おはようございます。あるへです。
本日はこちら「EAT LEAD マット・ハザードの逆襲」をレビューしたいと思います。
このゲーム、公式サイトを見ていただければわかるでしょうが、バカゲーです。それも、思わず吹き出すこと必至の良質なバカゲーです。
公式サイト
ジャンルはTPS。敵を全滅させて進んでいく単純なシューティングゲームですが、ゲームのありとあらゆる部分にパロディが仕掛けられ、出てくる敵もほとんど(いや、全て?)が「あいつじゃん!」と突っ込めるのではないでしょうか。
たいてい、パロディものといえばどれだけ多くの、そしてマニアな作品を知っているかでだいぶ評価も変わってしまうかと思いますが、ご安心あれ。たとえゲームに明るくなくても我々ならば知っているであろうキャラクターたちもちらほら……。
そしてこのゲームの魅力はそれだけではありません。
「冲方丁」という名前をご存知でしょうか? 私が尊敬する大好きな作家さんで名前は読めるのですが、この、にすいの漢字が読み方がわからず、彼を紹介するときはいつもwikipediaからコピペしちゃいます。ちなみに「ウブカタ トウ」と読みます。
「ばいばい、アース」「マルドゥック・ベロシティ」「カオスレギオン」……ぴんときませんか? じゃあ「天地明察」はいかがでしょう?
(余談ですが、この人の作品を読み、その創作風景を知れば知るほど、「ああこの人、命を削って小説を書いてるなぁ」という感じがひしひしと伝わってきます。それほどまでに世界観は重厚で、ストーリーは洗練され、キャラクターは練りこまれているのですが、欲を言えば軽く見える中に非常に重いテーマだったり思想だったりが鎮座していますので読んでいて疲れます。心地良い疲れなんですけどね。あっという間に惹き込まれ、時間を忘れて読み貪ってしまう、中毒性の高い作品ばっかりです。いつかこの人みたいな小説を書きたいと思っていますが、身を削るほどの壮絶なストーリーは、私には作れそうにありません……。)
で、そんな人がローカライズされた日本語セリフを、一味も二味もアレンジしてくれているのです。これが本当に面白い。軽快で、無駄がなく、ゲームの世界観を存分に引き出しています。そのため大幅な意訳となっているのですが、このアレンジを批難する人を私は見たことがありません。
この素晴らしいセリフの一つひとつが、多少辛くとも前に進もう、早く次のシーンを見たい、とゲームを進めるモチベーションの源となっています。
「多少辛くとも」と記しました。
そうです。このゲーム、バカゲーには違いありませんが、ゲームはバカじゃないんです。今ではもう見劣りする多少もっさりした挙動、少々理不尽な当たり判定など、ゲームプレイそのものは割とストレスが溜まる設計でして、このゲームに魅せられた人間はそれさえもパロディやセリフの面白さが打ち消してしまうほどの魅力を見出してしまうのですが、これが実績のために最高難易度をクリアしようとすると、様相はがらりと変わってきます。
カバーリングTPSですが、敵のAIが妙に賢く、執拗に回り込んでこようとしたり、主人公であるマット・ハザードはなんとグレネードを使えなかったり(グレネードランチャーはありますが、使いどころは限られています。サブウエポンとして能動的に使用できる手榴弾を持てません。ただし敵はがんがん投げてきます)、それに加え、マップデザインといいますか、レベルデザインでしょうか、マップの地形の作りがかなり嫌らしいです。挙句の果てにはスクリプト湧きで不意打ちが少なくありません。
このように、純粋なシューターとしてもかなり歯ごたえのある仕上がりでして、いくつかある鬼門を抜け、最高難易度をクリアした際には妙な達成感を得たことを覚えています。
これだけならばただの激ムズいゲーム、あるいは理不尽さからクソゲー呼ばわりしてしまいそうな危ういタイトル(パッケージ的にもB級臭が漂っていますね)なのですが、何度も申しますとおり、それら胃が締め付けられるようなストレスさえも次のシーン、あるいは会話、もしくは敵の断末魔の悲鳴によって見事に中和されてしまうほどのモチベーションに溢れています。
これぞ隠れた名作。是非とも、皆さんにプレイしただきたい作品です。
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そのくせ出てきたら嫌なところにきっちり配置してくるし〜。
でも、その辺もレトロゲームを意識してはいるんだと思います。
何よりゲームは楽しいし、面白いので、無意識に適当に配置してるはずは無いと思います。
エンディングも印象に残る終わり方なので、良い思い出になりやすいと思います。
この作品をプレイしたきっかけはトレーラーを見たことでした。
「あぁ! クソ長いロードだが黙って待ってろ!
ゲームには時に諦めも肝心だ!」
という小山さんボイスのセリフに笑い転げた記憶があります。
確かに難易度は高めでしたね〜。
とてもよく出来ていて、且つ難しいというよりも、
ただ単に理不尽という類いの難しさだった気もしますねw
大味というか大雑把というか。
まあ、楽しめたので良し、という感じですかね〜。