2017年06月13日
緑の芝生の上で、、、 〜 Sands School 訪問A 〜 イギリス、Devon州にて
2007年5月22日(火) サンドスクール訪問2日目
この日は、午前中の休み時間(11:00〜15分間)明けから訪問させてもらった。
学校に向かって町を歩いていると、サンドスクールの学生らしい2人組の女の子が「ハーイ!」と笑顔で挨拶してくれた。
どうやら町のお店に買い物に行っているようだった。
時間割では、ドラマ(劇)という授業があって、しかも初日で仲良くなったヘイゼル達のクラス(Y3:14歳くらい)だったから、じっくり見せてもらうつもりで早々にその部屋で待っていた。
しかし、なかなか始まらない。担当はメリルという年配の女性だった。(彼女も20年ほどこの学校で教師をしているらしい)
そのうち何人かが集まってきたが、最後の2人は10分ほど遅れて入ってきた。
それはまさにさっき町で出会った2人組だった。
そして、さらにそれから10分ほど・・・彼女らはメリルの怒りに満ちたお説教を聞くハメになった。
(この旅の中では、後にも先にも、お説教らしいお説教はこれ1回くらいだったと思う)
どうやら、あの2人はアイスクリームを買いに行っていたらしい。
そして、劇の方はというと・・・もうすぐ発表会をしなければならず、一刻の猶予もならないという感じだった。
「あなた達は事の重要さをわかっていない」と、メリルはしめくくった。
そして、それを間で聞いていた一人が「だったら、さっさと練習しよう。この時間がもったいないよ」と言って、練習は開始された。
さすが、それまでゆったりしていた雰囲気が、役に「入る」とともに真剣モードに切り替わった。
演じる人数は、6人、舞台はどうやら第二次世界大戦、ナチスドイツ支配下にある強制収容所らしかった。
「私は、私たち家族は幸せだった。戦争が、ナチスが来るまでは・・・」
ナチスの兵隊役のヘイゼルの演技は、特に見事なものだった。
堂々と、憎らしいまでにその悪役ぶりを表現してみせた。
そして、囚人役の子達もまた。自由をうばわれ、いつ死をむかえるか分からない悲痛さを、体いっぱいで表現していた。
メリルの指導は、なかなか手厳しかった。時には自ら、舞台に上がった。
私から見れば子ども達は十分がんばっていたように見えたが・・・メリルにとっては不満足な瞬間があった。
一人の子の「おなら」で、緊張の糸がゆるみ、みんなが笑い出してしまったのだ。
別にバカにするでもなく、ただ単に楽しんでいるように見えたが・・・メリルにとっては笑い事ではなかった。
「あなた達には真剣さが足りない」と、一喝・・・時間がきて、子ども達は不満そうに部屋を出て行った。
私自身の感想(子ども達の演技に圧倒されたこと)をメリルに伝えて、私も部屋を出た。
次は、その隣りの部屋でショーンを中心にミーテイングらしいものが開かれていた。
私が入ってもいいのかどうか少し迷ったが、大丈夫な様子だった。
メンバーは、いつものクラスの集まりではなく、ぞれぞれバラバラだった。
後で分かったことだが、これは「スクール・ミーテイング」の前の「どんな課題があるか」といった、事前討議だった。
さすがに何もなしでいきなりだと効率が悪いからとのこと・・・。つまりここにいたのは、各グループの代表ということになる。
内容がすべて理解できたわけではないが、なるほど、小さな学年の子も臆せず、言いたいことを言っていた。
そして、それぞれに「責任」というものをしっかり意識していた。時々、先生達のことも話題にのぼっていた。
ちなみにさっきのドラマの件も、Y3の代表の子がメリルに対する不満を打ち明けていた。
学校で起こっていることはみんなで共有できるというわけだ。
最後にショーンが、「だいたい内容はこれくらいかな」としめくくり、
「今日は天気がいいから、芝生を楽しんでおいで」とみんなに声をかけ、解散した。
この日は、本当にお天気がよくて、ランチはみんな外の芝生の上やテラスで食べていた。
空はどこまでも青く、時々白い雲が筋状に流れていて、上空の風の強さをうかがわせた。
ぽかぽかの陽気・・・芝生の上にお互いにもたれ合いながら横になったり、ギターを弾いている姿もある。
大地のあたたかさと、仲間の体温に触れることで、子ども達の心は安定しているように見えた。
あまりにシアワセそうなので、見ている私もうれしくなる光景だった。
さて、午後のアートの授業を見学していた時のことだった。
どうやら最近入ったばかりらしい女の子のそばに母親らしき女性が座っていた。
興味をひかれてじっと見ていると、彼女の方も、日本人である私の方に興味を示しているようではあった。
しばらく自分の娘の様子を見て、話をした後で、彼女は席をたって外に向かった。
私は、せっかくなので彼女の後を追って「ちょっとだけお話できますか?」とたずねると、「Yes」と言ってくれた。
単刀直入に、この学校のことをどう思っているかを聞いてみた。
「娘は気に入ったみたいだし、私もいい学校だと思うわ。」
たとえばどんなところがかを聞いてみた。
「ここでは何でもスクール・ミーティングで決められるの。先生も、生徒も平等な一票を持っているのよ」
そして彼女は、逆に私に、質問してきた。
私は、自分の旅のことを話した。
すると彼女は「すばらしい!」と言って、
「私も、娘のために色々な学校をまわって、見てみたの。そして、娘と二人でここに決めたのよ。
彼女がここを気に入ってくれてよかったわ。」
そして「シュタイナー学校にはもう行った?」と聞かれた。
「いいえ、知らなかった。ここにもあるの?」
と聞くと、彼女はうなずいて、住所と電話番号を書いたメモをくれた。お礼を言って、彼女とは別れた。
*切符と日程の都合で、ここでは訪問できなかったが、この後、ちょこちょこと耳にすることになる。
(つづく)
実際の旅に役立つ情報編へは、こちら
ヨーロッパの自由学校訪問記 〜情報編〜
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この日は、午前中の休み時間(11:00〜15分間)明けから訪問させてもらった。
学校に向かって町を歩いていると、サンドスクールの学生らしい2人組の女の子が「ハーイ!」と笑顔で挨拶してくれた。
どうやら町のお店に買い物に行っているようだった。
時間割では、ドラマ(劇)という授業があって、しかも初日で仲良くなったヘイゼル達のクラス(Y3:14歳くらい)だったから、じっくり見せてもらうつもりで早々にその部屋で待っていた。
しかし、なかなか始まらない。担当はメリルという年配の女性だった。(彼女も20年ほどこの学校で教師をしているらしい)
そのうち何人かが集まってきたが、最後の2人は10分ほど遅れて入ってきた。
それはまさにさっき町で出会った2人組だった。
そして、さらにそれから10分ほど・・・彼女らはメリルの怒りに満ちたお説教を聞くハメになった。
(この旅の中では、後にも先にも、お説教らしいお説教はこれ1回くらいだったと思う)
どうやら、あの2人はアイスクリームを買いに行っていたらしい。
そして、劇の方はというと・・・もうすぐ発表会をしなければならず、一刻の猶予もならないという感じだった。
「あなた達は事の重要さをわかっていない」と、メリルはしめくくった。
そして、それを間で聞いていた一人が「だったら、さっさと練習しよう。この時間がもったいないよ」と言って、練習は開始された。
さすが、それまでゆったりしていた雰囲気が、役に「入る」とともに真剣モードに切り替わった。
演じる人数は、6人、舞台はどうやら第二次世界大戦、ナチスドイツ支配下にある強制収容所らしかった。
「私は、私たち家族は幸せだった。戦争が、ナチスが来るまでは・・・」
ナチスの兵隊役のヘイゼルの演技は、特に見事なものだった。
堂々と、憎らしいまでにその悪役ぶりを表現してみせた。
そして、囚人役の子達もまた。自由をうばわれ、いつ死をむかえるか分からない悲痛さを、体いっぱいで表現していた。
メリルの指導は、なかなか手厳しかった。時には自ら、舞台に上がった。
私から見れば子ども達は十分がんばっていたように見えたが・・・メリルにとっては不満足な瞬間があった。
一人の子の「おなら」で、緊張の糸がゆるみ、みんなが笑い出してしまったのだ。
別にバカにするでもなく、ただ単に楽しんでいるように見えたが・・・メリルにとっては笑い事ではなかった。
「あなた達には真剣さが足りない」と、一喝・・・時間がきて、子ども達は不満そうに部屋を出て行った。
私自身の感想(子ども達の演技に圧倒されたこと)をメリルに伝えて、私も部屋を出た。
次は、その隣りの部屋でショーンを中心にミーテイングらしいものが開かれていた。
私が入ってもいいのかどうか少し迷ったが、大丈夫な様子だった。
メンバーは、いつものクラスの集まりではなく、ぞれぞれバラバラだった。
後で分かったことだが、これは「スクール・ミーテイング」の前の「どんな課題があるか」といった、事前討議だった。
さすがに何もなしでいきなりだと効率が悪いからとのこと・・・。つまりここにいたのは、各グループの代表ということになる。
内容がすべて理解できたわけではないが、なるほど、小さな学年の子も臆せず、言いたいことを言っていた。
そして、それぞれに「責任」というものをしっかり意識していた。時々、先生達のことも話題にのぼっていた。
ちなみにさっきのドラマの件も、Y3の代表の子がメリルに対する不満を打ち明けていた。
学校で起こっていることはみんなで共有できるというわけだ。
最後にショーンが、「だいたい内容はこれくらいかな」としめくくり、
「今日は天気がいいから、芝生を楽しんでおいで」とみんなに声をかけ、解散した。
この日は、本当にお天気がよくて、ランチはみんな外の芝生の上やテラスで食べていた。
空はどこまでも青く、時々白い雲が筋状に流れていて、上空の風の強さをうかがわせた。
ぽかぽかの陽気・・・芝生の上にお互いにもたれ合いながら横になったり、ギターを弾いている姿もある。
大地のあたたかさと、仲間の体温に触れることで、子ども達の心は安定しているように見えた。
あまりにシアワセそうなので、見ている私もうれしくなる光景だった。
さて、午後のアートの授業を見学していた時のことだった。
どうやら最近入ったばかりらしい女の子のそばに母親らしき女性が座っていた。
興味をひかれてじっと見ていると、彼女の方も、日本人である私の方に興味を示しているようではあった。
しばらく自分の娘の様子を見て、話をした後で、彼女は席をたって外に向かった。
私は、せっかくなので彼女の後を追って「ちょっとだけお話できますか?」とたずねると、「Yes」と言ってくれた。
単刀直入に、この学校のことをどう思っているかを聞いてみた。
「娘は気に入ったみたいだし、私もいい学校だと思うわ。」
たとえばどんなところがかを聞いてみた。
「ここでは何でもスクール・ミーティングで決められるの。先生も、生徒も平等な一票を持っているのよ」
そして彼女は、逆に私に、質問してきた。
私は、自分の旅のことを話した。
すると彼女は「すばらしい!」と言って、
「私も、娘のために色々な学校をまわって、見てみたの。そして、娘と二人でここに決めたのよ。
彼女がここを気に入ってくれてよかったわ。」
そして「シュタイナー学校にはもう行った?」と聞かれた。
「いいえ、知らなかった。ここにもあるの?」
と聞くと、彼女はうなずいて、住所と電話番号を書いたメモをくれた。お礼を言って、彼女とは別れた。
*切符と日程の都合で、ここでは訪問できなかったが、この後、ちょこちょこと耳にすることになる。
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