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2018年03月21日

すみません、僕の身体って何処にありますか?【怖い話】




中学のクラス会が行われると言う知らせを受けて、
本当に久しぶりに故郷を訪れ、その時に聞いた話。


クラス会への集合は19時にT駅との事でしたが、私は早めに地元に帰り、
すっかり変わってしまった町を見て驚きつつも、
足は母校の中学に向かっていました。


「お前Iか!?」

「はい・・・?あの、どなたでしょうか?」

「俺だよ、俺!Kだよ!!」

「K先輩ですか!?え、何で此処に居るんです?
まさか、学校の先生になったんですか!?」



しかし私の予想は外れており、K先輩は地元で消防官をしており、
休日は後輩の指導に当てているらしい。



警察官や消防官でも武道系に秀でた人物は
大会に出場する機会があるらしく、

K先輩は入賞経験があり、学校側も実力者で信頼の置ける
職業であるということで、特別にお願いしているらしいのだ。



練習が滞りなく終わるまで、私は道場の隅で大人しく見学させてもらった。


道場の掃除と施錠が済み、
K先輩にクラス会の事を話しながら現場に向かう途中、
私の悪い癖が出てしまった。








私は怖い話が好きで、“そういうのに出くわしそうな人間”に、

『何か怖い話は無いか?後味の悪い話でも良いから聞かせてくれ』

と聞きます。



K先輩は霊感0なのだが、
同僚のNさんが所謂“見える人”なのだそうで、
よく自分に体験を話してくるのでネタは沢山持っているが、
気持ちの良いものではないので誰にも話さなかったそうだ。
(勿体無いと思った)



では、前置きが長くなったが、
以下K先輩から聞いた同僚Nさんの体験談です。



地名は伏せますが、金属製品製造工場で、
18時過ぎにアルミニウムや金属を取り扱う工程で事故が起こり、
工場3棟で火災と爆発を招いたものだったそうです。



工場に設置してある火災報知電話によって通報され、
消防隊と救急隊の到着時には、もう工場棟は殆ど原型を留めておらず、
木造の柱、梁が露出していたそうです。


「化学物質が貯蔵された工場では、無闇に放水出来ないのは知ってるか?」


詳しくは理解してはいなかったが、取りあえずTVや映画で
白い泡のようなものを撒き散らしているシーンを見た事があったのを
思い出しました。



それくらいの知識程度しか持ってなかったので、頷くだけにしておいたが。


「そういう場合、飛び火した民家の消火から始める場合がある。
その間に危険物取り扱い施設の関係者から状況を確認し、
消火方法を変える」


間違った消火活動をして更に大爆発なんて事になったら恐ろしいのですが、
幸いこの火災では起こらなかったようでした。


「で、そこからどう怖い話に結びつくんですか?」


「お前、これだけの火災被害なのに、死傷者が居ないとでも思ってんのか?」


火災による小爆発の影響で近隣住民に数名軽傷、
工場の従業員重度の火傷が数名、死者3名だったそうです。



私は内心

『少ない、原形を留めない程の火災なのに、もっと沢山死んでも・・・』

と思いました。



消火活動は日付をまたいで行われたそうで、早朝より調査が開始され、
Nさんはその調査官の中の一人として同行したらしいです。



水がまだ滴る工場だったところに踏み入ると、ぴちゃぴちゃ足音が数人分と、
マスコミのヘリと野次馬の雑音を無視して調査を開始。



感づいた事は忘れないようにボイスレコーダーで記録し、
火災の原因を調査するために瓦礫をひっくり返すんだそうです。



Nさんも天井の一部をひっくり返し、色々調査していると、
黒い人型が床にクッキリとプリントされていたそうです。



『嗚呼、此処で死んだのか。熱かったろうに』


御遺体は既に検死官が発見して、
解剖するために2体分と1本はお持ち帰りしたのだそうだ。



また疑問に思った私は、また口を挟んでしまった。


「3人死んだと言ったのに、数が合わないじゃないですか。
それに1本て何ですか?」

「右肘」

2人は焼死体として運ばれ、右肘の人は検死の結果で分かった事だが、

爆発によって薬品を浴びたか吸い込んだために、
身動きが取れなくなったとされている。



そして炎に焼かれる前に瓦礫が右肘を切断・押し潰し、
その他は粉々になったそうだ。



Nさんが発見した黒い人型のプリントはまさに、その人が死んだ場所だった。



何か痕跡はないか、火災の痕跡はないかと調査していると、
後ろを誰かが通り過ぎる気配がして振り向いた。



しかし誰も居ないので、首を傾げてまた調査に戻る。


至る所に粉が隙間に入って、黒くなった壁でキラキラ輝いていたそうだ。


Nさんは壁にこびり付いた粉の写真を撮り、
パケに採取して鞄に保管する作業を1週間、場所を変えて行った。



上に報告する前にまず、調査官同士の報告会を行うのだが、
結論は“粉塵爆発”による火災。



室内に粉が舞っていた事、
工場内の死角に粉が積もっていた事などが爆発の一要因であった。



何しろ建物自体が原形を留めていない点と、
この結論以外に可能性が無かったのである。



後はリーダーが4日後の全体報告会にて説明するという段取りなので、
後日、数名の調査官を連れて現場を撮影する事となった。



その晩にNさんは愛車のバンに乗って家に向かっていたそうだが、
眠くなる時間でもないのに段々と瞼が下りてくる。

『何処か、車、止める場所』

近くにセブンがあったので、駐車場にて仮眠を取る事にしました。



その時にNさんが見た夢が、私にとっては心弾ませるものだった。


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Nさんはまだ焼け跡の工場で作業しているのか、
調査官の作業着を着て立っていたそうだ。



『あれ、まだ何か調べるんだっけ?』

そう思い、


自分の鞄の中に入っているであろう書類を確認しようとしたが、
いつも足元に置く鞄がない。



左右の足元に目を配らせても見当たらない。


首をかしげて、
鞄探しのために焼け跡になった床を歩き続ける。

「すみませぇん!」

声の方向を見ると、帽子を深く被り、
工場の作業着を着た男性が此方に来ようとしていた。



もしかして、火災事故があったと知らないで
そのまま出勤してきたらこの有様で、動転してるのかと思ったらしい。



そして、一般市民を事故現場に入れてはならないので、Nさんは注意しました。


「駄目ですよ、此処は危ないから入って来ないで下さい!」


Nさんは歩きながら、安全な場所まで連れて行こうと青年に近寄った。


男性はなおも瓦礫を気にしながら近づいてきており、
帽子も被っているので全く表情が認識できない。


「すみません、すみません。でも、困ってるんです」


「ええ分かりますよ、工場がこんなになってしまったんですから」


「すみません、僕の身体って何処にありますか?」


Nさんは男性の顔を見て仰天してしまった。


というか

顔があるべきところに存在しなくて、
でもあるべき高さに帽子は乗っていた。



まるで空気か透明人間が工場の作業着を着て、帽子を被り、
靴を履いて流暢に話しかけているようだった。


「ずっと探してるのに、ずっと探してるのに、何処にもない。
来月までに終わらせないといけないのに、何処にもないんです」


驚いてNさんは振り返って逃げようとしたら、
後ろには真っ黒い人が2人立っていた。



途端に2人から人の髪の毛が燃えるような、たんぱく質が溶ける匂いがして、
Nさんは足が止まってしまったのだそうだ。



もうこれは、火災現場で死んだ3人だとNさんは思ったらしい。


Nさんがこの状況をどう打開しようか思案していると、

黒い人が強めの口調でNさんに突っかかってきた。


「おい、○○の身体は何処にある」


「これじゃ、仕事にならないだろ」


Nさんは

『彼らはまだ、自分が死んだことに気がついていないのか?』

と思ったそうです。



なので

“自分の人生は終わってしまった”

のだと、3人に事の有様を話しました。


そしてNさんは黒い人型のプリントがしてある床を指差して、
○○さんの身体は恐らく右肘以外が粉々になってしまったのだと伝えました。



「私が貴方達に伝えられる事は、全て包み隠さずにお伝えしました」


「じゃ、僕の右肘は何処にあるんですか?」


「私は管轄が違いますから、分かりません。
担当の者に聞いておきますので、明日私のところに来て下さい」


「有難う御座います 必ず伺わせて頂きます」


そう言って3人はNさんに背を向けて立ち去って行きました。


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Nさんは車の中で飛び起き、
セブンの明かりで少し平静を取り戻したそうです。


Nさんはすぐに携帯で、
例の右肘について確認の電話を入れました。



電話向こうの人物は県内の法医学研究室を紹介し、
Nさんはメールで地図と連絡先を送るように頼んだそうです。



通話を終え、一先ずため息を零して、
冷たい缶珈琲と先生への菓子折りを購入して、


その日は入念に身体を洗って、長風呂して寝たそうです。



翌日一旦出勤してから、法医学研究室にアポを取る事に成功し、
ホワイトボードに行き先を記入して出たそうだ。



鞄を持って車を開けると、独特のあの匂いが充満していた。


車に匂いが着くのを恐れて、窓を全開にして、
いざ出発って時にバックミラーを見ると、
後ろに人影が2つと帽子が見えたらしい。


「早いですよ、まだ現地についてないのに」

と独り言を零しながら、

目的地で待っているであろう先生に
“どう説明するのか”を考えていたそうです。



確かに

『幽霊が肘を捜していて、自分も協力しているんです』

なんて、
精神疾患を患っていると思われても仕方が無い。



Nさんは

『一応今後の資料として写真を撮りたい』

という名目で通そうと腹に決めたらしい。



そして先生に案内されるまま遺体安置所に移動中、
後ろから1列で憑いて来ている。


「さ、どうぞ。お仕事大変ですね」


「有難う御座います。突然お邪魔して申し訳ありません」


右肘の写真を数枚撮影して、先生にお礼の菓子折りを渡して、
早々に退散する事にしたそうです。



後ろを振り返ると、まだ3人は憑いて来ている。


人通りのある通路で霊と会話なんて出来ない。


Nさんは無視して帰ろうと背を向けたのだそうです。


「色々親切にしてくれて、有難う御座いました」


3人分聞こえて振り返ると、もう其処には居なかったそうです。


Nさんはそのまま署の方に帰って、通常勤務に戻ったそうです。


以上でその火災事故でのNさんの体験談は終わりです。







しかし私は”黒い人”関係の怪談を腐る程聞いてきましたから、
別段新鮮味もありませんでした。


ですので、私はK先輩にその感想を伝えたところ、思わぬ反論を貰いました。


「お前、焼死体見た事ないだろ」

「嗚呼〜詳しく説明して下さい」


私はこういうのが大好きです、ごめんなさい。


K先輩が言うには、大きく4段階あり、


Lv1=表皮1度の熱傷。


Lv2=表皮(浅い)2度の
熱傷&真皮(深い)2度の熱傷。


Lv3=真皮3度の熱傷と皮下組織の熱傷。


Lv4=4度の熱傷&炭化。


というランクがあるそうです。



よくTVや映画で看護士さんが「患者は○度の〜」ってのが
当てはまるらしいです。


熱によって筋肉の組織が収縮し、
硬直しながら、ぼろぼろと身体から炭化した皮膚や内臓が零れ落ちて、
真っ黒な、でもひび割れたところから少し赤黒いものが覗いていたり
するそうです。



骨も火葬場のように綺麗な白色ではなく、
黒ずんだもの赤いもの黄色いものがあり、
たまに骨が水蒸気か何かで、竹が弾けるように吹き飛んだりするそうです。


・・・とまぁ、

そんな感じの焼死体さんが2人も背後に立たれたら、
恐ろしいのでしょう。


「素敵な話を有難う御座いました。また、その手の話を聞かせて下さい」


クラス会の集合場所のT駅に到着しても話し続けていたので、
先輩にメアドを渡して別れました。



これで、K先輩から聞いた話を終わりにします。













posted by kowaihanashi6515 at 21:43 | TrackBack(0) | 洒落怖
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