## インフルエンザウイルス曝露後の抗ウイルス薬投与に関する最新知見と当院の対応について
### 1. 最新の研究結果のポイント
昨今のLancet誌掲載の研究により、以下の重要な知見が明らかになりました:
- 重症化リスクの高い患者への48時間以内の投与で、発症を大幅に軽減できる可能性が示されました
- 一方、重症化リスクの低い患者では、発症抑制効果は限定的である可能性が示唆されています
- 検討された薬剤:ザナミビル、オセルタミビル、ラニナミビル、バロキサビル
### 2. 当院における実践的対応
#### リスク評価と投与判断
- 個々の患者さんの重症化リスクを慎重に評価
- 特に以下の患者さんを重点的に考慮:
- 85歳以上の高齢者
- 複数のリスク要因を持つ若年患者
- ADL低下のリスクが高い患者
#### 薬剤選択の考え方
- 第一選択:オセルタミビル
- 豊富な使用実績
- 経済性に優れる
- 安全性プロファイルが確立
- 代替選択肢:ラニナミビル、バロキサビル
- 単回投与が可能
- 服薬コンプライアンスに課題がある場合に検討
### 3. 患者さんへのアプローチ
1. 予防的対応
- インフルエンザワクチン接種の重要性を継続的に説明
- 基本的な感染予防対策の徹底
2. 曝露後の対応
- 曝露の事実を確認した場合の速やかな報告体制の確立
- 48時間以内の医療介入の重要性
### 4. スタッフへの注意事項
- 院内でのインフルエンザ様症状の患者さんを確認した際は、速やかに報告
- 特に重症化リスクの高い患者さんのリストを常に最新の状態に更新
- 予防投与は保険適用外であることを念頭に置いた慎重な判断
### 5. 今後の課題
- 重症化リスク評価の定期的な見直し
- 新規エビデンスの継続的なモニタリング
- 予防投与の実施記録の適切な管理
本通信の内容について、ご不明な点がございましたら、事務長までお問い合わせください。
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