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乳酸菌のガン予防効果

乳酸菌は、悪玉菌の増殖を抑えるほか、様々なガン予防に有益な効果を持っています。一方、悪玉菌であるウェルシュ菌のような腐敗菌は、老化やガンを促進すると考えられています。乳酸菌を日頃から摂取することは、腸内環境を改善して腸管免疫を活性化し、ガンに対抗する力を増強する効果があります。また、乳酸菌の中には、抗腫瘍免疫の強力な武器であるインターフェロンの体内での生成を増やすと同時に、ナチュラルキラー細胞のレベルを上げる菌もあることが報告されています。

悪玉菌は、発ガン物質を作り出す

悪玉菌の代表と言えば、ウェルシュ菌やクロストリジウム菌などの腐敗菌です。腐敗菌は便秘や下痢の原因になり、タンパク質を分解して発ガン物質を作ったり、老化を促進したりすると言われています。問題は善玉菌が減ると悪玉菌が増えてしまうことです。生後１週間の乳児の腸内は、善玉菌であるビフィズス菌が９０％以上を占めています。しかし、離乳期を過ぎると次第に減り始め、生活習慣によりさらに減少します。腸内細菌を善玉菌優位の状態に保つことが、老化の予防やガンの予防に有効と考えられています。

悪玉菌による発ガンのメカニズム

高脂肪食を摂取すると脂肪を消化するため胆汁の分泌量が多くなります。これが腸内細菌によって代謝され、プロモーター活性のある二次胆汁酸となるため、大腸ガンの原因となることが報告されています。ウェルシュ菌やクロストリジウム菌など腐敗菌は、腸内の蛋白質やアミノ酸を腐敗させて発ガン物質を産生します。欧米型の高脂肪の食事や繊維の少ない食事は、腸内細菌による発ガン物質の産生を助長します。

食物繊維のガン予防効果

食物繊維が、ガンの予防に有効であるメカニズムも、腸内細菌の働きと関係しています。食物繊維は消化されにくいため、発ガン物質を吸着、さらに便の量を増やします。その結果、腸内の発ガン物質と腸粘膜との接触が抑えられるのです。水溶性食物繊維は、腸内細菌の発酵により分解されると、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの単鎖脂肪酸を産生します。これらの単鎖脂肪酸は、大腸内のpHや、細菌由来の酵素の活性に影響します。また、大腸粘膜上皮細胞の増殖などにも影響を与え、大腸ガンを抑える可能性があると考えられています。

ヤクルト菌(ラクトバチルスカゼインシロタ株)の効果

ヤクルトに含まれるヤクルト菌(ラクトバチルスカゼインシロタ株)を使って、膀胱がんの再発防止に有効かどうかの臨床試験が検討されています。ヤクルト菌を服用したグループでは、膀胱がんの悪性度が低下する症例がコントロール群(非服用群)より多かったという結果が出ています。

LG21(OLL2716株)

乳酸菌LG21(OLL2716株)は胃の中で生きて、ピロリ菌の活動を抑制させて胃の健康を守ることが報告されています。LG21は、胃粘膜にくっつきやすい菌で、酸にも強い活性を示すのが特徴です。LG21の人による試験において、一定期間継続して取り続けることで、ピロリ菌の活動抑制や、ピロリ菌による胃粘膜の炎症改善効果が発表されています。

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ピロリ菌

ピロリ菌は、日本人の4人に1人、約3,500万人が保有していると考えられている細菌です。このピロリ菌が、胃炎や胃潰瘍、胃がんなどを引き起こす原因菌であることが報告されています。