大学2年で初めて全日本学生卓球選手権大会の出場権を獲得しました。インターハイに出場できなかった私はワクワクドキドキで毎日練習に励んでいました。そんな大会間近のある日監督から誰々と2回戦であたるぞと言われ、そこから今までに経験したことのない集中力で日々を過ごしました。誰々とは、私が大学1年時のインターハイチャンピオンで全国的に有名になり始めた選手でした。大会までその選手に絶対勝つという信念というか集中力が途切れることなく、まったく無駄のない生活が出来ていました。大会当日を迎え、会場の雰囲気としてはインターハイチャンピオンが初めての大学全国大会でどこまで勝ち上がるかという感じでした。私はその選手のシード下(通称パッキン)だったので、1回戦を無事勝利し(まったく覚えていません)、2回戦出場のためコートに入りました。そこで今思えば信じられないような体験をすることとなりました。コートに入った瞬間、何かが違うことに気づきました、コートが光輝いていて気持ちがいいんです、そして自分の心から勝ち負けは一切消えていてスッキリした気分という感じでした。とにかく気持ちがいい。3セットマッチの試合が始まり、記憶は2セット目の20対19からしか覚えていませんが、最後のサーブがフォア前のエッジで入り、21対19、21対19の2−0で勝利しました。なぜ勝てたか分かりません。いつの間にか20対19の場面になっていました。大接戦のはずなんですが試合途中の戦術記憶はまったく無く、淡々と試合が流れ、緊張感や焦りもまったく感じなく、どこにも力が入ってなくて気持ちいい、ずっとこのままでいたいみたいなことを考えていました。多分こういう状態をゾーンに入ったということなのかなと後で思いました。意識したのは最後のサーブだけで、この時は通常試合で感じる緊張状態だったと思いますがエッジで入りラッキーでした。学生時代10年間の試合で最初で最後の経験でした。光に包まれている感じを味わい貴重な体験でした。
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