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2024年10月29日
【見学記】てつのくじら館へ行ってきました
ご無沙汰しております(^^)
長らく更新をサボっておりましたが、少し暇になってきましたのでぼちぼち再開したいと思います。
今回はちょっと趣向を変えて、広島県呉市のてつのくじら館を訪れる機会がありましたので、見学記など綴ってみます。
仕事柄、呉を訪れる機会は何回かあったのですが、こちらをを訪れたのは初めてでした。
残念ながら、内部は撮影禁止とのことでしたので(以前は撮影出来たそうなのですが)、他所様の写真をお借りしてちょっとしたレポートをお届けしたいと思います。
丁度、Youtube上で内部を撮影したものがありましたので、貼っときます。
【海上自衛隊】潜水艦内部へ潜入!てつのくじら館で見れる本物潜水艦!
展示されているのは退役したゆうしお型潜水艦7番艦の「あきしお」で、資料館の3階から船体に入る形になっています。外から見ると正にティアドロップ(涙滴)型で、よくこんなもの作れたなと感心します。余談ですが、浅草のアサヒビール本社ビルの隣にある金色のオブジェは鋼鉄で作られており、Kの潜水艦建造技術が生かされているんだそうです。
てつのくじら館
画像引用元: Taisyo - photo taken by Taisyo, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=4437162による
オブジェ「フラムドール」
画像引用元: Tokumeigakarinoaoshima - 投稿者自身による著作物, CC0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=39364652による
内部に入れるといっても、ハワイで展示されているボーフィン・サブマリンミュージアム&パークのように潜水艦の内部全てを見られるわけではないのですが、興味深い展示が幾つかあり、中でも発令所・操舵室へ入れるのは圧巻です。
発令所・操舵室
画像引用元: http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2007/2007/html/js603300.html
ゆうしお型は船体が複殻式ですので、よく映画とかで見る米帝の原潜の発令所・操舵室に比べたら相当狭いのですが、個人的な印象としては10名程度のクルーにとっては程好い狭さというか、一体感を醸成出来る広さのような感じがしました。
あと、これはセイルの直下にあるので当たり前なのですが、発令所の隣に艦橋昇降筒があることが確認出来ました。前部エアーロックという表札が掲示されていましたが、水中から出入りする際もここを使用するのでしょうか。スタンキーフード(イマーションスーツ)を被って水中から脱出するときは何処から出入りするんでしょうかね。
イマーションスーツ
画像引用元: CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=1039921
蛇足ながら、GA隊の某部隊(習志野及び江田島)は海外製の水中スクーターを装備していますが、それらは潜水艦の魚雷発射管から出入り出来るそうで、何故か本邦の潜水艦との適合試験も既に実施しているそうです(w
BLACK SHADOW.
https://rotinor.com/black-shadow/
Rotinor BlackShadow and Divejet DPVs
http://www.hisutton.com/Rotinor%20BlackShadow%20and%20Divejet%20DPVs.html
あと、これも実際に拝見するのは初めてですが、SINS(Submarin Inertial Navigation System)も発令所付近にて確認することが出来ました。電波も届かない深海にて行動する潜水艦にとっては、SINSは非常に重要な機器です。こちらのSINSの表札には破壊責任者?みたいな文字が刻まれており、万が一の際にはこれを破壊してから退艦するのでしょう。
現在のSINSは契約品名: 慣性航法装置ZSN-1Eとなっており、契約金額は約3.3億円で東京計器さんが契約されています。なお、これはRing Laser Gyroscopeを使用しているようです。RLGはミサイルやUAVなどによく使われるFOG(Fibre-optic gyroscope)に比べると高価ですが、高い航法精度を期待出来ます。
アーセナル社製のリングレーザージャイロ
画像引用元: Nockson - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=16233800による
呉資料館の建物の中では各種魚雷も展示されていました。
80式魚雷
管理人撮影
写真は開発名G-RXこと80式魚雷です。てっきり米国のMK37のコピーかと思ってましたが、有線誘導が可能であることなど、MK37より優れた点もあるようです。ただ、最大速力30ktじゃ原潜相手じゃ心持たないですね。次作の89式魚雷(G-RX2)はMK48と同じくオットー燃料を使用し、最大速力も50kt以上と伝えられます。
一度、魚雷関係の話を聞いたことがありますが、ミサイルとはまた違った難しさがあるそうです。例えば、航空機から投下される短魚雷では外殻の重量が全体の20%にも達すると聞きました。そのためか、魚雷を国産している国はミサイルと比べて非常に少なく、国連常任理事国5カ国を除くと日本、ドイツ、イタリア、スウェーデン、韓国位なものでしょう。台湾が魚雷の入手に非常に苦労したことは良く知られていますが、戦前から魚雷を作り続けている本邦の魚雷は各国の垂涎の的だそうです。
今回の訪問は余り時間が無くて、掃海機器のコーナー等は見学できませんでしたが、また次回はゆっくり訪問したいですね。
長らく更新をサボっておりましたが、少し暇になってきましたのでぼちぼち再開したいと思います。
今回はちょっと趣向を変えて、広島県呉市のてつのくじら館を訪れる機会がありましたので、見学記など綴ってみます。
仕事柄、呉を訪れる機会は何回かあったのですが、こちらをを訪れたのは初めてでした。
残念ながら、内部は撮影禁止とのことでしたので(以前は撮影出来たそうなのですが)、他所様の写真をお借りしてちょっとしたレポートをお届けしたいと思います。
丁度、Youtube上で内部を撮影したものがありましたので、貼っときます。
【海上自衛隊】潜水艦内部へ潜入!てつのくじら館で見れる本物潜水艦!
展示されているのは退役したゆうしお型潜水艦7番艦の「あきしお」で、資料館の3階から船体に入る形になっています。外から見ると正にティアドロップ(涙滴)型で、よくこんなもの作れたなと感心します。余談ですが、浅草のアサヒビール本社ビルの隣にある金色のオブジェは鋼鉄で作られており、Kの潜水艦建造技術が生かされているんだそうです。
てつのくじら館
画像引用元: Taisyo - photo taken by Taisyo, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=4437162による
オブジェ「フラムドール」
画像引用元: Tokumeigakarinoaoshima - 投稿者自身による著作物, CC0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=39364652による
内部に入れるといっても、ハワイで展示されているボーフィン・サブマリンミュージアム&パークのように潜水艦の内部全てを見られるわけではないのですが、興味深い展示が幾つかあり、中でも発令所・操舵室へ入れるのは圧巻です。
発令所・操舵室
画像引用元: http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2007/2007/html/js603300.html
ゆうしお型は船体が複殻式ですので、よく映画とかで見る米帝の原潜の発令所・操舵室に比べたら相当狭いのですが、個人的な印象としては10名程度のクルーにとっては程好い狭さというか、一体感を醸成出来る広さのような感じがしました。
あと、これはセイルの直下にあるので当たり前なのですが、発令所の隣に艦橋昇降筒があることが確認出来ました。前部エアーロックという表札が掲示されていましたが、水中から出入りする際もここを使用するのでしょうか。スタンキーフード(イマーションスーツ)を被って水中から脱出するときは何処から出入りするんでしょうかね。
イマーションスーツ
画像引用元: CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=1039921
蛇足ながら、GA隊の某部隊(習志野及び江田島)は海外製の水中スクーターを装備していますが、それらは潜水艦の魚雷発射管から出入り出来るそうで、何故か本邦の潜水艦との適合試験も既に実施しているそうです(w
BLACK SHADOW.
https://rotinor.com/black-shadow/
Rotinor BlackShadow and Divejet DPVs
http://www.hisutton.com/Rotinor%20BlackShadow%20and%20Divejet%20DPVs.html
あと、これも実際に拝見するのは初めてですが、SINS(Submarin Inertial Navigation System)も発令所付近にて確認することが出来ました。電波も届かない深海にて行動する潜水艦にとっては、SINSは非常に重要な機器です。こちらのSINSの表札には破壊責任者?みたいな文字が刻まれており、万が一の際にはこれを破壊してから退艦するのでしょう。
現在のSINSは契約品名: 慣性航法装置ZSN-1Eとなっており、契約金額は約3.3億円で東京計器さんが契約されています。なお、これはRing Laser Gyroscopeを使用しているようです。RLGはミサイルやUAVなどによく使われるFOG(Fibre-optic gyroscope)に比べると高価ですが、高い航法精度を期待出来ます。
アーセナル社製のリングレーザージャイロ
画像引用元: Nockson - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=16233800による
呉資料館の建物の中では各種魚雷も展示されていました。
80式魚雷
管理人撮影
写真は開発名G-RXこと80式魚雷です。てっきり米国のMK37のコピーかと思ってましたが、有線誘導が可能であることなど、MK37より優れた点もあるようです。ただ、最大速力30ktじゃ原潜相手じゃ心持たないですね。次作の89式魚雷(G-RX2)はMK48と同じくオットー燃料を使用し、最大速力も50kt以上と伝えられます。
一度、魚雷関係の話を聞いたことがありますが、ミサイルとはまた違った難しさがあるそうです。例えば、航空機から投下される短魚雷では外殻の重量が全体の20%にも達すると聞きました。そのためか、魚雷を国産している国はミサイルと比べて非常に少なく、国連常任理事国5カ国を除くと日本、ドイツ、イタリア、スウェーデン、韓国位なものでしょう。台湾が魚雷の入手に非常に苦労したことは良く知られていますが、戦前から魚雷を作り続けている本邦の魚雷は各国の垂涎の的だそうです。
今回の訪問は余り時間が無くて、掃海機器のコーナー等は見学できませんでしたが、また次回はゆっくり訪問したいですね。
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2023年05月07日
もがみ型のルーツはシンガポール海軍フォーミダブル級フリゲートだった!?
・もがみ型の構想はシンガポール海軍フォーミダブル級フリゲートの調査報告が基となった
・後日装備だったMK41VLSも予算化され、さらなる能力向上が期待できる
・もがみ型は内外の毀誉褒貶が激しいフネだが、将来的には新たな時代を開いたフネとして評価されるだろう
毎度なことですが、とある事情で暫く更新できていませんでした(^^)
先日、勝手に姉妹サイトのペンギン先生のサイト「改自衛隊で奏でた交響曲」にもがみ型の電波アンテナに関する記事がアップされていました。
【軍事技術】もがみ型の電波アンテナは興味深い!
大変面白い記事で、当方からコメントさせて頂いたところ、ブログ主のペンギン先生からの返信コメントが非常に興味深い内容だったため、ここに一部を抜粋して紹介させていただきます。
ペンギン先生に依ると、もがみ型のタイプシップはシンガポールのフォーミダブル級フリゲートだったというのです。この話をお聞きして、何か長年の疑問(何処かで見たような艦形)が氷解した気がしました。そしてフォーミダブル級フリゲートはフランス海軍のラファイエット級フリゲートの派生型ですから、元を辿ればラファイエット級フリゲートに行きつく訳です。
wikiに依るとシンガポール海軍フォーミダブル級フリゲートのステッドファストは2008年8月に横須賀へ寄港しています。その後、6隻ある同型艦のうち、テネイシャスを除く全ての艦が横須賀へ寄港を果たしていますので、フォーミダブル級フリゲートを見聞する機会は充分にあったのでしょう。
もがみ型護衛艦
引用元: 海上自衛隊, CC 表示 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=117859360による
フォーミダブル級フリゲート
引用元: By U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class N. Brett Morton - This image was released by the United States Navy with the ID 100623-N-8539M-708
ラファイエット級フリゲート
引用元: Franck Dubey - netmarine.net, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=38275による
こうして画像を並べて見てみるとお説ごもっともといった感じです(^^)
個人的にはもがみ型は従来の思想に捉われず、新しい時代の海洋事業部の一翼を担う艦だと思っています。(それだけに毀誉褒貶も激しい訳ですが)
本年度予算でMK41VLSも追加購入され、全艦へレトロフィットされるようですし、今後ESSM Blk2やA-SAMが搭載されれば、一段と能力向上するでしょう。良い艦になることを期待します。
・後日装備だったMK41VLSも予算化され、さらなる能力向上が期待できる
・もがみ型は内外の毀誉褒貶が激しいフネだが、将来的には新たな時代を開いたフネとして評価されるだろう
毎度なことですが、とある事情で暫く更新できていませんでした(^^)
先日、勝手に姉妹サイトのペンギン先生のサイト「改自衛隊で奏でた交響曲」にもがみ型の電波アンテナに関する記事がアップされていました。
【軍事技術】もがみ型の電波アンテナは興味深い!
大変面白い記事で、当方からコメントさせて頂いたところ、ブログ主のペンギン先生からの返信コメントが非常に興味深い内容だったため、ここに一部を抜粋して紹介させていただきます。
もがみ型は、横須賀の若い装備幹部がシンガポール海軍フォーミダブル級フリゲートを見て大変な衝撃を受けて報告書を作成して技術研究本部や海幕長まで報告したのが設計の始まりでした。(これは意識を180度変えないといけない!と)
防大同期つながりのよしみでで、当時最新鋭のフォーミダブル級を徹底的に研究できました。
艦船主任設計官や海幕装備体系課長まで見学にきてました。
もがみ型設計を担当した、艦艇主任設計官○海将補も、当時横須賀の若手幹部で見ていたのが知られざる話です。
引用元: 改自衛隊で奏でた交響曲
https://fanblogs.jp/sstd7628/archive/293/0#comment
ペンギン先生に依ると、もがみ型のタイプシップはシンガポールのフォーミダブル級フリゲートだったというのです。この話をお聞きして、何か長年の疑問(何処かで見たような艦形)が氷解した気がしました。そしてフォーミダブル級フリゲートはフランス海軍のラファイエット級フリゲートの派生型ですから、元を辿ればラファイエット級フリゲートに行きつく訳です。
wikiに依るとシンガポール海軍フォーミダブル級フリゲートのステッドファストは2008年8月に横須賀へ寄港しています。その後、6隻ある同型艦のうち、テネイシャスを除く全ての艦が横須賀へ寄港を果たしていますので、フォーミダブル級フリゲートを見聞する機会は充分にあったのでしょう。
もがみ型護衛艦
引用元: 海上自衛隊, CC 表示 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=117859360による
フォーミダブル級フリゲート
引用元: By U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class N. Brett Morton - This image was released by the United States Navy with the ID 100623-N-8539M-708
ラファイエット級フリゲート
引用元: Franck Dubey - netmarine.net, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=38275による
こうして画像を並べて見てみるとお説ごもっともといった感じです(^^)
個人的にはもがみ型は従来の思想に捉われず、新しい時代の海洋事業部の一翼を担う艦だと思っています。(それだけに毀誉褒貶も激しい訳ですが)
本年度予算でMK41VLSも追加購入され、全艦へレトロフィットされるようですし、今後ESSM Blk2やA-SAMが搭載されれば、一段と能力向上するでしょう。良い艦になることを期待します。
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