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2014年05月26日
映画『おじいちゃんの里帰り』
ドイツ映画『おじいちゃんの里帰り』@下高井戸シネマ
20世紀半ば、ドイツ国内の労働力不足を補うため、ドイツ政府は周辺諸国に移民を募り、その結果、トルコから大勢の労働者がドイツに移住しました。
そして現在、その2世、3世、4世がドイツで多く暮らしています。
そんな世界史的背景を前提に、この作品は、在独トルコ人1世の「フセインおじいちゃん」が家族全員で、「トルコの故郷の村に旅行に行くぞ!」という物語。
最初は難色を示す家族も、おじいちゃんの最初で最後の願いを聞き入れようとどうにかバケーションを調整します。
外国で暮らすマイノリティはたいてい大家族で、フセイン一家も例外なく大家族。
なので、登場人物はおじいちゃんとおばあちゃん、子ども(2世)が4人とその伴侶、孫(3世)2人の計9人。
家族の一人一人が、トルコとドイツ両国のアイデンティティ問題を抱えているのが印象的です。
でも基本的にコメディタッチなので、ドイツとトルコの移民問題をよく知らない日本人にも、わかりやすく頭に入ってきて、感情の移入もしやすい。
そもそも語り部が、孫のチャナンとチェンク。
お姉さんのチャナンが、幼いイトコのチェンクに、おじいちゃんとおばあちゃんの昔話を語って聞かせる形で物語が進むので、移民問題なんて全然知らなかった!という人でも普通に鑑賞できます。
以下に、家族のメンバーが抱える悩みを羅列してみますね。(あくまでmemeの主観/ネタバレあり)
20世紀半ば、ドイツ国内の労働力不足を補うため、ドイツ政府は周辺諸国に移民を募り、その結果、トルコから大勢の労働者がドイツに移住しました。
そして現在、その2世、3世、4世がドイツで多く暮らしています。
そんな世界史的背景を前提に、この作品は、在独トルコ人1世の「フセインおじいちゃん」が家族全員で、「トルコの故郷の村に旅行に行くぞ!」という物語。
最初は難色を示す家族も、おじいちゃんの最初で最後の願いを聞き入れようとどうにかバケーションを調整します。
外国で暮らすマイノリティはたいてい大家族で、フセイン一家も例外なく大家族。
なので、登場人物はおじいちゃんとおばあちゃん、子ども(2世)が4人とその伴侶、孫(3世)2人の計9人。
家族の一人一人が、トルコとドイツ両国のアイデンティティ問題を抱えているのが印象的です。
でも基本的にコメディタッチなので、ドイツとトルコの移民問題をよく知らない日本人にも、わかりやすく頭に入ってきて、感情の移入もしやすい。
そもそも語り部が、孫のチャナンとチェンク。
お姉さんのチャナンが、幼いイトコのチェンクに、おじいちゃんとおばあちゃんの昔話を語って聞かせる形で物語が進むので、移民問題なんて全然知らなかった!という人でも普通に鑑賞できます。
以下に、家族のメンバーが抱える悩みを羅列してみますね。(あくまでmemeの主観/ネタバレあり)
- ・フセインおじいちゃん
ドイツのパスポートを取得したが、民族的にはトルコ人だというジレンマ - ・ファトマおばあちゃん
ドイツパスポート保持者でも民族的にはトルコ人!と割り切っているのでジレンマはない。むしろドイツ人に帰化できたことを喜んでいる。しかしおじいちゃんが旅の途中で天に召されてしまい、「書類上はドイツ人だから外人墓地にしか埋葬できない」と言われ憤る。 - ・二男マホメド
失業中(トルコ系移民の失業率は高い) - ・孫娘チャナン
英国人の彼氏との間に子どもができた。家族のメンバーには話せていないが彼氏は結婚に意欲的。なんで彼氏はドイツ人ですらなく英国人なんだ!と家族からツッコミが入る。 - ・孫チェンク
トルコ語が一切話せない。学校でトルコ人グループにもドイツ人グループにも入れてもらえず、自分は一体何人なの?という疑問を抱いている。
ちなみにチェンクのパパとママはチェンクがまさかトルコ語を話せないなんて思ってもいません。
映画館のなかでも笑い声が起きるくらいの王道コメディなのに、それぞれの気持ちを考えると涙が止まらないいい映画でした。
あとですね、トルコといえば真っ先に思う浮かぶのがイスタンブルのモスクの尖塔、ボスポラス海峡を行き交う舟、ガラタ橋の賑わい…って人も多いと思いますが、アナトリア(トルコ東部)のなんにもない荒野の風景もどこか懐かしさを感じさせます。
イスタンブル(都会)とアナトリア(ド田舎)の出身地格差というのもこの映画のテーマの一つなのかもしれませんね。
欲を言えば、若かりし頃のおじいちゃんとおばあちゃん(と同じ村の人々、もちろんトルコの田舎)までなぜかドイツ語で話していたのが違和感ありましたが、ドイツ映画だししょうがないか。
トルコ語できるくせにトルコ映画には全然手がつけられていないので、そろそろ腰を据えて映画みよう、と思わせてくれる作品でした。
そういえば、ジェイラン監督の「冬の眠り」、カンヌ映画祭最優秀賞受賞したんですね。トルコ映画、アツイ(笑)
『おじいちゃんの里帰り』は下高井戸シネマにて2014年5月24日(土)〜5月30日(金)まで上映中です。
映画の後は当然下高井戸名物 「たつみ」 の鯛焼きを食べて帰りました。。
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