愛染明王  Rāga-rāja


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あいぜんみようおう
愛染明王




梵名を、ラーガラーゾヤといいます。

ラーガとは「色に染まる」という意味から、貪欲、かさばり、性欲などをあらわし、「愛染」と漢訳されました。
人を愛するということはすばらしいことです。ところが、これがゆきすぎますと、溺愛、盲愛といわれる愛のむさばりとなり、人を傷つけてしいます。これが煩悩です。


しかし、愛というものを、単に恋人や家族だけに向けるのではなく、より多くの人に、人間以外の生きものに、地球全体へと向けたらどうでしょうか。小さな愛は、人類愛、宇宙愛といった犬きな愛情、すなわち菩提心へと発展してゆくことなるでしょう。


のように「煩悩」を「浄菩提心」に昇華させる力を与えてくれるのが愛染明王です.






愛染明王十二大願


更に、愛染明王は一切衆生を諸々の苦悩から救うために十二の広大な誓願を発しているとされ、その内容は以下のようになる。[18]

  1. 智慧の弓と方便の矢を以って、衆生に愛と尊敬の心を与えて、幸運を授ける。

  2. 悪しき心を加持して善因へと転換し、衆生に善果を得せしめる。

  3. 貪り・怒り・愚かさの三毒の煩悩を打ち砕いて、心を浄化し、浄信(菩提心)を起こさしめる。

  4. 衆生の諸々の邪まな心や、驕慢の心を離れさせて、「正見」へと向かわせる。

  5. 他人との争いごとの悪縁を断じて、安穏に暮らせるようにする。

  6. 諸々の病苦や、天災の苦難を取り除いて、信心する人の天寿を全うさせる。

  7. 貧困や飢餓の苦悩を取り除いて、無量の福徳を与える。

  8. 悪魔や鬼神・邪神による苦しみや、厄(やく)を払って、安楽に暮らせるようにする。

  9. 子孫の繁栄と、家運の上昇、信心する人の一家を守って、幸福の縁をもたらす。

  10. 前世の悪業(カルマ)の報いを浄化するだけでなく、信心する人を死後に極楽へ往生させる。

  11. 女性に善き愛を与えて良い縁を結び、結婚後は善根となる子供を授ける。

  12. 女性の出産の苦しみを和らげ、その子のために信心すれば、子供には福徳と愛嬌を授ける。