2015年01月06日
「熱情ペイ」に泣く韓国の若者
韓国の新造語で「熱情ペイ」という言葉があります。韓国の今がわかるキーワードの一つです。「熱情ペイ」に関わる今の韓国がこの1ページでわかります。 |
「熱情ペイ」を言い換えると「やる気賃金」
「熱情ペイ」を日本語で訳すちょうどいい言葉が見つかりませんが、韓国で使われている意味を活かして言い換えると「やる気賃金」になると思います。
これは、「熱情(やる気)があって仕事をしているのなら、賃金なんて気にしないものだ。」といいながら、無給または低賃金で働かせる韓国の企業を皮肉った言葉です。
「熱情ペイ」(やる気賃金)が生まれた背景
▲韓国では、履歴書に書き入れる「スペック」(経歴)がとても重視されています。
皆さんご存知の通り、韓国は今、ひどい就職難です。そんな中で、正当な賃金がもらえなくても働くことを選択する若者が増えている理由は、大きく分けて二つあります。
- 無職よりはマシだから。(無職の期間が長いと、さらに就職に不利になる)
- まずは経歴が必要だから。(「スペック」重視の社会なので)
つまり、「熱情ペイ」が生まれた背景は、「安定した職場に就職するための過程として、無給または低賃金でもなんらかの仕事をしようとする人が増えた」ことなんです。
「熱情ペイ」の拡大?
「熱情ペイ」は、「賃金の代わりに、就職に役立つ経歴が増える」ことが前提でしたが、最近はそうでもないようです。
実際、ネットでのバイト募集の書き込みに下のようなものがありました。
▲韓国でも話題になっているコンビニバイト募集の書き込み。今はもう閲覧できない状態。
以下、訳です。
電話では時給を教えません。
お金稼ぎのためにコンビニのバイトをするのはちょっと...どうかなあと思います。
熱情的に(やる気をもって)働く方にはそれだけの賃金を支給します。
もちろん、コンビニでのバイト歴は、就職のための「履歴書」には書き入れても意味はありません。それにもかかわらず、コンビニのバイトにも「熱情ペイ」は浸透しているのです。
(コンビニのバイトの賃金が4,500ウォンで、それさえも面接であれこれ理由を付けて減額してしまうとの報道がありました。これは最低賃金以下の時給です。)
「熱情ペイ」は「低賃金」の代名詞?
「熱情ペイ」が「無給や低賃金でも働こうとする人はいくらでもいる」というふうに拡大解釈され、ただの「低賃金」現象化しています。さきほどの「コンビニの熱情ペイ」がその代表的な例です。
今となっては「熱情ペイ」は低賃金の代名詞です。韓国のネットやブログの書き込みを見てもそうです。
- デザイン系はほとんどが「熱情ペイ」か無給ですよ。
- 今の会社、残業も多くて「熱情ペイ」だけではもう無理。
- OO業界は、就職はしやすいですけど、「熱情ペイ」ですね。
「熱情ペイ」は、韓国の若者が「低賃金で働く自分」を嘆く言葉のように聞こえます。
タグ:韓国の今
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