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2018年03月08日

負けず嫌いな母の幽霊【笑える怖話】




お盆で帰省した時の話。


死んだ両親の生前の好物を仏壇に供えた日の夜、両親が枕元に現れた。
(私は寝ながら本を読んでいました)



お盆恒例と化しているので恐怖とかはなく、
いつも「ああ、おかえり〜」と言うと、
その言葉にニコニコしてスッと消えるのがお決まり。


だが、今年は父が変な表情をしていて、
隣の母がその父を肘でガンガン小突いて何か言わせたい感じだった。


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しばらく眺めていたが、消える気は無さげだし、
母に小突かれまくりの父が段々と不憫になってきたので、
「なんか言いたいん?」と尋ねてみた。



すると、父が口を開きかけたのだが・・・



『あうあうする』

『目が泳ぐ』

『もじもじする』

『母に激しく小突かれる』


を10分くらい繰り返し、私もしばらくそれに付き合った。


が、いい加減イラついたので、
「お父さんがよう言えんなら、お母さん言えや!」と母に言うと、
母が父の脇腹に本気の肘入れをした後に、
「お供えのお菓子に飽きたから他のにして欲しい」と言い難そうに呟いた。


何が希望か訊くと、「今の流行りものがいい!」と子供のように目を輝かせる母。

横の父は「俺は今のがいいんだけど・・・」と呟いたが、母の肘が入り、再び沈黙。

何がいいか具体的に言えと促すと、「まかせる。でも○○ちゃんに負けたくない」と、
意味不明な発言をする母。


詳しく訊くと、どうやら幽霊仲間にお供え物自慢をされたらしく、
負けず嫌いの母は悔しい思いをしたようで。


「今年は勝ちたいの」と半泣きされたので、
友人に土産でもらった生キャラメルをお供えしました。


正直なところ、生キャラメルもピークは過ぎた気もするが。


しかし、毎年お盆に会っていて初めての会話がこれってどうなのよ・・・。


うちの両親は死んでもなお呑気です。









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