2018年に82歳で亡くなっています。スタジオジブリで宮崎駿監督と一緒に活躍した人です。
監督第1作は「太陽の王子 ホルスの大冒険」(1968)で、TVアニメでは「アルプスの少女ハイジ」「赤毛のアン」などを手掛け、最後の監督作品は「かぐや姫の物語」(2013)です。
三重県伊勢市で生まれ、幼少時は同県の津市で過ごした縁で、2023/7/8〜9/18まで三重県総合博物館で「高畑勲展」が開かれています。
管理人は連休を利用してご鑑賞させていただきました。
2023年7月14日からスタジオジブリの最新作「君たちはどう生きるか」(宮崎駿監督)が公開されています。
全く宣伝を打たない方針だったので、アニメに興味がない人は当日までその作品自体を知らなかったという話も聞きます。
その作品ですが、宮崎監督のアニメ人生の総括的な内容になっています。
主人公が宮崎監督自身だとは全く言ってないし、内容も「アニメ」「映画」とは無縁なものですが、見れば分かります。分かってしまう。そして、宮崎監督の関係者も姿かたちを変えて登場します。その中でも一番重要な人物が高畑勲氏。今作はある意味で決別の物語でもあります。
高畑勲と宮崎駿の関係は、先輩後輩であり師弟であり、もっと言うと「神様と使徒」です。
高畑勲は絵を描かない(描けない)監督でしたが、その緻密な演出力と新しい表現の開発力で、圧倒的な知のカリスマを持っていました。宮崎監督は「自分の観客はいつもただ一人、高畑勲さんだけ」というぐらい心酔していたので、その力量は推して知るべしです。
展覧会では過去の演出ノートや絵コンテなどが多数展示されています。
各作品のレイアウトや原画、背景美術も展示されていますが、それを描いたのは高畑監督自身ではないというのも興味深いところです。
展示会なので、基本的には作家の作品世界を肯定的に紹介する、という形になっています。
他の天才的な作家にも言えることですが、優れた作家には功罪相半ばする側面があります。
高畑勲監督も同様です。
「一将成りて万骨枯る」という言葉がふさわしい人物でもあります。
それを踏まえたうえで、天才の足跡を辿るのも悪くないと思います。
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