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2024年04月06日

「ブルジョワ世界の終わりに」から見たゴーディマの意欲についてー脳の前頭葉の活動を中心に9

5 ゴーディマの執筆脳

 表2で説明したように、意欲とは、人が何かの行動を起こすとき、欲求や衝動、願望などが動機づけとなって、意味や目的を持って行動しようとする意志の働きである。「ブルジョワ世界の終わりに」を書きながら、ゴーディマは、反アパルトヘイト運動が成立しない白人社会の終焉のために、白人が南アフリカの変革にどのように関与できるのか、問いかけていた。しかし、意欲を持って計画をしても、欲求が満たされないことがある。意欲、計画、欲求に関する脳の作用は、主に前頭葉が担っているため、前頭葉のあらましについて以下で説明する。
 前頭葉は、頭頂葉や側頭葉や後頭葉といった他の連合野と相互関係にあり、聴覚、体性感覚、視覚と結びつきがある。また、本能を司る視床下部とか情動や動機づけに対して判断を下す扁桃体と結びつきが強い。(Goldberg 2007:57)
前頭葉には、意志、計画、意欲、感情、言語の発音、運動の統合などの働きがある。また、思考や推測などの学習能力は、前頭連合野が支えており、五感から入った情報は、最終的に前頭連合野に送られて、何をするべきかが判断される。

花村嘉英(2018)「『ブルジョワ世界の終わりに』から見たゴーディマの意欲について」より
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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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