2007年12月18日
映画 「ダーウィンの悪夢」 レビュー 、現実こそが悪夢だ!
「現実こそが、やはり、悪夢である。
ダーウィンは、進化論を考察したとき、果たして、このように悲惨な未来の進化まで、夢見たのであろうか。」
映画 「ダーウィンの悪夢」 DVD
★★★★ 製作年: 2004年 製作国: フランス/オーストリア/ベルギー 収録時間: 142分 出演者: ---- 監督: フーベルト・ザウパー 製作: ---- 脚本: フーベルト・ザウパー 詳細: ---- シリーズ: ---- メーカー: ジェネオン ジャンル: ドキュメンタリー 夢はうつつか、うつつが夢か。 おもいっきり、おちこみたいときに、また、眠れないときに、見るのがよいかも…。 ただ、ドキュメンタリーで、ストーリー運びは単調なので、 すぐに、すやすや眠る可能性あり。 私も、途中、一度寝てしまいました。また、起きてしっかり全部見たけどね! 内容は重いです。アフリカのタンザニア国に在るビクトリア湖が舞台。 そこでの、多種多様な人々の生活が、インタビューと共に、映し出される。 アフリカの後進国が、いかにして、ヨーロッパなどの先進国に、「食い物」にされているかが、浮き彫りになってくる。
★★★★ 製作年: 2004年 製作国: フランス/オーストリア/ベルギー 収録時間: 142分 出演者: ---- 監督: フーベルト・ザウパー 製作: ---- 脚本: フーベルト・ザウパー 詳細: ---- シリーズ: ---- メーカー: ジェネオン ジャンル: ドキュメンタリー 夢はうつつか、うつつが夢か。 おもいっきり、おちこみたいときに、また、眠れないときに、見るのがよいかも…。 ただ、ドキュメンタリーで、ストーリー運びは単調なので、 すぐに、すやすや眠る可能性あり。 私も、途中、一度寝てしまいました。また、起きてしっかり全部見たけどね! 内容は重いです。アフリカのタンザニア国に在るビクトリア湖が舞台。 そこでの、多種多様な人々の生活が、インタビューと共に、映し出される。 アフリカの後進国が、いかにして、ヨーロッパなどの先進国に、「食い物」にされているかが、浮き彫りになってくる。
映画としては、ちょっと単調。
私自身、「すこし、たいくつ!」のファーストインプレッション。
タンザニア湖は、かつて、「ダーウィンの箱庭」といわれる程に貴重な自然の宝庫だったそうだが、
いまや、誰かが、放った「ナイルパーチ」という肉食魚に圧倒されている。
タンザニアの貧困は激しい。 売春は10ドル。 一晩の夜警は1ドルだ。 しかも、夜警のさい、前の担当者は、襲われてナタで切り殺されたそうである。
この地域の、今の新進産業は、「ナイルパーチ」の切り身を、ヨーロッパへ売ること。これが儲かる。
多くの男が漁師となり、多くの女がその売春婦となった。
「ナイルパーチ」はビクトリア湖の生態系を壊してしまっているが、大臣には、そんなことはかんけーねぇー。
そして、今日も、飛行機が飛んでいく。
タンザニアから、「ナイルパーチ」の切り身を乗せて、ヨーロッパまで。
ヨーロッパから、アフリカの戦争で使う「武器」を乗せて、タンザニアへ。
完全に、先進国に「食いもの」にされている。
「ナイルパーチ」とは、日本では「スズキ」とか「白スズキ」といわれている。
そう、ファミレスや学校の給食でよく出た、あの白身のフライこそ、「ナイルパーチ」である。
インタビューの中、人々は、ここでこうやって生活するしかないと訴える。
仕事があるだけ、まだ、ましだ、という。
そして、「勉強がしたい」と、答える。
また、「戦争はいいことだ。金がたくさん、もらえる。」という、男性がいた。
彼は、「戦争は恐くない。」と言う。
「戦争になったら、迷うことなく、人を殺す。」と言った。
貧困は悪である。なぜなら、それは、心をもっとも貧しくさせるからだ。
悲しくなった。恐くなった。暗くなった。息がつまりそうになった。
現実は、恐ろしい。
これは、悪夢なのか。それとも、われわれの生活のほうが夢まぼろしか。わからなくなった。
「ナイルパーチ」の切り身を、取るだけとったら、残りのアラ(頭と骨)は、彼らの食料となる。
衛生管理もままならない中で、アラは、ハエとうじ虫だらけのなかで、天日干しされる。
このあと、油であげられるのだ。油であげて、はじめて、食料となる。
強力なアンモニア臭の影響で、ここで働く老婆は、片目を失った。
すさまじいシーンだった。地獄をみたような気がした。
まるで、地獄の釜だきだ。
後半、映画を見ていて、とても寒くなった。
この映画には、わかりやすい希望はない。ただ、現実を羅列するだけだ。
希望は、みずからが作らねばならないのだろう!
今日も、空に、飛行機が飛んでいく。
タンザニアの「血肉」を乗せて。
ラストシーン、私はひとり、タンザニアの吹きさらしのがけっぷちに放り出された。とても、寒い。
そんな気分になる映画であった。