2023年01月17日
自分の小さな箱から脱出する方法 アービンジャーインスティテュート 大和書房
自己欺瞞とはの自己反省が全く無く、自分が正しいと思い込み、他人の存在を認めず、他人のことを物として扱うような精神状態である。著者はこのような状態を箱に中に入ると表現している。
このような状態は相手が悪い状態を必要として、自分の正しさを証明しようという思考回路のため、そのような人間関係の中でお互いが悪い方向に進行していくことを止めることはできない。
実際にこのような状態に陥れば周囲に悪い状態が疫病のごとく伝染し、組織全体が犯されてしまうのを避けることはできない。したがってマネジメントのあらゆる面を良き方向に仕向けるためには組織の全員が箱の外に出ることが必要とされるのだ。
しかしここで気を付けなければならない。
相手が箱の外に出ていないからと言って、自分も箱の外に出ないと言う理屈は全く間違っている。つまり自己の成長は相手の状況と全く関係がない、自分自身が選択しよるものなのであるという考え方である。言い方を変えれば自分が箱の外に出るか出られないかは、周囲の人間の状況によらないということなのだ。
このことを理解するためには@自分がありのままでいられる人間関係を選択する、A自分が間違っているかもしれないということを認める。B本気で事にあたるということが必要である。
以上がこの本に書いてあることであるがこれに少し付け加えたい。
この本に書いてあるような社会的成長のためには実は精神的な基盤がしっかりしていなければならない。自分の成長過程において家族関係、親子関係などに歪みがある場合はそのことをはっきりと認め、等身大の自分自身を見つめて、自分がどのような存在であるかをありのままに認められなければならない。そして毎日生きていることそのものが自分の幸せであると実感できるようになって、初めて心の借金が返済されてる状態になる。その上で自分が社会的成長を目指す時にリーダーシップを取れる人間として何を目指さなければいけないかということを上記のようなステップで取り組んでいくことが必要である。
実際自己欺瞞にとらわれた人間が組織のリーダーとなりその内部を悲惨な状態に貶めてしまうことは幾度も経験することである。しかし自分が間違ってるかもしれないと気がつくこと、そして心の不安の原因が実は自分自身の問題に起因していると気がつくことは神の導く奇跡なのだと思う。このような思考回路を自分のものにするためには私の場合はイエスキリストの助けが必要であった。
日常生活の中で人間関係の困難に出会った時、「神様私を箱の中から出して下さい。」と願うことは非常に効果的であった。
そのことで私は素直に相手に謝ることができたし相手と良き協力関係を直ちに修復することができた。
非常に助けを得られた一冊である。
新品価格 |