2015年01月06日
「引っ越し餅」の思い出
韓国では引越をすると、引っ越し先の近所を回りながら「引っ越し餅」を配る習慣があります。実は私、日本でも「引っ越し餅」を配った思い出があるんです。今回はその思い出話です。 |
家族みんなで日本に引っ越したのは私が小学生の頃でした。
私は、小学校の時初めて日本に来ました。父と母、そして私の3人家族で日本に来ました。
その当時母も日本が初めてでした。
父は日本語ができましたが、文化的に深い理解はなかったようです。
「引っ越し餅」は疑う余地もなく「あたりまえ」だと思っていました。
▲韓国の定番の「引っ越し餅」です。白い餅にパサパサしたあずきの粗びきをかけたものです。
今でも当時住んでいたアパートの名前を覚えています。「ハイツ平野」という名前のアパートでした。引っ越しの当日、母が「ハイツ平野」の各室を回りながら、まだ習いたての日本語で引っ越しの挨拶をし、「引っ越し餅」を渡していたのを覚えています。
(当時、引っ越し餅をどうやって手に入れたかは、今でも不思議に思います。もしかすると韓国であらかじめ準備して日本に持ち込んだものだったのかもしれません。)
韓国での「常識」が、日本でも「常識」であろうと思っていたんです。
当時は1990年代、「ハイツ平野」の住民たちは韓国の「引っ越し餅」をどんな気持ちで受け止めていたのでしょうか。
母も韓国に戻ってから当時のことを振り返りながら、笑い話をしたことがあります。
日本に来たばかりの頃は、何も知らなくて、なにもかも韓国での常識でやっていたね。引っ越し餅とか。
母の話では「引っ越し餅」は「常識」であって、「日本と韓国の文化は違うかもしれない」という考え方はまずなかったそうです。当時「引っ越し餅」をもらっていた「ハイツ平野」の住民たちも同じ思いではなかったのでしょうか。「文化の違い」ではなく「不思議」としか思えない出来事であったのかもしれません。
韓国の「引っ越し餅」は今もなお「常識」のようです。
▲引っ越した日にはジャージャー麺の出前!テーブルもなく床で食べるのもまた楽しいです。
韓国の2014年度のある調査によりますと、引っ越しの時、「引っ越し餅」を配った人は42.5%だったそうです。ちなみに、引っ越した当日は、「ジャージャー麺の出前」を家族みんなで食べるのが定番ですね。
タグ:韓国の思い出
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