きを覚え台所で茶を飲み寝室に戻った時だった。


妻の横で寝ている愛娘が布団から飛び出して寝ていた。


なんて寝相だと苦笑しながら娘を布団に戻したその時・・・


娘が眠ったままTの手を握り

「ありがとう、あなたがあの時助けてくれたから私は今生きてます。

 本当にありがとう」

と言った。


彼女の声で・・・

娘の口で・・・


生まれ変わりなのか娘の口を借りただけなのか分からなかったが、
恐怖は感じず不思議な温もりを覚えた出来事でした。


私(T)も家族も何ら不幸なく平穏に過ごしてます。

オチなしの怖く無い上に長文失礼。





タグ:トラック

2018年03月23日

ある集落に迷い込んだ時、凄まじい体験をした【集落にまつわる怖い話】





会社の上司の昔話で、十五年くらい前のことだという。



当時まだ駆け出しだった上司が、某県某町に新設の事務所に配属された。



工場併設のその事務所は市街地を遠く離れた山の中にぽつんとあって、
夜には車通りも無い、淋しい場所だった。



事務所の前から県道を右にしばらく行くと某町のジャスコに行き当たる。


左にしばらく行くと隣の某村に入るが、

村の中心部の集落まではしばらくかかる、そんな立地だった。



その日の上司は、仕事を抱え込んで一人残業のすえ、
疲れきって事務所を閉めた。


一人暮らしのアパートへと車を走らせていたところ、
うっかり道を間違えていることに気付いた。


右に出るはずが左に出てしまい、車はすでに某村に入って
しばらくたっているようだった。


車通りも無いので素直に切り返して戻ればよかったものを、
上司は脇道に入った。



ぐるっとまわれば元の道に出られるだろうと考えたからだが、
区画整理がされたわけでもない田舎道は、そうは行かないものだ。



走るだけ走ってさらに見つけた道に飛び込むことを数回くり返したが、
どこをどう走ったかもすでに定かではなく、周囲は真っ暗で道はすでに細い。


切り返しももう無理だった。


しかし、アスファルトと土肌が断続的に現れる道には
轍(わだち)が続いており、おそらくここは地域住民の生活道、

きっと先には集落があると踏んで、先に進み続けた。








読み通り、小さな集落に行き着いた。


何軒か先には明かりのついた家が見える。


方向感覚に間違いが無ければ村の中心部では無いようだったが、
帰り道が聞ければそれでいい。



遅い時間で恐縮ではあったが、なりふりを構ってもいられない。


上司は明かりのついた家の前で車を停め、ライトを消した。


火をつけていたタバコを吸い切ってから、
意を決して車を降りるとギョッとした。



暗がりに、おそらくは十人以上の村人が立っていたのだ。


村人は老人ばかりで、
一様ににらみつける顔付きからして明らかに歓迎されていなかった。

一人が大声を出す。


するとほかの村人も続けて叫び出した。

何しに来た、帰れよそ者!

どろぼう!…は、やらないぞ!

やらんぞ!帰れ!


聞き取れない部分もあったが、
土地の方言でだいたいこんなことを言っているようだった。



上司は誤解を解こうと釈明をしながらもたじろぎ、後ずさりした。



背後に気配を感じ振り向くと、そこにはさらに十人ほどの村人がいた。


彼らもまた何やら叫び出したが、上司が驚いたのはそこではなかった。


村人たちは上司を追い払おうとする上司の顔のすぐ下で、
小柄な老婆が、数珠を持って上司を見上げるように何かを唱えていたのだ。



尋常じゃない空気に圧倒され、上司は車に舞い戻りアクセルを踏んだ。


村人は、上司を追い返そうとしているだけのようで、
追ってくる様子はなかった。


はるか背後で、
たぶん老婆のものであろう叫び声を聞いた。


後で知った事実から考えれば、
唱えていた念仏の総仕上げの掛声のようなもので、
それは自分に向けられたものであったのだろう。



結局、集落を抜けて無我夢中で走ったところ、
村を抜けて隣県に行着いた。


国道を大きくまわって自宅に帰れたのは朝方であった。







翌日から、上司は目に見えて体調を崩した。


仕事が出来ないほどではなかったが、体が重く食欲が失せ、
無理に食べても三日で体重が5キロ落ちたという。



一週間もたつ頃には形相も変わり同僚にも本気で心配され始め、

町立の総合病院に行ったが、どこにも異常はなかった。



村での体験にショックを受けただけと思い、

意気地の無い自分を奮い立たせたが、回復しなかった。



ある日、

町役場の企業立地担当を訪問する用事があった。


役場の担当者は若く歳も近かったので仲が良かった。


飲んだ際に霊感があるという話を聞いたことがあったが、
その手の話を信じない上司は、からかった受応えをしたものだった。

用件もそこそこに、その彼が切り出した。


「どうせまた茶化すんだろうが、体調に関わることだから
 真面目に聞いてほしい」と。


曰く、上司の体調は呪いによる憑き物のためであり、
お祓いを受けたほうがいいので、
慣れた寺を紹介をするということだった。



上司は呪いを解くために、寺に向かう上司は、
彼の霊感を信じたわけではなかったが、藁にもすがる思いで、
彼が電話を入れてくれた寺に向かった。



寺の住職は、落ち着き払った様子で上司を迎え、
極めて淡々とお祓いをしてくれた。


お祓いが済んだ後、嘘のように回復した上司は、
それでもまだ呪いには半信半疑のまま、
あの集落での体験を住職に話した。



住職は、あの集落が、土着のある風習を今でも頑なに
守り続けていることを教えてくれた。



風習とは、その昔、宿を貸したよそ者に、
赤ん坊をさらわれたことに端を発する集落の自己防衛策であり、
村に生まれて間もない赤ん坊がいるときには、
外部からの人間を迎え入れてはいけないというものだという。



風習はいつからかエスカレートし、
追払ったよそ者が二度と村に舞い戻らないよう、
祈祷師により、よそ者を呪い殺すようになったのだという。



上司は、あの晩に見た老婆とその叫び声を思い出したが、
それでも呪いなど信じたくなかった。


しかし、あの村で見たのは男も女も年寄りばかりだった気がするし、
若い者が出て来ないのはなぜだろうか。


そもそも、いくら田舎とは言えこの現代にあって、
若い世代がそんな風習に縛られて生きていることは信じがたかった。



そんなようなことを素朴な疑問として、上司は住職に尋ねた。


住職は一瞬目を丸くしたが、上司がまだすべてを理解していないと知り、
微笑みながら教えてくれた。



あの集落は日本全国でもかなり早い段階で高齢化を迎え、
残った老人達は頑なに周囲との交流を拒み、
いもしない赤ん坊を守るという建前で、よそ者を追払い続けたこと。


そしてその末に、集落が絶えてもう三十年以上経つことを。


それを聞いたときに全身を走った悪寒を、上司は今も忘れないと言った。



以来、上司は霊の存在を信じるようになったのだという。









後日談。



役場絡みの合同商談会みたいなイベントの後で、
役場の担当者の運転で上司はあの集落に行ったらしい。

もちろんまだ日の高い時間帯。



役場の彼はすこぶる嫌がったらしいけど、上司は真剣。


同乗していた取引先の人はノリノリだったとか。


あの晩に来た道とはたぶん反対方面から集落に行き着いたんだけど、
崩れ落ちそうな廃墟ばかりで同じ場所とは信じられなかったそうだ。



だけど、集落の奥まで歩いて振り返って見た風景は、
あの晩見た集落に間違いなく、上司は愕然とした。



正確には、その確認までして初めて、
上司は霊の存在を信じるようになった。


役場の彼には、廃墟のかげからこちらを凝視する村人が数人見えていたらしく、
最後まで車からは降りてこなかったんだと。



念のため、と取引先の人と三人であの寺にお祓いに行ったら、
優しかったあの住職に今度はこっぴどく説教されたそうだ。








posted by kowaihanashi6515 at 16:46 | TrackBack(0) | 洒落怖

2018年03月21日

すみません、僕の身体って何処にありますか?【怖い話】




中学のクラス会が行われると言う知らせを受けて、
本当に久しぶりに故郷を訪れ、その時に聞いた話。


クラス会への集合は19時にT駅との事でしたが、私は早めに地元に帰り、
すっかり変わってしまった町を見て驚きつつも、
足は母校の中学に向かっていました。


「お前Iか!?」

「はい・・・?あの、どなたでしょうか?」

「俺だよ、俺!Kだよ!!」

「K先輩ですか!?え、何で此処に居るんです?
まさか、学校の先生になったんですか!?」



しかし私の予想は外れており、K先輩は地元で消防官をしており、
休日は後輩の指導に当てているらしい。



警察官や消防官でも武道系に秀でた人物は
大会に出場する機会があるらしく、

K先輩は入賞経験があり、学校側も実力者で信頼の置ける
職業であるということで、特別にお願いしているらしいのだ。



練習が滞りなく終わるまで、私は道場の隅で大人しく見学させてもらった。


道場の掃除と施錠が済み、
K先輩にクラス会の事を話しながら現場に向かう途中、
私の悪い癖が出てしまった。








私は怖い話が好きで、“そういうのに出くわしそうな人間”に、

『何か怖い話は無いか?後味の悪い話でも良いから聞かせてくれ』

と聞きます。



K先輩は霊感0なのだが、
同僚のNさんが所謂“見える人”なのだそうで、
よく自分に体験を話してくるのでネタは沢山持っているが、
気持ちの良いものではないので誰にも話さなかったそうだ。
(勿体無いと思った)



では、前置きが長くなったが、
以下K先輩から聞いた同僚Nさんの体験談です。



地名は伏せますが、金属製品製造工場で、
18時過ぎにアルミニウムや金属を取り扱う工程で事故が起こり、
工場3棟で火災と爆発を招いたものだったそうです。



工場に設置してある火災報知電話によって通報され、
消防隊と救急隊の到着時には、もう工場棟は殆ど原型を留めておらず、
木造の柱、梁が露出していたそうです。


「化学物質が貯蔵された工場では、無闇に放水出来ないのは知ってるか?」


詳しくは理解してはいなかったが、取りあえずTVや映画で
白い泡のようなものを撒き散らしているシーンを見た事があったのを
思い出しました。



それくらいの知識程度しか持ってなかったので、頷くだけにしておいたが。


「そういう場合、飛び火した民家の消火から始める場合がある。
その間に危険物取り扱い施設の関係者から状況を確認し、
消火方法を変える」


間違った消火活動をして更に大爆発なんて事になったら恐ろしいのですが、
幸いこの火災では起こらなかったようでした。


「で、そこからどう怖い話に結びつくんですか?」


「お前、これだけの火災被害なのに、死傷者が居ないとでも思ってんのか?」


火災による小爆発の影響で近隣住民に数名軽傷、
工場の従業員重度の火傷が数名、死者3名だったそうです。



私は内心

『少ない、原形を留めない程の火災なのに、もっと沢山死んでも・・・』

と思いました。



消火活動は日付をまたいで行われたそうで、早朝より調査が開始され、
Nさんはその調査官の中の一人として同行したらしいです。



水がまだ滴る工場だったところに踏み入ると、ぴちゃぴちゃ足音が数人分と、
マスコミのヘリと野次馬の雑音を無視して調査を開始。



感づいた事は忘れないようにボイスレコーダーで記録し、
火災の原因を調査するために瓦礫をひっくり返すんだそうです。



Nさんも天井の一部をひっくり返し、色々調査していると、
黒い人型が床にクッキリとプリントされていたそうです。



『嗚呼、此処で死んだのか。熱かったろうに』


御遺体は既に検死官が発見して、
解剖するために2体分と1本はお持ち帰りしたのだそうだ。



また疑問に思った私は、また口を挟んでしまった。


「3人死んだと言ったのに、数が合わないじゃないですか。
それに1本て何ですか?」

「右肘」

2人は焼死体として運ばれ、右肘の人は検死の結果で分かった事だが、

爆発によって薬品を浴びたか吸い込んだために、
身動きが取れなくなったとされている。



そして炎に焼かれる前に瓦礫が右肘を切断・押し潰し、
その他は粉々になったそうだ。



Nさんが発見した黒い人型のプリントはまさに、その人が死んだ場所だった。



何か痕跡はないか、火災の痕跡はないかと調査していると、
後ろを誰かが通り過ぎる気配がして振り向いた。



しかし誰も居ないので、首を傾げてまた調査に戻る。


至る所に粉が隙間に入って、黒くなった壁でキラキラ輝いていたそうだ。


Nさんは壁にこびり付いた粉の写真を撮り、
パケに採取して鞄に保管する作業を1週間、場所を変えて行った。



上に報告する前にまず、調査官同士の報告会を行うのだが、
結論は“粉塵爆発”による火災。



室内に粉が舞っていた事、
工場内の死角に粉が積もっていた事などが爆発の一要因であった。



何しろ建物自体が原形を留めていない点と、
この結論以外に可能性が無かったのである。



後はリーダーが4日後の全体報告会にて説明するという段取りなので、
後日、数名の調査官を連れて現場を撮影する事となった。



その晩にNさんは愛車のバンに乗って家に向かっていたそうだが、
眠くなる時間でもないのに段々と瞼が下りてくる。

『何処か、車、止める場所』

近くにセブンがあったので、駐車場にて仮眠を取る事にしました。



その時にNさんが見た夢が、私にとっては心弾ませるものだった。


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Nさんはまだ焼け跡の工場で作業しているのか、
調査官の作業着を着て立っていたそうだ。



『あれ、まだ何か調べるんだっけ?』

そう思い、


自分の鞄の中に入っているであろう書類を確認しようとしたが、
いつも足元に置く鞄がない。



左右の足元に目を配らせても見当たらない。


首をかしげて、
鞄探しのために焼け跡になった床を歩き続ける。

「すみませぇん!」

声の方向を見ると、帽子を深く被り、
工場の作業着を着た男性が此方に来ようとしていた。



もしかして、火災事故があったと知らないで
そのまま出勤してきたらこの有様で、動転してるのかと思ったらしい。



そして、一般市民を事故現場に入れてはならないので、Nさんは注意しました。


「駄目ですよ、此処は危ないから入って来ないで下さい!」


Nさんは歩きながら、安全な場所まで連れて行こうと青年に近寄った。


男性はなおも瓦礫を気にしながら近づいてきており、
帽子も被っているので全く表情が認識できない。


「すみません、すみません。でも、困ってるんです」


「ええ分かりますよ、工場がこんなになってしまったんですから」


「すみません、僕の身体って何処にありますか?」


Nさんは男性の顔を見て仰天してしまった。


というか

顔があるべきところに存在しなくて、
でもあるべき高さに帽子は乗っていた。



まるで空気か透明人間が工場の作業着を着て、帽子を被り、
靴を履いて流暢に話しかけているようだった。


「ずっと探してるのに、ずっと探してるのに、何処にもない。
来月までに終わらせないといけないのに、何処にもないんです」


驚いてNさんは振り返って逃げようとしたら、
後ろには真っ黒い人が2人立っていた。



途端に2人から人の髪の毛が燃えるような、たんぱく質が溶ける匂いがして、
Nさんは足が止まってしまったのだそうだ。



もうこれは、火災現場で死んだ3人だとNさんは思ったらしい。


Nさんがこの状況をどう打開しようか思案していると、

黒い人が強めの口調でNさんに突っかかってきた。


「おい、○○の身体は何処にある」


「これじゃ、仕事にならないだろ」


Nさんは

『彼らはまだ、自分が死んだことに気がついていないのか?』

と思ったそうです。



なので

“自分の人生は終わってしまった”

のだと、3人に事の有様を話しました。


そしてNさんは黒い人型のプリントがしてある床を指差して、
○○さんの身体は恐らく右肘以外が粉々になってしまったのだと伝えました。



「私が貴方達に伝えられる事は、全て包み隠さずにお伝えしました」


「じゃ、僕の右肘は何処にあるんですか?」


「私は管轄が違いますから、分かりません。
担当の者に聞いておきますので、明日私のところに来て下さい」


「有難う御座います 必ず伺わせて頂きます」


そう言って3人はNさんに背を向けて立ち去って行きました。


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Nさんは車の中で飛び起き、
セブンの明かりで少し平静を取り戻したそうです。


Nさんはすぐに携帯で、
例の右肘について確認の電話を入れました。



電話向こうの人物は県内の法医学研究室を紹介し、
Nさんはメールで地図と連絡先を送るように頼んだそうです。



通話を終え、一先ずため息を零して、
冷たい缶珈琲と先生への菓子折りを購入して、


その日は入念に身体を洗って、長風呂して寝たそうです。



翌日一旦出勤してから、法医学研究室にアポを取る事に成功し、
ホワイトボードに行き先を記入して出たそうだ。



鞄を持って車を開けると、独特のあの匂いが充満していた。


車に匂いが着くのを恐れて、窓を全開にして、
いざ出発って時にバックミラーを見ると、
後ろに人影が2つと帽子が見えたらしい。


「早いですよ、まだ現地についてないのに」

と独り言を零しながら、

目的地で待っているであろう先生に
“どう説明するのか”を考えていたそうです。



確かに

『幽霊が肘を捜していて、自分も協力しているんです』

なんて、
精神疾患を患っていると思われても仕方が無い。



Nさんは

『一応今後の資料として写真を撮りたい』

という名目で通そうと腹に決めたらしい。



そして先生に案内されるまま遺体安置所に移動中、
後ろから1列で憑いて来ている。


「さ、どうぞ。お仕事大変ですね」


「有難う御座います。突然お邪魔して申し訳ありません」


右肘の写真を数枚撮影して、先生にお礼の菓子折りを渡して、
早々に退散する事にしたそうです。



後ろを振り返ると、まだ3人は憑いて来ている。


人通りのある通路で霊と会話なんて出来ない。


Nさんは無視して帰ろうと背を向けたのだそうです。


「色々親切にしてくれて、有難う御座いました」


3人分聞こえて振り返ると、もう其処には居なかったそうです。


Nさんはそのまま署の方に帰って、通常勤務に戻ったそうです。


以上でその火災事故でのNさんの体験談は終わりです。







しかし私は”黒い人”関係の怪談を腐る程聞いてきましたから、
別段新鮮味もありませんでした。


ですので、私はK先輩にその感想を伝えたところ、思わぬ反論を貰いました。


「お前、焼死体見た事ないだろ」

「嗚呼〜詳しく説明して下さい」


私はこういうのが大好きです、ごめんなさい。


K先輩が言うには、大きく4段階あり、


Lv1=表皮1度の熱傷。


Lv2=表皮(浅い)2度の
熱傷&真皮(深い)2度の熱傷。


Lv3=真皮3度の熱傷と皮下組織の熱傷。


Lv4=4度の熱傷&炭化。


というランクがあるそうです。



よくTVや映画で看護士さんが「患者は○度の〜」ってのが
当てはまるらしいです。


熱によって筋肉の組織が収縮し、
硬直しながら、ぼろぼろと身体から炭化した皮膚や内臓が零れ落ちて、
真っ黒な、でもひび割れたところから少し赤黒いものが覗いていたり
するそうです。



骨も火葬場のように綺麗な白色ではなく、
黒ずんだもの赤いもの黄色いものがあり、
たまに骨が水蒸気か何かで、竹が弾けるように吹き飛んだりするそうです。


・・・とまぁ、

そんな感じの焼死体さんが2人も背後に立たれたら、
恐ろしいのでしょう。


「素敵な話を有難う御座いました。また、その手の話を聞かせて下さい」


クラス会の集合場所のT駅に到着しても話し続けていたので、
先輩にメアドを渡して別れました。



これで、K先輩から聞いた話を終わりにします。













posted by kowaihanashi6515 at 21:43 | TrackBack(0) | 洒落怖

2018年03月17日

古いリサイクルショップ【怖い話】





自称霊感の強い後輩Aと古いリサイクルショップへ行ったとき


リサイクルショップと言っても築30年は軽く経ってそうな
ボロボロの外観の骨董品屋と言ったイメージだ



店の上の看板には「貴金属・骨董品・電化製品・ オーディオ」と
手書きで書かれており、おそらく骨董品屋からなんでも屋になったんだろう


もともとAの電子レンジを買うために出掛けてたので
ちょっとのぞいてみようと俺は店に入った



俺は霊感のなんて全く信じていなくて、

Aの自称霊能力者も合コンで目立つための
技みたいなもんなんだろうと内心バカにしていたが
そんな俺でも店の中に入った瞬間、違和感というか、
なんか嫌な予感がした。


あの感覚はあのとき初めて味わったものでうまく言葉で言い表せない


でも、その嫌悪感の正体はすぐにわかった


神リッチプロジェクト


とにかく品物が乱雑に並べられ,
骨董と骨董の間にパソコンが置かれてたり
古書が並んでる端にブックレスト代わりに皿が置かれてたり
あまりにも規則性がなさすぎて気分が悪い



店主の姿が見えなくて

「万引きし放題だな」

ってAに話しかけたが Aがいない



Aはまだ店先でボーッと上の看板を見てやがる

「おい!あったぞ!電子レンジ5000円」

って声かけたらやっとAが店の中へ入ってきた


A「やっぱり中古はやめとく・・・」


俺「まぁそんな安くもねぇしな5000円」


その後すぐにAがつぶやく


「それに何かいる・・・ここ」


一瞬ドキッとしたがイライラしてきた


いかにも出そうな店でお約束の霊感かよって思いながら

「どこらへんにおるの?」

と聞くと 黙ってAは上を向く

「上?」

俺も真上を見るが薄暗い天井と蛍光灯しか見えない


俺とAは店の奥へ向かうと階段があった


一階が以外と広い事にも気がついた


例の乱雑さで商品が並んでる棚が3列置いてあった


俺が階段を昇ろうとしたときAが小声で

「ヤバい。もう見られてる」

と言った



コイツ、俺を怖がらせて喜んでんじゃねーか?
と思いながら階段を昇った


しかし、一段目を昇ったとき周りの空気が
急にひんやりしてるのに気がついた


階段を昇る度に何か嫌な予感がしてならない

進むのがためらわれる

やっと徐々に2階が見えてきた・・・

意外と明るい・・・

最後は足元に注意しながら一気にのぼった

2階の光景を見て愕然とした





辺り一面全部着物だ

それも成人式や結婚式で着るような派手な晴れ着だった

ズラーッと奥まで案山子みたいに袖に棒を通されて立っている

その時、奥の着物が揺れたように見えて そちらに目を向けた


その時はっきり俺は見た。


あきらかに敵意を持った目の女性の顔だった

ゆれた着物の後ろに女性がいる!


俺は急に息が苦しくなった吐き気がした


後ろから階段であがってきたAが何か言ったが
何を言ったのかわからない


俺はそこで意識を失った


目が覚めるとAとおっさんがしゃべってた

しゃべってる内容はわからなかった

だが自分のいる場所はわかった

まだ二階にいる。


もう着物の方は見れない

またパニック寸前になりながら逃げようとするが
うまく立てず階段の前でコケる


Aとおっさんが支えてくれてやっと階段を降りる


すぐに店の前まで出て排水溝におもいっきり吐いた
まっしろなゲロが排水溝に流れる


苦しくて苦しくてこのまま気を失って死ぬんじゃないかと思った


Aが背中をさすりながら

「あの目を見ましたよね?」

と聞いてきて、また思い出して吐いた。



Aが

「吐けるだけ吐いた方がいいっすよ」

と言ってたが

俺は妙に「なるほど」と納得した


Aの言葉通りひとしきり吐くと楽になってきた


俺「アレが幽霊?」


A「そんなところです」


A「でも、幽霊というよりは 怨霊だと思います」


A「店主とも話したけど あの着物は全部中古だそうです」


俺「もしかしてあの女は 前の持ち主か?」


A「そうだと思います」


A「ここからは推論ですが」


とAが説明してくれた



要するに晴れ着は成人の祝いや結婚式に
親が 娘に買ってくれる大事なもので、
やむにやまれぬ事情を抱えた女性が質入する場合が多いこと


その晴れ着に対する未練やうしろめたい感情が
集中する場所だったこと


俺が見たあの敵意丸出しの目は晴れ着を見に来る客を
遠ざけようとする女性達の目で

俺が店に入ったときから見られていたらしいこと


今もあの顔を思い出すと気分が悪くなります


【JCB/AMEX】1秒スキャルFX







posted by kowaihanashi6515 at 23:32 | TrackBack(0) | 洒落怖

2018年03月16日

神隠しの伝承「怪談100話を話し終わると、妖怪が出るんじゃなくて、そういう物がいる異界への扉が開いてそこに引き込まれる。」【怖い話】




もう十数年前、大学生だった私は、

部活の夏合宿(と言う名目の旅行)に出かけ、その帰り、
大学の合宿施設の近くに実家のある先輩に誘われて、
地元の花火大会を見学していた。


花火大会の後、
会場近くの河原で買い込んだ花火を楽しみ、
そのまま先輩の車に同乗させてもらい、東京に帰ることになった。


河原で花火を楽しみ、
しばらく休んだ後の出発だったので、
時間は、12時を過ぎて、1時になろうとしていた。


今から考えれば危険極まりないが、若さゆえか、
誰もそんなことを気にしていなかった。


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「先輩、運転疲れたら行ってください、俺ら変わりますから。」


「おお、そんときゃたのむは。
ま、高速乗るまでは、道知ってんの俺だけだし。

高速まではゆっくり行って60分位だし、高速乗った最初のSAで、
運転変わってもらうかも。でもぶつけるなよ。俺の愛車。」


「大丈夫ですよ。」


皆で(と言っても、先輩、私含め4名でしたが)
先輩の車に乗り込み、出発します。


運転席に先輩、助手席にA、私ともう一人のBは後ろ座席です。

走り始めて10分〜15分ぐらいで、車は山道に差し掛かり始めました。

この道を越えるとインターがあるとのこと。


「知ってるか?この辺りにはさ、神隠しの伝承があるんだ。」

と先輩が話し始めます。


「ああ、俺の田舎でも、そういう伝承のある山がありました。」

とB

「ああ、でもさ、ここは、明治になった後、
いや、戦後でも神隠しが発生したらしいんだ。」

「まじっすか?」

「ああ、明治の頃、日本人は迷信にとらわれすぎている、
って考えていた若い帝大の教授が、迷信であることを証明する。
として、ここで、それを実行して、で、神隠しにあったんだと。」


「へえ?で、神隠し、って事は、当然そのまま行方不明なんですよね?」


「ああ、でな、その後、この辺の人達はそれを恐れて、
この山に近づかなくなったんだ。でも戦後になって、
その記憶が薄れたのと、戦後の雰囲気っていうのかな?

30年ごろ、東京の大学院生達がここにきて、
神隠し事件を調べようとしてさ、やはり行方不明になったんだ。」


「でも、戦後じゃ、警察とか動きますよね。
いや、明治でも動くと思いますけど。」

と私

「ああ、警察、消防団とか総動員で山狩りをしたんだけど、
結局何の手がかりもなかったんだって。

まあ、戦後になったとはいえ、田舎だから、
年寄りとかはまだまだ迷信深くて、
最初は山に入りたがらなかったって話だけど。」


「へえ、新聞に載ったんですかね?」


「地元の新聞には載ったらしい。」


「何かの事件に巻き込まれたんですかね?」


「まあ、そんな所かもしれないが、地元の年寄りたちは、
やっぱり神隠しの伝承は本当だった。物見遊山気分だから、
神隠しにあったんだ。って噂し合ったんだ。」


「なんか横溝正史の小説か、浅見光彦みたいですね。」


「神隠し伝説殺人事件とか」


軽く笑う4人。


「そういえば、俺の田舎でも・・・」

Bが話を引き継いで、地元の怪談を話し始めました。








Bが話を終えた後、
Aが、自分が高校時代に聞いた学校の怪談を始めました。


こうなると私も話さないわけにはいきません。


私も中学の頃聞いた怪談話を話します。


で、私が話し終わると、促されたわけでもないのに、
再びBが怪談を始めました。


まあ、眠気覚ましには話をするのが一番と言われているし、
危険な夜間のドライブ、 みんなで、こうやって話し
(しかも怪談)ていれば、眠気も飛ぶかもしれない。


私もそう思い、Bの後、再び怪談を始めた

Aの話が終わった後、怪談を始めました。


B→A→私、の順番で、話を続けます。


途中で先輩も話に巻き込もうとしましたが、運転に集中したい。


また、怪談聞いていれば眠くならないから、聞き手に回っています。


結局、私、A、Bで怪談を続けることになりました。



どのぐらい時間がったったのかは、
時計を見ていなかったので覚えていませんが、
途中で少々妙なことに気が付きました。


もう10回以上私は怪談をしているのです。


B→A→私。

という順番は堅持されていたので、
皆で30以上の怪談を話していることになります。


一つの話に3分としても90分はかかっている計算になります。


もう高速に乗っていてもいい筈ですが、
まだ山道から出た気配すらありません。


『こういう状況だから、時間が長く感じるのかな?』

疑問に思ってもいましたが、同時にそうとも考えました。

「おい、○○、お前の番だぞ。」


「ああ、じゃあ・・・・」


Aに促され、再び私も怪談を始めます。


で、頭に沸いた疑問もそこで打ち切りになり、再び怪談話の輪に戻ります。


「・・・・・・という話だ。」


Aが、何度目になるかは分からない怪談を終えます。


『次は俺の番か』

どの話をしようか考え始めた時、ふと、先ほどの疑問が頭をよぎります。


あの後、10回、いや20回は、怪談を話しています。


合わせれば30回以上は怪談をしていたような気がします。


いや、実際はそんなにしていないかもしれませんが、
かなりの回数の怪談を話したのは事実です。


時間で言えば、1時間、いや、2時間はとっくに経過していていいはずです。

なのに未だに山道から出ていないのです。


『道に迷ったのかな?』

そうも思いましたが、それにしても時間がかかりすぎです。


ここが何処かはわかりません

(カーナビもない時代(一応あるにはあったが、
学生の車に搭載できるような代物ではなかった))


周りは真っ暗。

いや、真っ暗すぎます。

まさに墨を流したような暗闇です。

一気に不安が広がります。


「今のAの話で99話目だ。」


「え?」今まで黙っていた先輩が突然口を開いたので、驚いて聞き返す私。


「だから、今のAの話で、怪談99話目だったんだよ。」


「へえ、そんなに話したんですか俺ら。」


気軽に受けるB

「案外怪談知っているもんなんですね。」

Aも普通に受け答えしている中、私だけが、混乱し始めていました。


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99話、一話3分程として、300分近い時間、
つまり5時間は経過しているはずです。


出発したとき1時なのですから、今の時間は、6時近く。


もう、夜が明けていいはずです。


いや、それほどの時間がたっていなかったとしても、
高速のインターにはとっくに着いているはずです。


なのに相変わらず山道らしいところ、というか、
何処かすらわからない、真っ暗闇の中を車は走り続けているのです。

恐怖の感覚が私を襲いました。


「百物語って知っているか?」


恐怖にパニック寸前の私をしり目に先輩は話を続けています。


「ああ、ろうそく百本立てて、

一話ごとにろうそく消していくって奴でしたよね。」

とB

「俺たちそれできましたね。ま、車内で100本蝋燭立てられないけど。」

とA

「ああ、で、100本目が消えると、妖怪、幽霊が現れる。」

と先輩


「俺たちも蝋燭消していたら、現れますかね?」

とB


『ちょっとまって、ちょっとまって、ちょっとまって』

先輩の話に、平然と相手をしているA、Bに対して、
すでにパニックになりかかっている私。


叫びだしたかったが、恐怖のためか、緊張のためか、声が出ません。


「ああ、出るかもな。でもさ、実は百物語っていうのは、
最初は、真っ暗な中、屋外で、怪談百話を話すものだったんだ。」


「へえ、初めて知った。」とB


「ああ、この辺りでは、少なくともそうだったらしい。
で、100話を話し終わると、妖怪が出るんじゃなくて、
そういう物がいる異界への扉が開いてそこに引き込まれる。
ってものだったんだ。」


先輩が妙に抑揚の、いや、感情のない声で話します。


「へえ、異界への扉って、漫画みたいですね。」

とB

「ああ、で、明治の帝大教授や、昭和の院生も、
この地に伝わるその伝説を聞いて・・・」


「ちょっと待ってよみんな!!」

やっと声を放つ私。


「なんだよ、○○ビビったのか?」とA


「そうじゃないよ、先輩、ここどこですか?
周り真っ暗、街頭ひとつない、何時になったら高速に出るんですか?」

恐怖でほとんど涙声になっていました。


叫んでいるうちに気が付きましたが、この車、一度も止まっていません。

いや、よくよく考えてみると曲がった気配すらないのです。


周りは真っ暗、いや、ヘッドライトすらついて居なのです。


前方も真っ暗な闇です。


『なぜ今頃気が付いているんだ!!』


自分に毒づきましたが、このまま先輩の話し続けさせたら、
危ない、いや、そんな生易しいものですらなくなる。



なんと言うのか、そんな言いようのない、本能的な恐怖に駆られ、
私は、パニックと恐怖で、涙声になりながらもつづけました。


「よく考えろよ。なんでこんな周り真っ暗なんだよ!!
99話怪談話したんろ? いったい何時間たっているんだよ?
なのに、なぜ、何処にもつかないんだよ!!」


「もうすぐ着く。いいから黙ってろ。」


抑揚と感情のない、なんというのか、先輩の声ですが、
先輩でない誰かが話している、そんな感じの声でした。


「その前に車止めてください!!とにかく!!」

ここで黙ったらおしまいだ。


とにかく先輩にこれ以上話をさせてはいけない。


そんな感じで、絶叫に近い声で、先輩に言いました。


「せ、先輩、とにかく車止めましょうよ。」とB


やっと現状に気が付いたのか、Bも少々あわてた声で先輩に言います。

「話しが終わったら着くから黙って聞けって。」

相変わらず抑揚のない声で話す先輩。


「B、ブレーキ踏め、ブレーキ」


完全にパニック状態の私。


「先輩、話の前に止めて、ドア開けてください。

そうしたら、聞いてもいいですから、先輩の話」


Aもすでにパニック状態なのか、大声で叫んでいます。


「この山で、100物語を・・・・」


完全にパニック状態の我々三人をしり目に、
先輩が、抑揚と感情のない声で続けます。


「先輩、すみません!!」


そういって、Bが先輩の横っ面を殴りました。


キキキー


急ブレーキの甲高い悲鳴とともに車が止まりました。

シートベルトは着けていましたが、前席に頭をぶつけました。


「ああ、すまんみんな、大丈夫か?」


と、先輩

周りを見ると、遠くですが、民家の明かりが見え、
道の先にある街頭も見えます。

何よりも、ヘッドライトの明かりが見えます。


『も、戻れた』


なぜそう思ったかは知りませんが、

安堵感と、恐怖から解放された感覚で、

全身の力が抜けていくのを感じました。



先輩は、車から降りて、車の前の方を確認していました。


「すまん、目の前を横切った、白い影が見えたもんで。
って、どうしたんだ、お前ら?」


車内3人の尋常ならざる雰囲気に、先輩が、質問します。


少なくとも、先ほどの先輩ではなく、
何時もの先輩であることに間違えはないようです。


我々3人も外の空気を吸うため車外に出て、落ち着いた後、
今までの経緯を先輩に話します。


「お前ら、俺担いでいるのか?」


先輩の話だと、山道に入って、


「この辺りに神隠しの伝説がある」


って話した時、黒い靄のようなものがかかった感覚があったので、
『眠気に襲われたか?』と思ったら、なんか、白い影が見えたので、
急ブレーキを踏んだとのこと。


そう、その後の話は、先輩の記憶にはないのです。


先輩のはなしだと、確かに、この辺で、明治時代、昭和30年代に、
神隠し事件があったこと。


この辺りの伝承だと、夜中に、屋外で、夜が更けてから、
夜明けまでの間、百話怪談をすると、異界に行ける。

という伝承があること。








地元の郷土史研究家とかは、戦国や、江戸時代、まだまだ過酷で、
飢饉とかに結構頻繁に見舞われていた時代。

(しかも、この辺りは、土地が痩せていて、貧しい地域だったのだとか)

そういう

『苦しい浮世を捨て、別世界に行きたい』

的な信仰があったから、そんな伝承が生まれたのではないか?と、
言っているのだとか。


で、明治時代の教授(と、その助手たちもいたのだとか)、
30年代の大学院生は、それを実行したといわれているのだとか。


「確かに俺も、その話聞いたときは、やってみたいな、って
思った事はあったけど・・・」


先輩もさすがに青い顔をしていました。


時間を見ると、1時30分過ぎ、山道の入り口は、
すぐではありませんが、下に見えました。


そして、車の横には、小さな、石造りの祠が見えました。


皆黙って、その祠にお祈りをした後車に乗りました。


不可思議な体験の後でしたが、なんと言うのか、もう大丈夫という、

妙な安堵感があり、恐怖はあまり感じませんでした。


「わり、左の頬が少し痛むんで高速の入り口で運転変わってくれ。」


「あ、ああ、いいですよ、俺が運転しますんで」とB

その後は何事もなく無事東京につきました。



が、その後、いくら思い出そうとしても、
30話近い怪談話は思い出せません。


最初に話した数話は確かに覚えているのですが、
その後、どんな話をしたのかが、まったく思い出せないのです。


が、その不可思議な体験、何よりも、あの真っ暗な光景は、
今でもありありと覚えています。



最近部のOB会で久しぶりに、先輩、A、Bと会いました。

話題になったのは、やはりあの時の不可思議な経験です。


「まあ、ハイウェイヒュプノシスとか、
集団催眠みたいな状態だったのかも?」


不可思議な体験を、無理やり説明づけようとするわれわれ。


そんな私たち三人に対し、少々ためらったってから、先輩が


「実はな、あの道で、最近、失踪事件が起こったんだ。」


何でも、地元の若者たちの乗った車があの道に入ったのを
目撃されたのを最後に、 その後行方不明になっている人たちがいるのだとか。

















posted by kowaihanashi6515 at 13:46 | TrackBack(0) | 洒落怖

2018年03月15日

例の神社【祟り】【怖い話】





二十年ほど前、当時俺は大学生で、
夏休みに車で田舎の実家に帰省していたときだった。


その時はいつも帰省時に通ってる道とは別の道を通っていった。


見渡す限りの山や田んぼに囲まれた、
いかにも田舎って感じの道をしばらく運転していたとき、

少し先の山の入り口みたいなところに
赤い鳥居が建っているのを見かけた。


とても寂れた雰囲気がよかったので、車を停めて、
ぶらりと立ち寄ってみることにした。


赤い鳥居をくぐると、勾配のきつい石段があり、
山の上の方まで続いていた。


人気は全くなく、周りは木々に囲まれ、薄暗く、
石段にはびっしりと苔が生えて、
足元に気を付けながら登っていった。


階段を上りきると、すぐ目の前に小さな社があった。


もう何十年も人の手が入ってなかったのだろうか、
その社は酷く朽ち果てていた。


せっかくなので、手を合わせ参拝した後、石段を下りて、実家に帰省した。

その時は特に何もなかった。





しかし、
その日から変な夢を見るようになった。


夢の中で俺は例の神社に行き、鳥居をくぐって、石段を上がって、
社の前で参拝して、石段を下る、という全くあの時と同じ行動をしていた。

そして三日三晩その同じ夢をみた。


流石に気味が悪くなったが、4日目以降はその夢を見ることはなくなり、
気にはなっていたが、その後は特に何事もなく過ごしていた。


それから十年以上経ち、

結婚もし、子供はいなかったが、それなりに幸せな日々を過ごしていた。


あの神社も不可解な夢のこともすっかり忘れていた。






ある年のお盆に、
嫁と実家に帰ることとなった。


途中で近道をしようと見知らぬ山道を俺は進んでいったせいで、
道に迷ってしまった。


途方に暮れていると、お婆さんが道端で歩いていたので、
道を聞くとニコニコしながら丁寧に教えてくれた。


お婆さんに挨拶をして、
教えてもらった道をしばらく運転していくと、見覚えのある道に出た。


安心よりも、凄い嫌な気持ちになった。


なぜならその道は例の神社がある道だったからだ。


しかし、戻るわけにも行かないので、そのまま進むことにした。

赤い鳥居が見えてきた。


俺は気にせず通り過ぎようとしたが、赤い鳥居の前に誰かがいる。


見てはいけないと思いながら見ると、さっきのお婆さんだった。


お婆さんはニコニコこちらをずっと見ていた。


俺は怖くなって、車でスピードを上げ、すぐにその場所から去った。


しばらくすると、いつも通ってる道に出て、少し安心したところで、
ふと助手席の嫁を見ると、嫁の顔が蒼白になっていた。


アレを見たのか?と口には出さず心の中で思いながら、
どうしたのか聞いてみると、何かおかしい。


嫁が言うには、

確かに鳥居の前に人がいるのを見たが、俺が見た「お婆さん」ではなく、
嫁が高校時代に自殺した同級性の女だったというのだ。


自殺の原因はいじめらしく、嫁は直接はいじめに加担してなかったが、
見て見ぬふりをしてたとのことだった。


しかし、ずっとその事を気にはしていたらしい。


俺は嫁に気のせいだよと諭しながら、気丈に振る舞いながらも、
あのお婆さんが俺達をあの神社に誘ったのか?

など、いろいろ考えながら、運転していた。


俺はあの神社の事、
俺が見たのはお婆さんだったことなど嫁には黙っていた。

とにかくすごく怖かった。







その日から、嫁が夢をみるようになった。


内容を聞くと、例の神社に行き、石段をあがると、社があって・・・

実際に神社へ行ったわけでもないのに、俺がかつて見た夢と同じだった。

ただし大きく2つ違うところがあった。


一つは参拝して帰ろうと振り向くと、目の前に例の自殺した女が現れて、
そこで目が覚めるのと、

もう一つは、

もう数十日たっても同じ夢を見続けることだ。

嫁は元気もどんどんなくなり、病院につれていくと鬱と診断された。


ほとんど寝られてないせいか、目も虚ろになってる場合がほとんどだった。


俺があの神社に立ち寄り参拝してから十数年、ようやく理解した。

俺はずっと祟られていたのだと。


今思えば、帰省時、
あの道は普段絶対に通るはずのない道だった。

なのに何故か、通ってしまった。

何かに呼び寄せられたのか?

とにかく嫁に本当に申し訳ないことをしたと思っている。


さらに数年が経った今でもかつての幸せな日々は戻ってこない。

嫁が自殺しないか常に気を配る毎日だ。













タグ:神社 

今、家に誰もいないはず・・・【怖い話】




ガキの頃に体験した話だ。

俺がまだ小学生の頃、友達数人と伊藤君の家へ遊びに行った。


伊藤君の家は結構大きな一軒家で、
俺達はインターホンを押して伊藤君を呼んだ。


しかし伊藤君は中々出ず、
調子に乗った俺達はインターホンを連打する。


しばらくした頃、伊藤君が玄関から出てきた。


伊藤君は玄関の扉を開けたまま俺達の横に並び、

「・・・ったく、うるさい〜」

と少し怒った表情を見せた。


さらに調子に乗る俺達は、「ピザの宅配で〜す」などと、
インターホンを連打しながらふざけていた。


その間も伊藤君の家の玄関の扉は開きっぱなしだったため、
家の中の構造が良く見えた。


玄関を通って直ぐ右側に部屋の扉、その先にはトイレのドア。


さらに奥にはリビングへと繋がる扉が見える。


前述した通り伊藤君の家は広いため、リビングの先にもまた別の部屋があり、
いくつ部屋があるんだ?と考えていた。


伊藤君が出てきてからもインターホンで遊ぶ友達はさらにヒートアップし、


俺は家族に迷惑が掛かるんじゃないかとようやく思い始めた。









そんな時、

『ガチャッ、バタンッ!』と、

伊藤君の家の中から扉が開いて勢いよく閉まる音が聞こえた。

「家族の人かな?」

俺も悪乗りする友達も顔を見合わせた。

『ガチャッ、バタンッ!』

また聞こえる。

リビングの奥からだ。

『ガチャッ、バタンッ!』

次は2階から聞こえた。

(家族の人が怒ったのかな?)


俺は、

「お母さんたち居たんだ?」

と伊藤君を見た。



伊藤君は絶句した表情で俺を見ると、自分の家へと視線を移した。


「今、家に誰も居ない・・・」


悪乗りしていた友達もそれを聞いた。

もうインターホンには触っていない。


緊張した表情で伊藤君の家をじっと見る。

俺も見ていた。

『ガチャッ、バタンッ!』

リビングの扉が開いた。

開けた人は見えなかった。

(開けてすぐ隠れたのか?)


『ガチャッ、バタンッ!』

今度はトイレの扉が開いた。

(中にずっと入っていたのか?)

誰かが言った。


「近づいて来てる・・・」


『ガチャッ』

一番手前の部屋の扉が開いた。

今度はゆっくりと開く。


新しく、まだ綺麗な扉なのに、
古びたドアのような『キィィ』と響く嫌な音が聞こえてくる。

(誰も居ない・・・)


扉からは誰も出て来ないし、音も聞こえない。


安堵した俺達は口々に、

「故障か?」

「イタズラしてんだろ(笑)」

などと伊藤君を責めた。


伊藤君は未だに不安そうな表情で自分の家を見つめている。


俺もホっと一息ついた・・・その瞬間、

『バタンッ!!』

玄関の扉が勢いよく閉じた。


俺達はまた瞬時に固まって、伊藤君の家を見つめる。

誰も動き出せない。

伊藤君ですら動けない。







・・・その時、インターホンから音が聞こえた。


「お前まだインターホンで遊んでるのかよ!」

俺は悪乗りが過ぎる友達を叱咤する。


しかし友達は、

「インターホンになんて触ってない・・・」

と半べそで答えた。

(はあ?)

インターホンから音が聞こえる。


『・・ザザ・・・───ッザザ』

雑音ばかりで、
何を言っているのか分からない。


「お前・・・やっぱりお前がインターホンにイタズラしたんだろ!」

と俺はまた友達を責めた。


「インターホンの向こうから音が聞こえる・・・」

伊藤君がボソッと言った。


俺「だからこいつがイタズラしたんだって」


伊「それでも、誰が家の中からインターホンに応答したんだよ・・・」

俺達はまた固まって、伊藤君の家を見る。








玄関の扉にある郵便受けが、ゆっくりと開いているのが見えた。

最初に伊藤君が逃げた。

続いて友達が逃げた。


玄関の扉が少し開いたのを見て、俺も逃げた。


その後は人通りの多い公園で休んだ。


門限の時間になるまで、黙ってみんな一緒に居た。


みんなが帰って伊藤君のお母さん達が帰る時間まで、
俺は伊藤君と一緒に居た。


それからは、伊藤君の家には行っていない。


数年後、伊藤君は登校拒否になってしまった。


彼と最後に会った時には、ゲッソリと痩せていた記憶がある。









posted by kowaihanashi6515 at 14:21 | TrackBack(0) | 洒落怖

某温泉地の宿【怖い話】




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静岡県の某温泉地へ行った時の話。

法事がてら、彼女を連れて実家に近い静岡県の某温泉地へ行った。


ほぼ飛び込みで宿を決め、夕食朝食が付いて2万6千円。


飛び込みだとこんなもんかね?と思いながら、
部屋へ通してもらったら大きな部屋で驚いた。


リビングで12畳、襖で区切った寝室が別に8畳はある。

部屋風呂も檜造りで立派。


これは安いねぇと、部屋は古めかしいけど
何か威厳があるという感じで、早速大浴場でのんびり。


夜になって晩飯の部屋食を頼むと、凄く豪華。


新鮮な魚介に、何とか牛の鉄板焼き、お酒も何本か付いて、

「ここ良いんじゃない?絶対穴場だよ。大成功だね」

と2人して宴会。

酔っ払ってから部屋風呂で2人でうふふ。


襖の奥の寝室に移り、並んだ布団に2人並び、
電気を消して深夜テレビを見ていた。


そのうちに彼女が寝息を立て始め、俺もまどろみながらテレビを見ていて、
いつの間にか寝入っていた。








しばらくした頃、ふっと目が覚めた。


多分、真夜中。

障子を通した月の薄明かりだけで、辺りはほぼ闇。


テレビはスリープにしていたわけでもないのに、いつの間にか消えている。


彼女が消したのかな?


今何時?と携帯で時間を見ようと、手探りで枕元を探した。

すると、何か音がする。

「フーッ、フーッ」

と荒い息遣いのような音。

彼女が変ないびきをしている、なんて思いながら携帯を発見。

時間を確認すると、夜中2時少し過ぎ。


まだ寝れる、なんて思いながら、画面の明かりで彼女の顔を見ると、
彼女は起きていた。


携帯の明かりで微かに見える彼女の顔。

なんと、目を見開いて歯を剥いて笑っている。


さっきの荒い息遣いは、剥いた歯の間から漏れる彼女の息の音だった。


え?!と俺はパニックになりながら、彼女に

「大丈夫?どうしたの?」

と起こそうとすると、彼女は顔をこちらに向けたまま何かを指差した。


首だけをゆっくりとそっちへ向けて見ると、いつの間にか襖が開け放ってある。

奥のリビングはさらに真っ暗。


そして、彼女の指差した先に携帯を向けると、鴨居から首吊りの輪っかを作った
浴衣の帯らしきものがぶら下がっていた。


え?!何これ?どういうこと?!


もう俺は、頭の中で今起こっていることを処理出来ずにパニック。

身動きも出来ない。

彼女は相変わらず目をギラギラさせて満面の笑み。


そして、口だけを動かして小さな声で何か言い出した。


「使え、使え、使え、使え・・・」


オカルトは好きだけど怖がりな俺は、
脳が状況を処理出来ませんとばかりに昏倒。

そこから先の記憶は無い。

そして、微かに聞こえるテレビの音で目が覚めた。

同時に飛び起きた。


あれは夢だったのか・・・。

襖は閉じてあるし、変な帯もぶら下がっていない。

テレビもつけっぱなしだった。


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やっぱり夢か、良かった、と安堵した。

彼女はまだ寝入っている。


でも何か、顔がグチャグチャになっている。

とりあえず起こそうと彼女を揺すった。

すると、ビクっと体を揺らせて起きた彼女。


恐れと不信の入り混じったような顔で俺を伺っている。


「どうしたの?大丈夫?」

と言うと、恐る恐る話し出した。


昨日の夜、とても怖くて不思議な夢を見た、と。

夜中にふと目が覚めると、俺が布団にいなかった。


枕元のランプを点けると、暗い部屋の中で鴨居に帯を掛けていて、
まるで首を吊るような準備をしていた、と。


彼女は驚いて、

「何してるの?」

と声をかけたら、
振り向いた俺が満面の笑みで

「ほら、準備出来たよ。これを使いな」

と言ったという。

その話を聞いて、飛び上がるほど驚いた。


でもあえて、俺の夢の話は彼女へは伝えなかった。


2人で同じような夢を見たということが分かると、
何らかの呪い的なものを受けたような気がするから。

「怖い夢を見たんだね。よしよし。大丈夫」

と慰め、

「とりあえず朝食を食べに行こうか」

と部屋を後にした。


が、2人ともあまり朝飯に手を付けないまま、食堂を後にした。


部屋に帰る途中にあったレセプションカウンターで、

「すみません。僕らが泊まってる部屋って、 首吊りとかあった部屋ですか?」

と仲居さんの一人に訊いてみた。


もちろん言葉を濁されたけれど、
チェックアウトの時に何故か宿泊代が6千円引かれて安くなっていた。


細かい部分を端折ってしまいましたが、実話です。


静岡県の某温泉地にお泊りの際はご注意を。


部屋は素敵だし、料理も豪華で美味ですが、

無理心中する可能性もございます・・・。







posted by kowaihanashi6515 at 00:10 | TrackBack(0) | 洒落怖

2018年03月14日

山奥の廃墟【怖い話】





今まで生きてきた中で一番怖かった体験を話したい。


もう10年以上前の出来事になるが、当時の俺は都内で学生をやっていた。


地元はとある田舎だが、その地元には気心知れた友人が何人かいて、
休みになると地元に帰っては朝まで飲んだりナンパしたりコンパしたりと
楽しい時間を過ごしていた。


そんな夏休みの最中だった。


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いつものように友人達と夜中に遊んでいて、
引っ掛けた女達とカラオケをやって盛り上がっていたが、
女達はカラオケが終わると「次の日バイトがあるから〜」とかで帰ってしまった。


暇になった俺達は、誰ともなく
「じゃあ、肝試しでもやんねぇ?」という話になり、
山の上にある廃墟と化した別荘に行くことになった。


今だったら絶対に行かないが。


男だけで肝試しって何が楽しいやら・・・。


でも当時は車の免許も取ったばかりで、何をやるにも楽しかった。



その別荘は今では取り壊されてしまって無くなったが、
地元ではかなり有名な所だったらしく、『誰それがそこで殺された』だとか
『夜中に窓から女が覗いている』だとか、色んな噂が流れていた場所だった。


まあ、俺は特にそこで何があったのかとか全然知らなかったし、
一緒に行く友人が4人もいたのでかなり余裕な感じで振舞っていた。


初めて行く場所だったし、怖さよりウキウキ感の方が強かったのだろう。

カラオケで大分時間を過ごしていたので、そこに到着したのはもう深夜0時を回っていた。


そして着いてビックリ・・・。


「なんでこんな山奥に別荘があるの?」という感じで、周りには何も無い。

試しに車のヘッドライトを消してみたら本当に真っ暗で、
”暗黒”というのはこういうことを言うのだろうと思った程だ。


かなりビビってはいたが、仲間もいるし廃墟の中に入ってみることになり、
皆でバリケードをブチ壊して中に。

中は埃とカビ臭く、割れたガラス等が散乱していて雰囲気を醸し出していた。

珍走団も来るらしく、”誰々参上”等とスプレーで書いてあり、そっちの方でもかなりビビっていた。



まあでも、俺はからっきしダメだが、
友人の中には格闘技をやっている奴もいたので、
かなり大人数じゃない限り襲われても平気かな、みたいな感じもあった。


幸い珍走団も来ず、しばらく廃屋の中で探検や何かを物色したり壊したりと、
色々やって遊んでいたがしばらくすると飽きてしまい、俺達は車に戻った。



そして車に戻る際、
運転手の友人がドアを閉めた時に肘がドアロックに当たり、
偶然にも全ドアにカギが掛かった。


俺は助手席だったのでそれを見ていたが、後にこれが俺達を助けることになった。








その後はその場から離れず、
エンジンをかけたまま車内で音楽を聴いたり会話を楽しんでいた。


しばらくすると山頂付近から光が見えた。


どうやら車らしい。


「こんな夜中に山から下りてくる車って何だよ?」


俺達にもちょっとした緊張が走る。


今まで散々不法侵入して遊び倒しているから逃げようかとも思ったが、
何故かその時の車内の雰囲気が「友達同士舐められたくねぇ」みたいな感じで、
誰も逃げようと言わなかった。


そして、あれよあれよという間に車が目の前までやって来た。

一本道だったので当然の成り行きだが、何故かその車はタクシーだった。


「今の時間に山頂で何を?」

「こんな山奥に何故タクシー?」

そう俺達は思った。


そのタクシーは俺達の車の数十メートル後ろで停車すると、
後部座席から二人を降ろし、そのまま俺達の車を追い抜いて行ってしまった。


人が降りたので、「やべぇ、ここの別荘の持ち主か?」と思っていると、
タクシーを降りた二人はしばらく俺達の方を見た後、
ゆっくりとこちらに向かって来る。


しかも、一人は女らしい。

真っ赤なワンピースを着ている。

もう一人は明らかに男でスーツ姿だった。

年齢は全く分からないが40前後と感じた。

顔も暗くて良く見えない。


俺達は微妙に非現実的な出来事に、呆気に取られていたと思う。


そんな俺達をよそに二人は車に近付き、男が運転席側、
そして女が助手席側に回り込むや、いきなりドアを引っ張りだし、
物凄い勢いで俺達の乗る車の中に進入しようとしてきた。


「ヤバイ!!!」


先に述べた通り、偶然カギが掛かっていた為にドアは開かない。

でも彼ら二人はそんなのもお構いなしに、
ドアを半端ないくらいガチャガチャとやっている。


ビビるしか出来ない俺達。

車も凄い勢いで揺れている。


正気に戻った誰かが「逃げろ!!」と叫ぶと、
運転手の友人はすぐさま車を発進させた。


「うぉー!怖ぇー!!」

・・・・・・

・・・・・・

車の中は大騒ぎ。

気が付くと、皆が恐怖のあまり泣いていた。




近くのファミレスに車を止め、
皆で「なんだったんだ、アレ?」みたいな事をギャーギャーと話した。


「一番涙目になってた奴は誰だ?」

「俺じゃねぇよ!」

「お前が一番涙目だったわ」

・・・・・・

俺は友人達がバカで明るい奴らで助かったと思った。

大分落ち着いてから格闘技経験者でイケイケの友人に、
「なんでお前出て行かなかったの?」と訊いてみた。

こいつはかなり気性が激しい奴なので皆が不思議がったのだ。


ちなみにこいつが運転手。

そいつはドリンクを飲みながら一言。


「たぶん俺じゃ勝てないから・・・」


「おぉ?いつも自信満々なのに今回はえらく控え目だねぇ」


誰かが茶化す。


するとそいつはムキになり、

「あのさ、俺の車1トン以上あるんだよ?
ドア引っ張るだけでなんであんなに車が揺れるんだよ。あいつら力半端ねぇよ。
・・・つか、お前らあいつらの顔、見てねぇのかよ?目がな、
ヤバ過ぎてとても出て行けねぇって。だって黒目しかねぇんだもん。
アレ、絶対人間じゃないよ」

男女の顔を良く見ていない俺達は、その言葉にガツンと落とされた。

彼は嘘を言うタイプの人間ではない。

そうしてファミレスで朝まで過ごした。

今だから言えるが、あの時に俺は涙は出なかったが小便が少し出ていた。


人間は本当の恐怖を味わうと、小便を漏らすことをその時に初めて知った。











posted by kowaihanashi6515 at 14:26 | TrackBack(0) | 洒落怖

2018年03月13日

地図から消された家【怖い話】




昭和初期の古い一軒家の話。


実際に今でも世田谷に、国の重要文化財としてあるらしい。

その一軒家に住む家柄は、官僚家系のエリート。

家族は五人。

祖父と主と妻、子供二人。


ある日のこと、

イタズラ電話が頻繁にあるようになった。

娘二人はすでに嫁いでいて、家には祖父と主と妻の三人。


(少し日が過ぎて・・・)








家が寝静まる夜中に、何十回も鳴るようになっていた。
内容は無言電話。


主はそのうち、イタズラ電話が掛かってくると受話器を外して床に置き、
それ以上に掛かってくる事を拒んだ。


また日が過ぎ、
いつものように無言電話が掛かってくる。

主は受話器を床に置く。

そして、そのまま寝床に就こうとした。

・・・すると、

受話器からボソボソと話す声が聞こえる。


これは!?と思い、主は起きて受話器に耳を近付ける。

また無言に戻っている。


それが数日続いた。


ボソボソと喋る声は、主が受話器を手に取ると押し黙る。


気味が悪くなった主は、渋々電話番号を変えてみたり、
電話局や警察に連絡したりと、

イタズラ電話の相手から逃れようとした。


しかし・・・何をしても、毎日夜中に黒電話は鳴り続けた。

この世のものではない者の仕業か?と疑い、

精神的に参ってしまった主は、祈祷師に御祓いを頼み、
霊的事象を信じるまでに至った。


が、主の思いとは裏腹に、何をしても一向にイタズラ電話は止まなかった。

精神を病んだ家族は、その家を売り払う事に決めた。

由緒正しい家柄で、家屋にもそれなりの価値がある。


これは当時の価値観からして、辱(はずかし)めを受ける事と同義だった。

が、背に腹は代えられない。


しかし・・・


それが決まった数日後から、電話は嘘のように鳴り止んだ。


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そしてその数日後、実家近くに住む娘が亡くなった。

旦那による撲殺であった。

夫婦仲は良くなかったと聞いてはいたものの、そのような事が起こるとは・・・

信じ難い悲劇であった。


そして警察の手入れの後、娘の遺書が見つかったとの報告。

主は娘の遺書を警察から受け渡された。

が、その内容を見た瞬間、悲しみのどん底に落とされた。

あのイタズラ電話は娘からであった。

『助けてほしい』

『助けてほしい』

『助けてほしい』

・・・・・・

・・・・・・

そういった願いが、その遺書には書き綴られていた。


イタズラ電話の犯人は分かったが、それが娘であったとは。

(幾月か過ぎ・・・)

悲劇から立ち直った主は、変わらずにその古びた家屋で生活していた。


そしてある日、またも無言電話が鳴ったのである。

それは以前に亡き娘が掛けてきた、あの無言電話と全く同じ時間に。

同様の手口で掛けられてきた。


これは悪質で陰湿な嫌がらせだ!主はそう思った。

主は無言電話が掛かってくると、
以前にもそうしたように受話器を床に置く。

そうしてやり過ごす。

が、驚いた事に・・・
娘がした時と同様に、受話器を床に置くとボソボソと話す声が聞こえる。

相手は娘でないのは分かっている。

娘は死んだ。


この事件を知っている者の、悪質な嫌がらせだと思っていた。

当然そう思うだろう。

主は当時最新の録音機を手に入れていた。

・・・そう。

それを使い、ボソボソと話す声を録音してやろうとの企みだ。


いつものようにイタズラ電話が掛かってきた。

主は床に用意しておいた録音機の電源を入れ、
録音を開始したのを確認して受話器を横に置いた。


寝床に就くと、ボソボソと話しているのが聞こえる。

次の日に確認するのが待ち遠しかった。







翌日、主は録音機を再生した。

そこから聞こえてきた声に、主は恐怖して慄(おのの)いた。

そんなはずはない。

そんなはずはない。

気が狂いそうだ。


その後に主はその家を売り払い、今に至る。

家主は頻繁に変わっていった。


そこに住んだ者は皆、この黒電話のイタズラに悩まされたそうだ。

噂によると・・・

その家の内装を新しい物に変える際、
その黒電話のあった場所の下の床を剥ぐと、

女性のものと思われる長い髪の毛が大量に発見されたそうだ。


その髪の毛が一体誰のものなのか、今でも不明らしい。


内装工事は中止され、
現在その家屋は国の重要文化財としてひっそりと保存されている。

そして・・・その家の場所は、地図から削除されているそうだ。










posted by kowaihanashi6515 at 14:25 | TrackBack(0) | 洒落怖

2018年03月12日

変わり果てた姉【怖い話】






友人らと宅飲みをしていた時の話

オカルト好きな伊藤(仮名)が「怪談大会をしようぜ」と言って、
それぞれが知っている話をしていた時に伊藤から聞いた話だ。


伊藤は話をする前置きとして、

「これは俺の知り合いから聞いた作り話なんだが……」

と言って話し始めた。


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とある県のさらに田舎の集落に住んでいた男の子の話だ。


その子には祖父、父、母、姉の四人の家族がおり、
それ以外に家には女中が三人と、寝泊まりしているわけでは無いが
隣に住んでいる分家の男二人、つまり親戚がいつも祖父についていたそうだ。


ここまで聞くとわかると思うが、男の子の家はその辺りでは
知らない人がいない名家だった。


名家にはよくある事なのかもしれないが、
その家では家長である祖父が絶対だった。


母はよそから嫁いできた人間だからかそれ程ではないが、
父や分家の人間は誰も祖父に口答えせず、話す時も敬語だった。


そんな家で育った男の子が十五歳になった時、
いつもは学校が終わってすぐ帰るはずの姉が、
夕飯の時間になっても帰って来なかった。


その家では夕飯の時間は決まっており祖父が席につく前には
皆が先に席について待っていなくてはならなかった。


しかし姉は一向に帰って来ず、
横にいた母は心配なのかとてもオロオロとしていた。


そしてついには、分家の男を連れた祖父が来てしまった。


空席を見た祖父は入り口で立ち止まり、
父に向かってどういう事だと冷たい声で言った。


父は緊張した面持ちで、姉が帰って来ていない事、連絡もつかない事を告げた。


すると祖父はしばらく考え込んだのちに分家の男達に何事か伝えると

「お前達はここで待て」と言って出て行った。


待てと言われた残りの家族は言われた通り待っていた。

母は相変わらずオロオロとしており、父に何か話していた。


二時間程経っただろうか、

玄関の方から父の名を呼ぶ分家の男の声がした。


その声が怒鳴り声に近かった事もあり、何事かと家族全員で玄関に向かった。


そこには祖父と分家の男二人と分家の人間が数名、そして変わり果てた姉が居た。


姉は顔面を酷く殴られたように変色しており、服は破かれ、表情は虚ろだった。


母はそれを見て卒倒し、父は驚いた顔をし、
卒倒した母を支えながら姉の名前を呼んだ。


男の子はほぼ裸に近い姉がどういう目にあったのか察していたが、
信じられずに唖然としていた。


祖父は女中に姉を預け、何事かつげると父を呼び、
分家の男達を連れて奥の間へ消えて行った。


男の子は倒れた母に付き添いしばらく茫然としていたが、
女中に促され自室へと戻った。







その後、

女中が食事を持って来たが食べる気にはならず、
眠る事もできず、朝が来るまで考え事をしていた。


姉と男の子は一つの部屋だったが、その日に姉は戻って来なかった。


朝になり、男の子は母の部屋へ向かった。

部屋へ入ると母は姉を寝かせており、声を殺して泣いていた。


部屋に来た男の子に気づいた母は男の子を抱きしめ、姉が辛い目に遭い、
おかしくなってしまったと言った。


その声に気づいたのか姉が起きて男の子と母を見た。


その目は虚ろで、普段しっかりしていた姉とは思えないもので、
男の子が姉を呼んだ

が返答もせず、ブツブツと何か言って再び横になった。


母はそれを見て泣き崩れてしまい、
男の子はそこにいるのが苦痛になり部屋へ戻った。

しばらくして父が来た。

そして、
姉の事は誰にも言うなと告げると出て行った。


その後も姉はよくならなかった。


家族の呼び掛けにも返答せず、ただ虚ろで時折何か言っていた。


そんな状態で一週間近くが経とうとしていた。


男の子が夜に奥の間のそばを通ると、母の怒ったような声が聞こえた。

何事かと思ったが、奥の間には普段より祖父と父、
分家の男二人以外は入るなと言われていたので、
男の子は入れずに、その場で聞き耳を立てていた。


しかし、奥の間へは渡り廊下のようなものを挟んでおり、
母の怒鳴り声が微かに聞こえるのみだった。








次の日の夜中、布団に横になっていると父が来た。

父は姉を呼んだが姉は返答せず、
父は姉の体を起こしどこかへ連れて行った。


朝になり、戻って来なかった

姉を気にしていると父から呼ばれた。

ついて行くと祖父が待っていた。

男の子が席につくと祖父が話を始めた。



そこで聞かされた話は、
男の子にとってあまりにもショックだった。

母が姉を連れて出て行った。
二人の事は忘れろというのだ。


男の子はあまりのショックにその後の事はよく覚えていないが、
あんなに優しかった母が姉だけを連れ、自分を置いて出て行った事を知り、
裏切られた気分になった。


後で女中から内緒で預かったという母の連絡先を渡されたが、
裏切られたと思っていたので連絡しなかった。


それから男の子はグレた。


今まで祖父や父からやるなと言われた事をあえてやった。

父からは殴られたが一向にきかず、完全にやけになっていた。


それから一ヶ月程経ち、部屋から外を見ていると、
庭先で袋を持った分家の男が蔵に入って行くのが目に入った。


蔵は子供の頃から近づいてはだめだと言われていた。

グレていた男の子は、蔵を荒らしてやろうと考えた。

蔵には鍵がかかっているが、
幸い男の子は鍵が仏間にある事を知っていた。


夜になり、仏間から栓抜きのような鍵を持ち出すと、
家の者に気づかれないよう蔵へ向かった。


蔵の鍵を開け、中へ入ると埃っぽかった。


暗かったが、タバコに手を出していた男の子は

ライターを取り出し周りを確認した。



中には農具と思われるものや、謎の道具が沢山あった。

奥へ行くと、床にそこだけ埃が少なく、よく見ると取っ手がついた扉があった。

男の子はなにも考えずに開けたが、そこには下に続く階段があった。

男の子は降りてみる事にした。


降りるとそこは想像以上に広く、上とは違い物がほとんど無く、
ランプのようなものが壁についており明るかった。

前へ進むと途中から道が狭くなっていた。

その狭くなった道に差し掛かった所で男の子は固まった。

そこには座敷牢があり、中には人がいた。
それはまさしく姉だった。

男の子は姉を見て驚いた。


姉の名を呼んだが、姉はこちらを見て怯えている様子だった。

男の子がしばらく姉に呼び掛けていると、

ドアアアアアアアアア!!

ヒャアアアアアアアアア!!

といった叫び声がすぐそばで聞こえた。

男の子は腰が抜けそうになりへたり込んだ。


声の主はすぐにわかった。
隣にも座敷牢があり、そこに髪がぼうぼうで毛だらけの男がいた。


毛だらけ男は男の子のほうをじっと見ており、ウオオオオオと騒いでいた。


怖くなった男の子は蔵を飛び出し家へ向かったが、
家の者にバレるのも恐れていたため、鍵の事を思い出し、
戻って鍵を閉め、仏間に鍵を戻し、自分の部屋へ戻った。


蔵の地下にあんな場所があった事、姉がいた事、毛だらけの男の事、
分家の男は二人の世話をしに行っていたのか等を考えていたが、
答えは出なかった。


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ふと母親の連絡先の事を思い出した。


母なら何か知っているだろうかと思い、
連絡先が書かれた紙を持って家を飛び出した。


家から十分ほど離れた公衆電話まで来た。
そこで書かれた連絡先に電話をした。


夜遅い事もありなかなか出なかったが、
しばらくして『もしもし』という不機嫌そうな声がした。

それは母がたの祖母だった。

男の子が自分の名を告げると、祖母は驚いたようだったがとても喜んでくれた。

男の子は祖母の話を適当に切り上げ、母はいるかと聞いた。


祖母が少し待てといって、しばらくすると母が出た。
母は嬉しそうで涙声だった。

男の子は母に、先程見た光景について話した。

すると母は険しい声になり、

『それを家の者に言ったか?』

と聞いた。

言っていないと言うと、絶対言ってはならないと言われた。


それから、母は

『見てしまった限りは教えたほうがいいね』

と言ったが、

その場では長くなるからと話さなかった。



そして母は、あの家は異常だから男の子も危ない、
母親と一緒に暮らそうと提案してきた。

男の子は嬉しかった。



すぐに提案を受け入れると、母はその後の段取りについて説明した。


母は自分の実家へおり、そこへ男の子を呼びたいが、
跡取りを連れて行かれたら祖父は必死に探し連れ戻しに来るだろうから、
二人で別の所に住もう。



住む所の準備に少しかかるが、こちらから連絡しても取り次いでくれないから、
一週間後に家から少し離れた寺で待ち合わせよう、との事だった。


男の子が分かったと伝えると、母は気をつけてねと言って電話を切った。


男の子は戻りたくなかったが、
母との計画を前に問題を起こしたく無かったため、仕方なく家に戻った。


その日から男の子は部屋へ閉じ籠った。

学校にも行かなかったが、父や祖父はもはや何も言わなかった。


そして、母との約束の日が二日後に控えた時だった。

夜中に父がやってきたのだ。


父は男の子の名前を呼んだが、男の子はそれどころでは無かった。

父は子供にあまり興味の無い人で、部屋へ来る事はほとんど無く、
それも夜中に来たのは、前回姉が連れて行かれた時だけだった。


男の子は自分もあそこへ入れられるのだと直感した。


今まで自分は跡取りだから馬鹿をやっても大丈夫だろうと思っていたが、
そんな考えは今の状況では完全に頭から消えていた。


父は返事の無い男の子に近づいて来た為、男の子はあわてて返事をした。
そうすると父は来いとだけ言った。

焦った男の子は考えた。トイレから逃げよう。


男の子はトイレに行きたいから先にトイレへ行かせてくれと言った。


父は渋っていたが、何度も言うと了承した。


男の子はトイレに行くと鍵を閉め、音がでないようそっと窓を開けた。

幸いな事にトイレの窓はかなり大きかった為、すんなり抜け出せた。

外に出ると男の子は正門へ向かった。


しかし、そこに人の気配がし、陰から覗き込むと分家の男たちがいた。

男の子はゾッとした。


分家の男たちが、おそらく父と男の子を玄関前で待っていたのだ。

男の子は正門を諦め、裏門へ向かった。


途中裏門にも人がいたらと思い泣きそうになったが、幸い人はいなかった。

裏門を出た男の子は走った。

とにかく家から離れなくてはと無我夢中だった。


途中にある田んぼ道は障害物が何も無く、
遠くからでも丸見えだった為、見つかる事を想像して気が狂いそうだった。



夢中でしばらくの間走り、隣町まで来た所で男の子は母親へ電話した。
紙はあの時から肌身離さず持っていた。


母が電話に出て、男の子が息を切らしているの聞き、
我が子の緊急事態を察したのか、

『どこにいる?すぐに迎えに行く!』

と言って場所を聞いて切った。







しばらくして母が車で来て、男の子を車に乗せるとすぐに発車した。

車には運転をしている母の兄(叔父)と母の父(祖父)も乗っていた。


男の子は安心し、母に抱きしめられたまま眠ってしまった。


気がつくと母の顔が見えた。
布団が掛けられ寝ていたようだ。

起き上がり当たりを見ると、どこかのマンションかアパートのようだった。


母は、

「これからはここで暮らすのよ。ここは今までの家がある所とは
 かなり離れている所だから、祖父達に見つかる事はないから 安心して」

と言った。



その後、
母は父から色々と聞いていたようで、姉や毛だらけの男について話してくれた。


あの場所は、あの辺を仕切っていた先祖が、
犯罪者や時には自分に従わない者を閉じ込めていた場所である事。



姉は恐らく祖父に怨みを持った人間から、暴行を受けて精神を病み、
それをよしとしない祖父があそこへ閉じ込めた。


母は姉を助けようと祖父に詰め寄り、家を追い出されたとの事。


毛だらけの男については母は存在を知らなかったようだが、
考え込んだ後、分家に行方不明になった人がいたと聞いた事があるので、
その人じゃないかとの事だった。


また、母は姉を助けたいが、祖父達はそれを絶対に許さず、
警察にも繋がりがある祖父なので、警察に訴えても動いてくれないばかりか
立場が悪くなるであろう事を話し、男の子を抱きしめて泣いた。


それから十年程が経った。


母と暮らし始めた当初は、
母の実家にも祖父の使いが押しかけてきたりしたが、
今では諦めたのか何事もない。


あれからずっと男の子は、姉をあんな状態で放って
自分は母と幸せに暮らしている事に負い目を感じていたが、
最近になって母の実家から(父がたの)祖父が亡くなったらしいとの連絡を受けた。

「それを聞いた男の子は どうしたと思う?」

と言った所で伊藤の話は終わった。







俺達は姉を助けに行ったんじゃとか言った後、
伊藤に顛末を聞こうとしたが、知らないと言って笑っていた。

なんだよーと当時は二人でブーブー言っていたが、
最近になって伊藤の家に遊びに行った時に、伊藤の家が母子家庭である事を、
ちらりと伊藤のお母さんが言っているのを聞いた。


そしてあの時の話を思い出し、
あの男の子は実は伊藤なんじゃないのかと思った。

考えているともう一つ気になる事があった。


伊藤は自分で、今の家があるX県の出身だと昔から言っていた。


しかし、驚いた時に「あきゃっ」と言ったり、酔っぱらった時のイントネーションが、
X県地方では聞いた事がないようなものだった。


酔っ払った勢いで一度だけ聞いたが、笑って否定された。


それ以降はその話は一切聞けないでいるが、
俺は今でも伊藤があの男の子だったんだと信じている……











タグ:田舎 集落 人怖
posted by kowaihanashi6515 at 19:22 | TrackBack(0) | 人怖

2018年03月09日

そこに近付くと死人が出る【怖い話】




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実家に居た頃の話。

実家のある町内会では、毎月一回くらい集まって地区の道路を掃除したり、
皆で酒を飲んだりする日がある。


その日は、遥か昔からある為に何を奉っているかも分からない
神社だかお寺を掃除する日だった。


町内会の爺ちゃん婆ちゃん達は何故かそこには近づかないので、
その息子たちの世代(俺の親父の世代)が半年に一回くらい掃除をする。


でも、そこの一ヶ所のU字溝の付近だけは、いわくつきと言うのか、
「近づいたら死人が出る」と言われていた。


けれど、親父達の世代はそんなの年寄りの迷信だと思って、構わず掃除していた。








すると、昼間は元気だった近所のおじさんが、その夜に突然亡くなった。

自宅の風呂場で亡くなっていたから警察も来たけれど、
死因は脳梗塞かなんかだと言われていた。


ただ、昼間は凄く元気で健康そのものだった人が急に亡くなったし、

“その人があのU字溝を掃除していた人だった”から、
しばらくはその噂で持ちきりになった。


それからは色々とあって掃除はなかったが、
数年後にまたそこを掃除する日が来た。


年寄り達は反対だったらしいけれど、神聖な場所ではあるだろうから、
U字溝を避けてやることに決まった。


けれど、やっぱり迷信だと言って気にしない人もいるわけで、
U字溝を掃除してしまった人がいた。


その時は、「ヤバイよ」と言う人もいたが、

「笑い話になる」と言う人達が多くて、
実際に気にする人はほとんどいなかった。


でも次の日の昼間、掃除した人が農機具に巻き込まれて亡くなった。

吸い込まれるように刃の中に潜っていったそうだ。


そんなこともあってさすがに何かあると思ったけれど、
知っているかもしれない年寄り衆もほとんど亡くなっていたし、

この科学の時代に怖いとは思っても本気で信じる人はいなかったらしい。


同世代が二人も亡くなって、
「さすがにあそこは避けよう」
ということになり、次の掃除の時は近付く人もいなかった。


掃除も順調に進み、伸びてきた木をうちの親父がチェーンソーで切っていたら、
足場にしていた太い木が急に倒れ、

木から落ち・・・・・・ていたら大惨事だったんだけれど、
近くにいた親父の友人が下から支えてくれて事なきを得た。








しかし、親父の友人が親父を支えた場所が問題で、
その場所は掃除しないようにと蓋をしたU字溝のちょうど蓋の上だった。

そこにいた皆が、
「これはマズイぞ・・・」
という空気になったけれど、蓋の上からだったし大丈夫だろうと思っていた。

でも次の瞬間、下から叩いてるような音と共に、
U字溝の蓋が2〜3回上下に動いた。


大人二人を乗せたままU字溝の蓋が上下に動いたもんだから、気味悪くなって

「掃除はそこまでにしてもう解散」ということになった。

帰りは皆が無言だった。


親父の友人が亡くなったのは次の日の昼間だった。

釣りに行って海に落ちたそうだ。

一緒に行った人達は、
「普通に会話してたのに、 急にフラつきながら海に落ちたからビックリした」
と言ったそうだ。


親父は一緒に行った人達に、
「何ですぐに助けなかった!」と食ってかかったけれど、

海に落ちた時にはすでに亡くなっていたそうで、助けようがなかったという。

親父いわく、
「今年は震災で掃除はなかったけれど、今後掃除があってもあそこには
行きたくない」とのこと。


以上が地元で実際にあった、心霊現象なんか信じない親父の体験した話。











posted by kowaihanashi6515 at 13:08 | TrackBack(0) | 洒落怖

2018年03月08日

負けず嫌いな母の幽霊【笑える怖話】




お盆で帰省した時の話。


死んだ両親の生前の好物を仏壇に供えた日の夜、両親が枕元に現れた。
(私は寝ながら本を読んでいました)



お盆恒例と化しているので恐怖とかはなく、
いつも「ああ、おかえり〜」と言うと、
その言葉にニコニコしてスッと消えるのがお決まり。


だが、今年は父が変な表情をしていて、
隣の母がその父を肘でガンガン小突いて何か言わせたい感じだった。


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しばらく眺めていたが、消える気は無さげだし、
母に小突かれまくりの父が段々と不憫になってきたので、
「なんか言いたいん?」と尋ねてみた。



すると、父が口を開きかけたのだが・・・



『あうあうする』

『目が泳ぐ』

『もじもじする』

『母に激しく小突かれる』


を10分くらい繰り返し、私もしばらくそれに付き合った。


が、いい加減イラついたので、
「お父さんがよう言えんなら、お母さん言えや!」と母に言うと、
母が父の脇腹に本気の肘入れをした後に、
「お供えのお菓子に飽きたから他のにして欲しい」と言い難そうに呟いた。


何が希望か訊くと、「今の流行りものがいい!」と子供のように目を輝かせる母。

横の父は「俺は今のがいいんだけど・・・」と呟いたが、母の肘が入り、再び沈黙。

何がいいか具体的に言えと促すと、「まかせる。でも○○ちゃんに負けたくない」と、
意味不明な発言をする母。


詳しく訊くと、どうやら幽霊仲間にお供え物自慢をされたらしく、
負けず嫌いの母は悔しい思いをしたようで。


「今年は勝ちたいの」と半泣きされたので、
友人に土産でもらった生キャラメルをお供えしました。


正直なところ、生キャラメルもピークは過ぎた気もするが。


しかし、毎年お盆に会っていて初めての会話がこれってどうなのよ・・・。


うちの両親は死んでもなお呑気です。









2018年03月06日

長い髪の毛【怖い話】



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ちょうど一昨年の今ぐらいの時期なんだが、
大学のサークルの友人Aが、「引っ越しをするので手伝ってくれ」と言ってきた。

お礼に寿司をおごってくれるって言うのと、
Aには世話になっている事もあって、俺は二つ返事で了解した。


引っ越し当日、現場には俺とA、そして同じくサークルの友人のBとCの男4人で、
引っ越し作業を片付けた。


Aの引っ越し先は、2階建てアパートの1階の角部屋で、
玄関を入ると左に風呂とトイレ(風呂とトイレは別々)で、右にキッチン。
正面に木枠にガラスがはまってるドアがあって、10畳の部屋があるという間取りだった。


その日の夜は、4人で酒を飲んで、寿司を食いながら適当にダベって、床にザコ寝して、
次の日の朝に、B、Cと一緒に電車で帰った。


その帰り道にCが、
「Aの部屋って、すぐ隣の建物が神社だったよな。もしかして・・・出るんじゃねーの」
とか、ふざけて言っていたのを覚えている。

まあ、覚えてるっていうか、忘れられなくなったと言うのが正しいか・・・








Aが引っ越して一週間くらい経った頃、学食でAとBと飯を食っている時に、
BがAに「新しい住まいはどーよ?結構いい部屋だったよなー」と聞いた。

するとAは、
「うーん。まあ部屋は広いし駅も近いし、悪くはないんだけど・・・」と、
何か言いたげな感じで言葉を濁したのが気になって、
俺は「なに。なんか変な事でもあるんか?幽霊とか」とか、
冗談めかして言ったんだよ。


そしたらAが、「いやー、なんか長い毛が良く落ちてるんだよね」って言ってきたんで、
「どうせ女でも連れ込んでんだろコノヤロー」とか、
「外でくっついてきてんだろ」とか、
俺とBはあまり真剣に取り合わなかった。
(ちなみにAは、女を連れ込んではいないと言っていた)


自分以外の毛が落ちてたって、普通そんな気にすることでもないからだ。
Aも「まあそれ以外なんもないし、やっぱたまたまかもな」と思い直したようで、
その日はそれで、Aの部屋の話は終わった。


それからしばらくAは普段通りだったが、
二週間くらいが過ぎてから、妙に疲れているというか、
やつれてきてるように見えるようになった。


ちゃんと大学には来ているから、病気って事もないだろうし、
何か悩みでもあって眠れないとか、そういう事かもしれないってんで、
BとCと一緒にAを飲みに誘って、話を聞いてみる事にした。


飲みながらAに「何かあったのか」と聞くと、Aが、

「言っても信じてもらえるかどうかわからないけど・・・
 前にお前(俺の事)とBに、髪の毛が落ちてるって話したじゃん?
 んで、最初は外でくっついてるとか、そんなだろうって思ってたんだけど、
 どうにもおかしいんだよ。

 外でくっついてるなら、長さとかってまちまちだろ?
 でも落ちてる毛って、どうも同じような長さのものばっかなんだよ。

 しかも、くっついてるとかなら、床に落ちてるのが普通なのに
 コップの中とかトイレとか風呂場とか、とにかくどこにでも落ちてるんだぜ?
 それに、段々毛が落ちてる頻度っていうか、量が増えてきてるんだよ。
 それで、もうなんか気になって気になって、家にいても怖くて落ち着かないんだ」
って話だした。


俺とBは半信半疑というか、そんな変な事をすぐ信じる事もできなくて、
「きっと偶然が重なって、疑心暗鬼になってるんじゃないのか」とか言ってたんだが、
Aは「いや、そんなんじゃないんだよ。マジでおかしいんだって」って真顔で言い張る。

そしたらCが、
「それなら、これからAの家に行って見てみようぜ」って、
好奇心丸出しな感じで言い出してきた。


Aも「そうだな、見てもらった方が早いわ」って言うから、
4人で飲み屋を出てAの家に行った。


Aの家についた俺達は絶句した。

Aの言った通り、流し台、風呂場、トイレ、部屋のそこらじゅうに毛が落ちている。

Aも「・・・家を出る前はなかったんだぜ」って言うからCがまた興味を持ったらしく、
「ちょっとこの毛を集めて、長さとか色とか見てみようぜ」って言い出した。

俺もこの時になって、怖さ半分興味半分で、
「そうだな。同じ毛かどうかくらいわかるかも」って、
Bも促して4人で毛を集めることにした。


10分くらい経ってようやく、目ぼしい所に落ちている毛を集める事ができた。
集めた毛は白い紙の上に置いて、長さや色を適当にチェックしていった。


あからさまに違う長さや、ちぢれた毛(あの毛だ)を取り除いていって、
残った毛をまとめる頃には、何か部屋の空気が重いというか、
うすら寒いものになっていた気がした。


重苦しい雰囲気の中、Bが「・・・同じだよな?」と、全員の顔を見ながらつぶやいた。

確かに長さ、色、手触り等、素人判断ではあるが、同じ人間の毛としか思えなかったので、
俺もAもCも同意せざるを得なかった。


Cが「うわ・・・やばいんじゃねーこれ」とか言い出したんで、Aが弱気になってしまい、
「どうしよう、どうしたらいい?」とかオロオロしだした。


俺は幽霊も見た事がないし、今までそういう体験も無かったので、
幽霊が原因だとか、そういう風に結論づけずに、
あくまで物理的な原因が、必ずどこかにあるんじゃないかと思い、

Aに「そうそう幽霊とかって出ないだろうし、
 こうして毛って言う物質がここにあるんだから、
 絶対原因があるって」
と説得し、Aをなだめることに終始した。


もう夜も遅いし、後日ちゃんと調べてみようという事になり、
俺達は帰る事にした。








部屋のドアを開けて玄関に向かう中に、Bが
「おい・・・ちょっ・・・これ・・・」と、
すごい顔で風呂場の中を指さしているので、中を覗いて見ると、
一握りくらいの毛の束が、風呂場に落ちていた。

それを見た瞬間、背筋に走った悪寒は今でも忘れられない。

4人全員が転がるように外に出て、近くのファミレスに入った。

しばらくして落ち着いてきたので、さっき見た毛について話が始まった。


確かに4人で部屋の中の毛を拾ったはず、
仮に取りこぼしがあったとしても、あんな目に付く毛の束を見逃すはずがない。


と言うことは、俺たちが拾って、帰ろうと部屋を出るまでの間に落ちた、という事。
あの部屋には4人しかいなかったし、外から人が入ってもすぐわかる。


Aは確定的な出来事を目にして、すっかりびびってるし、
BもCも俺も、恐怖と興奮で頭がいっぱいだった。


4人で髪の毛を集めたり、長さを測ったりしてひっかき回したせいなのか、
次の日事態は急変する事になる。


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朝になるまでファミレスで過ごし、
Aはまだあの家に帰りたくないと言うのでBの家に行き、
Cと俺は一旦家に帰り、土曜日で休みなので、
ひとまず寝てからまた集まろうという事になった。


夕方に目が覚めて、しばらくするとBからメールが来て、
『19時にさっきのファミレスで集まろう』という流れになった。

ファミレスで集まった俺達4人は、どうするか話し合い、
とりあえずAの家の様子を見に行く事にした。


Aの家は前日飛び出したまま、外から見ても電気が点けっぱなしなのがわかった。

Aが鍵を開け、ドアを開ける。

ドアが開くまでの瞬間は、
何か身体が浮いているような感じで生きた心地がしなかった。

ドアを開けるとまず玄関に、数本ではあるが毛が落ちていた。
もう誰も何も言わない。

風呂場を覗く、昨日の毛の束があるが、他は変わったところはなかったと思う。
トイレ、台所、廊下には毛があった。
昨日、あれから誰も入っていないはず。しかし毛は落ちている。

俺はもう内心「夢とかドッキリとかじゃないか。むしろそっちの方がいい」とか、
恐怖と興奮で、現実にいるのか夢にいるのか曖昧な感じだった。


とりあえず部屋の中以外はチェックしたので、いよいよ部屋だと言う時に、
Aが「ヒュー」と、空気が漏れたような声(悲鳴だったのかもしれない)を出した。

俺がAに「どうした?」と聞くと、
Aは引きつった顔で部屋を仕切るガラスつきのドア越しに、
部屋の中を指差している。


BとCと俺は、視線を部屋の中に移した。
テーブルの上には昨日集めた毛の束がある。
別に何かいるわけでも何でもない。








俺は「別に何もいないぞ?」とAに言うと、Cが「窓・・・」とかすれた声で言った。

Aの部屋の窓は上半分が普通のガラス、下半分が曇りガラスになっている。
上半分には何もない。夜なので、すぐそこの物干し竿だけしか見えない。

だが下半分。曇りガラスの向こう側にいた、座り込んでいる髪の長い女がいる。

上が白い長袖のようなものなので、曇りガラス越しでも毛の長さがわかる。

もう直感的に、「この毛はこの女のだ」と思った。


今思えば、生身の女だったのかもしれないが(それはそれで怖いが)、
はっきりと幽霊を見てしまった。
あの時、全身の血が足の方に落ちていく感じがした。

4人全員が悲鳴をあげるでもなく、震える足を引きずって、静かに静かに部屋を出た。


その後Aは、引っ越すまで俺達の家を泊まり歩いた。
俺達もあんなモノを見てしまったので、Aを泊める事は暗黙の了解になっていた。

引っ越しの荷物をまとめるために、数回あの部屋に行く機会があったので、
オカルト板で見た『コップの中に日本酒を入れて置いておく』
『盛り塩を部屋の4隅に置く』等を、だめもとでやってみたのだが、
次に部屋に訪れた時、日本酒はかなり白く濁っており、
盛り塩はカチカチになっていた。(これは湿気のせいかもしれないが)


Aは引っ越した後、何事もなく今では普通に生活している。
しかし、部屋に落ちている毛は今でも気になるらしい。


結局、あの部屋のとなりが神社だった事との関連や、
あの女が何だったのかは分からないままです。

まあ、分からない方がいいのかも・・・











posted by kowaihanashi6515 at 00:46 | TrackBack(0) | 洒落怖

2018年03月02日

神社の月祭りで狐に化かされた時の話【不思議な話】







去年の正月から少し経ったくらいに
誘われて神社に行ったんだ。

きっかけはギャンブル好きの友人が仮想通貨で儲けたいってことで、
御利益があるという神社を探してきていて行くことにになった。

車で一時間、他府県の神社だった。


仕事の都合で、神社についた時間は夜7時。

友人は「神様に時間は関係ない」と言っていたが、、、着いてみると


屋台がポツポツ4つくらいあってイカ焼きやポテトが売られている。

焚き火があり、石燈籠にも明かりが灯っていて、
人もまばらではあるが、それなりにいる。


正月から10日くらい経っているのに人がいるんだなと思っていると、
一人の初老の男性が目についた。皿に猫の餌を入れているところだった。


初老の男性は、地域に一人はいる猫おじさんで、
毎日神社の猫に餌をあげているらしい。


友人が
「こんばんは、正月から10日くらいたつのに人が結構いるんですね」
と話しかけていた。


男性は
「今の時期はまだまだ人が来るけど、普段は毎月の月祭り以外は寂しいものだよ」
と言った。

男性は僕らを気に入ってくれて色々な話を聞かせてくれた。


親の大病を神社の神様が治してくれた話 稲荷社の狐が夢に出てきた話


神の使いが狐で、猫とは仲が良く、お互いに犬のこと嫌っており、
犬の臭いがする人間には御利益がないという話


そして、神様に大きな借りがあるため、
毎日神社の掃除と猫の世話をかかさず20年以上しているという話


どの話もおっさんワールド全開だったけど、
猫に毎日餌をやっていることは間違いなさそうだった


最後にお気に入りの写真を見せてくれた
稲荷社の狛狐の足の間から顔を出す猫の写真で、
男性はとてもいとおしそうに見つめていた







神社から帰って何ヵ月か経った頃、
急に神社のことが気になって友人に聞いてみると、

場所をGoogleマップで送ってきてくれたので、行ってみることにした

休みの日に行ったので昼間に到着した。

前回は夜だったが、明るさとは関係なく、景色が全く違って見えた。


石燈籠も稲荷社も何もなく、焚き火をしていた広場もない
小さな社がぽつんとあるだけだった


間違ったかと思ったが、車を止めた場所は同じだし、
駐車場所から間違うような道ではない


不思議に思いながらお参りをして、
車に戻る途中の自販機でジュースを買っていると、一台の軽トラが来た。

挨拶がてら神社のことをたずねてみた

正月には集落の人はお詣りにくるが、それ以外の人は滅多にこないということ


月祭りのことを聞いても、年に一度秋にお祭りをやっていたが、
今はやっていないということ


まさかと思い初老の男性のことを聞いてみたが、

野良猫はたくさんいるけど、そんな人は知らない

猫の世話をするような人がいたら俺たちが知らないはずがないとのこと


今回も他府県ナンバーの見知らぬ車が停まっているので様子を見に来たらしい

前回来たときと余りにも様子が違うので、
軽トラの男性に話を聞いてもらっていると、男性は笑いながら

「狐に化かされたな、そんなときはタバコを吸え、狐が嫌がって離れていくから」

と言う

また、「神社の屋台で何も食べなくて良かったな」と言っていた

彼のお爺さんくらいの時代には狐に化かされることは
あまり珍しいことではなかったという


最近でもたまに化かされて石や毒キノコを食べさせられたりするらしい

全然怖くなかったけど、不思議だったな











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