おはようございます。あるへです。
本日はこちら「龍が如く 極」のレビューです。
昔々、私がまだ青春時代を謳歌していた頃(笑)、30分くらいだけ遊んだことがあったんですよ。わざわざPS2のソフトを買ってきたにも関わらず、まったく面白くなくてすぐに売り払ってしまいました。当時は「ヤクザ」とかそんな反社会的な言葉に敏感で、物凄く毛嫌いしていたんですよね。それからしばらく経って、本作が如くシリーズと呼ばれ評価を受けることになっても、ついぞ今の今まで私はこれを手に取ることはありませんでした。
その30分がどのあたりかというと、桐生チャンがお葬式に出るあたりでした。喪服を着てうろうろしてたのだけはぼんやりと覚えていたんですよ。今になって思えば面白くなるのはこの先からなんですけどね。じゃああの時もう少し我慢していれば楽しめたかと思い返してみたのですが、うーんどうだろ。やっぱりあの頃はつまんなかったんじゃないかな。
こうして今になって遊びこんでみたのですが、見慣れたゴミゴミした大っ嫌いな街並み、狭くて薄暗くて五月蠅い大っ嫌いなゲーセン、興味のない酒、興味のない大人の遊びの数々……、うーん、健全なひねくれたインドア派青少年には魅力的な要素が一つもない(笑)
RPG的な要素が災いしてか、本作は主に戦闘を重ねて経験値を得ることで、「可能な動き」が増えていくんですよね。裏を返せば序盤は単調な殴り合いしかできず、カウンターや技の後隙をなくすキャンセルなんかもできないんですよね。結果として考えなしに拳を振っていては敵にボコボコにされるばかりで、当時の気分を推理するとそんな部分も取っつきが悪かったのかなと思いました。
(当時どんなゲームやってたかなぁ……。うーん、ドラクエ、FFとか……、鬼武者…とか、無双系とかだったかなぁ……。ね、こういうのしか知らないお子様に如くをちょっとやっただけで気に入るって、難しいよね)
本作は「極」ですから、当時のPS2版とはかなり変わった部分もあるらしいですが、ホントに葬儀会場のなんというか「らしい」雰囲気くらいしか覚えてないので、ゲーム自体は初見プレイとして楽しめました。
そう、楽しめました。この歳になってようやく、本作の面白さを実感できました。
本作は言うなれば任侠アクションです。映画と同じで、独特な社会を持つ極道というものの雰囲気を楽しむアクションゲームです。それは決して現実に存在するヤクザと同等のものではありません。
シリーズを追うごとにストーリーや雰囲気がどのように変容していくのかはまだ私にはわからないのですが、本作に限ってはその映画のような、任侠もの、といった趣向が強く出ていて、時にじんわりしつつ、涙を誘いつつ、でも基本的には勧善懲悪のノリで、胸糞なシーンを見せられた後に非常にスカッとする展開があり、スタンディングオベーションな感じでエンディングを迎えられたと思います。
ストーリーは良かったです。この先が気になりますね。
ただし、私は同時に実績コレクターでもあります。このゲームの本当の地獄はここからなのでした……。
本作は規模は小さいながらもオープンワールドな作りになっていて、およそ15年前の東京の繁華街をモチーフにしたもはやノスタルジックな雰囲気さえ持つこの街には数々のサブストーリーやミニゲームが散りばめられています。比べられるもので言えばGTAの日本版。
そのミニゲームが、本当に、なんというか……、そこまでやるかって。
ミニゲームはミニゲームなんです。動きとか雰囲気とか、物凄く細部までこだわって作られてますけど、あくまでミニゲームなんです。ただ、その攻略に求められるスキルが、ミニゲームの域を超えているのが賛否両論なんですよね。
麻雀、将棋、ビリヤード、ダーツ、これらは定番かもしれませんが、ポーカー、ルーレット、バカラ、ブラックジャック、海外のギャンブルに加えてチンチロリン、おいちょかぶ、こいこい、丁半博打……。
これらの膨大なギャンブルとミニゲームは、実績コンプを目指したとき、単なる金策や息抜きの枠組みを超えて強大な壁としてプレイヤーに立ちはだかります。
何が辛いって、ルールがわからないのが一番辛い(爆)。
麻雀とかまったく興味ないんですよ。興味ないから今までまったく触れてこなかったんですよ。ギャンブルにもまったく興味ないんですよ。むしろ、だからこそゲームが好きなんですよ。なんでゲームがしたいのにその中で「本格的な」ギャンブルをしなきゃならないんですか……。
まぁ、愚痴をこぼしてはいますが、抜け道はあります。ありますが、その中の2割くらいはやっぱり自力で頑張らなきゃならないんですよね。イカサマアイテムという強力なアイテムがありますが、ちゃんと狙って使わないと効果を生かせないし、それで必要な分が全て揃うかというとそうでもないし、有限なので無駄遣いするわけにもいきません。
なんやかんやあって総合して約100時間ほどでコンプするのですが、そのうち3/4くらいはこういった脇道に時間を費やすことになりました。
一番の難関は多くの人にとって麻雀になるでしょう。進行自体はシンプルながらも、様々な約束事やルールがあり、一筋縄ではいきません。私はこの時になって初めてYuoTubeで解説動画を探し、マジで麻雀の勉強しましたよ(笑)。
お陰様で麻雀のいろはを学び、なんと「楽しい」「奥が深い」と感じられるまでになりました。信じられねえ……。
で、なんとか麻雀の壁を越えられた、と思ったのもつかの間、次に立ちはだかったのが究極闘武、だったかな。これも一見して無理ゲーに思えるお題がいくつもあって、ホントげんなりさせられたものです。ある意味パズルな一面があるので、その状況やステージにあった戦い方、つまりラッシュスタイルや壊し屋スタイルなどを適切に使い分けて戦えば、激烈に難しいってほどでもなかったのですが。
どっちかというと先入観が邪魔してました。
(というか如く極の戦闘は、「張り手の極み」及び「虎落とし」を覚えているかどうかでまったく別ゲーになります。サイヤ人とスーパーサイヤ人くらい違う)
これでようやく、と思いきやまだまだ壁はありましたよ遥のおねだりアドベンチャー。奴は可愛い顔してこちらを殺しにきます。まじで。殺意、湧きますよ?
あれだけ苦戦したギャンブルやミニゲームで、平然と高得点を要求してくるんですからもう堪ったもんじゃないです。泣きながらやりました(きっとこういう時こそイカサマアイテム使うんでしょうね。私にはまだ如くシリーズの遊び方というものが備わっていないのです)。
意外というか、気にしてなかったので意外に苦戦したのがこいこい。花札の絵柄が覚えられなくて、何を集めればどんな役になるのか、この札は強いのか弱いのか、今できる範囲で何を採るのが最善なのか、その辺が全然わからなくて苦労しました。
もう一つはバカラ。ゲーム自体はほぼ二択のようなもので、ルールがわからなくてもほとんどディーラー任せで進むので、操作自体は楽ですが、ひとしきりやって達成目録の累計カウントもそれなりに増えただろうと一度中断したらまったく増えてなかったり。
あの時は愕然としました。
これは推測ですが、ミニゲーム系の基本仕様として、ディーラーに話しかけてゲームを始めたときが0だとして、勝つと+、負けると−になるのは予想がつきます。この時点では目録には更新されてなくて、ゲームを終了した時点で0からどれくらい増えたかを記載されるんだと思います。
つまり、勝ったら勝ってるうちにゲームをやめないと、その後大負けしたら苦労が水の泡になってしまいます。
これがあるからロードしてゲーム、勝っても負けても一戦で終了してセーブかロードって作業になって、ミニゲーム嫌いが加速した感じはします。
勝ったらその場でカウント、負けてもペナなしってしてくれればゲームを続けられるので、ほんの少しは気持ちよく没頭できただろうに。
そんなこんなで、なんとか龍が如く第一作目を踏破しました。この世界観やストーリーは非常に面白く、モチベーションが高まったと同時に、プレイヤーに非情な、勝たせてくれない本格的なミニゲームの数々は大変に疲弊させられました。
総合的に、私は本作を好きにはなりましたが、世間で言われるほどもろ手を挙げて大好きとも言えないです。極にグレードアップされているとはいえ、オールドベースな基本コンセプトや造りはまだ洗練されていないなと感じます。古いゲームなので仕方ないですけどね。
セガの出す多くのゲームがそうであるように、本作もまた多少マニアな部分を持つコアなユーザーにこそ評価され、世間の一般的な嗜好からは少し外れているような気さえします。
そこがセガの良いところ、とはよく言われますけどね。私もそれでいいと思いますし。
このゲームのコツ、あるいはセガゲームのコツ、はたまたこの当時PS2が全盛期だった頃の、各ソフト会社にそれぞれの社風が色濃く出ていた時代のゲームというべきか……まぁなんだ、このゲームのコツは、今まで自分が磨いてきた総合的なプレイスキルよりも、このゲーム独自の仕様を理解して扱いこなすスキルの方がより強く出てきます。
その辺がね、人それぞれいろんなゲーマーの価値観や「なんか違う」に出てくるんですよね。
まま、なんといっても今回の一番の収穫は、麻雀の面白さを理解できたこと、これに尽きます(笑)。
↓というわけで、麻雀のまの字も知らないあなたにとっておきの動画をご紹介します。#1〜#9まで全9回のこの動画を一通り学べば、あとは役一覧を見ながらちゃんと勝ちを狙って牌を切れるようになります。
混乱するような例外とかをざっくり切って、ポイントだけをコンパクトにまとめてくれているので非常にわかりやすかったです。
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