2020年07月25日
【分解合成】コラーゲンとゼラチンとコラーゲンペプチド
厚生労働省のe-ヘルスネットによると、コラーゲンは皮膚や腱・軟骨などを構成する繊維状のたんぱく質で、人体のたんぱく質全体の約30%を占めています。コラーゲンはその物理化学的性質から、構造や機能の異なる分子ファミリーに分けられ約30種類の型があります。ゼラチンの原料としても知られ、食品や写真フィルムなどに広く応用されています。
人の皮膚や血管、じん帯、腱、軟骨などの組織を構成する繊維状のたんぱく質です。人の場合、体内に存在するすべてのたんぱく質の約30%を占めており、そのうちの40%は皮膚に、20%は骨や軟骨に存在し、血管や内臓など全身の組織にも広く分布しています。
コラーゲンを構成するアミノ酸の生成にはビタミンCが必要なため、ビタミンCが不足するとコラーゲンの合成が出来なくなり、壊血病を引き起こします。またビタミンAもコラーゲンの再構築に関わっています。
コラーゲンを多く含む食品としては、豚足や鶏皮、手羽先、軟骨、牛すじ、牛テール、豚バラ肉、フカヒレ、エイヒレ、魚の皮、うなぎ、なまこなどがあります。煮こごりや牛すじの煮込み、豚骨スープなどコラーゲンが分解され、ゼラチンの形態で日常の調理でも散見されます。食物から必要なたんぱく質が摂れていれば、コラーゲンが特に不足することは通常ありません。
代表的なコラーゲンは、アミノ酸が1,000個程度つながった分子量10万程度の鎖状のポリペプチド、つまり多数のアミノ酸が結合によって連なった物質3つでらせん状の構造を形成している細長い棒状のたんぱく質です。アミノ酸組成はグリシンが33%を占め、プロリン及びヒドロキシプロリンが21%、アラニンが11%となっています。コラーゲンは水に溶けにくい性質を持ちます。コラーゲンは体内に入ると、分子構造が大きいため、そのまま吸収されることはありません。アミノ酸に分解されてから、体内で必要に応じてコラーゲンに再合成されます。
ゼラチンは、コラーゲンを40℃以上で加熱し、らせん状の構造を壊して、3つのポリペプチドをばらばらにした水溶性の物質です。
ゼラチンは分子量を調整することによって、ゲルの強度やゲル化の温度を調節することができます。
食品メーカーが、ゼラチンを大量に生産するためには、牛骨や豚の皮、魚の皮を原材料に使用します。原材料を酸やアルカリで前処理することでゼラチンを取り出しやすくし、熱水で抽出し、精製、乾燥します。ゼラチンの主な用途は、プリンやゼリーなどです。
コラーゲンペプチドはゼラチンを酵素などで分解し、分子量を5,000もしくはそれ以下まで小さくしたものです。コラーゲンペプチドは、分子量を小さくすることにより、より水に溶けやすくなり、消化吸収も高まります。
主な用途は、健康食品や化粧品などです。
体内で吸収される際は、細かく分解されますが、近年ではアミノ酸よりも少しだけ大きなペプチド、つまりアミノ酸が複数個つながった状態でも、体内でそのまま吸収されることが報告されています。吸収されたアミノ酸やペプチドは、体のすみずみまで届けられ、肌はもちろん、関節や骨など全身で活用されます。
たんぱく質であるコラーゲンは、体内でアミノ酸やアミノ酸が複数つながったペプチドに分解されてから吸収され、皮膚や関節に届きます。コラーゲンは、ビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が高まるといわれています。コラーゲンとビタミンCを一緒に摂取することで、肌や骨、関節などの健康維持の効果が期待されます。
コラーゲンは水には溶けませんが、加熱し分解することにより、水に溶けやすいゼラチンに変わります。ゼラチンの特徴は温めると溶け、冷すと固まることです。この性質は、ゼリーやプリンなどの食品にとどまらず、医療品や工業用品など生活を取り巻く様々な分野に活用されています。
コラーゲンペプチドはゼラチンを酵素などで分解し、分子量を5,000以下まで小さくしたものです。コラーゲンペプチドは、分子量を小さくすることにより、より水に溶けやすくなり、消化吸収も高まります。体内で吸収されるときは、さらに細かいアミノ酸や複数のアミノ酸がつながったペプチドまで分解されます。吸収されたアミノ酸やアミノ酸が複数つながったペプチドは、肌や関節、骨などの全身で活用されます。
健康を意識している方に向けて、肌や関節、骨に深いかかわりがあるコラーゲンペプチドを配合したゼリータイプの食品が市販されています。肌や関節などに違和感を覚えたら、こちらを試してみてはいかがでしょうか。
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