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2019年01月11日

351.Unravel Two

Unravel (アンラベル) ヤーニーバンドル - PS4



↑騙されちゃいけない。Unravelは癒し系悪魔。

 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「アンラベル トゥー」のレビューです。

 うーん。
 思うところは様々ありますが、こうして実績コンプしてみると、うん、やっぱり良いゲームでした。
 本作が前作と変わったところは、一目見てわかるようにプレイアブルキャラクターが二人になったことです。
 これにより、前作のように一人ではできなかった様々なことができるようになりました。

 しかし当時の私は、「二人になって出来るようになったこと」あるいは「プレイヤー二人で楽しめるアクションゲーム」といえば、じっくり頭を使って解くパズルよりもタイミングを見て交互にジャンプしたり何したり、とにかくタイミングアクション的な要素が強くなるのではないか、という危惧があったためしばらく本作は購入予定になかったんですよね(Portal→Portal2みたいな変化あるいはスプロージョンマンのCo-opプレイみたいな感じ)。

 まぁ、結局買ってプレイする羽目になってしまったのですが、私の予想は大当たりでした。
 私の中でUnravelというゲームは、フォトリアルな美しいミクロの世界をちょこぴょんちょこぴょんお散歩するまったり探索アクションゲームというイメージでした。その印象がとても強く残っていたのです。

 だからこそ、本作では二人の協力が鍵となり、危険な罠をタイミングよく潜り抜けていったり、お世辞にも物理の法則に則っているとは言い難い、妙な挙動をする投げ輪スイングにやきもきしながら、実績にも堂々と追加されてしまったタイムアタックの要素に、始終「コレジャナイ」感に悩まされ続けたのです。

 前作のアンラベルは、自然(ネイチャー)が自然(ナチュラル)に溶け込んだ、その癖計算された非常に美しいパズルアクションゲームでした(まぁ、ノーミスクリアという後の布石みたいな鬼畜実績はありましたけど……)。
 スイングの挙動やヤーニーの重さ、そこにあって不思議ではないもので道を作り、辿った跡にはほどけた一本の糸がずっと続いている……そんな、テーマと映像とパズルがとてもよく調和していたゲーム、だと私の目には映っていました。
 そこには因果があって、過去と現在と未来が一本の線で繋がっていました。

 それを踏まえると、今作ではその場にふさわしくない謎の黒いもやもやが突然出てきて意地悪く邪魔をしたり、背景で同時に進んでいく子供二人のストーリーは最初から最後まで意味不明だったし(個人的には二人の子供が二人の大人に誘拐されて、そこから脱出し街に帰る話なのかな、と。なんじゃそりゃ)、そもそもどことも繋がっておらず自由に動けるヤーニーというのが奇妙で仕方なかったし、投げ輪の適用範囲が一目で見えるようになった改善や、壁蹴りの新要素も、アクション面を強化したということはまったり雰囲気ゲーなどではなくスリルとタイミングを見極めるアクションゲームになったという事実の示唆に思えて……とにかくね、「これじゃねーんだよ、アンラベルは! ちげーんだよ! こんなクソゲーにしやがって!」と、悶々としながらタイムアタックしてました。

 でもね。
 でもね、ほら。
 なんかやり込むうちにさ、まぁなんだかんだ言ってもこの美しいグラフィックはやっぱすごいし、綺麗だなって。
 なんだかんだ言ってもさ、音楽もすごく耳に心地よくて(本当です)リトライが苦にならなくてさ(嘘です)。
 なんかさ、やっぱスイングしてぽーんと遠くへ跳べると気持ちよくてさ。
 二人のキャラを交互に上手く使えると、ただ歩くのが億劫なぐらいすばやく向こうへ行けるから結構気持ちよくなっちゃってさ……。

 あれ〜? なんか、これもアリじゃない? って気がしてきちゃってさー。

 トドメは実績ですよね、やっぱり。
 本作で最難関と言われる実績、解除率0.02%の「屋根を走る者」を解除してガッツポーズ。このステージには、このゲームで必要なテクニック全てが詰まっているので、ホントここが最初にして最後の鬼門なんですが、ここを越えてしまえば他のステージのタイムアタックはびっくりするほど簡単で、ついでに双璧を成す鬼畜実績「鉄の錠」も、チャレンジルームが解放されるたびに下見と解き筋の効率化を済ませていたのもあってたった二度の挑戦でクリアできてしまいました(いや、ムズイっすよ、まじで。気軽に手を出していい代物ではないと思います)。

 そんなこんなで一通り終わってから振り返ってみると、やはりストーリーや世界観造りに関してはお粗末ではないけれど疑問が残るのに対して、ゲームの質としては前作と劣らないなと。
 前作に比べかなり敷居が高く、やりこむには前作以上に根気が必要になりますが、それに応えられるくらいには奥が深いなと、ちょっとしみじみと感じてしまいました。

 きっと会社の社風なんでしょうかね。
 EA製のゲームって、バランス調整がかなりシビアなんですよね。アンラベル然り、ミラーズエッジ然り、ドラゴンエイジやマスエフェクトだって、最高難易度は結構難しい方だと思います。

 なのであるへは一つ、EAさんにしてあげたいことがあるのです。
 まず社員を全員一列に並べます。
 そして全員に向かって、「素晴らしいゲームをありがとう。本当に楽しかった」といいます。その気持ちは嘘じゃないです。
 それから全員の頭をスリッパで思いっきり引っ叩いていきます。一人ずつ順番に。この気持ちも嘘じゃないです(タイムアタックを実績に入れようと言った奴は倍返しだ!)

↓初見感の残るプレイ。今作は文明的なステージが多い気がする。


↓ステージ後半なので見せ場がほとんどないけど、TA実績解除した時のプレイ。細かいミスが恥ずかしい。



・追記
 前作のレビューでタイトルの意味を推察して
「タイトルも意味深ですよね。
 貼れないもの、転じて記録しておけないもの、とかそんな意味かな。」
 なんて書きましたが、今になって調べてみたら、「Unravel」って単語、あるんですね……。
 意味はそのまま、(もつれた糸を)解く。とか解明する、って意味らしいです。あとは、(計画などが)失敗する。という意味もあるらしいです。
 今作の背景ストーリーはやっぱり誘拐が失敗に終わって子供たちが帰ってきた話だな。



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