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2015年06月20日

079.Dragon Age :Origins

Dragon Age:Origins Xbox 360 プラチナコレクション(ダウンロードコード同梱)



 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「ドラゴンエイジ:オリジンズ」のレビューです。
 マスエフェクトを製作し、評価されたことでバイオウェアが目指すRPGの方向性が見えた、ということで世界観をがらりと変えてマスエフェクトしてみた、というところでしょうか。
 個人的にバイオウェアという会社のRPGは重厚な世界観と、何よりゲームバランスに非常にシビアな姿勢を持っているんだと感じます。

 ということで、本作は完全にオリジナルのハイファンタジーな世界観を持つ重厚な会話RPGです。マスエフェクトを超える、「出自と見た目」すら変更でき、それがダイレクトに物語に繋がっていく、という点で評価されているのですが、主人公メイクの更なる自由化の代償として主人公のボイスはカットされています。
 道中呟き程度の声は豊富ですが、テキストは残念ながら読んでくれません。

 また、ハイファンタジー(ロードオブザリングやゲド戦記など、架空の世界、架空の歴史、架空の文化)ですから、物凄く緻密に設定が張り巡らされており、世界への没入感はすさまじいです。
 逆に、リアリスティックを追究したマスエフェクト(リアル技術の中に架空の先進技術を取り入れる)と比べると、緻密に計算されているとはいえほとんど全てが絵空事の世界ですので、あんまりギチギチに詰め込まれると胃もたれする嫌いはあります。
 数歩歩いては更新され続けるコーデックスは最初こそ夢中になって読みましたが、だんだん嫌気が差してきた、という思いが、正直なところあります。

 どちらも想像の世界ですが、その世界になった分岐点がどこにあったか(自分たちの生きている時代よりも前か後ろか、つまり今現在の技術や文化の状況が多かれ少なかれ継承されているかどうか。更に補足すると世界観を理解するうえでどの程度リアルの常識や定説を足がかりに出来るか)というところですので、これは完全に好みの問題でしょうね。まるでドラゴンエイジが面白くないみたいな言い方ですが、私はSFよりハイファンタジーの方が好みです。ただちょっと日本的なハイファンタジーが好みということもあり、バタ臭すぎるものを敬遠してしまう感覚はあるにはありますが。
 はっきりしなくてすみません。
 好きには違いないんです。フランス料理は好きだけど、メインディッシュ来る前にお腹いっぱいになっちゃう、本当はデザートまで全部きちんと食べてあげたいんだけど、ごめんなさいご馳走様、という感じです(笑)。

 マスエフェクトを堪能出来るなら、ドラゴンエイジももれなく堪能できます。 RPGですので戦闘がありますが、カジュアル難度でない限り、バイオウェアのシビアなバランス調整は感じられると思います。
 ほとんどのリソースが有限というのは、日本ゲーに慣れてしまった我々には心理的に辛いところがあるのですが、だんだん慣れてきました。リプレイを想定して作られていますし、それでちゃんと楽しめるように設計されているのですから、無用な観念は捨てたほうが何倍も楽しめるってものです。

 脱線しましたが、ドラゴンエイジの戦闘がマスエフェクトと違うのは、「戦略」に比重を置いている点です。
 もちろんマスエフェクトにも戦術性(どのように動くか)はありました。
 本作は戦略性(どのような役割を置くか)が重要です。
(戦略は戦術の上に来ます。戦略のもと、戦術を展開していくのが基本です……間違ってないよね? 汗)
 FF12のガンビットというと、伝わるでしょうか? どのような状況の時に、どのように動くか、というのをあらかじめ設定しておき、戦闘中はその指針によって仲間たちがオートで動いてくれます。勿論手動でも問題ありませんが、操作が複雑になるため、戦闘する前に、これから攻略するステージにあわせた戦略を練っておくわけですね。

 またこの「戦略」という言葉は、戦闘以外の「誰を仲間にするか」、「誰の味方につくか」というシナリオ進行の仕方にも関わってきまして、宇宙を救う壮大な物語ではないものの、世界存亡の危機に立たされた人間たちの誰を味方につけて生き延びるか、という非常に政治的な戦略を強いられるゲームです。
 日本人の心情的に、「みんな友達」「主義主張は違えど、共通の目的を持つ」などといった甘い妄想が通じない世界ですので、そういった要素が面白い、と感じる人もいれば、合わないと感じる人も、マスエフェクト以上に多いでしょう。

 マスエフェクトの後発作品ですので、それらのノウハウをぎっしり詰めた濃密な洋RPGですが、それらのノウハウを更に活かすために選ばれた「ハイファンタジー」「政治的戦略」「戦闘におけるストラテジー」「取捨選択」などが、逆に人を選んでしまう題材でもあります。

 余談として、ドラゴンエイジはかなりマスエフェクトに似ているので、ドラゴンエイジなりの良さをどう見出し、育てていくのか、というところに苦心しているところがうかがえますね。ドラゴンエイジ2は所持していますが、未プレイなのでなんとも言えませんが、「迷走している」などという評価を見かけます。
 迷走しているのは、その作品に対して真面目に取り組み、もがいている、ということです。迷走していいと思いますよ。
 個人的に最新作インクイジションは期待していて、やりたいゲームですので、そのゲームの評判には触れていません。どんな風に脱皮するのか、してくれたのか、楽しみですね。

 人によっては傑作となりうる良作、といった位置づけでしょうか。
 ではでは。

 あ、一つ忘れてました。本作のパッケージには大抵本編とDLCが一緒についてくるのですが、ディスクではなくトークンコードですので、中古だとDLCが遊べない確率が非常に高く、またオリジンズのDLC配信は終了してしまったので気をつけてください。
 現在ではDLCが遊べたら超ラッキー、でしょうか。
 DLCキャラ、ゴーレムのシェイルさんなんかキャラ的にもゲーム的にも、すごく立ってるキャラなのに残念だなぁ。

・追記・
 上記画像のプラチナコレクション版は無印版にデフォルトで付いていたDLC6種がディスク同梱+大型DLCのアウェイクニング要素がコードとして付いてくるみたいです。
 ややこしいので検討の際は、よくよく調べてみてください。

攻略サイト


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