おはようございます。あるへです。
本日はこちら「キングダムハーツ バースバイスリープ ファイナルミックス」のレビューです。
日本版Kingdom Hearts -HD 1.5+2.5 ReMIX-内に収録されたタイトルのひとつで、KH1から2にかけて広げられてきた風呂敷を回収していくような造りになっています。
持ち手を選ぶキーブレードがどのようにしてソラやリクに渡ったのか、ソラとロクサスの関係性の答えや、そもそも彼らがまだ年端もいかない頃の話なので、まだノーバディになる前のXIII機関の面々なども登場し、かなり興味はそそられました。
エピソード自体は非常に短く、三人の主人公それぞれのストーリーの長さは大したものではありません。スキップしていけば二時間もかからずラスボス到達できるくらいで、ここは三人合わせてようやくそれなり、といったところか。
ただ、それぞれの視点で描かれる物語は、瞬間瞬間にのみ交差するくらいで、ほとんどが単独なので、見える世界も話の展開も、戦うボスですら全く違うので大分新鮮でした。三周やることのマンネリはほとんど感じないと思います。
エピソードが短く、展開が性急で、本作のオリジナルがPSPということもあってグラフィックも決して豪華ではない、こういった問題がちょっと個人的にはひっかかることがあって。
というのも、2で出てきた裏ボスの鎧の男。それが本作の主人公の一人なんですが、2のシークレットムービーにも登場して、まるでKHらしからぬ全身鎧という異質感や、戦闘開始直前に見せる非常な憤怒や憎しみ等々、かなり印象深く、圧倒的強キャラ感と畏れを抱いていたんですよ。
それにしては……なんか違うような。軽い、というか、うん、軽い(笑) 持ってるキーブレードの異質さから、勝手に古代の戦士みたいなイメージをしていて、もっと殺伐とした世界に生きてきたようなそんな感じがして、なんか引っかかるんですよね。本作はそんなイメージとは裏腹に、ラストで急展開するまではいつものKHらしく明るく賑やかで、PSPらしい密度の薄い世界と、フワフワ浮くような操作性です。
まぁ、言い方はあれだけど全然良かったです。知らないワールドが多く、楽しかったです。あれだけムービーを垂れ流して伏線敷きまくってる割にはなんとなくネタを察せてしまったのですが、それも含めてまあ全然悪くはなかったです。
一番の問題はやはり戦闘でしょうね。賛否両論あると思いますが、個人的にはマイナスです。
戦闘の感触は過去作チェインオブメモリーズから「スピード」ルールを除いてもっと自由に動けるようにした感じ。
KHらしく鍵を振り回してジャンプしてグライドして、でそこにカードならぬコマンドをデッキにセットして、リチャージが完了次第どんどんぶっ放していくスキルぶっぱゲーです。
メガフレアやサンダガショットなど、強力なコマンドを入手できれば、チェインオブメモリーズの時と同様戦闘は一瞬で終わらせられます。
また、対ボス用究極兵器として、「シュートロック」というコマンドがあります(どうでもいいけど、ここで言うコマンドは選択肢としてのコマンドだけど、ゲーム中のコマンドはある意味カードみたいな存在なので、そこに馴染むまで滅茶苦茶混乱しました)。このシュートロックが非常に強力で、やはりチェインオブ以下略同様何もさせずに完封することも珍しくありません。ラスボスですらそんな感じなので、難易度クリティカル攻略は比較的易しい、と言われています。
と、言われています……。まぁ、そうよね。ミラージュアリーナという闘技場のような場所では、このシュートロックをいかに使いこなすかが重要となる非常に強力なボスが多数待ち構えています。ここまではとても本作らしいバランスで結構楽しかったんですけどね。
最悪なのはクリア後の裏ボスたちですよ。
この超強力なシュートロックを使わせないために彼らが採った対策とは……。
そう。目にもとまらぬ速さで常に動き回り、ロックさせないことです(笑)
こいつがもうまじでいかれてる。
一撃もらえばラストリーブ発動、ターゲットロックすらままならない瞬間移動の連続、四方八方から多重に重ねる攻撃の数々。
取れる手段と言えばもうひたすらX連打して回避の無敵時間ですり抜け続け、無敵持ちのコマンドで突っ込むだけです。
それでも運や間が悪いと敗北を重ね、ほんと今作の裏ボスには辟易しました。
そもそもスーパーアーマーがデフォルトで、隙を突いても怯まないのはキングダムハーツシリーズの全否定と言っても過言ではない。
キンハーのアクションの何が楽しいって、敵の攻撃を覚えてうまくさばき、表れた隙に一撃を差し込む、すると敵が怯むので、そこへ最大コンボを叩き込むっていうこの差し合いが非常に楽しいんですよ。リズムアクションのような、ギミックアクションのような、パズルのような、そして格ゲーのような、その代わりに空振りするとコンボは繋がらず大きな隙を生むとか、そういった駆け引きがこのシリーズの醍醐味だと思っています。
とくればデメリットだけ残ってスキルぶっぱで、無敵と無敵のぶつかり合いで、超弾幕避けゲーみたいな今作は、決して褒められた戦闘バランスではないと思います。
ストーリー攻略のぬるさと裏ボスの凶悪さというバランスは、大味の一言が良く似合います。
敵のテンポにまず慣れるまで翻弄されっぱなしで、目や頭が痛くなってくるので、だったらそもそもシュートロックやサンダーブリッツとかバニッシュとか、こんな便利なコマンド作らなきゃよかったんや!
簡単に言ってくれちゃってるけど、実績コンプのためには三人それぞれがレポートを全て埋める必要があります。この超凶悪な裏ボスたちもしっかりレポートに載るので、三人でそれぞれ一回ずつ倒さなきゃならないんですねぇ〜……。
唯一の救いは、このわからん殺しの洗礼を抜けて、倒し方がわかってしまえば、残りのキャラでも十分に応用が利くので楽になるってことですね。一番最初に誰で挑むかは重要かもしれません。
あ、最後に一つだけ。バグか仕様かわかりませんが、「フルーツスキャッター」のミニゲーム中、Yでロブを打ち上げた後の表示、「シュート」と「カーブ」のコマンド逆じゃありません? 違いがよくわからないんだけど、いっくらシュートしても真下に叩き落すようなクソムーブしかしないんで吐きそうになったけど、カーブを打ったらまっすぐゴールに飛んでいくんで途端に勝てるようになりました。で、打った後ほんの少しの時間ボールを左右に誘導できるので、やっぱこれカーブなのかな。
言ってる意味わかんないと思うけど、このミニゲーム自体割とイミフなんで(汗)
コマンドボードとか言ういただきストリートも、目標額貯まってるのに基点マスでゴールにならなかったり、ちゃんとカードもといコマンドが補充されなかったりといったバグが、ごく稀に起こりました。
バグと言えばキャラの一人のストーリー実績が一つ解除されてなくて、最後の最後にこいつを取り直す羽目になりました。
総実績4000、Kingdom Hearts -HD 1.5+2.5 ReMIX-最後の実績が、本来攻略の途中で知らぬ間に解除されるような実績だったなんて……。いい思い出です(笑)
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