おはようございます。あるへです。
本日はこちら「カオス;チャイルド」のレビューです。
……(*´Д`)ハァ。終わっちまった。
少しずつゆっくり進めてたこの「くそったれなゲーム」も、とうとうコンプしちゃったか……。
なるべくぼかして語るようには努めますが、本作の面白さの核心を突くにはどんな些細なことでもネタバレに繋がる可能性が出てきてしまいます。
本作は、そんな謎が謎を呼ぶサスペンスでした。
正直なところ、個人的には一章程度を読んだあたりでは、まだ惹き込まれてはおらず、偉大な過去作「シュタインズゲート」や、前作にあたる「カオスヘッド」を超えられるのか、そうでなくともその域まで迫れるのか、シリーズ人気の哀しいサガでよりセンセーショナルな事件の描写に拘るあまり肝心の中身が抜けてしまうのではないか……そんな心配が胸中にあったのですが……。
中盤以降、それは杞憂となり、瞬く間にのめり込んでいったのを覚えています。
本作はあらすじにも表れているように、前作「カオスヘッド」にて引き起こされた連続猟奇事件「ニュージェネレーションの狂気」をなぞる物語です。
シリーズの類似性を云々でなんとなくなぞるのではなく、まるで前作のバランスが黄金比であるかのように忠実になぞっていくのです。
どれくらい忠実かというと。
……事件の内容、起こった時期、あぁ、あとは言えん(笑)
はまぁ当然としても、私は以下の点にも注目しました。
前作の眼鏡娘「楠優愛」のとんでもない表裏性→本作「来栖乃々」の表と裏の関係。
前作のちびっ子「折原梢」の個別ルート→本作ロリっ子「山添うき」の胡蝶の夢。
前作ファンタズム「岸本あやせ」の荒唐無稽な個別ルート→本作「香月華」のとんでも個別ルート。
前作妹「西條七海」の個別エンド→本作JK「有村雛絵」の個別エンド。
前作ツン子「蒼井セナ」個別ルート→本作ではルートは存在しませんが「久野里澪」の雰囲気、汚部屋(笑)のレプリカ、そしてたしかセナルートは「子供」が重要なキーワードだった気がするのですが……。
あとは、言い難いですが前作のメインヒロイン「咲畑梨深」の出自・社会的地位など。
どこの考察サイトにも書かれていないのですが、多少こじ付けだったとしても偶然にしては出来過ぎていますよね。
このように本作は、かなり偏執的に表面だけでなく、エピソードの流れや結果にまで前作をオマージュすることに拘っているのです。
まるで本作の舞台「碧朋学園新聞部」の部員は、偶然そのキャラたちが集まったのではなく、もとから誰かの目によって選別され、こういう結末を迎えるよう恣意的に集められたのではないか、と。
そのため本作単品でももちろん楽しめるのですが(というか表面的には前作で知っておくべきことは「ギガロマニアックス」と「ディソード」、そして前作ラストで起こった「渋谷地震」の三つだけです)、本作をもっと深く楽しむためには前作のプレイは必須レベルだと感じました。
これは、前作のなにがしかが本作にも出てきて、クスッとか、懐かしい、とかいう類のものではなく、本作と前作を隅々まで比較して似ているところ、違うところを探すような、間違い探しのような楽しみ方が前提だと思います。
先に結論を言ってしまうと、本作は大変な傑作です。押し付けるようにしてお勧めします(笑)
シュタインズゲートとの甲乙は付けがたく、前日譚にあたるカオスヘッドとも十分に肩を並べる作品です。
重箱の隅をつつくような言い方をすれば、個人的には共通ルートと個別ルートでライターが変わり、それまでのリズムで読めなくなったり、ライター間でキャラ認識に微妙な違いがあるのか、「このキャラはそんなこと言わない……」みたいな混乱が生じてしまうのが残念なところですが、主人公が幾つかの妄想(トリガー)を経て分岐した別の世界線と考えれば、いくらでも目を瞑れます。
おそらく本作をプレイした「全て」のプレイヤーはTRUEルートを正史と認めるはずなので(意味深)、個別ルートは在り得たかもしれないもう一つのお話、として得心がいくと思っています。
そう、トゥルールート。
本作の核心はここにあると言っても過言ではありませんでした。
正直なところ、このトゥルーさえなければ、私の中でカオスチャイルドという作品は、ドキドキワクワク時にムフフとさせてくれる素晴らしい作品でしたまる、という感じでさほど印象に残ることはなかったと思います。
印象に残るとすれば終盤の最後の事件ですかね……。
あれは本当にやめてほしい……。軽くどころではないかなりのトラウマですよ。
内臓が飛び出たり血の海を渡ったりするようなグロは全然平気ですが、あれは本当に酷い。
しかしあれ以上の衝撃がこのあと待ち受けていようとは、不肖あるへ気が付けませんでした。
本作は、前作カオスヘッドをやり込んでいればいるほど、実は先が読みやすいです。
不可思議な謎や、その謎明かしのテクニックに惹き込まれて実に面白い、とは感じたのですが、前作カオヘの流れや、本シリーズの癖(伏線の隠し方、回収の仕方、キャラクターの傾向など)を知っていると、なんとなくこの先の展開やタネが読めてしまうのです。
まぁ、本作はそれも踏まえて本編中でのネタバラシ、あるいは自身との答え合わせが魅力の一つではあるのですが。
そんなわけで、カオスチャイルドに残された最後の謎。事実。
前作をもっと強くイメージしていれば、もしかしたら気づけたかもしれなかった、というのがすごく悔しくて……、そして知りたくなかった事実を知らされ、「信じられない……!」という気持ちを実感してしまいました。
信じていたものがガラガラと音を立てて崩れる、頭では理解していても気持ちが追い付かない……小説の登場人物だったれば割とよく直面する、それこそ日常茶飯事な出来事なのですが、まさかその時の人物たちの気持ちを体験しようとは……。
恨みも辛みも、良いも悪いも、好きとか嫌いとかじゃなくて、ただ純粋に、信じられない、信じたくない、そういう気持ちです。人によっては本当にコントローラが手から滑り落ちるかも。
この最後のどんでん返しが、プレイヤーに強烈な衝撃(あるいはトラウマ)を焼き付け、80〜90点くらいのかなりの良作ゲーが、突然ぶっちきり400点オーバー身体が震えて止まないゲームに急転するのです。
開いた口が塞がりませんでした。
そんなわけでしてね。最初の言葉に戻ります。
だいたいテキストゲームをプレイし終わった後は、いつもこんな気持ちですよね。別れが惜しい、余韻がまだ残っていて、このゲームをHDDから消去するのをためらってしまうのです。
↓タイトルでしばらく放置すると流れるOP2
本編中はネタバレ防止のため動画、SSが撮れません。
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本作でもキーアイテムになった「力士シール」ですが、実在するのですね。渋谷は幼い頃に住んでた程度で今は縁がありませんで、本作のフィクションだとずっと思ってましたw
そんでもってこの「力士シール」。「万能鑑定士Q」という小説の一つのお話のモチーフにもなっているそうです。
この小説は本作とはまったく関わりがありませんが、昔好きでよく読んでました。読んでたくせにまったく思い出さなかったという……w
別シリーズだけど、水平思考は真似できないなぁ。論理思考とともに使いこなせたら無敵だろうなぁ。
(水平思考法はウミガメのスープのエピソードが有名かな)
「万能鑑定士Q」はライトノベル感覚で読めるジェットコースターみたいな推理アドベンチャーで、多くの人にすごくお勧めできますよ。
キャラもすごく良く立ってるのでアニメ化とかしてても不思議じゃないですね。その辺はよく知りませんけど(汗)
いつかの日向さんのブログ記事に有村エンドが好きってチラッと書いてあったのを覚えてましたので、攻略中も「確か日向さんが好きっていってたなー、ふむふむ」なんてことも考えながら読んでいました(笑)
私が好きなエピソードは、香月ルートですね。
本編では「こいつは果たして物語的に必要なキャラだろうか?」と思ってしまうほどストーリー軸に絡んでこないのですが、使いまわしのない「ん」にかなり癒され、個別ルートで頑張って喋ってる姿にきゅんとしました。
お話的には一番荒唐無稽な展開で、ある意味カオスヘッドらしい、ちょっとお馬鹿で熱いシナリオが印象的でした。
私はテキストゲーをプレイするときは、アニメを視聴するような感じで、毎回オープニングムービーを観てから本編に入る癖というか儀式みたいな習慣があります。
なので上の二つのムービーは耳タコなくらい聴きました。逆にエンディング曲は流れる機会が少ないのであまり覚えてなかったりします(汗)
カオスチャイルド;ラブchu☆chuも実は存在します。
xboxでは出来ませんが、持ってて良かったps vitaですので、いつか何かの機会に遊べればいいなーと思ってますが……はたしてそんな日が来るのか……。
あ、そうそう。ポジかネガで思い出しましたが、前作ではネガはほとんどが殺される妄想だったのに対して、今作は割と「嫌な展開」もネガに入っていて、いろんな広がり方があって良いですよね。
伊藤に襲われるネガ妄想は爆笑しました(笑)
では、あでぃおすぐらっしゃー
…っと、コチラではおひさです、あるへ様!
クリアおめでとうございます。
わたしは有村エンドが一番好きだったのですが、
あるへ様のお気に入りのエンドはどのキャラのでしたか?
Trueエンドで流れる歌が最高ですよね。
わたしは哀しいエンディングだと思いました。
さあ、このコメントに対するあるへ様の妄想は、
ポジなのかネガなのか…(笑)。