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2019年09月03日

ゲノム編集技術とAIで人類は創造主の座に手をかけた

ゲノム編集技術とAIで人類は創造主の座に手をかけた



2012年に登場した新たな遺伝子操作技術だが、人工知能(AI)と並んで、われわれの近未来を左右し得る力を備えている。

700万年前のアフリカでチンパンジーとの共通祖先から分かれた人類は、ついに創造主の座に手を掛けたのだ。

◆肉の多いマダイと牛も

ゲノム編集は遺伝子操作技術の一種。しかし、大豆などを原料にした食品で、使用の有無が表示される遺伝子組み換えとは違う。

他の生物の遺伝子を導入することなく遺伝情報を改変できることと、その効率の桁違いの高さが、遺伝子組み換えとの第1の違い。また、ヒトや多くの動植物に適用可能で、操作に熟練を要さない。これが第2の相違である。

この2大特徴は、第3世代のゲノム編集技術であるクリスパー・キャス9で際立つものになったのだ。

第1世代のゲノム編集は1990年代、第2世代のそれは、2010年ごろに登場していたが、使い勝手に難があった。

ともあれ、ゲノム編集では標的遺伝子をピンポイントで消去できる。中でも最新鋭のクリスパー・キャス9に至っては、従来の遺伝子組み換えとの間に、弓矢と誘導ミサイルほどの大差をつけることになったのだ。

既に国内でも実用研究に利用されている。筋肉の過剰な発達を抑制するミオスタチンという遺伝子を消すことで、多肉質のマダイを作出中だ。高品質のトマトや養殖用のおとなしいマグロを目指しての取り組みも進む。海外では肉の多い牛が開発されている。

◆がんと難病根治の次は

農畜産物や水産物の品種改良への期待もさることながら、医療や医薬品開発の分野でのクリスパー・キャス9に対する期待はさらに大きい。

難病の原因遺伝子の異常をDNAの塩基(遺伝情報の文字)レベルで修復すれば根治につながる。複雑な発症メカニズムの解明にもクリスパー・キャス9は、絶大な威力を発揮するだろう。がんの治療や予防も間違いなく飛躍的な進歩を遂げる。

だが、それだけで満足できないのが人間の欲望の常である。次にはわが子に、高い知能と運動能力、優れた容姿、体力などを与えたくなってくる。受精卵にゲノム編集を施せば可能な人体改造だ。

◆人類進化の特異点へ

遺伝子の傷や複製ミスで、がんが発症する場合でも複数の遺伝子が関与する。

論理性や記憶力など多くの知の要素の総和である頭の良さなどになると数百以上の遺伝子が関わっているだろう。

ゲノム編集がより高度化しても、それだけでは不可能な大脳の能力増強だが、それを可能にするもう一つの手段をわれわれは既に手に入れている。

AIである。

パターン認識を得意とするAIなので、DNAに32億の塩基が並ぶヒトゲノムの中から各種の発がんに関わる遺伝子の変異や相互関連性を発見し、発症メカニズムも次々、解明していくことだろう。

生命科学と情報科学の融合である。巨大資本への成長を遂げた世界的IT企業にとってのフロンティアだ。

がんや難病のゲノム編集治療を通じて、たちまちヒトゲノムのビッグデータが構築される。これを次世代AIが解読すれば、アインシュタインの頭脳を持つ不老長寿のマリリン・モンローが闊歩(かっぽ)する新時代が幕を開ける。700万年にわたる人類進化の系統図に新たな分岐が生じる瞬間だ。

ゲノム編集もAIも利便と富と覇権をもたらすがゆえに指数関数的な猛スピードで発達し、人間の対応力を超えてしまう。かくして因果は回り回ってウロボロスの蛇の形で、生みの親の人類をのみ込んでしまうのだ。

その可能性が濃厚な人類史の特異点に、私たちは遭遇しているのだと思う。

 
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