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2016年04月04日

地元怪談シリーズ1『地下へ・・・』冨田武市

これは、ゴリラが職場の先輩S氏より聞いたS氏の友人の体験談である。
仮にA氏とする。
A氏は大阪府岸和田市のマンションで独り暮らしをしていた。
その日は友人と食事をし、夜中まで遊んで車で自宅のマンションに帰ってきた。
駐車場に車を停め、鼻歌交じりでエレベーターに向かう。
彼の自宅は三階であった。
エレベーターはA氏の待つ一階で停まった。
チンと音を立ててエレベーターの扉が開く。
仲には中年の賛成と女性、小学低学年くらいの女の子が乗っている。
どう見ても家族連れである。
しかし、こんな夜中に小学校の子を連れてるんやなぁとA氏は思った。
家族連れは何故か皆うつむいていて、暗い雰囲気である。
何か気の毒な状況なんかな?
とA氏は感じたという。
A氏はエレベーターに乗り込もうと思うが、何故か立ち入りにくい雰囲気である。
A氏が躊躇していると、父親らしき男性が、うつむいたまま人差し指で下を指さす。
ああ、下に降りるんやな。
何か立ち入りにくいし、先に行ってもらおうと
「あ、僕三階なんで、気にせんと先に行って下さい」
と言って先に行くように促した。
すると父親は、ああ、そうですかと言うようにペコッと頭を下げる。
母親らしき女性も続いて頭を下げる。
女の子はうつむいたままだった。
エレベーターの扉が閉まり、下に降りていく。
その様子を見ながら、A氏は違和感を感じた。

ここ・・・一階やよな・・・

A氏の背筋が一瞬で凍りついた。
このマンションンに地下はないのだ。

A氏は全力で外まで駆け出すと、携帯電話でS氏にその事をまくしたてたらしい。
ありえない事である。
しかし、エレベーターはあまりに自然に地下へ降りて行ったそうだ。
A氏はそれからエレベーターを使う事ができなくなり、階段でしか階を移動する事ができなくなった。
何か曰くがあるのか調べてみたらしいが、有力な情報は得られなかったらしい。
ちなみに、A氏はアルコール類は一滴も口にしていなかったという。
ゴリラ思うに、この家族が生きている者でない事は明らか。
ゴリラの私観であるが、うつむいている霊はこの世に対する未練が大きい。
しかも、その未練は何らかの公開であると思われる。
更に、この家族はこのマンションで何かの不幸に遭ったわけでもないと感じる。
あくまでも私観だが、マンションに原因があるわけでなく、当時のA氏とこの家族の波長が合致し、そのような形でA氏の前に起こった現象に過ぎない。
事実、A氏と同じ体験をした人もいないというし、このマンションで一家心中があったという話も無いのだ。
A氏はほんの短い時間だけ、非日常の世界に身を置いてしまった。
この家族はA氏に何を伝えたかったのか?
また、家族を乗せたエレベーターはどこに向かったのか?
それを知る術はないが、ただ一つ、A氏はその後数年そのマンションに暮らしたが
怪異に出くわすことも無く、引っ越した先でもそのような経験をする事もなく元気に生活している。
終わり





posted by kaidann at 19:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 地元怪談
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