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四方公相君の留意点

今日は、「四方公相君」という形について、糸東会の大会で注意すべき点を現役部員の皆さんにお伝えしたいと思います。

この形は、公相君大と公相君小の形の主技を抜粋して糸洲安恒先生が考案されたと言われています。

挙動数が少ない割に見栄えがするため、好まれやすい形です。

なぜ、見栄えがするかというと、ヒラッと宙に舞う動作があるためでしょう。

では、試合でよく見かける四方公相君の演武をまずご覧ください。



しかし、現在、糸東会の大会では、四方公相君で跳び上がる動作は禁止となっています。

確かに、かなり以前に糸東会で編集された教範ビデオの映像でも、跳び上がる動作は行っておりません。(下の写真)



では一体いつ頃から糸東会の大会でも跳ぶようになったのでしょうか?

残念ながら小生も把握しておりません。

とりあえず、糸東会として正式な四方公相君の映像をご覧いただきたいと思います。



誤解のないようにお願いしたいのは、あくまで糸東会の大会では「禁止」となっているのであって、一般の(全空連系の)大会について述べているものではないということです。

明日は、「公相君大」という形の、最近気になる傾向ついて触れてみたいと思います。

平安五段の留意点

全空連指定形(第一・第二)についてはすでに述べた通りですが、近年、糸東会でも問題になっている形の動作がいくつかありますので、この場を借りて、現役部員の皆さんにお伝えしておきたいと思います。

これは糸東会の大会においては特に気をつけておいていただきたい点です。

それらのうち、今日は、「平安五段」について書かせていただきます。

あくまで小生の主観ですが、少年部の試合を見ていて、選手たちが最もよく使う平安の形といえば「平安五段」ではないかと思います。

そこそこに動作も大きく見栄えがするからでしょうか。

まずは、大会で少年が演武する平安五段の形をご覧いただきます。

画面で向かって左側(青)の選手にご注目ください(最初の試合だけで結構です)



なかなか上手ですよね。

ただ、見栄えはいいのですが、糸東会の大会では、厳密に言うと問題となる箇所があります。

最も顕著な問題点としては、最初の挙動です(右の写真)

これは、中段突きの後、その拳を引きながら、脇に構えるという動作ですので、本来はゆっくりとした動きです。

ところが、この構えの動作を、まるで鉤突きを極めるかのように勢いよく行う選手が非常に多いように思います。
この青の選手がそうです。

一般の(全空連系の)大会では、特にどうこう言われないようですが、糸東会の大会では禁止されていますので注意してください。


次に、右の写真をご覧ください。左端写真の立ち方を「浮き足立ち」といいます。

ここから右端の写真のような「交差立ち」に移りますが、このとき、腰まで引き手をとらずに「交差受け」を行ってください。

多少拳を引くくらいなら許容範囲であると思います。

従って、上の動画の少年は、この点は大丈夫です。


ちなみに、流派によっては、このとき軽くジャンプすることもあるようですが、糸東会は跳びません。

平安五段の注意点としては大体、以上のような点です。

では最後に、平安五段の動画をご覧ください。



本学の昇級審査では、1回生はほとんど平安初段、二段で受審しているようですが、たまには平安五段も見てみたいものです。

明日は、「四方公相君」という形の、近年糸東会で問題となっている部分について、現役部員の皆さんにお伝えしたいと思います。

先週の部活動報告

今日は、現役のマネージャさんから届いた、先週の部活動報告を掲載させていただきます。

(以下引用)

今週も練習は準備体操前のランニングから始まり、基本、移動基本、ミット、チューブ、打ち込み、筋力トレーニングという練習を行いました。

また、1分間流しの試合形式の練習も加わり、実戦形式の練習も取り入れ始めました。

17日には梶山先輩が練習に参加してくださいました。



そして、19日には六甲山マラソンを行いました。
けがのため参加できない者もおりましたが、参加した者は2時間半ほどの道のりを全員無事走りきることができました。

(以上)

左の写真は、六甲山マラソンの時のものです。




明日は、近年、糸東会で問題となっている「平安五段」の留意点について、現役部員の皆さんにお伝えしたいと思います。

ニーパイポの留意点

今日は、全空連第二指定形・ニーパイポの留意点について現役部員の皆さんに説明させていただきます。

この形は、以前ご紹介したとおり、そもそも中国拳法の使い手であった「呉賢貴(ごけんき)」が摩文仁賢和先生に伝えたものといわれています。

そのため、中国拳法の影響が色濃く残っています。

競技においては、マツムラローハイよりも、ニーパイポを第二指定形として選択する人が多いようです。


まず、些細なことですが、この最初の立ち方は「平行立ち」です。

「外八字立ち」ではありませんので注意してください。









差し手から打ち技に移りますが、体側に沿って少し下げた位置で、行ってください。

水月【鳩尾(みぞおち)】の前ではありませんので注意してください。

理由は、道場へ上がったときに詳しく説明します。






四股立ちの肘固めから向きを変えて前屈立ちの上段揚げ受けを行う際、足の位置はそのまま変更せずに体の向きだけ変更してください。

上段揚げ受けに移る際、足幅が広く感じて少しやりづらいですが、我慢してください。



鷺(さぎ)足立ちからの一連の流れですが。。。

・この鷺足立ちは、上げた足を、軸足に巻き付かせてください。

「マツムラローハイ」とは異なります。

両手は交差せずにそのまま広げてください。

掛け手は斜め前で止めてください(以前のような真横ではありません




左手刀を頭上から大きく振って、中段に打ち落とす際、左足を必ず前方に出してから行ってください。

競技等では、左手と左足を同時に前方へ出そうとする選手を時々見かけますが、本学における審査ではこの点は正確に行ってください。


まだまだほかにも留意すべき点はありますが、本学の昇段級審査においては、少なくとも上記の内容は注意しておいてください。


それでは最後に、以前にもご紹介した宇佐見選手のニーパイポをあらためてご覧いただきたいと思います。



明日は、現役からの部活動報告を掲載させていただきます。

マツムラローハイの留意点

今日は全空連第二指定形の「マツムラローハイ」について、現役部員のみなさんに注意点を説明させていただきます。

尚、第二指定形としての「マツムラローハイ」と、第二指定形が定められる前の、「糸東会のマツムラローハイ」は若干動きが異なります。

まず、この形は、特徴的な動きが3回繰り返されます。

その部分だけをまとめて先に取り上げますと、注意点は「つま先の向き」です。

この片足で立つ立ち方を「鷺(さぎ)足立ち」と言います。

右の写真は、時系列的に左から右へと並べていますが。。。

左側の写真:つま先は「正面」

中央の写真:つま先は「真横」

右側の写真:つま先は「斜め45度」

となっています。

実は、このつま先の向きを忠実に守ろうとすると、技を出すとき非常に窮屈になり、極めるのが難しいです。



下の写真ですが、鷺足立ちから開手外受けの後の動作は「巻き込み」といい、非常に重要です。

掛け手ではありませんので、動作を間違えないようにしてください。

マツムラローハイは他の第二指定形と比較すると、取り組みやすいのですが、この巻き込みの動作はなかなか難しく、競技などでも適当にごまかしながらやっている人を時々見かけます。

巻き込みの後は「鉤突き」です。

鷺足立ちから鉤突きまでの一連の動きについては、分解動作を行えるようにしてください。

詳細はまた、道場へ上がった折に説明します。



基本的なことですが、諸手突きの後の立ち方は「結び立ち」です(右の写真)

バッサイダイで似たような動作がありますが、そちらは「閉足立ち」です。

間違えないようにしてください。







最後の中段蹴りからの動作(右の写真)も、正確に行おうとすると結構難しいのですが。。。

蹴りは正面で、左掌に当てる(軸脚を回転させてから当てない)

蹴りは下から上に出して左掌に当てる(真横から当てた勢いで回転しない)

。。。ということです。

競技においてはともかく、本学における審査等ではやはり見栄えよりも正確さを重視して演武した方がいいと思います。


あと、全般的なことですが、マツムラローハイという形は、開始位置よりも前方で終わってしまいやすいので、注意してください。

前進は歩幅を狭く、後退は歩幅を広めに取るのがコツですが、それでも開始線にきっちり戻るのは難しいです。

個人的には、開始線より少し前で終わるくらいなら許容範囲かと思います。

では、最後にマツムラローハイの演武を動画でご覧ください。

但しこの動画は、第二指定形として定められる以前の「糸東会のマツムラローハイ」です。

ご容赦ください。




尚、「ローハイ」は本来泊手の古伝の形と言われますが、様々な形で伝承されています。

ちなみに糸洲流には「ローハイ初段」〜「ローハイ三段」まであり、「マツムラローハイ」とは演武線も動作も全く異なります。

特に興味深いのは、「ローハイ初段」に見られる鷺足立ちです。

上げた足を、軸脚の前に置いていますが、これを「前鷺(さぎ)足立ち」と言います。

では糸洲流宗家・坂上節明先生が演武されている動画をこちらからご覧ください。

(形は後半に出てきますので、前半は早送りしてください)

明日はニーパイポについて書かせていただきます。

セイエンチンの留意点

糸東流の全空連第一指定形には、バッサイダイ以外に、セイエンチンがあります。これは那覇手の形です。

本学の昇段級審査でも演武する人が多いのですが、不正確な動作が結構多いので、現役部員の皆さんは、まずポイントを理解してください。

まず右の写真のように肘当ては体の中央で技を極めてください。

腰をひねらずにこの動作を行うために、体の中央より外側の位置で極める人をよく見かけます。








右の写真のうち左側ですが、このときの立ち方は「サンチン立ち」です。

このまま左手は引かずに相手の下段に向かって打ってください。

一度手を引いてから出す人を時々見かけます。
また中央の写真ですが、この動作は「拳槌打ち」です。

よく下段払いの動作をする人がいますが、まっすぐに拳槌打ちを行ってください。

そしてその次の動作(右端の写真)は、下段払いです。

このあたりの連続動作の意味を間違えないようにしてください。


右の写真のの一連の流れですが、手と足を必ず連動させて行ってください。

四股立ちが決まってから手を動かす人を時々見かけますがこれは悪い例です。







右の写真の動作ですが、前の肘は下から上に向かって出してください。

肘を横振りさせる人を時々見かけますが、これは正しくありませんので気をつけてください。







右の写真のように、猫足立ちで前に出る場合は、まずかかとから着地し、その直後かかとを浮かせて上足底で支えてください。

このやり方は、猫足移動の基本ですから必ずできるようにしておいてください。





ほかにもいろいろと説明したい箇所があるのですが、最低限、上記の内容を理解して、できるようにしておいてください。

では、最後に、昨日と同じ長谷川行光さんの模範演武をご覧ください。



明日はマツムラローハイについて書かせていただきます。

バッサイダイの留意点

まず、本題に入る前に、毎年この時期に行われる全国大会の開催について、主催者側から発表がありましたのでお知らせいたします。

はまなす杯第5回全国中学生空手道選抜大会、及び、第30回全国高等学校空手道選抜大会は、東北関東大震災・長野県北部地震の影響により中止となりました。

また、糸東会では、3/21(月)に開催予定の平成23年度糸東会ジュニア強化選手東日本地区選考会が、日程が延期になりました。

開催日については現在のところ、未定となっておりますが、近日中にホームページ上でお知らせいたしますとのことです。

詳細は各HPをご参照ください。

全空連HP

全国高体連HP

糸東会HP

あらためて、被災地の皆様には、心よりお見舞い申し上げます。


さて、今日の本題に移りますが。。。

全空連第一指定形・バッサイダイの留意点について、本学空手道部現役部員の皆さんに、お伝えしておきたいと思います。

内容は、糸東会師範講習会での内容に基づいたものです。

まず留意点=減点ポイントと考えると。。。

後方へ向いて中段横受けを連続して行いますが、このときの立ち方は当然、前屈立ち→基立ちですが、左右の足幅が広くなりすぎないようにしながら、左足はまっすぐ後ろに引いてくるようにしてください。

本学の審査でも、左足を内側に寄せるようにしながら引いてくる人が結構いますから注意してください。




突きから横受けに移るとき、動作を速く見せようとして、突いた後、肘をそのままたたむだけの人をよく見かけます。

必ず反対側の肩口あたりまで持ってきてから中段横受けを行ってください。





掛け手から相手の肘を押さえる動作をする際、速く見せようとして、左手を一直線に引き、右手を一直線に出す人がいます。

必ず動作の意味を理解して、円運動で行ってください。






諸手突きから閉足立ちになる際、かかとが浮いてしまう人を時々見かけます。

必ずかかとを浮かさない状態で行ってください。






右前方に掛け手を行った後、まず左前方に目付けを行ってください・・・(1)

その後、右手と右脚を、右後方に移動させてください・・・(2)

決して(1)と(2)の動作を同時に行わないようにしてください。


特に本学で行う昇段級審査においては、上記の点をしっかりとふまえて演武してください。

詳しくは、道場へ上がったときに説明します。

以前に一度ご紹介しましたが、糸東会の長谷川行光さんのバッサイダイをあらためてご覧いただきたいと思います。



明日はセイエンチンについて書かせていただきます。

「手刀受け」の疑問

今日は沖縄の泊手に残る技法をご紹介します。

技法といっても我々のよく知っている「手刀受け」なのですが、一般に手刀受けを行うとき、右の写真のような2つの挙動を連続させて行います。

つまり、左手で受ける場合は、まず左手を肩口あたりまで引いてきて、同時に右手を前に出して準備動作を行う。次に左右の手を逆方向に動かし、右手は引き手として、左手は受けの手として使います。

小生も、これまで何の疑問も持たず、自分でこのように練習し、指導もして来ました。

しかし、よく考えてみると、「果たしてこれで本当に受けられるのか?」という疑問が浮かびます。

相手に攻撃されているのに、受けるべき手をわざわざ肩口まで引いていたら、その間にやられてしまいますよね。

その後にいくら受けようとしても手遅れとなってしまうわけです。

まして、前に踏み込んで行きながら、受けの手を肩口近くまで引いていたのではもっと遅れてしまいます。

こういう受け方、疑問に思われませんか?

これに対して、拳龍同志会の新城孝弘先生が明快な説明をされています。

最初に前に出す右手が本当は「受け」なのだそうです。

そしてその後に出す左手は「攻撃」(例えば「打ち」)というこです。

よく言われることですが、沖縄の形(かた)を本土に伝える際、攻撃技を全て受け技に変更したそうです。

これは、本来の技を「隠す」ためなのか、危険な技だから変更したのか、それとも初級者には難しいから受け技にしたのかわかりませんが、恐らくそのようなことが多少なりとも影響したために、「手刀受け」が現在の解釈で伝わったのではないかと推察します。

ちなみに新城先生も、入門者には「手刀受け」、上手になってきたら「手刀打ち」として指導されているそうです。

もちろん、どちらの説が正しいということは小生には断言できませんが、これもやはり見識を広げる上では大切な視点であると思います。

最後に、今日は大変珍しい泊手の「五十四歩」をご覧いただきます。

拳龍同志会の生徒さんたちの団体形です。

普段見慣れない技がたくさん出て来ます。



これで一応「沖縄空手シリーズ」は一段落したいと思います。

隠されていた空手 〜中段横受けの疑問〜

今日も、もう一つ、「隠されていた空手」の中から拾い読みしてご紹介したいと思います。

我々が現役時代に習った受け方はいくつかありますが、実際に相手に突いてもらって、中段横受けを行おうとすると、差し込まれてうまく受けられないという経験は小生だけではないと思います。

果たしてこの受けは使えるのか?という疑問に対して明快な回答が隠されていました。



例えば右腕で横受けをする際、通常、まず左右の腕を胸の前で交差させながら曲線状に動作させてから、受けを行います(右の図)

このとき、左腕をまず右方向へ曲線状に移動させるのはなぜでしょうか?

右腕で受けるための反動として利用しているのでしょうか?




実はこの左腕の動きは、本来、「受け」なのだという説があります。

つまり、右腕一本でいきなり攻撃を横受けで防御するのは非常に難しく、失敗しやすいので、まず左腕で相手の攻撃をかわしてから、確実に右腕を使って攻撃を外側へ受けます。

こうすると、相手の攻撃が少々強くても確実に受けることができるというものです(右の写真)

これを「二度受け」と呼んでいます。

同様のことが、上段揚げ受けにおいてもあてはまります。

この「二度受け」の理論は実に合理的ですよね。




ところで最近、空手界で話題になっている、沖縄剛柔流に残された秘伝の技、「裏の分解」を紹介するDVDがシリーズで発売されています。

講師は久場良男先生といいます。

小生はこの先生のDVDは全巻揃えていつも勉強させていただいています(笑)

その「久場セミナー」の一部をご覧下さい。

(最初の宣伝の部分は早送りしてください)


隠されていた空手 〜平安初段の疑問〜

久しぶりに「沖縄空手シリーズ(?)」の続きです。

前にも書きましたが、沖縄の空手が本土に伝えられる際、多くの技が欠落しました。

形の動作も様々な箇所に変更が加えられ、その結果、形の動作と分解の動作との間に大きな乖離がみられ、何か釈然としない点が数多く残りました。

なぜ形の動作と分解の動作が違うのか?

分解の動作で実際の組手に使えるのか?

様々な疑問が残りながら、「形とはそういうものなんだ」と説明されて渋々納得させられたり、結局「形は実践では使えないものなんだ」と思わざるを得ないことが小生もよくありました。

ところが、沖縄古伝の形は、流れの動作と分解の動作が一致し、しかもそのまま組手にも使えるという大変理にかなったものが多いのです。

大ざっぱな言い方ですが、本土の我々が通常習う分解を「表の分解」、沖縄に残る古伝の分解を「裏の分解」と表現することにします。

そうすると、「表の分解」で納得いかなかった部分が、「裏の分解」で見事に説明され、目から鱗が落ちることが多々あるのです。

今日はそのうちの一部を、桧垣源之助先生の著書『隠されていた空手』の内容を一部引用しながら、現役部員の皆さんにご紹介したいと思います。


キーワードは、「前手は攻撃・後手は防御」です。





右の写真は、平安初段の最初の挙動です。

公式の解釈では、前手で受けた際、後手は額の前に構えている状態となっています。

しかし、なぜわざわざ後手(右手)を額の前で構える必要があるのでしょうか?

これでは次の攻撃に移る前にやられてしまう可能性があるのではないでしょうか?

素朴な疑問が浮かびます。




そこで、「前手は攻撃・後手は防御」という原則に従えば、前手は裏拳打ち、後手は相手の攻撃を受けるという解釈も可能であることがわかり、疑問が解決するわけです。

それを実践したのが右の写真です(体の表裏が逆ですが。。。)





右の写真は、松濤館流開祖・船越義珍先生と和道流開祖・大塚博紀先生が行った約束組手の写真ですが、これにも同じような意図が見られます。

このように、空手の解釈はいろいろありますが、これが絶対に正しいということは小生のレベルでは申し上げることができません。

上の平安初段の解釈でも、糸東会の公式解釈と桧垣先生の著書にある解釈とを比べて、どちらが正しくてどちらが間違っているというものではないと思います。

ただ、一つ言えることは、様々な視点を持つことが、見識を広げる上で大切であるということです。


ちなみに、上記の解釈は、船越義珍先生の高弟であった久保田紹山先生(右の写真)による用法だそうです。

久保田先生は、東京商大(現 一橋大学)空手道部OBで、昭和60年から師範として学生の指導をされていたということですので、霜友会諸先輩方の中でも、三商大戦で接点をお持ちの方がいらっしゃるかも知れません。

右の写真をクリックすると関連サイトをご覧いただけます。






では最後に、船越義珍先生を流祖とする松濤館流「平安二段」の分解組手を映像でご紹介します。

松濤館流では、「平安初段」と「平安二段」の呼び名が糸東流とは逆になります。

従って松濤館流の「平安二段」は、糸東流の「平安初段」に相当します。

この映像の中の最初の挙動を見る限りでは、糸東流の解釈とほぼ同じであるように思えます。

モノクロで随分古い映像のように見えますが、中心の人物は恐らく大坂可治先生ではないかと思います。

(もし間違っていればご指摘下さい)



明日も「隠されていた空手」の中の技法をご紹介します。
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