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2016年04月17日

私的怪談シリーズ13 子供 冨田武市

また同じ会社のSさんとの話である。
お昼前、ゴリラが職場の工場内を歩いているとベテランのHさんが
「またSが気持ち悪い事言うとるぞ。話聞いたれや。」
という。
ゴリラはすぐさまSさんのもとへ急いだ。
Sさんの持ち場にいくと、Sさんが青い顔をしている。
「Sさんどうしたん?何かあったん?」
とゴリラが尋ねると、Sさんは機械の側に置いてある一斗缶を指差して答える。
「今も見えるんやけどよ、その一斗缶の上に四、五歳くらいの男の頭浮かんでるねん…もうキモくて仕事にならんわ!」
と指差しながらも、そちらを見ようとしない。
しかし、ゴリラには見えない。
これは困ったな。
この機械は早く稼動させないと納期に間に合わないかも知れぬ。
ゴリラはその一斗缶に近づいた。
その時、ゾッという悪寒がゴリラの全身を貫き、鳥肌が立つ。
ゴリラは
「Sさん?もしかして、オレ今重なってる?」
と感じたまま尋ねた。
すると、無言で頷くSさん。
見えはしないが、明らかに感じる。
そこに立つとやはり悪寒と鳥肌だ。
何とかせねば…
何とか…
ゴリラはふっと閃いた。
「Sさん、ちょっと待っといてな!」
ゴリラは自販機まで行き、子供の好みそうなリンゴジュースを購入し、Sさんの持ち場に戻った。
「お待たせSさん!とりあえずコレ、供えて手合わせてみよ!」
ゴリラはそう言ってジュースを一斗缶の上に供えて、二人で手を合わせた。
『君がそこにおったらSさん仕事できんから、取りあえず違う場所に行ってもらえる?悪いけど頼むわ。』
と心に念じた。
「とりあえず、どっか行ってくれるよう祈って、昼まで様子見よ。Sさん、他の機械やっとこ!」
とゴリラはその場を後にした。
昼休み後、いなくなってくれている事を祈ってSさんの持ち場に行くと、Sさんが件の機械を触っている。
「Sさん、どっかにいってくれた?」
と尋ねてみた。
するとSさん、
「昼休みに見にきたらおらんようになってたわ。ははは、アレ効いたんかな?」
と笑った。
さっき悪寒を感じた場所に経ってみたが何も感じない。
「何であいつら人がおらんようになったり、見てない時に消えるんやろなあ?」
と二人で笑った。
ゴリラはHさんに事件解決を報告にいった。
するとHさん、
「お前等なあ、あんま気持ち悪い事言うたりすんなよ。怖いやんけよ。」
と笑った。
会社では、時々こんな事が起こる。
終わり





posted by kaidann at 21:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 私的怪談

私的怪談シリーズ12 弟の卒業アルバム 木林博喜

私には5歳年の離れた弟が居ます。
今日お話しさせて頂くのは、その弟が
中学を卒業した時の卒業アルバムに心霊写真が写っているという
お話しです。
弟も私と同じ中学出身なのですが私達の中学は修学旅行には
私は長崎に弟は広島にと被爆した都市への修学旅行で、修学旅行で
スキーとかへ行っていた中学の子が羨ましかったものです。
そして問題の弟の卒業アルバムなのですがその原爆記念館や教会やなどを
訪問した際の写真で教会の中を上半身が無く足だけが歩いている写真が
写されているのです。
私も弟に見せられ生まれて初めて生で心霊写真を見ました。

卒業アルバムをそのままスマホで写したものですが左右の参列席の間に足があるのが解るでしょうか?
少しアップにしてみます。
写真 (6).JPG


写真 (8).JPG中央を歩くような2本の足確認できましたでしょうか?
私もこれを見た時に本当に心霊写真て写るんや〜と思いました。
しかし弟や弟の学年の後輩たちには卒業写真に心霊写真が使われる気持ちよ〜といじってしまいたくなる爆笑したい気持ちを抑えつつも珍しい物見せてくれてありがとうと言いました。
posted by kaidann at 18:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 私的怪談

2016年04月16日

私的怪談シリーズ11 武市宅にて・・・  木林博喜

これは私達がまだ社会人になり数年経過したころの話です。
当時は私やこのブログを一緒に運営している冨田武市先生は
他の仲間数人とウイニングポストという競馬のオーナーブリーダーに
なり牧場を経営するゲームにはまりにはまっていました。
そして、当時はそのウイニングポストで自分達が生産した馬同士を
ブリーダーズカップで争わせ、独自にGTからGVまでレースを設定し
ポイントを設定し定期的に大会を開催し、武市先生は独自で新聞まで
発刊するというはまりっぷりでした。
そんな中週末にその何回目かのブリーダーズカップを控えていたある日
私は最大のライバルである武市氏の出来具合を偵察に行くべく彼の自宅に
お邪魔していました。
そして2階にある武市ルームにて【馬談義】を買ってきたポテトチップスに
私はコーラに武市氏はコーヒーを飲みながらしていると、コーラを勢いよく
飲み過ぎて熱い馬談義の最中ではありますが不覚にも尿意には勝てずお手洗いに
席を外しました。
2階にある武市ルームから階段を下り武市ファーザーと武市マザーがいらっしゃる
居間を横切りお手洗いに行くのですが、丁度不在であった武市氏のご両親のいつも
いらっしゃる居間を横着る時に私は、誰も居ないのは来た時から知っていたはずですが
視線を感じたので居間を見ました。
すると、子供?いや・・・やっぱり子供やよな?
と思うが白い・・・いや銀色?とも取れるおそらく全裸?
の子供がベッドに三角座りをしていてこちらを見ているのです。
私は目が合いましたが何やこいつと思い、しかし何か色変やん・・・
てか宇宙人?幽霊?お前生きてるんか?と思い三角座りの恐らく4歳?5歳?くらいの
銀色っぽい白い子供に興味はあったがここに来た時点で既に尿意に打ちのめされそうに
なっていた私は後ろ髪引かれまくる思いで、まずはお手洗いで尿を足しました。
そして、再度居間の前を通ると、子供の姿は何処にも在りませんでした。
なんやったんや・・・あの子供・・・
と思い武市ルームに戻り今のいきさつを話すと、その後帰宅した武市マザーに
武市氏が私が話した内容を話したみたいで、再度お手洗いに行くと(私はコーラを
飲むと尿道が短いのか立て続けにお手洗いが近くなる性質)武市マザーが「ひーちゃん(博喜
故に昔から皆にそう呼ばれていて)変なもん見たな〜うん、何かおるわ・・でも変なもんちゃうから
気にせんでええよ」
とおっしゃられ、えっ武市マザーが感じるという事は霊的なもんか?
俺は宇宙人かとも思ったよ〜と思いながら結構色々なものを【見て】はる
武市氏のお母さんが言うのならそうだろうと納得し霊感が張飛の知力並にしか
ない私にもたまにはそういう事もあるんやなあと思いながらその日はウイニングポストの
前哨戦を武市氏としてから帰宅しました。
あの後、もう何十回と武市ハウスにはお邪魔していますがあの白とも言える銀とも言える
全裸小僧とは会っていません。
しかしあの日だけ何で張飛の知力並の霊感しか持たない私の目に映ったのか?
それにはどういう意味があったのか?
あの全裸小僧は私に何かを訴えたかったのか?


それともただの気まぐれなのか?
それは永遠に解らないままです。

posted by kaidann at 21:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 地元怪談

私的怪談シリーズ10 新聞配達のオバサン 冨田武市

ゴリラが小6の際、担任の先生から聞いた話である。
先生が大学生の時の事である。
先生は友人宅で仲間内の飲み会兼麻雀大会に参加していた。
ゲラゲラと大笑いしながら、飲み、食い、タバコも部屋が真っ白になるくらい吸いながら麻雀を楽しんでいた。
すると、家主である友人がこんな事を話始めた。
「仲良くしてた新聞配達のオバチャンがおったんやけどな、最近急に来んようになってなあ。辞めたんかなあ?」
辞めたにしても、挨拶くらいしてくれにゃあ寂しいじゃないか。
とか何とかクドクドと寂しいという思いを口にしていた。
田舎から出てきて独り暮らしをしている友人には田舎の母親と重なるものがあったのかもしれない。
夜も更けて、みな一人一人と力尽き始めた。
先生は比較的早くに力尽きたようで、空が白んだ頃に目を覚ました。
すると、窓を開けて外を見ながら一服している家主の友人。
先生もタバコに火をつけ、とりとめなく家主の友人と言葉を交わしていた。
すると、チリンチリンと自転車のベルの音がする。
友人は
「あれ?」
と言って窓から体を乗り出した。
「おばちゃん!」
友人は嬉しそうに声をあげた。
先生はああ、おばちゃん辞めてなかったのか、よかったなあ、と思ったそうだ。
しかし、先生はみてしまった。
窓を外に自転車が止まっており、友人に新聞を渡すと走り去っていく。
友人の部屋はアパートの二階である。
凍りつく先生。
しかし友人は先生の方を振り向くと涙をポロポロ流していた。
「おばちゃん、何も言わへんかったけど、たぶん亡くなったんやなあ。でも、オレがクドクド言うてたから、最後に新聞持って挨拶に来てくれたんやなあ」
と大事そうに新聞を握りしめながら泣いたそうだ。
これは先生と家主の友人二人だけの秘密にしたらしい。
ちなみに新聞はちゃんとその日の朝刊だったらしい。
終わり




posted by kaidann at 18:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 私的怪談

2016年04月13日

私的怪談シリーズ9 東京出張 木林博喜

私、木林がまだ教育産業で教材の販売の仕事をしていた時のお話しです。
当時私は、大阪本部に所属していましたが東京支店のある池袋に3日間
応援としてかけつける事となりました。
そして大阪には無いのですが、東京支店には社員寮があり私もその時は
空いている社員寮の部屋で3日間過ごす事とし、寝るのは二泊ですがたった3日間の事なので
深くは考えていませんでした。
当時大阪で居ても毎晩、綺麗なお姉さまの居るお店に飲みに行っていた私は
どうせ夜は仕事を終えたら東京のおなごはどないなもんやろ?と飲みに行く事
ばかり考えていたのでその後の事などはどうでも良かったのです。
そして1日目の仕事を終え、当時の東京支店の支店長は私の1期後輩で表彰式などで
顔を合わせては飲みに行く仲間でもあったので私も仕事を終えた後
「さあ城戸さん!東京のべっぴんさんのお店に案内するべし!」
と勇んで飲みに行きました。
それはそれは楽しい夜を過ごし2件ハシゴした後、東京の美味しいという評判のラーメンも
堪能し、後は寝るだけなのでなじみのない寮に行きました。
寮といえど2階建ての全10室のハイツを会社が買い取り、管理人を設置しており
十分1人暮らしなら生活に困らない設備の整った住居スペースなので3日過ごすには全く
問題ないという感じでした、そしてその日寮に来たのは2回目で午前中に東京に到着し
着替えなどのバッグを置いて、管理人さんに挨拶してから東京支店へ向かったので本日2回目です。
管理人さんの天野さんという60歳くらいの男性が私が3日間空き室の205を使う事を申し出た時に
「本部長、本当にあの部屋使われるのですか?私はあまりおすすめできませんが・・・」
と言われ私は気にすることもなく
「なんでですか?天野さん」
と聞くと
「いやね・・本部長がかまわないなら良いのですが・・・いえ・・本部長なら
ホテルとか泊まられた方が良い思いましたので」
と部屋の待遇面を気にして下さってるのだと思い
「いえいえ・・・旅行じゃないんですから、それに本当に風呂があって寝れるだけで十分ですので」
と笑いながら気遣って下さった天野さんに礼を言うと荷物だけ部屋に運んで頂けるようお願いして預けました。その時に受け取っていた鍵で今、夜の繁華街で同志の城戸支店長と豪遊してきて心地良い気分で初めて
寮に入りました。
部屋は2室とキッチン浴室トイレがあり、当時はまだ実家住まいだった私よりもよほど良い暮らしをしてるなぁ東京の独身男性社員は・・・
と思いながら風呂に入り酔いも醒め、テレビをつけたが東京のチャンネルもわからないうえに深夜2時
こんな時間に見ても仕方ないなと思いそのまますぐに寝る事にしました。
そして程よい疲れと飲酒の為すぐに眠りにつきましたが、尿意を感じすぐに目覚めてしまいました。
時計を見るとまだ深夜3時、1時間しか寝ていないのかと思いまたベッドに入ると寝ようと目を閉じた
時に何か圧力?プレッシャーのようなものを感じるのです。
私はそもそも霊感など全くなく、子供の頃に1度水着の女性を見ましたがそれは子供故の感性によるもの
かとも思いますし、そもそも成人してからは心霊スポットに行ったり、ここ出るでと噂されているような
場所に行ったり、周りの人が何かを感じているのに私は全く何も感じず
「仲間外れのニオイがプンプンするぜ」
状態でした。
しかし、この時に感じた圧力は間違いなく【その類】のものだと直感しました。
霊感の無い私でもビンビン【何か】を感じるのです。
その時私は、ここで怪談話や霊体験話し通りだと金縛りが来るんやろうなぁ
と思いながら来るなら来いと身構えていました。
来い!来い!来なさい〜来たまえ〜と念じていますが金縛りは来ず、しかしベッドに横たわる
私へ対する圧力は依然無くなりません。
なんやこれ・・・と思うと音は聞こえないのですが確かにベッドの上を歩かれている気?
感触ははっきりと無いのですが何故か私を踏みつけ私を横断する人たちが居る気がするのです
確かに腹の上を歩かれている・・・しかも1人や2人じゃないなこれはと思いながら
しばらくそのままにし様子を見ていました。
苦しくも無く金縛りに合うわけでもないのですが寝ている私を横断するかのように人が次から
次へと歩いているのが【解る】のです。
感じると言った方が表現が適切でしょうか・・・
そうすると何も見えないし、何も聞こえないのにただ腹を踏まれて歩かれている感覚だけが
強くまだ何かが見えれば怖かったりするのでしょうが、ただ寝ている私の腹の上を運動会の
行進のように歩かれているだけではただの安眠妨害で、心霊話のネタにもなりません。
しばらくそのまま寝ようと試みましたが、その時に
ああ、天野さんが言っていたのはこの事か・・・しかも205に入る新入社員はすぐに気が病んで
辞めるって城戸さんも言うてたな、これが原因ね。なるほど・・感じる奴にはもっと何かが見えたり
怖かったりするのかも・・・と考えていました。
しかし寝れません・・・こいつらええ加減にせえよ!
とだんだんこの腹の上をドタバタ(実際に音は聞こえませんが感じるのでそういうイメージは湧きます)歩き続ける輩達に腹がたってきて
「お前ら〜!そんなに入場行進が大事か〜!!昼にせい!昼に!」
と深夜にもかかわらず叫んでしまいました。
するとピタッと腹に感じるふまれる感触は無くなり、私はその後も中々寝付けませんでしたが
その日はもう何もなくそのまま朝を迎えました。
そんなに怖い目に合ったという自覚はないものの安眠妨害の腹を踏まれまくるのは心地よいもの
でもなく管理人の天野さんに事情を説明し翌日はやはりホテルに泊まる事にしました。
天野さんは
「いや〜私も話しておくべきだったのですが・・・」
と言いながら説明してくれた内容が、この寮が出来て3年経つが寮の前は末期患者の診療所で
その診療所も閉鎖して10年以上経ち、放置されていた建物を今の寮に立て直したとの事で、
205号室に住むウチの社員は理由を言わずに辞めて行くものもおれば大勢の人が寝室に群がってきて
寝ているその子を毎夜囲むと天野さんに相談しそのまま病んで辞めて行った子も居るみたいで、人により
感じる感じないはあるのだろうがあまりにも酷いので天野さんは天野さんの知り合いのお坊さんに相談し
お祓いをしてもらった時に、あの205号室は霊道になっているので人によっては災いを及ぼす聞いてから
あまり社員を入れないようにしていたらしいのです。
ただそういう事は感じない人もいるし信じない人もいるので住んでいる他の部屋の社員には話さないように
していたとの事でした。
私も先言えよ!と思いましたがお坊さんの説明と205号室に過去入居した数名の社員の証言だけで
何も確信的な事はなく自分から進んで人に話すのは避けていたとの事でした。
しかしあの真夜中の行進は確かに見えたり音が聞えたりしたら病む人も居るのは仕方ないと思います。
私にもっと感じる力があれば凄く貴重な体験になったのでしょうが・・・・
終わり






posted by kaidann at 20:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 私的怪談

2016年04月12日

私的怪談シリーズ8 友人宅にて 

今から五、六年前の話である。
その日、ゴリラは友人のゴリラである佐堂宅を訪れていた。
彼は同じ声優養成所の先輩であり、アマチュア声優サークルで共に行動してきた仲間である。
佐堂はマンションで独り暮らししており、そのマンションに友人もう一人と遊びに行ったのだ。
遊びと言っても、当時、三人で短編ホラー映画を撮ろうと盛り上がっており、そのカメラテストも兼ねていた。
ゴリラが簡単なシナリオを書いて、それを三人で演じ、カメラは固定して、所謂『駄々撮り』をしていた。
季節は冬であり、撮った動画をコタツに入って三人でチェックしていた。
同じく三十代半ばのゴリラ二頭とオッサン一人では流石に絵面がきつく、
『こんなもん、誰が見るねん!』
と、三人で笑っていた時だ。
ゴリラ内臓にズシリとくる嫌なプレッシャーを感じた。
霊的な存在を感じた時に起こる症状である。
ゴリラは気配を感じる方をチラリと見た。
ゴリラが座っている位置からは風呂場が見えた。
湿気がこもるのを防ぐ為であろう、ドアを開けており、中が見える。
そこに、ゴリラは揺らめく人影を見た。
明らかに霊関係の方である。
ゴリラ二頭は多少ながら素養がある為、その存在を意識したとて、さして支障はない。しかし、もう一人はそれを知れば絶対に良い気分ではなかろう。
まあ、このゴリラなら自分で何とかするだろうと、黙っている事にした。
さて、時間も遅くなり、そろそろお開きという事になり、ゴリラはもう一人の友人と共に佐堂と風呂場の人影をおいて佐堂宅を出た。
しかし、帰りの電車の中でやはり気になり、佐堂ゴリラにメールを送った。
『お疲れ!今日はありがとう!さっき風呂場に何かおったが、何ともないか?』
すると佐堂ゴリラから、すぐに返信がきた。
『やっぱり!何か風呂場が気になってたのよ!部屋の空気重いし…』
ゴリラは笑いを堪えつつ返信した。
『まあ、そんなに悪い感じはなかったから、窓辺に水と果物とかあれば供えて、手を合わせてあげなさい(笑)』
すると、またすぐに佐堂ゴリラから返信。
『そうするわ〜。ミカンしかないけど、ミカンでええかな?』
ゴリラはまた笑いを堪えつつ、
『ミカンで上等。大事なのは気持ち。でわ、よい夜を!(笑)』
と返信した。
すると、しばらく経って返信がきた。
『笑えんわ〜(笑)』
そりゃそうだろう。
結局、夜中に軽く金縛りにあったそうである。
終わり







2016年04月10日

地元怪談シリーズ2 旧トンネル 冨田武市

ゴリラの地元には犬鳴山という霊山がある。
古くは修験道の修行場となっていて、ここにまつわる怪談は多い。
この犬鳴山近くに、もう大昔に使われなくなったトンネルがある。
地元では旧トンネル、略して『旧トン』と呼ばれている?
その旧トンにまつわるゴリラが友人から聞いた話である。
今からざっと40年以上は昔である。
当時から旧トンは心霊スポットとして有名で、肝試しに行く若者が多くいたそうだ。
そんな若者の中の一組の話である。
彼等は男女数人で肝試しに旧トンに来た。
もちろん深夜にである。
トンネル内は狭く、車では通れない為、外に車を止めて用意していた懐中電灯を手にトンネル内に入る。
もう使用されていないトンネルに外灯があるわけもなく、頼りは懐中電灯のみである。
若者達はどんなに内に足を踏み入れ、おそるおそる進んでいく。
水滴の音や、トンネルの壁から生え出している木の根などを不気味に感じ、些細な事で女の子が声をあげ、皆で笑ったりしなから進んでいく。
しかし、何も起こらずトンネルを抜けてしまった。
「何もないやないか!」
皆でそう笑い、若者達は満足した。
そこでしばらくお喋りして時間を潰した後、さて、そろそろ車に戻ろうと再度トンネルに入る。
しかし、
『行きはよいよい帰りは恐い』
が怪談の定石である。
事件は帰りのトンネル内の半ばで起こった。
男性の一人が突然
「うっ」
と声を上げて立ち止まる。
みな、立ち止まった男性の方を振り返る。
「何しとんねん?早く行くぞ?」
男性のひとりが立ち止まった男性に声をかける。
立ち止まった男性は
「う、動かれへん」
とだけ答えた。
女の子が
「もう!恐いからふざけんとってや!」
と笑いながら速くくるよう促す。
しかし
「アカン…ムリや…」
立ち止まった男性はいっこうにその場から動こうとしない。
男性がイラつきながら大きな声を出す。
「女の子等恐がるやろうが!ふざけてんと、早くこい!」
しかし、立ち止まった男性は意を決したように、
「ホンマやて!ほな、オレの足元見てみい!でも、絶対逃げるなよ!」
と答える。
その声には真剣な説得力があった。
みな無言の中、男性の一人がゆっくりと立ち止まった男性の足元を懐中電灯で照らす。
皆がそこに注目する。
ありえない光景が照らし出された。
砂利の地面から真っ白い人間の手が生えて…いや、地中から伸びているその白い手が、立ち止まった男性の足首をしっかりと握りしめている。
「うわああああ!」
「きゃああああ!」
男女入り乱れた悲鳴がどんな内にこだまする。
パニックを起こし、車へと走る男女達。
「待ってくれ!置いていかんといて!:
後ろから立ち止まった男性の声が聞こえたが、助けに戻れる人間などいようか?
逃げる男女は車に乗り込む。
運転手がエンジンをかけようとするが、なかなかかからない。
「何しとんねん!早よせえや!」
「お願い!早よして!」
車内はパニックである。
そこに

ドン!

と窓を叩く音がした。
みな、そこを見やるとハッキリと手形がついている。
「うわああああ!」
と誰かが声をあげると、それをキッカケにしたように、車のそこら中を外から叩かれる。

ドンドンドン!
バンバンバン!

車内はパニックを通り越し、阿鼻叫喚である。
その中で必死にエンジンをかけようとする運転手。
すると、ようやくエンジンがかかった!
荒々しく車を発進させ、制限速度を遥かに肥えたスピードで市街地を目指す。
しばらく走った後、市街地に入った車は、明るい場所に停車する。
車内では誰も一言も発せず、放心状態でただ気持ちが落ち着くのを待つ。
空が白んだ頃には、皆が落ち着きを取り戻した。
外の空気を吸おうと車外に出る。
そこで、皆が先程の体言が事実だったと思い知らされた。
車のボディに残る無数の手形。
所々凹んでいる所もある。
誰も声を出せない中、しばらくそうしていたが、女性の一人が
「あの子…置いてきてしもた…」
と呟く。
みな、忘れているわけではなかった。
ずっと気になっていたが、口に出すのが恐かった。
口に出せば、戻らなければならない、あの場所に…
しかし、段々明るくなってきて恐怖心も薄れてきた。
「戻ろう…」
誰かという事もなく、皆がそう口々に呟く。
車は再び旧トンに向けて発進した。
車内は無言であった。
山深い旧トンは明るくても尚不気味であった。
朝の冷たい空気の中、彼等は車外に出ると再びトンネル内に入り、置き去りにした男性の名を呼ぶ。
置き去りにされた男性は、トンネル半ばのあの場所に倒れていた。
その男性の名を呼びながら、助け起こす。
しかし、彼の精神は失われていた。
目は光をうしない、口からはヨダレを足らし、何か意味のわからない事を蚊の鳴くような小さな声で繰り返していた。
彼等はその男性を車に乗せ、病院へと走った。
彼は、再び社会復帰できなかったそうである。
真偽のほどは定かでないが、こういう話を、ゴリラは聞いた。
しかし、この話が真実であると思わせる説得力が旧トンにはあるという事は事実である。
終わり




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2016年04月09日

私的怪談シリーズ6 父の夢 木林博喜

これは一昨年2014年の12月29日の話です。
木林家では私、博喜が幼少の頃から、もっと言えば父が幼少の頃から
木林家の母屋で毎年12月30日に餅つきをするという習慣があります。
それは私が結婚して子供ができた今でも変わらず、私の妻や妻の母までも今では参加
してくれて年末の定例行事となっております。
そして一昨年の12月の末が近づいてくると今や餅つきの中心人物となった私の母が
もち米や塩などの材料などを買いそろえ用意を少しづつして行きます。
そしてそんな餅つきに欠かせない私の母が一昨年の12月29日、餅つきの前夜に私の下の娘の
面倒を見てくれていた時に急に異常な腹痛を訴え、まだ当時トイレも上手く1人で出来ない私の娘を
トイレから出してくれた時にそのまま倒れてしまいました。
私の母は年齢の割に異常な健康体で今まで大きな病気にかかったことなどなく風邪すら60歳を過ぎるまで
弾いているのを私は見たことがありません。
自分でも入院したことはあんたら(私と弟)を産んだ時だけやと豪語するほどの健康体でした。
そんな母が腹痛を訴えそのまま倒れてしまうなど想像もしていなかったので非常に驚きました。
私は案外、どんな時でも冷静でおれるタイプなので落ち着きまず救急車を呼びましたが、当時脳梗塞で
入院していて退院したばかりの父は弱気になっていたのか非常に狼狽していたのを覚えています。
若い頃の怖い父からは想像もつかないくらいでした。
そして母はそのまま入院で病院でも餅つきに行かれへんと残念がっていましたが、弟にそれどころやないやろ!と言われていました。
病院でも先生がとりあえず色々検査してみないと解らないのでとその日は母は入院、私達3人は帰る事にして
明日の餅つきは私と父、弟、私の妻妻の母で木林家の母屋に行くこととなりました。
皆一様に心配そうにしていましたが、私は朝、父が何気に私に呟いていたことがここで非常に気になっていました。
私の父は根っからの唯物主義で、信仰心もゼロのタイプの人間です。まず目に映るもの以外は理解しないし信じない、そして超常現象や不思議な事などは全く信じないタイプの超頑固者でした。
そんな父だからかは解らないですが、昔1度口にしていたのが自分は夢なんか殆ど見た事がないと言っていました。その時私もそれは親父が覚えてへんだけちゃうん?と言葉を交わしたのですが、そんな父が母が倒れた12月29日の朝に
「博喜〜お父さんな〜昨日変な夢見たんや〜」
と私に言って来て私が
「親父夢見れへん言うてたのにな〜変な夢でも夢は夢、やっと人並みやな〜」
と笑いながら応えると
「アホッ!普段見れへんから余計気になるんや〜」
私が
「どんな夢あったんよ?」
と聞くと
「お母さんがな、リュックしょって山に登って行ってるんやけどな」
と父が話始め

「変か?それ?いや・・おかんにリュックに登山は変やな、どちらかというと田んぼに長靴の方が似合ってるし」
と笑いながら言うと
「黙って聞け!」
と三十路も超えてるのに父に怒られながら
「それがな、後姿しか見えのやが、なんぼ呼んでも聞こえてないみたいでな、振り向きもせんとどんどん離れていくんや〜」

「へ〜・・・それで」
父が
「それで最後は見えへんようになって目覚めたんやしゃ〜」
私はその話を聞きまさかの熟年離婚の予知夢かとも思いましたが私の両親に限りそんな事ないしな〜と大して気にもしていませんでしたが、あの健康な母が急にこうなり入院してしまうと今まで夢すら見た事のない(実際は人は夢は見ているが記憶していないだけ、父にそのことを説明しても理解に困るので説明はしていない)父が夢を見てそれを鮮明に覚えていた。そしてそれは母が離れていくことを暗示するような夢だった事が気になり、母がこのまま亡くなってしまうのではないかと一抹の不安に駆られました。
翌日、私だけが父の夢の内容を内心気にしたまま、餅つきを無事終了しましたが、皆母屋の叔母さんや叔父さんたちも毎年彩智前のようにテキパキと仕切っていた母が居ない事に違和感を感じながら母の入院した話で場の空気も重く、餅つきが終わり私と妻で母の病院に行くと個室だったのですが入ると既に私服に着替え帰る用意をしていました。
父の夢の事で心配していた私も少し安心して
「あれ?おかん、もう退院できるん?」
と聞くと
「こんなところで年越すのも嫌やしな〜お腹ももう痛ないし退院するわ〜」
との事。
「どっこも悪くなかったん?先生なんて言うてんよ?」
「わかれへんよ。でももう治ったからあんたら来てくれたら帰ろうと思ってたんよ」
「アホッ!!!!」
渾身の力を込め100万ドルのアホを叫んでしまいました。
「退院は先生の許可がいるやろ!」
「えっ?そうなんか?お母さん入院した事ないからわかれへんよ〜」
「アホッ!!」
天然過ぎて腹が立つ母に怒りなくりの私を妻がなだめて
私が先生に聞いて来ると妻が先生の所に聞きに行ってくれて結局今日1日様子を見て何もなければ明日
退院という事で話がつき翌日無事に退院でき今でも母は元気にしていますが、父の見た夢はこの完全な
健康体の母のまさかの突発的な入院を暗示していたのではないかと私は今でもそう思っております。







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私的怪談シリーズ6 金縛り 冨田武市 私的怪談シリーズ6 金縛り 冨田武市

ゴリラが生まれて初めて体験した金縛りの話である。
ゴリラが二十代半ばの頃で、季節は夏…
ゴリラはその日、熱帯雨林のような職場での仕事で疲れていて、その日は布団に入るとすぐに気を失ったようだった。
夜中、パチッと目が覚めたのだが、自室に自分以外の気配がする。
布団の周りを何かが歩いているような気がする。
嫌な予感がしたので、寝たフリをしていると、左手の指先に感電したような刺激が走った。
すると、それはみるみる全身に広がり、ゴリラは全身が硬直してしまった。
全身にビリビリと弱い電気を流されているような感覚の中、ゴリラは、これは外的要因による金縛りであると確信した。
よく、金縛りは脳だけが覚醒している状態であると言われるが、明らかにそうではない。
硬直してはいるが、若干筋肉が痙攣しているし、動こうと思えば動けそうである。
しかし、布団の周りを徘徊する何者かの存在がゴリラにそれをさせなかった。
すると、その何者かが
「ケタケタケタ」
と、どうやら笑っているようである。
ゴリラには子供の声に聞こえた。
その笑い声は耳障りな、人をイライラさせる嫌な響きだった。
今の状況、明らかにコイツの仕業である。
ついにゴリラはキレた。
『おうコラ!何者か知らんけど、鬱陶しい事しやがって!正体見せろ!勝負したるぞボケ!』
と心の中で怒鳴った。
すると…
一瞬の沈黙の後、ゴリラは胸にズシリと重い感覚をおぼえた。
続いて、『霊圧』と言うのだろうか、漫画ブリーチで表現されていれあの感じに陥った。
全く身動きがとれない。
しかも、呼吸もできない。
しかし、それでも腹が立つ事には変わりない。
ゴリラはこのような理不尽に負けてなるものかとの怒りのパワーにより、
『フン!』
と気合いを入れると身をよじる!
動いた!
金縛りは確固たる意思を持って気合いをいれると解除できる事をこれで学んだ。
それと同時に何者かの気配も消え失せていた。
奴が何者なのかはわからないが、こいつはまた別の現れ方もした。
その話はまた改めて語りたいと思う。
初体験だと言うのに、かなりへビーな金縛りであった。
終わり








posted by kaidann at 10:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 私的怪談

2016年04月07日

私的怪談シリーズ5 水着の女性 木林博喜

これは私がまだ小学5年生だった頃の話です。
私の地元は漁師町でして、そのせいか海釣りが好きな方が多く
当時はまだ、関西国際空港もなく今よりもっと釣りが盛んでした。
私の父も根っからの地元民で釣りが好きで私も良く幼い頃から釣りに連れて行って
もらっていました。
その日も父に同じく釣り好きの叔父、そして私と3人で大阪でももう和歌山に近い淡輪
の海に釣りに行きました。
叔父の車で父と私と3人で出かけその日は縞鯛の小型の三番叟が大量に釣れ皆、上機嫌でした。
そして夕方暗くなるまで釣りをして、帰りは淡輪から泉佐野に抜けていく1本道の防波堤沿いを
叔父の車を叔父が運転し、父が助手席、小学生の私が叔父が運転する運転席の真後ろに座り
来週は、船で一文字に出ようかとまた釣りの話をしながら帰路についていました。
所々に街灯はあるものの当時の海沿いは夜は遠くからの灯台の灯りが少しあるくらいで
本当に暗く、車のヘッドライトが照らす道も1本道なので同じ景色が続きます。
そしてワイワイと父や叔父が釣り談義をし私がそれを聞いているという車内でしたが、
急に2人供無口になったのです。
車内には何か異様な空気が流れていて、普通なら私もお父さん、叔父さんなんで急に黙るんよ
とか言って理由を聞いたと思いますが、その時は何故か喋れる空気ではなく、その理由は後部座席
の私の隣に明らかに何者かが『居る』気配というか空気感というか感覚的なものですが、そこには
確かに存在感を感じました。
私は直視する事はせずに視野の言限界を駆使し見ました。今でこそ速読や能力開発の訓練を
受けたので周辺視野を使えますが当時小学生の私にはそんな眼力は無く精一杯、そこになにが
『在る』のかに神経を集中しました。
暗闇を走る車内ではありますが街灯から差し込む光に照らされそこに、それは『居た』のです。
最初に私の視野に入ったのは黒い長い髪、そして白か肌色かわかりにくい肌、下半身も肌だけの
ように感じ後から色が視野に入り、黒っぽい水着を着た女性だと認識しました。
『えっ?なにこれ?』
当時霊体験やオカルトに全く興味の無いただの小学5年生の私には何が起こっているか理解できず
ただ体に感じる硬直感というか緊張感と正面を向く私の視野の外側に映り込む水着の女性だけが
今起こっている事の全てで、父や叔父にも『それ』が見えていたかどうかは解りませんが、急に口数が
減った事自体、『それ』の存在に何らかの感覚で気づいてはいたのでしょう。
そして少しの間、叔父も無言で車を走らせていると、『それ』はいつ消えたか解らないうちに
存在を感じなくなっていました。
私は無意識に息を止めていたみたいで、その存在を感じなくなった後大きく息を吸い込んでいました。
『なにあったんやあれ?』
と思い確かにここに居たよなと・・・・
車の後部座席のシートに手を置くと手がビショリと濡れ、そのシートの下の足を置く部分にも水びたしに
なっていました。
『やっぱりおったんや・・・あの女の人・・』
と思いその時に生まれて初めて、生きている者以外の存在を信じました。
父も叔父もされっきり自宅に着くまで無言で、私も何となく言えずにいて結局あの日の事は父にも
叔父にも話せずに居ます。
叔父はその車をそれから間もなく売ってしまい、次に釣りに連れて行ってもらった時は別の車に
変わっていました。
叔父さん・・・やっぱり気づいていたんやなぁとその時思いましたが、車を変えた理由は私も父も聞かず終いでした。





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posted by kaidann at 21:48| Comment(1) | TrackBack(0) | 私的怪談
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