本日はこちら「シーズンズ アフター フォール」のレビューです。
本作は四季の概念をパズルに取り込んだ2Dタイプのアドベンチャーゲームです。
四つの季節を能動的に切り替えられる特殊な主人公として、手書きのアートスタイルで彩られた美しい山野を、あっちへ駆けこっちへ駆けして、いつしかこの世界の大きな秘密に迫っていく……みたいなお話だったと思う(汗)。
なにせ英語なんで……。
オプションには字幕と一緒に吹替の音声まで各国語に切り替えられる仕様だったので、結構ストーリーは凝っていました。
四季の美しさや自然の摂理などを問う本作のお話は、もし日本語化すればきっと日本人にも受け入れられるだろう美しさを持っていると思います。
さっきも言いましたけど手書きのアートスタイルと、かなりこだわったと見られる弦楽器のBGMが、けっこうゲームにしっくりきてて、いい雰囲気を出せていると思います。
四季を操る能力も面白いし、そこには現実的な解釈の上での変化があるので、ここで季節を春にしたらどうなる、とか冬にしたらどうなるっていう変化は、かなりわかりやすいです。ゲーム内としてのヒントも豊富ですし、パズルそのもので詰まることはほとんどないでしょう。
ただ、逆に言えば、一つのオブジェクトに対して何通りもの変化があるわけではないので、これを見たらこの季節にする、という解がほぼ決まっています。
行く先々で見つけたオブジェクトを、今できる範囲で試してみればそのまま先へ進める、といった感じで難易度はそれほど高くないんですよね。
シナジーの密度が薄いというか。
なので実際のところ、ゲームクリアしてもそこまで長く記憶に残るようなゲームでもないと思います。
奇麗で独特なグラフィックに、美しい旋律、易しすぎず難しすぎず落ち着いて解けるパズル要素、四季の精霊たちの壮大な物語。なんとなく雰囲気がわかれば、エンディングのその後のラストシーンも、おおぉ、と思うことでしょう。
ただ、ボリューム感や解き応えはインディー相応で、中心地となるサンクチュアリから四方に延びたステージを何度も行き来することになるのはやや億劫か。
基本的にはその場で季節を変更してギミックを作動させ、その先に行く。詰まったらまた季節を変更して足場を作る、といったステージになるので単調さは若干あると思います。ギミックの密度が薄いことから、全体像は狭めでありながら一つ一つのステージは広く感じ、パズルのための複数の分岐などが連なっていると、初見時は脳内マッピングがちょっと大変でした。
一通り終わってみればたいしたことはないんですけどね。性格なのかな。それとも歳か? 全体像が見えないとどうも不安で(笑) マップ機能が欲しいと思ってしまいました……。
あまり大きな、これぞという強い特徴があるわけでないですが、やればやっただけ何某かの満足感を得られる、いい感じの雰囲気ゲーでした。日本語化したらもうちょっとしっくりくると思うんだけどなぁ。
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