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2019年03月28日

Googleの本音は?  そして、ソフトバンクは?    〜中国を信用するな〜

米軍に非協力、中国軍に協力するグーグルの大問題

米軍との共同開発を中止、中国には軍事転換可能なAI技術を供与

2019.3.28(木) 渡部 悦和  JBpressより

 グーグルが各方面から批判されている。


 欧州連合(EU)から独占禁止法違反を理由に約1900億円の制裁金を科せられたし、日本でもグーグルをはじめとするGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)に対する規制が議論されている。

 また、グーグルは、ドナルド・トランプ大統領、米軍トップのジョセフ・ダンフォード統合参謀本部議長、パトリック・シャナハン米国防長官代行から次のように弁解の余地のない批判を受けている。

 「グーグルは中国軍に恩恵を与えている

 「グーグルは米国の国防省には協力しないが、中国軍に直接的および間接的に協力している」

 中国の脅威にあまりにも鈍感なグーグルに対する彼らの批判は、現在進行中の米中ハイテク覇権争いが背景にある。

 グーグルに対する批判は、他人事ではなく、中国で活動する米国や日本のその他のハイテク企業に対する注意喚起でもある。 


「産業界のパートナー企業が中国で間接的な利益、いや間接的ではなく、率直に言うと直接的な利益を人民解放軍に与えていることを知りながらも活動していることに、我々は大きな懸念を持って見てきた」

 「米国のハイテク企業が国防省に協力することに抵抗する一方で、中国のような地政学的な競争相手になぜ協力するのか」

 「中国では自由が制限され、企業の知的財産が盗まれることが分かっているのに、善良な米国側が中国でビジネス上の利益を得るために譲歩するというのは理解し難い」

 「中国はしばしば、民間技術を自らの軍事力を高めるために利用している。民間技術の軍事面への転用は直接的なパイプになっている」

グーグルのダブルスタンダード

 グーグルが批判される背景には同社の安全保障に対する甘い認識があり、米国と中国に対するダブルスタンダードがある。

 このグーグル批判は、「米中ハイテク覇権争い」に密接に関係していて、グーグルだけではなく、中国でビジネスを行う全ての西側企業にも当てはまるという視点が必要だろう。

 グーグルは、「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」を経営理念とし、「邪悪になるな(Don’t be evil. )」を非公式な従業員行動基準にしていた。
ところが最近では「正しいことをやろう(Do the right thing.)」を行動基準にしているとも言われている。

 この邪悪の中に軍事も入っていて、正しいことの中に「軍事に係らない」ことも入っているようだ。

 一方で、グーグルには中国の最先端技術を軍事に応用する戦略に対する認識の甘さがある。

 その結果、中国人民解放軍に対するグーグルの認識は甘い。AIなどの最先端技術は軍民両用技術であるが、人民解放軍はグーグルがオープンソースとして公開している「TensorFlow(テンソルフロー)」を使用している。

 このテンソルフローを使うと、誰でもAIを使ったアプリケーションが作れる。また、グーグルは、中国にAIの開発センターを開設し、軍と関係のある中国企業とも協業している。



グーグルCEO「中国軍でなく米軍に全面協力」
5 時間前 読売新聞より  2019/3/28

 【ワシントン=海谷道隆】トランプ米大統領は27日、米情報技術(IT)大手グーグルのサンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)と会談した。トランプ氏は会談後、ピチャイ氏が、中国軍でなく米軍に全面的に協力する意向を示したと明らかにした。


 トランプ氏や米軍幹部は、中国に人工知能(AI)の研究拠点を置く一方、米国防総省の一部プロジェクトへの参加を見送る判断をしたグーグルに対し、「中国寄り」との批判を強めていた。トランプ氏はツイッターで「(ピチャイ氏は)『中国軍ではなく米軍に全面的に協力する』と力強く述べた」と表明した。

 米軍制服組トップのダンフォード統合参謀本部議長も「(グーグルは)中国軍に間接的な恩恵をもたらしている」とけん制していた。トランプ米政権は、先端技術分野で猛烈な進展を見せる中国が、安全保障や経済面での米国の優位性を脅かしかねないとの危機感を強めている。


特殊な中国にグーグルの甘えは通用しない
 中国で活動をする国内外の企業にとって、中国は極めて特殊な国であることを認識しなければいけない。


 例えば、中国には国家情報法があり、軍民融合が重視されている。

 まず、2017年6月に施行された国家情報法は問題の多い法律で、その第7条には「いかなる組織および個人も、国家の情報活動に協力する義務を有する」と規定している。

 この規定は、すべての個人や企業が国家の命令に基づきスパイになることを求めるものであり、米国などでのファーウェイ排除の根拠となっている。


 なお、この国家情報法第7条は、中国人や中国企業のみならず、中国で事業を展開する外国人と外国企業にも適用されると解釈した方が無難である。

 次いで、習近平主席が主導する軍民融合は、「米国の軍産複合体をお手本として、人民解放軍と企業の人材や技術の交流により、軍民のデュアルユース技術の発展を促進し、経済建設と国防建設を両立させること」だ。

 習近平主席は、「軍民融合は、強い軍隊を建設するために不可欠である」と発言している。特に中国のハイテク民間企業は、この軍民融合に積極的に参画することが求められている。

●中国のAI企業は中国共産党にノーとは言えない

 中国においては共産党一党独裁であり、中国で活動する企業は共産党の指導にノーとは言えない。

 アイフライテック(iFlytek、科大訊飛)は、人工知能を活用した音声認識や自然言語処理で世界的に有名であるが、新疆ウイグル自治区における監視能力向上の事業に従事している。

 顔認識の分野で有名な企業イトゥ・テック(Yitu Tech)やセンスタイム(SenseTime)は、中国の警察や公安の活動を支援している。

 人民解放軍は、AIの軍事利用を追求しているが、中国の有名大学(精華大学など)や企業がこれを支援している。

 例えば、精華大学は中国のMITと呼ばれ、軍民融合を積極的に支援している。

 バイドゥ(Baidu)は、軍の情報指揮統制技術向上を目的とした統合研究所の設立において、国営の軍事企業の中国電子技術グループと協力している。

 つまり、中国のAI企業は、人民解放軍や治安組織と密接な関係がある。彼らには、グーグルの「邪悪になるな」などという倫理など存在しない。

「外国で花を摘み、中国で蜜を作る」

人民解放軍科学者に注意

 オーストラリアの著名な研究所「オーストラリア戦略政策研究所」(ASPI)が「外国で花を摘み、中国で蜜を作る」 という衝撃的なリポートを発表した。

 このリポートによると、中国人民解放軍に所属する科学者が、所属・身分を偽ってファイブ・アイズ(Five Eyes)を構成する諸国(米国、英国、豪州、カナダ、ニュージーランド)、ドイツ、シンガポール、日本などの有名大学で研究活動を行い、技術や知識を中国に持ち帰り、人民解放軍のために優れた兵器を開発しているという内容だ。

 2007年から海外に派遣された人民解放軍の科学者数は、米国と英国に各500人、豪州とカナダに各300人、ドイツとシンガポールに各100人以上、そして数百人がオランダ、スウェーデン、日本、フランスに派遣されているという。

日本学術会議や大学もグーグルに似ていないか?

 今回のグーグルが批判されている状況は、日本学術会議や日本の大学の状況に似ているような気がする。

 日本学術会議は、平成29年3月24日、「軍事的安全保障研究に関する声明」を公表し、防衛装備庁の「安全保障技術研究推進制度」を批判し、防衛省への協力に関して否定的な立場をとっている。

 グーグルの「邪悪になるな」に似ている。

そもそもAIや5Gなどの軍民両用のデュアルユース技術を軍と民に区別することが実際的に難しい時代において、防衛省の安全保障研究を「軍事的安全保障研究」と決めつけ、これに否定的に対応することの妥当性が問われる。

 また、日本学術会議や大学が中国企業や中国の大学との共同研究を「軍事的安全保障研究」との観点でいかに厳密に行っているかを聞きたいと思う。

 最近の報道では、日本の大学が今話題のファーウェイから研究費を受け取っているという。

 防衛省との研究には消極的で、人民解放軍と関係の深い中国企業との研究を積極的に行っているのではないかという思いがしてくる。

 特に懸念されるのは、ASPIが指摘しているように、人民解放軍に所属する科学者が身分を偽って、日本の大学で研究活動を行っていないかどうかである。

 ダブルスタンダードはやはり問題である。

ファーウェイ製品、危ないのは端末より基地局だ

バックドアが仕込まれる危険性が高い2つの場所とは
2019.3.27(水) 数多 久遠

 硫黄島に携帯電話が開通したのは2015年でした。携帯事情に詳しい人なら、当然、携帯キャリアはドコモだろうと予想するでしょう。ドコモは、電電公社に源流を持ち、いわゆる人口カバー率だけでなく、携帯の通じない「不感地域」を極力なくすよう努力しています。田舎や山岳地での信頼性では誰しもドコモが一番だと言うでしょう。


 ドコモに続いて不感地域の解消に積極的なのはauです。そして、後発なこともあり、人口密集地での速度などを重視する一方で、不感地域をなくすとことについては二の次としてきたのがソフトバンクです。

 ところが、硫黄島に携帯電話基地局を設置して最初に携帯を開通させたのはソフトバンクでした。絶対に赤字であるにもかかわらず・・・(現在では他のキャリアも使えます)。

 なぜだろうと調べ始めたところ、ソフトバンクがファーウェイと密接な関係を持っていることを知りました。「これは小説のネタとして使えるのでは?」と思ったのが、この件に注目し始めたきっかけでした。

(1)インターネットとの接続機器

 その1つは、パケット交換機やゲートウェイと呼ばれるインターネットとの接続機器です。携帯電話とインターネットを接続するために欠かせない重要な機器であり、2012年に発生したドコモの障害や昨年(2018年)末にソフトバンクで発生した大規模障害(この時の機器はエリクソン製のもの)は、これらの機器障害が原因となっていました。


 こうした機器は現在ファーウェイがトップ企業であり、ソフトバンクは大規模に採用しているようです。そして、今後5Gではファーウェイがヨーロッパのメーカーを圧倒する可能性があるとも言われています。

 これらの機器は携帯電話とインターネットの中継点となるため、携帯やパソコンから発信された情報および逆にインターネットから携帯やパソコンに流れていく情報が全て通過します。そのため、ここにバックドアを仕込むことは非常に効率的です。
機器自体が大型であり、無理に小型化する必要もないので、コストもそれほどかからないでしょう。

こうした機器は、安定稼働が絶対的に求められるので、作動状況がメーカーによって常時モニターされています。また、ログ情報なども記録されています。バックドアを設置している場合、この稼働状況のモニター情報に、バックドアから入手した極秘情報を混ぜ込んでメーカーに送ることが可能となります。

 海外では実際に、ファーウェイ製の機器から本来必要なモニター情報を上回る多量の情報が送信されていたケースが報じられています(ファーウェイは機器の稼働状況をモニターしていただけだと意に介さなかったそうです)。

こうしたモニタリングは通信にとって不可欠なので止めさせることはできませんし、モニター内容はメーカーにとっては企業秘密であり、公開させることもできません。メーカーにしらを切られてしまえば、確認はほぼ不可能です。

 また、バックドアから入手した情報を外部に出力せず、機器のログ情報とともに保管しておき、定期的なメンテナンスの際に回収すれば、抜き取られたことを確認することさえできません。定期的なメンテナンスはファーウェイもしくは関連会社が行うしかないからです。


(2)携帯電話基地局の通信機器

 バックドアを仕込む場所として効果的なもう1つのポイントは、携帯電話基地局(以下、基地局)と呼ばれるものです。

たとえば、北海道と沖縄の間で携帯を使用して通話した際、その間を直接電波が飛ぶわけではありません。北海道から電話をかけると、まず道内で近隣のビル屋上などにある基地局のアンテナに電波でつながり、そこから光ケーブルやマイクロ送信施設を経由して、最後は沖縄にある基地局から携帯端末に電波で信号が飛ぶのです。


 この基地局も、上記で述べたパケット交換機などと同様の中継点です。よって、効果的かつ安全にバックドアを仕込める場所となります。さらには、パケット交換機などのインターネット機器と異なり、音声通話による音声も収集することが可能です。

 ここで注意が必要なのは、基地局は中継点であるため、電話をかけた側であろうと受けた側だろうと、どちらかの携帯キャリアがソフトバンクであれば必ずソフトバンクの基地局を通るということです。

つまり、自分がドコモで買ったiPhoneを使用していても、通話相手の携帯キャリアがソフトバンクならば、ファーウェイ製の機器を通過する確率が高いということです(auの基地局も一部にファーウェイ機器を導入しているため、その可能性があります)。

こうしたバックドアによる危険性はあくまで可能性があるということであり、それらを実際に行っていたとしてファーウェイが非難されているわけではありません。もし行っていれば、違法行為として訴追されているはずです。ファーウェイも絶対に行わないとアナウンスしています。

 しかし、中国政府は国家情報法によりファーウェイに「やれ」と命じることが可能です。それに従わなければ処罰されるため、中国政府が意図したらファーウェイは100パーセント実施するでしょう。

 そして、その時に備えてファーウェイはほぼ間違いなくバックドアを仕込んでいると思われます。現在は稼働していないかもしれませんが、いつ政府から命じられてもいいように準備だけはしているはずだということです。

5Gを中国に支配される危険性

 今回の排除決定によって、ファーウェイが5Gを完全に制覇する可能性はほぼなくなりました。しかし、中国と関係が強い国やヨーロッパの一部の国では、ファーウェイによって通信インフラが作られることになるでしょう。

もしも、そうした国で紛争が発生した際、中国政府が一方に肩入れして、バックドアによって情報を抜き取るだけでなく、5Gに支えられているIoTの全てを無力化することが可能となります。

 つまり、生活の全てが5Gによって支えられるであろう将来において、ファーウェイ製の通信インフラを導入することは、安全保障の命脈を中国に完全に握られることになるのです。

苦境のソフトバンク

 現状では、ファーウェイがバックドアを稼働させているかどうかは分かりません。しかし、前述したように首相に限らず政府関係者は通話相手の携帯キャリアを気にしているはずです。もし、あなたがビジネスの相手から携帯キャリアを確認されたことがあるならば、上記の波及が及んでいる証拠かもしれません。

 こうした波及を最も懸念しているのは、間違いなくソフトバンクでしょう。交換機や基地局の機器をすべてファーウェイ以外の製品にすればいいのですが、4Gでは大々的にファーウェイ機器を導入しているため、一気にこれを切り替えることは困難だとの情報が出ています。恐らく、5Gへの移行の際に他社製機器を採用し、徐々に移行させると予想されます(企業や一般利用者の「ソフトバンク離れ」が今後どれくらい出てくるかにもよると思われます)。

なお、冒頭で言及した硫黄島への携帯通話を開通させたのは、ファーウェイではなくソフトバンクです。そのため、本記事を読んで「ソフトバンクもファーウェイによる情報抜き取りに関与しているのではないか」と考える人もいるかもしれません。しかし、筆者はその可能性はないと考えています。

 曲がりなりにもソフトバンクは多数の日本人が働く日本の企業です。社長の出自を取り沙汰していろいろ言う人もいるようですが、ソフトバンクが自分たちからファーウェイに協力するとは思えません。

 それよりも、硫黄島への基地局の設置費用やメンテナンス費用に関してファーウェイが利益度外視の見積もりを出せば、ソフトバンクは他のキャリアよりはるかに容易に硫黄島をサービスエリアとすることが可能です。2015年にソフトバンクがいち早く硫黄島に携帯を開通させた背景は、そうしたことなのではないかと推測しています。

ファーウェイは「シロ」かもしれない

 2018年12月1日に中国ファーウェイの孟晩舟(もう・ばんしゅう)・副会長が、米国の要請によりカナダで逮捕されて以降、米国によるファーウェイへの攻撃が激化した。米国は政府機関がファーウェイとの取引を禁じる法律「国防権限法」を成立させるとともに、日本等の同盟国や、英国が含まれる「ファイブアイズ」(機密情報を共有する、英米を中心とした5カ国の枠組み)にも、ファーウェイ等中国製品を排除するよう要請してきた。


 日本政府は12月10日、中央省庁や自衛隊が使う情報通信機器について、ファーウェイ等を排除する方針を決めた。12月13日には、ソフトバンクがファーウェイ等の通信基地局を欧州のノキアとエリクソンに置き換えると発表した。

「ファイブアイズ」を形成するオーストラリア、ニュージーランド、英国も、米国に同調してファーウェイを排除する方針を固めた。また、台湾もファーウェイを排除することになった。



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