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2023年05月24日

375番:アルト・ハイデルベルク(111)


アルト・ハイデルベルク(111)


−−−−−−−−−−−−【111】−−−−−−−−−−−−−−−−−−

7. Szene.
........Käthie:(geht, beide Hände voll leeren Gläsern über die Bühne.
....................Rückwärts ruft sie lachend den Studenten zu) Habts nur Geduld !
....................Einer nach dem andern. Was ? −(Lacht, antwortet.) Ja, glei ! (Macht
....................im vorbeikommen bei Lutz halt.) Ist er immer noch net da ? Der
....................Prinz ?

Schölermann:Nein.

..........Käthie:Rufts mi, wann er kommt. I geh drüben ins Hauskehr
......................um die Hand bin i wieder da. I sag ihm an Gedicht, wann er
......................kommt. (Setzt die leeren Seidel an Lutzens Tisch.) Ist er fesch, der
......................Prinz ? Ist er sauber ? Gelt, die Zimmer droben sind fein staffiert ?
......................Die ganze Treppe nauf hab i an Guirlanden gewickelt. Wollt's Ihr
......................zwei an Bier oder an Wein ? I bring's Euch.

....Studenten:(rufen hinter der Szene.) Käthie !!


−−−−−−−−−−−−− (訳) −−−−−−−−−−−−−−−−

   第7場

.........ケティー:(両手にいっぱい空になったビールグラスを持って舞台を
.........................通って行く.笑いながら後ろの学生たちに呼びかける)
.........................ちょっと待ってってば!順番よ.何かしら?−−(笑って答え
.........................る)はい、すぐにお持ちしますわ.(通りすがりにルッツの所で
.........................立ち止まる) まだいらっしゃらないのかしら、殿下は?

シェーラーマン:まだです.

..........ケティー:お見えになったら私を呼んでちょうだい.ちょっと用事で
..........................向こうの家にいますけど、すぐに戻って参りますわ.殿下が
..........................いらしたら、私、殿下に詩を朗読してお聞かせするの.
........................(空のビールジョッキをルッツのテーブルの上に置く)
..........................素敵な方かしら、殿下は? エレガントなお方かしら?
..........................そうだわよね.あの階上の部屋はみんな飾り付けが行き届いて
..........................いるでしょう? 階上への階段は、私がどこも花づなで巻いて
..........................おいたわ.あなた方、2杯もってきますわ、おビール?それ
..........................ともワイン?

..........学生たち:(舞台裏から呼ぶ)ケティー.


−−−−−−−−−−−−−《語彙》−−−−−−−−−−−−−−−

die Bühne: (Nタイプ) 舞台、ステージ
  über die Bühne gehen  (物事が) 進行する  .
ここでは字ずら通り、「人(ケティー)が舞台を通っていく」
Rückwärts:(副) 後ろへ(に)、
ruft…zu :(分離動詞) zu/rufen (他) [DにAを] 大声で言う
die Geduld (単ノミ) 忍耐、我慢、辛抱; Geduld haben / 我慢する
本文の Habts nur Geduld ! はHabts が ihr に対するhabt
の訛り.nur は命令文に使われると、「とにかく」とか
  「〜しなさいってば」発話者の断固たる要求が加わります.
einer nach dem andern:ひとりずつ
glei:gleich の訛り
vorbei/kommen:(自/s) [bei + D格](口語)[Dの所に] 立ち寄る
Ich komme morgen bei euch vorbei.
明日君たちの所にちょっと立ち寄って行くよ.
im vorbeikommen bei Lutz:ルッツの所に立ち寄って
  im があるので次のvorbeikommen は名詞と見なすのが妥当.
  通例、zuのない不定詞を名詞化するときは頭字を大文字に
  する.なぜ小文字なのか、私の学習不足につき不明ですみません.
  おそらくim vorbeikommen は「通りすがりに」という意味の副詞
  として慣用表現化されているのではないかと考えます. 
  (ただし辞書不掲載の表現語句なので確証はありません.) 
  (ええかげんなことで申し訳ないです.ごめんなさい.) 
halt/machen (自/h) 停止する、立ち止まる;休憩する
ins Hauskehr:(1単訛り)√ins Haus kehre <ins Haus kehren
家に戻る、家に帰る
um die Hand:(辞書不掲載につき不明)「手回り」という意味
  があるので「ちょっとした用事で」という意味ではないか
  と推測します..
fesch: (形)[南ドイツ,オーストリア] 粋な、あかぬけした、ハイカラな
  スマートな、いかした、親切な(オーストリア)sehr net
sauber :(形)[南ドイツ,オーストリア] 品よくきれいな
Gelt: (ドイツ南部表現) そうでしょう、そうだよね 
fein:(形) 細かな、行き届いた
staffiert (過去分詞) <staffieren (他)[オーストリア](Aに) 飾りをつける
* 語尾がieren で終わる動詞の過去分詞には語頭にge をつけません.
droben (副詞)[南ドイツ/オーストリア] あの上で、あの上の方で
die Treppe [nタイプ] 階段
nauf (副) [ドイツ南部] = hinauf (下から向こうの) 上へ 
Guirlanden (pl/f) <die Guirlande (nタイプ) = Girlande 花飾り、花綱
  (花や葉や彩色した紙の鎖を長くつないだ飾り) 
gewickelt (過去分詞) <wickeln (他) (Aを) 巻く
an (前、D格支配) [手段、手がかり] 〜で、
Die ganze Treppe nauf hab i an Guirlanden gewickelt.
上への階段すべてを私は花つなで巻きました.
an (前、D格支配) [限定] 〜に関しては、
  Wollt's Ihr zwei an Bier oder an Wein ?
あなた方、ビールが2杯ほしい?それともワインが2杯?


−−−−−−−−−−−−−《文法》−−−−−−−−−−−−−−−

Käthie geht, beide Hände voll leeren Gläsern über die Bühne.
ケティーが両手いっぱいに空のグラスを持って舞台を通っていく.

初級文法を終えたばかりの人には、やや難解な文かと思います.  
その難解な部分はこれ:beide Hände voll leeren Gläsern
これがなければ、
Käthie geht über die Bühne / ケティーは舞台を通っていく.
それほど難しくはありません..über は「〜を通って」という意味.

さて、beide Hände voll leeren Gläsern は2つの部分で構成されています.
beide Hände :両手が
voll leeren Gläsern:空のグラスでいっぱいである.
つまりこの2つが主語・述語関係を持っているのです.
英語ならば、(with) her both hands (being) full of empty glasses
という分詞構文になっているところ.
with は主節の主語とは別の主語である指標です.being は分詞構文
の名残り.ほとんど意味はなく、連辞(コピュラ)というつなぎの
役目.料理のつなぎ粉のようなもの.主述関係を示す指標です.

ではドイツ語ではどうなっているのか? 指標の前置詞もつなぎの
現在分詞もなく、ただ遊離独立した名詞群とその補語群があるのみ.
しかしながら、主節のKäthie geht über die Bühne からは、はみ出た
名詞・補語群がコンマで浮き出されているため、主述関係をもつ
遊離構文の一種であることが見て取れます.そして最終的に 

「ケティーは両手を空のグラスで一杯にして、
 舞台を通って行きます.」

と読み取ることができます。


−−−−−−−−−−−−−《ひとこと》−−−−−−−−−−−−−−−

本文10行目、ケティーのセリフ, die Zimmer droben sind fein staffiert ?


「あの階上の部屋はみんな飾り付けが行き届いているでしょう? 」

としていますが、すでに、ルッツは、この館に到着したときに部屋を見
ていますので、ケティーのセリフは確かめるような言い方になっています.

「あの階上の部屋はみんな飾り付けが行き届いていますか?」

とはなりません.訳の正誤の問題ではなく、ストーリーに矛盾が発生
するかどうかの問題です.訳すということは、ストーリーというバック
グラウンドにも気を遣うことが含まれるようです.


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