2023年01月22日
小説8050 Kindle版 林真理子 (著)
かつて受けた7年前のいじめについて、そしてそれがきっかけで長期間引きこもりになってしまった息子のために、裁判に臨む父親。娘も妻も離れていく。息子もなかなか心通じ合えず、裁判の直前には自殺未遂をしてしまうのだ。そんな中この家族を支え続ける弁護士がいた。
父親も孤独の中で頑張った。かつて息子の家庭内暴力が荒れた時に、息子よ私と一緒に死のうと言ったその時から父親は本気だった。家族の思いを変えること、苦しみをともに戦い、同伴し、そして愛し続けることは、こんなにも孤独に耐え続けなければならないのかと思ってしまった。家庭内の困難を乗り越えて行く時に、必ず味わう理解の壁、人は独りになって初めて多くのことを理解する、その時今まで考えもしなかったような方法で他人の心と通じることができる。私自身まだやり直せると感じさせてくれる一冊であった。
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