2017年に福岡県春日市の小児歯科医院で虫歯治療の局所麻酔を受け、容体が急変した女児=当時(2)=への救命措置を怠り死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われた元院長の高田貴(たかた・たかし)被告(56)は27日、福岡地裁の初公判で「刑事責任はないと考えている」と述べ無罪を主張した。
検察側は冒頭陳述で、女児の両親が娘の様子がおかしいと複数回訴えたにもかかわらず、元院長は「疲れて眠くなっているだけ」と説明し、容体の確認を怠ったと指摘した。
弁護側は、投与された局所麻酔は死亡に至る中毒を引き起こす量ではなかったと述べた。
起訴状によると、元院長は17年7月1日、別の歯科医による治療後に顔色が悪くなった山口叶愛(やまぐち・のあ)ちゃんの状態を十分確認せず、酸素投与などの応急処置や救急搬送などの救命措置を怠り、同3日、急性リドカイン中毒による低酸素脳症で死亡させたとしている。
県警が19年3月に元院長を書類送検、福岡地検が20年9月に在宅起訴した。両親は歯科医院(閉鎖)を運営していた医療法人側に損害賠償を求め、福岡地裁で係争中。
両親は27日、「最愛の娘の命が奪われた日の出来事は今でも鮮明に記憶に残っている。同じような被害者を生まないために証言台に立つ」とのコメントを出した。
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