● 「腸内環境を整える7つのステップ」
腸のエイジングと生活習慣
腸の老化は、腸の働きの低下だけでなく、全身の不調にも結びついてしまいます。 老化を食い止めることが、全身の健康につながります。
個人差がある腸内年齢
毎日忙しくて、たまったストレスを解消する暇もない。外食が多くて、食事も不規則になりがち。
元気がなくて
働きの悪い腸朝は早起きして、食事は3食きちんと摂る規則正しい生活。野菜や魚を中心とした昔ながらの和食が多い。
若々しくて
活発に働く腸
生活習慣が腸内年齢に影響する
「クリニックに訪れる患者さんの腸を数多く診ていますが、20代や30代でもかなり老化した腸の人もいれば、年配の方でも、若い年代より腸が若々しいという人もいます」と、小林メディカルクリニック東京院長の小林暁子先生は言います。
先ほどの腸内年齢チェックからも分かるように、腸の老化は生活習慣などにより、進行や程度にはかなりの個人差があります。実際、基礎疾患(しっかん)を患っていない限り小腸の粘膜は細胞分裂が活発で、新しい細胞を次々と生み出します。そのため他の器官と比べ、加齢による変化は起こりにくいといいます。
腸を老化させる生活習慣とは、ストレスの多い生活や不規則な食生活、食物繊維や運動の不足などです。これにより、腸内環境が悪化。腸の働きを低下させてしまうのです。
腸内環境は、善玉菌と悪玉菌、日和見(ひよりみ)菌の3つの腸内細菌のバランスでつくられています。善玉菌は免疫力を高めたり、腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にして排便を誘発するなどのよい働きをし、一方、悪玉菌は病気や体調不良などの悪い影響を及ぼすとされます。日和見菌は、腸の状態によって強いほうの菌に加勢する特徴があります。
腸内環境を善玉菌優勢に維持することが、腸の老化予防に。腸を整える生活習慣を心がけることで、幾つになっても若々しい腸をキープしましょう。
年代・性別リサーチ
腸を老化させる原因を探れ!
- 10代女性のケース
朝は慌ただしくて自宅でゆっくりトイレに入れない。とはいえ、学校で便意を催しても恥ずかしくて行けないという難しい年頃。そのような生活習慣から便秘が日常化してしまう場合も。無理なダイエットで腸内環境が悪化するケースも見られる。
- 20〜30代男性のケース
20代前半は就職など環境が変化して、何かとストレスがたまりやすい頃。過敏性腸症候群に悩む人が多いのもこの年代の特徴。30代半ば以降になると自律神経の機能自体が低下し始め、男性も便秘をしやすくなる。
- 20〜30代女性のケース
社会では責任ある仕事を任されるようになり、仕事と家庭の両立などでストレス要因が増える頃。忙しさから生活リズムも乱れやすく、腸内環境悪化の原因に。女性ホルモンの影響で、生理前などは特に腸の働きが鈍くなり、便秘が起きやすい。
- 中高年女性のケース
40代後半からは更年期に突入し、女性ホルモンの影響を大きく受けやすくなる。ホルモンバランスの乱れから交感神経が優位になりやすく、腸の働きが低下しやすくなる。それにより、便秘になるケースが見られる。
- 中高年男性のケース
仕事中心の生活になりやすく、不規則な生活、飲み過ぎや食べ過ぎ、運動不足などの生活習慣の乱れが顕著な世代。それにより腸内環境が悪化しているケースも。また、ストレス由来の胃腸の不調に悩む人も多い。
- シニア女性のケース
基本的には規則的な生活を送っている人が多く、腸を健やかに保ちやすい年代。しかし、一方では不眠に悩み、睡眠薬や睡眠導入剤を常用している人も少なくない。これらの薬は腸の働きに悪い影響を及ぼすため、便秘や下痢を招きやすくなる。
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