これらの調査結果は、MedRxivで最初に発表された結果に基づいています。
200人以上の科学者と医師がすべての人にビタミンD摂取量の増加を呼びかける理由
世界有数の医療専門家が手を組み、公衆衛生当局者、医師、医療従事者に宛てた公開書簡で、における免疫機能と健康全般に対するビタミンDの効果について明確な声明を発表しました。1
この書簡は、2021年1月5日付のMedpage Todayに掲載された元米国公衆衛生局長官リチャード・H・カーモナ博士の論説で同様の事例が報告されたことを受けて公開されたものです。博士は同論説で、「生死に関わる決断を下す際は、完璧なエビデンスを待つ」のではなく、医師らが責任を持って対処するようにと強調しています。2
一方、ビタミンD3補給のメリットと安全性について見識がある研究者や医師らは、十分なビタミンD濃度を確保することは今や公衆衛生の最優先事項の一つであるべきという点で意見が一致しています。1,2,4
ビタミンDと免疫機能に関するこれまでの研究結果
ビタミンD3の効果は骨や歯だけにとどまりません。特にウイルス性呼吸器感染症の予防をはじめとする免疫機能に重要な役割を果たしています。例えば、ビタミンD3のサプリメントを摂取している人など、ビタミンD3の血中濃度が高い人は、ウイルスを原因とする呼吸器感染症の発症率が低いという科学的エビデンスがあります。5-7
世界で最も評価の高い情報源の一つであるBritish Medical Journal誌に掲載された詳細なレビューでは、乳児期から90歳代半ばまでの参加者計11,321人を対象とした25件のランダム化比較試験の結果が評価されました。その結果、初期のビタミンD不足が見られる参加者の呼吸器感染症が、ビタミンD補給により70%減少したことが示されました。また、ビタミンD欠乏がない参加者の間でも呼吸器感染症が25%減少しました。6
ビタミンD欠乏のリスクが最も高い人とは。
ビタミンDは食物から摂取しにくいため、ビタミンD欠乏は世界で最も多い健康問題かもしれませんが、日光を浴びると、皮膚の露出部分に存在する化合物(7-デヒドロコレステロール)がビタミンD3に変化します。
とはいえ、日中のほとんどを室内で過ごすか、外出時は衣類や日焼け止めで日光を避ける人が増えている現在、ビタミンDが不足する人が後を絶ちません。他にも、高緯度地域の居住者(日光への露出が少ない)をはじめ、加齢(年齢と共に皮膚が日光に反応しにくくなる)や肌の色 が濃い(メラニンが紫外線の皮膚への影響を軽減する)ことや、肥満、肝障害、2型糖尿病といった疾患も、肝臓によるビタミンD3から活性の高い25-OH-D3(25−ヒドロキシビタミンD3)への変換を減少させてしまいます。
血液検査で25-OH-D3の濃度が20ng/ml未満の場合ビタミンD欠乏と診断されます。ただし、ビタミンD濃度の正常値は30ng/ml以上で、最適値は50〜80ng/mlと考えられています。
表1 - 統計で浮き彫りになったアメリカ人のビタミンD3欠乏の実態
人口の70%がビタミンD不足(血中濃度30ng/ml未満)
人口の50%がビタミンD欠乏(血中濃度25ng/ml未満)
全入院患者の60%がビタミンD欠乏
妊娠中の女性の76%が重度のビタミンD欠乏
高齢者介護施設患者の80%がビタミンD欠乏
まとめ
ビタミンD3が不足している人は直ちにビタミンD3を補給すべきですし、そうせざるを得ない段階に来ていると言えるでしょう。ビタミンD3補給を提唱する200人の専門家の推奨事項は以下の通りです。
- 25-OH-D3の血中濃度を検査し、ビタミンD3の濃度とサプリメントの摂取量を適切に判断します。
- 現在ビタミンD3を摂取していないか、25-OH-D3の血中濃度が30ng/ml未満の成人は、2〜3週間にわたって1日10,000 IU(250mcg)摂取する必要があるでしょう。
- このローディング(短期間の高用量摂取)期の後、成人は1日4,000 IU(100mcg)の用量に切り替えます。これは一般に安全とみなされる用量です。9
- なお、肥満気味の人や肌の色が濃い人の他、高齢者介護施設の入居者などビタミンD3欠乏のリスクが高い成人は、1日8,000 IUの高用量が必要かもしれません。各自の適正摂取量を判断するには血液検査を受けるのが一番です。
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