長年、筋トレ&フィットネス業界に携わってきた私は、常に目標達成を視野に入れた一日の過ごし方を考え、改良を重ねてきました。トレーニングにしろ、仕事にしろ、あるいは人生全体の目標にしろ、私は一貫性を重視し、現実的かつ持続的な方法で心身ともに成長できるように、自分なりのアプローチに磨きをかけ、じっくりと取り組んできました。
ところで、フィットネス、健康、栄養の業界では、More is more(やればやるほど結果が出る)という考えを刷り込む傾向があるようです。例えば、目標を達成するには新しい食事療法やサプリメントを取り入れるべきであるとか、ハードなトレーニングが欠かせないといった宣伝文句に見覚えがある方も多いかもしれません。実は、このような考え方は逆効果なのです。
日々進歩していくために最も有意義で効果的な方法は、毎日欠かさず小さくとも確実な成果を上げていくことです。概して、大々的な変化は長続きしません。
この記事では私の毎日の習慣をご紹介しますが、決して皆さんが普段行っている活動をすべて置き換えることを意図するものではありません。ここで重要なのは、私が実践している習慣を読んだ方がご自身の目標と一致する点を見つけ、日常に組み込む方法を考えることです。
それでは早速、筋力、体組成、生活全般、仕事とあらゆる面での成長を目指して行っている私の健康習慣をご紹介しましょう。
朝の日課を設定する
気持ちも新たに一貫した強い意思を固める上で、朝は絶好の機会と言えます。人によって朝の習慣は多少異なるはずですが、私にとって外せない日課を挙げていきましょう。
私は毎朝、以下3つの簡単なポイントを押さえて一日の方向性を決め、自分のエネルギーレベルを判断するようにしています。
- 電解質入りの水を350〜470ml 摂取:睡眠中に体からミネラルやビタミンが失われるため、電解質のサプリメントをコップ1杯の水に溶かして飲むという起きがけの水分補給は欠かせません。
- 日記をつける:5分もあれば、具体的な2つのポイントを記録できます。私が毎日記録しているのは、今日達成したいこと2〜3つと感謝していること2つです。こうすることで気持ちが集中しやすくなり、自分を取り巻く前向きな要素に感謝しながら一日をスタートできます。
- 日光を浴びながら犬の散歩:朝起きてすぐに携帯電話を見たりすると、眠っている間に届いた通知やメールを一気に目にしてストレスになることがわかりました。そこで、朝一番に愛犬と散歩するようにしたところ、一日の活動を始める前に太陽の光を浴びて愛犬と触れ合うという一石二鳥の効果を実感しています。
ひと仕事した後に運動
朝の日課を終えたら、朝食を作り、メールや通知をチェックして仕事モードに入ります。内容は日によってさまざまですが、エネルギーを調整し、一日をいくつかの時間枠に区切って活動しやすいように、私は毎日一定の時間帯に仕事をするようにしています。昨今は自宅で仕事をする方が増えているため、仕事と生活空間を上手に切り分けてスケジュールを立てることが何よりも大切ではないでしょうか。
普段の私は午前8時から午後1時まで仕事をし、その間は1時間ごとに5〜10分の休憩を取ります。この休憩時間には椅子から立ち上がって犬と遊んだり、パートナーと連絡を取るなどして、なるべくパソコンやスマートフォンの画面から離れるようにしています。
午後になると、毎日2〜3時頃に運動を行う私は、そのタイミングを見計らって、ジムに行く前にプレワークアウトサプリメントを摂取しています。具体的には、トレーニングの60〜90分前にビタミンB群とビートルートジュースを飲みます。
トレーニング前にはプレワークアウトスナックを食べ、その後はビーツジュースを飲みながらトレーニングに励むというのが私の習慣です。研究によると、ビーツは一酸化窒素の濃度を高め、運動パフォーマンスの向上を促す可能性があります。このタイミングなら、トレーニング中にもプレワークアウトサプリメントの効果が得られるのでお勧めです。
トレーニングして栄養補給後、仕事に戻る
私のトレーニング時間は1時間程度で、目標に応じて多少前後しますが、Less is more(ほどほどにすることで大きな効果を上げる)というのがモットーです。週4回ジムに通う私ですが、これは多くのウエイトリフターが目標とする筋力や体組成を目指すには十分すぎるほどです。
トレーニングが終わると、帰宅後すぐに栄養を補給します。ジムから自宅までの移動時間は15〜20分程度ですので、ホエイプロテインシェイクを繰り返し使えるウォーターボトルに入れて持って行き、帰宅途中の車の中で飲むようにしています。こうすると、帰宅して運動後の食事を準備する間にHangry(HungryとAngryをかけ合わせてハングリー、つまり空腹によるイライラ)感を覚えずに済みます。
運動後の食事は日によって若干異なりますが、赤身肉のタンパク質、チーズ、野菜の他、ジャガイモなどの炭水化物が定番です。なお、運動前後の栄養習慣については、個人の栄養目標に合わせ て各自個別に行うことをお勧めします。栄養指導が必要な方は、スポーツ栄養学を専門とする管理栄養士に相談して食生活の改善や見直しを図ってはいかがでしょうか。
栄養価の高い食事でエネルギーを補給したら仕事に戻る午後は、4時から7〜8時頃まで仕事をします。このように、平日は一日を区切って活動するのが私には向いていますし、夕方以降の所用はその日の予定に合わせて対応しています。精神的な負担が少ない用事は夕方頃に行うことが多く、この時間を動画の編集やメール送信、あるいは翌日のスケジュール設定といった作業に充てています。
就寝前の習慣
夜の仕事が終わるとリラックスタイムで、就寝の準備に取り掛かります。パートナーと一緒に愛犬を散歩させながらその日の出来事を報告し合うことも日課の一つで、お互いの仕事やプライベートで起こったことを振り返る充実した時間です。
夜8時半〜9時になると、携帯電話などの画面をオフにするようにしています。このような電子機器が発するブルーライトは脳を刺激し、休養と安眠の妨げになることがわかっているためです。確かに、夜は早めに画面をオフにすることで以前より寝付きが良くなりました。
ところで、夜のくつろぎの時間にまだ空腹を感じることはないでしょうか。そんな時、私はオートミールにプロテインパウダーを加えて食べ、食物繊維とタンパク質を補給しています。また、特にストレスが多かったり、体力を消耗したなと感じた日は、コップ1杯の水に電解質を混ぜて飲みます。
このような夜食の後は熱いシャワーを浴び、その後20〜30分ほど読書します。
そして、ようやくベッドに入る前には、回復を助け、免疫系をサポートするためにグリシン酸マグネシウム と亜鉛を摂取しています。神経に負担がかかるトレーニングを行った日など、マグネシウムはリラックス感と回復力を高めるのに役立つと思います。
成功への鍵は、朝起きたら、あとは根気強く繰り返すこと
こうして翌日も、朝起きて夜寝るまでほぼ同じ流れで行動します。私にとっては、この一貫性こそが毎日の習慣の鍵を握るものであり、日々の進歩に必要なのは突発的な大躍進ではなく、コツコツと地道に取り組む姿勢と持続性なのです。
2022年を通した目標達成の秘訣は、最大限のパフォーマンス発揮を後押しする方法を取り入れた、長く続けられるシンプルな一日の流れをつかむことです。そうした一日の流れとは、簡単に実行でき、目標に集中しやすく、運動時間が組み入れられ、しかも家族との時間を確保できるものが理想であり、有意義な一年を過ごす上で大きな道しるべとなるでしょう