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2018年10月28日

幽霊に取り憑かれた二週間【怖い話】





ひどい目に遭った

発端は先々週の3.11のときに被災地へ行ったこと

2011年の頃にはもう離れてたが、

被災地のある所に住んでたことがある

それで二年経つってことで旧知をお見舞いに行ったんだ

2012年にも被災地に行ったんで、

今回はどっちかって言うと

お見舞いというより観光になってた

知り合いにお見舞いして近況を報告して、市場行って、

被災の跡を見て回った

今思えばはしゃぎすぎたかもしれないな

比較的人がいる被災地は結構復興が進んでたが、

山田町やら釜石鵜住居地区はほぼ壊滅状態のまま

手付かずだった


被災地から帰ってきて、

次の日俺は一人暮らししてるアパートに帰った

そこで最初の事態が起こった

3月12日、

寝てたらパッと目が覚めた。

時計見たら朝方5時頃。

まだ真っ暗だった

んでもうひと寝入りするかって

スマホの画面の電源を落とした

瞬間、

金縛りに合った 金縛りに遭った瞬間、

「あ、こりゃダメなヤツだ」

と思った。

寝入り端に金縛りなんてよくあることだったが、


この時は金縛りに遭った瞬間に

何とも言えない嫌な予感がした

俺のベッドはワンルームの壁際にあるんだが、

俺は部屋の中心に背中を向ける感じで金縛りに遭ってた

すると男のしゃがれ声で

「南無阿弥陀仏! 

 南無阿弥陀仏! 

 南無阿弥陀仏!」

と物凄い切羽詰まった声で唱え声が聞こえてきた

それと同時に、

ベニヤ板を剥がすかへし折るかのような

「ミシ……バキャ……」

という音が聞こえてくる

それがどんどん近づいてきた

その瞬間、

金縛り中なのにぞわーっと全身に悪寒が走った。

金縛り中でも鳥肌って立つんだなとか思ったが

とにかく後ろから近づいてくるものを見たら

とんでもないことになるという予感があった

たぶん金縛りに遭ってたのは一分もなかったが、

とにかく般若心経を唱えまくった

こういう時のために丸暗記してたんだけど

まさか実際に唱えることになるとは思わんかった

そのベニヤ板をへし折るような音がすぐ背中に来て

「もうダメだー」


と思った瞬間、

人差し指が動いた これで金縛りが解ける! 


と手と言わず足と言わず必死に動かしたら、

金縛りが解けて男の念仏とベニヤ板を折るような音が

バッと消えた

慌てて振り返ったが、もう部屋には何にもいなかった。

助かったという安堵感が凄くて気絶しそうになった

時計見たら朝5時過ぎぐらいで、

暗いとはいえ朝5時なのに幽霊って出るもんかいな……

と感心した

安心したらトイレ行きたくなって、

ベッドから降りてトイレに行った

トイレの前に洗面所あるんだが、

要足してベッドに戻ろうとした途端、

ふと鏡が目に入った

その瞬間背中がぞくっと反り返った。

「今後ろに何か立った……」

と直感した

これでもオカルト好きなんで、

この幽霊は見て欲しい幽霊なのだと思った

でも見たら洒落にならんことになるのがわかってたんで、

カニ歩きみたいに鏡を見ないようにベッドに慌てて戻った

ベッドに戻って頭から布団をかぶった。

もう五時だし、

もう二度寝どころじゃなかったんで、


とにかく寝ないようにスマホ見て時間潰そうと思った

で、枕元のスマホ取り上げた途端、

スマホの暗い画面に映った

腐ってふやけてぶよぶよの黄土色になった

白髪の婆さんの顔だった

「え!?」

と思った途端画面が点いて婆さんのかおが消えた

念のためもう一度画面消して確かめたが、

自分の顔しか映ってなかった

正直気絶しそうになった

もう五時半で外は白み始めてたが正直気が狂いそうだった

実家のオカンはいつも五時半ぐらいに起きてくるので、


情けない話だが怖くなってオカンに電話した

遅れたけどスペック

俺:24歳。社畜。

  岩手出身で今県外。

  霊感なし恐怖体験もなし

俺の住んでた所:岩手県宮古市。

        被災しまくった

電話したらしばらくのコールの後、オカンが出た。

オカンまだ寝てた 俺半泣き。

「今アパートに出た……」

と言ったらオカンが

「え!?」

と絶句してた

で俺が今あったことを話したら、オカンの第一声が

「連れてきたか……」

だった

それ聞いて、やっと俺も

「こりゃ連れてきたかも」

と思い当たった

そしてオカンが

「連れてきたか……」

と言った瞬間だった


怖くて点けてた電気スタンドが

「バチン!」

という音とともに消えた

心臓が口から飛び出るかと思った

「今電気消えた!」

と電話実況した途端、電気スタンドが

「バチッ! バチバチバチバチッ!」

と物凄い勢いで点滅した

正気保つのに必死でオカンに助けを求めたら

「念仏! 念仏!」

と言われた。

唱えたけど意味なかった

で最後

「バッチーン!」

という電気スタンドとは思えない音立てて

電気スタンドの電気が消えた

それがその日最後の霊現象だった

取り敢えず現象は収まったんで、

オカンとオトンに三十分ぐらい会話に付き合ってもらった

二人で一致したのは

「アパートに 憑いてたものではない」

ということだった。

下見にも来たけど嫌な空気はなかった

そこでますます

「被災地から連れてきた説」

が有力になったそこでオトンが電話を変わった。

「ナンマンダスと三度唱えれば大丈夫だ」

と民間療法的除霊方法を享受された

こちとら般若心経フルで唱えたが効果なかったぞと

若干逆上したが取り敢えず聞いておいた

その後七時頃、

姉が興味津々な声で電話かけてきたけど

正直思い出したくもなかったんで適当に言って切った

そのまま会社行ったが、

目覚めの悪さが祟ってふらふらしていた

様子がおかしかったらしく、上司に

「なんかあったのか?」

と心配されたんで、思わずあったこと全部話した

課長は大笑いして聞いてた。

正直張っ倒したかったが、

結局会社の人々で真剣に信じてくれたのは

課長だけだったと思う

課長の奥さんは元看護師らしいが

所謂「見える人」らしく、

それで信じてくれたのだと思う

課長は盛り塩を進めてきた。

盛り塩なら簡単に出来るんで

帰ったら実践してみようと思った

その後もいろんな人に話しまくったが、

ある女性社員は

「被災地にはウヨウヨいるらしいからねぇ」

と気の毒そうな顔をしてくれた

正直会社からアパートに帰るの強烈に嫌だったが

帰るしかなかった

帰ってアパートの部屋開けたら、なんか空気が違った。

じっとり重くなってて自分の部屋じゃないみたいだった

こりゃまだいるなぁ……

とか思いながら、

とにかくやることをやろうと思った

帰って速攻で肩口に塩を巻き、

皿に盛り塩して玄関に置いたら、

多少空気が軽くなった

その日は般若心経を唱え、

枕元にいつだったか中二病こじらせて買った

剣鉈を抜き身で置いて寝た

魔物は金気嫌うともろもろの書籍なんかに

書いてあったので、

幽霊来たら突き刺してやろうと思ってた

その日は寝入ろうとすると

「また金縛りにあうんじゃないか」

と思って目が覚めて参ったが、なんとか寝付けた

しかし次の日の3月14日だった。

また夜中に目が覚めた

時計見たら丁度午前三時だった。

「あ、これは……」

と思った瞬間

ブォーン! 

という音と共にパソコンの電源がひとりでについた

もうなんか怖いとかそういうのより、

睡眠を邪魔されてるのに非常に腹が立った

パソコンの電源を落とし、

トイレに行ってまた布団に潜り込んだけど、

だんだん幽霊に腹が立ってきた

深夜の三時なのに部屋中にいい加減にしろこの野郎などと

怒鳴り散らして虚空に剣鉈振り回したが、

これじゃ立派なキ○ガイだと冷静になって寝た

そのままフラフラになって会社に行ってしばらくしたら、

上司に呼び止められた

なんだろうと思ったら

「お前今日おかしいぞ? また出たのか?」

ってドンピシャなことを言われた

「出ました……」

って言ったら上司苦笑いしてた。

俺よく覚えてないんだけど、上司の話によると

俺は朝の会議中に配られた資料を

まとめて返そうとしたり

呼びかけても反応がなかったりと

明らかに虚ろだったらしい


正直霊障という程のことはないが

睡眠を邪魔されるので睡眠不足なんですと誤魔化したら

上司は逆に難しそうな顔になった。

そして

「もしお前が営業車で事故っても始末書に

 『原因:幽霊』

 って書けねーぞ」

と真剣な目で言われた

要するに

「何とかしろ」

と言われたわけだ。

正直あまり大事にしたくなかったが、

この時初めてお祓いしてもらうことを考えた

そんで、矢も盾もたまらずオトンに電話かけて

「実はコレコレこういうことがあって……」

と委細を話した

パパンは

「はぁ……」

となんとも言えないリアクションをした

俺は最初近所に神社があるんで、

そこの神主にお祓いしてもらう程度の事を想定していた

しばらくしてオトンから電話があった。

「明日除霊予約したから、お前今日の12時から

 肉やら酒やら口にするな」

と言われた

予約したところを聞いたら、

地元では有名な真言宗の寺だった
費用を聞いたらそれなりにかかると言われたんで

俺は正直


「金かかるなら 盛り塩して俺で祓うわ!」

と反論したが

「オメーそんな場合じゃね―だろうが」

とオトンに怒られて目が覚めた

お祓い当日、

姉が付き添いしてくれることになった。

話によると結構強力なお祓いをする予定なので

もしかしたら帰り車の運転が出来なくなるかもしれない

ということで、

正直ガクブルしていた

寺に着いたら、今まで何度も見てたけど、

実際に中には入ったことがなかったんで

若干ワクワクしてきた

最初に僧衣を着たおばさんが出てきて、

「さあさあこちらへ」

と丁寧に通してくれた

事のあらましをそのおばさんに話すと、

おばさんはなんか長さ四十センチぐらいの

木の棒をジャラジャラ取り出し、

何か占いのようなことを始めた

紙に書かれた俺の名前を見ながら

しばらくジャラジャラとやって、

机の上に置いた積み木みたいなものを


カタカタと弄ってた

占いが終わったら、そのおばさんがポツリと一言、

「祓えんのかな……」と

「フハハハハハ 貴様程度の霊力で

 我が祓えると思ったか!」

みたいな中二病的台詞が頭の中にこだまして

若干ワクッとするのと同時にガクブルした

正直「祓えんのかな……」

という台詞が現実に登場する台詞なのかよと思った

俺は気休め程度に経のひとつでも上げてもらえば

それで安心して熟睡できると思ってたのに

とんでもない事態になったなと内心怖かった

しばらくして住職がやってきた。

三十代ぐらいの、見るからに誠実そうな坊さんだった

地元では占いやらお祓いやらで有名なのは

この住職の人柄によるんかなと思った

ちなみに書いてなかったが、

俺が行った寺院の本尊は不動明王だ

それから住職は俺に取り憑いたものに関して

丁寧に説明してくれた。

言われたことが多かったんで箇条書きにする

・アンタに憑いたのはまず間違いなく被災して

 亡くなられた人々であろうこと

・「南無阿弥陀仏!南無阿弥陀仏!」

  という念仏を唱える声と

  ベニヤ板を折るような音は、

  最期の瞬間の記憶であろうこと

・被災者の霊はあまりにも通常ありえない死に方なので、

 除霊というより慰霊になるということ

・3.11後、アンタみたいに被災地から連れてくる人が

 絶賛増加中であること

・特に被災地の幽霊は交通事故を引き起こす

 傾向があること

 (これは聞かれた話から俺が考えたこと)

住職の

「俺が聞いた一切は被災者の最期の瞬間であろう」

という言葉には俺もやっぱりなと思った

おそらく、

襲い来る津波に家が流されてく中で、

取り憑いた幽霊氏は念仏を唱えながら

死んでいったのだろう

そう考えると寝不足程度でイライラしてた自分が

なんつーか申し訳なく思えてきた

だが除霊してもらわんと仕事にならんわけで。

ちなみにおばさんの

「祓えんのかな……」

という一言は

慰霊→除霊になる、

つまり慰霊なしの除霊だけでは祓えない、

という意味らしかった

ちなみに話が脱線するが、住職から聞いた他の人の話ね

その人は被災地に務める学校の先生らしいんだが、

赴任してからというもの、

なんでか車関係のトラブルが絶えない

ありえない交通事故をしたり事故をもらったり、

ありえない故障の仕方をしたり。

で、特徴的なのが、

そのたびにお守りが壊れたらしい

「これ詰んだわ」

と思うような大事故をしたときも、

何故か無傷ですんだが、

やっぱり車の中のお守りはボロボロに壊れていた

それで怖くなってお祓いに来た人がいたそうだ

そんでいよいよお祓いが始まった。

数珠を持たされ、袈裟を着せられて、


付き添いの姉ともどもお祓いされることになった

ここからが大変だった

お祓いが始まり、最初祝詞のような感じで

俺の周りに起きたことが本尊の不動明王に報告された

それで読経が始まったんだが、

木魚でなく太鼓がドンドンドンドンと鳴らされて、

ここで緊張がMAXになった

大学で宗教関連の話を勉強してたのもあって、

正直真言密教に関しては興味津々だったんだが、

太鼓の音とともに読経が始まった瞬間

そんな下心は吹っ飛んだ

しばらく

東日本大震災の犠牲者の慰霊のための

読経があって、

次にいよいよ除霊が始まった

その瞬間、

こちらに背を向けて読経してる坊さんの目の前から

ボワっと火の手が上がったのを見て俺は仰天した

護摩行とは聞いてたがマジでこんな屋内で火焚くと

思ってなかったんでアレには本当に仰天した

住職はどんどん護摩木をくべて、

ホントごうごうという感じで火柱が上がった

俺はもう内心

「(こんなマジな感じでやんの!?)」


って怖いやら驚くやらで呆気にとられていた


すると住職が

「では俺さん、こちらに来てください」

と俺を火柱の側に座らせた

俺がそこに座ると、

住職は金色に光る金剛杵を手にしておられた。

金剛杵なんて資料でしか見たことない

中二アイテムだったんで

「(おおお…… やっぱ本物カッコイイな……)」

と思ってたら、

「ではこれを胸の前で持ってください」

とその金剛杵を押し付けられた

慌てて金剛杵を受け取って親指で挟んだら、

金の匙で頭に水を掛けられた

もう住職フルパワーで読経してたな

ホントにどこの漫画や映画かみたいな感じで、

燃え盛る火柱の前で全身で印を切りまくり、

手にした経文をバサバサと広げたりたたんだり、

鬼気迫る表情で読経してた

この辺りの凄まじさはもう俺の貧弱な文章力では

表現しきれないのが惜しい

経文で頭と言わず肩と言わずバシバシバシバシ叩かれ、

除霊はその後一時間ほどで終わった

終わったら住職汗だくだった。

俺と姉もメロメロになってた

住職は汗だくの顔で

「できる限りのことはしました」

と爽やかに、しかし確実な声で言った

正直そのできる限りのことが

本気すぎると姉も俺も思った

住職はその後

落ち着きを取り戻したようで、

俺に取り憑いていた幽霊氏の話を始めた

どうやら二人憑いてたそうで、

一人は髪の長い、耳だけ出した女の人。

もう一人は頬が痩け、

帽子を被って杖をついた爺さんだったそうだ

心当たりはあるかと聞かれたが、

そのような人物にはどちらにも心当たりはなかった

ちなみにこの幽霊氏の素性は、

最初におばさんがジャラジャラやってた占いで、

「見えた」

というより

「占ったらそう出た」

ということだった

住職は

「まぁ被災者の幽霊は今後もこちらで慰霊しますので、

 写真取らせてください」

と写真を撮ってくれた

その後住職は


「何かあったらいけないから」と、

数珠、不動明王真言、御守り、交通安全御守り、


拭き取り、御札、祈祷された水と菓子、

そして枕元に置いて寝る御守りまでくれた

正直はした金程度のゼニを惜しんだ自分が

強烈に申し訳なくなるぐらいのアフターサービスに

この寺がなんで地元で有名なのかわかった気がした

しかし帰り際に住職が一言、

「不動明王の護摩行って

 洒落にならんぐらい強烈なので、

 後で反動が来るかもしれないです。

 個人差はありますけれど、

 何かありましたらまたご連絡ください」

と言った

俺はこの一言をそれほど気にしてなかった。

俺と姉は丁寧にお礼を言って家に帰った

あんな下ヨシ子氏がやるような除霊だとは

想像だにしてなかったので疲れた

帰り際、姉と

「正直本気すぎた」とか

「あの価格であのサービスは破格の安さだ」

と好き勝手言いまくった

でもまぁ除霊できたので心は軽かった。


本当に

「憑き物が落ちたように」

意気揚々とアパートに帰った

アパートを掃除して、

住職に言われたとおりに御札を南向きの窓に向けて、

水を一杯お供えした

その日はかなり安心したので、

俺はアパートで焼酎を煽りまくった

寝不足が続いていたので酒が美味かった。


もう記憶飛ぶぐらいに煽ってその日は寝た

そしたら次の日、背中の痛さで目が覚めた

最初は「寝違えたかな」と思って気にしてなかったが、

会社に行くにつれてどんどん背中の痛みは増した

胃も痛くなり、

そのうちほぼ仕事にならんぐらいの激痛になった

先輩社員には

「お前それ急性膵炎じゃないか?」

と指摘されて怖くなって、

時間を貰って顔見知りの開業医に駆け込んだ

医者様のところに行くと首をひねられた。

医療系の仕事なんで

その先生とは顔見知りだったんだが、


採血されても触診されても結果が出ない。

なにかが体の何処かで起きていることは

明らかだったんだが、

膵炎にありがちな吐き気や下痢、

押したら痛いとか、

そういう確実な証拠が出なかった

結局胃腸炎の薬をもらってその日は早退した。

で、次の日も会社で具合が悪くなり早退させてもらった

早退してアパートの部屋で考えた。

これが護摩行の反動かなとよく考えたが

いくらなんでも祟りレベルの激痛だと思った

仏教には少し知識があったんで考えた結果、

どう考えてもたらふく酒飲んだこと以外の

原因が思い当たらなかった

そういえば不動明王は仏教五戒を守る仏なんだよなぁと

思った時、


不飲酒戒という単語がぼんやり頭の中に出てきたとき、


あぁこれかもしれんと本気でそう思った

いくらなんでもお不動様を部屋にお迎えしたその日に

飲んで飲んで飲み散らかしたのはまずかった

せめて一週間ぐらいは精進しろよと怒られたんだ

という結論に俺の中で達した



オカルト大好きな上に仏教に多少明るかったこと、

この一週間の霊現象でそちらの世界のことについて

謙虚になっていたせいもあり、


部屋にお迎えした御札と、

和紙に描かれた不動明王に

取り敢えず謝ってみようと思った


手を合わせて住職から教えられた

不動明王真言を唱えながら

「すみませんでした、酒は程々にします」

と寝る前に必死に謝ってみた

そして20日の日。

朝起きたら背中の激痛はウソのようになくなってた

いやホント。

快調すぎて今まで十円ハゲ出来そうな程だったのが

ウソのように平静を取り戻した

後で件の医者様のところに結果を聞きに行ったが、

結局原因不明の胃腸炎で片付けられた

やっぱり不動明王に怒られてたんだなと

俺は勝手に納得することにした

そして現在。

どうやら軽く風邪引いたみたいだけど、

何ごともなくなった

今も不動明王真言を唱えながら寝てるけど、

あれから変なことも起きなくなった

皆、遊び半分で被災地には行くなよ





posted by kowaihanashi6515 at 21:07 | TrackBack(0) | 洒落怖

渓流釣り【怖い話】





大学時代に友人から聞いた話。

釣りが大好きだった友人は

その日も朝から釣りに出かけていた。

場所は川の上流域で、かなりの山奥である。

ここから先は、

友人の語り口調で書かせていただきます。


「車で行ったんだけど、途中からは獣道すらなくてな。

 仕方なく歩いたんだよ。かなりの悪路だったな。

 崖も越えたし、途中クマが木をひっかいた痕もあったな。

 で、やっと釣れそうなポイントにたどり着いてな。

 早速、そこらへんの石をひっくり返して川虫を集めたのよ。」


俺「餌ぐらい買えばいいのに。」


「いや、現地でとった餌は食いつきが違うんだよ。

 何よりとるのも楽しいしな。」

俺も現地で餌を調達したことがあるが、

あの作業は虫が嫌いな人間にとって地獄である。


それ以来、俺はもっぱらイクラ派だ。


そんなわけで不本意ながら同意し、

話の続きを催促した。


「虫を確保して、早速釣り始めたんだ。

 そしたら面白いぐらい釣れてな。

 ものの3時間で十五、六匹は釣れたんだ。

 でも朝まずめが終われば

 流石に途絶えるだろうなって思ってたのよ。」

知ってる人も多いと思うが、

釣りは朝と夕方の「まずめ時」が最も釣れる。


「けど爆釣モードは昼を過ぎても全く終わる気配がない。

 生涯で最高の一時だったね。

 時がたつのも忘れて夢中になったよ。

 気付いたら辺りは薄暗くてな。

 もう夕方になってたんだ。
 
 身の危険を感じて、帰り支度を始めたんだよ。

 ふと背後に気配を感じて振り返ったら、

 小さい女の子が背を向けて立ってる。

 少し近づいて

 「こんなとこで何してんだい?」

 って聞いてみたんだよ。

 振り向いた顔を見てギョッとしたね。

 顔がお婆さんだったんだよ。

 しかも、顔がひきつるぐらい満面の笑顔だったんだ。」

俺もギョッとした。


「でも病気か何かだと思って、同じ質問を繰り返したんだ。

 今度は丁寧語でな。

 そしたら笑顔を崩さないまま、

 「いつまで」

 ってつぶやいたんだよ。何回も。

 キチ〇イだったんかなあと思って、

 軽く会釈して帰ろうとしたんだ。


 そしたら、急に婆さんの声が合成音声みたいになって、

 「いつまで生きる?」

 って言ったんだよ。

 背筋がゾクッとして、

 こいつはこの世の人間じゃないと思ってな。


 凄い勢いで下山したんだよ。

 途中、婆さんのつぶやく声が何度も聞こえた。

 薄暗い山奥でだせ?発狂寸前だったよ。

 あ〜あ、最高のポイントだったのにもう行けねえなぁ…。」


俺は自分の膝がガクガク震えているのを感じた。


話の途中から友人は気持ち悪いほど満面の笑顔だったのだ。

それからしばらくして友人は自殺した。







posted by kowaihanashi6515 at 21:04 | TrackBack(0) | 洒落怖
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