2017年07月12日
とあるデンマーク人、母子との出会い 〜 ダンホステルにて 〜 デンマーク・オーフス
2007年5月30日(水)
前回のお話から、時をすこしさかのぼり、その日の朝、、、
前日の疲れもあって、ぐっすり眠っていた私は、相部屋のデンマーク人母娘が帰ってきたことにも気が付かないまま朝を迎えた。
カタン、コロコロ・・・という音ではっと目を覚ますと、「ごめんなさい。起こしちゃったみたいね」と、荷物整理をしていた女性が声をかけてくれた。
「ノー・・・」(いいえ)と言いながら上半身を起こすと、8歳か9歳くらいかと思われる金髪の娘さんと目が合った。
「グッドモーニング」と声をかけたが、何を言ってるか分からないという表情で返事はない。
「娘はまだ英語が分からないの」
デンマークでは、高学年になったら英語を勉強するとのこと。母国語を大事にしているらしい。
そして、その子はだまって手に持った色とりどりの積み木を積んでいった。
私がじっと見ていると、うれしい様子で、少し得意げ・笑
私はその前年6年生の算数を受け持った時のことを思い出していた。立体の勉強だった。
教科書にある、サイコロ状の積み木がいくつありますか?
という問題を初めて提示した時、その描かれている奥行きを、きちんと理解していた児童の数があまりにも少なかったのだ。
今の子ども達は、平面に描かれた立体の奥行きを想像することができない!
それは、正直かなりのショックだった。
それだけ、実際の生活で立体物に触れる機会がないということなのだろう。
私達の頃は、自分で「ヒミツ基地」などを作ったり、立体物を作りだすという作業は身近な体験だった。
積み木遊びもその一つだった。
こうなったら、実際に体験させるしかない。子ども達がどんな反応をするか分からなかったが、教具室にあるブロックを片っ端から集め、みがき、授業で子ども達に配った。
思いがけず、彼らはものすごく喜んだ。喜び過ぎて授業にならないくらいだった。6年生が・・・だ。
「後で、自由に遊ぶ時間を作るから今は、授業に集中しようね」と言って、やっと授業ができた。
黒板に貼った見本と同じ形を作ってみようという内容。さすがに吸収力がはやい子ども達、すぐになんなくできるようになった。
しかし、ほんの何回かやっただけでは、まだ平面に描かれた立体を読み取れない子もいた。やはり、もっと幼い頃からの体験が大切だと痛感した。
そして、目の前で幼い子が楽しそうに積み木遊びをしている。私は興味しんしんだった。
そしてお母さんに「いつも、こういった遊びをしているの?」と聞くと、「Yes」とのこと。
そして、驚いたことに「Are you a teacher?」(あなたは先生?)と聞かれた。
びっくりして「Yes」と答えるとやっぱり・・・という表情・・・するどい^^”
デンマークでは、幼い頃にこういった遊びや指先を使う体験をさせることがとても大切だと考えられているらしい。
「ベリーグッド!」(すばらしい!)と言うと、にこっと笑った。
そして、写真を撮らせてもらってもいいかと聞くと、喜んで・・・と答えてくれた。
さらに、明日訪問する予定のRyという町の場所がよく分からなかったので、「Ryって知ってますか?」と聞くと、持っていた詳しい地図を広げて、今いるオーフスと、そこからちょっと西に行ったところにある小さな町を指差した。
そこには「Ry」と、ちゃんとあった。
そしてペンで印をつけると、「私達はもう使わないから、よかったらあげるわ」と、地図をさしだし、荷物の整理も終わったらしく、
「じゃあ、私達はもう出発しますから・・・」と、笑顔で部屋を出て行った。
私も笑顔で「ありがとう!」と応えた。
その後を見ると、積み木の入った木箱がちょこんと置いてある。
「もしや忘れ物?」と思ってあわてたが、実は、その積み木はユースのどの部屋にも置いてあるものだった。
ちなみにテレビは、談話室にしか見当たらなかった。
デンマークらしい^^
(つづく)
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前日の疲れもあって、ぐっすり眠っていた私は、相部屋のデンマーク人母娘が帰ってきたことにも気が付かないまま朝を迎えた。
カタン、コロコロ・・・という音ではっと目を覚ますと、「ごめんなさい。起こしちゃったみたいね」と、荷物整理をしていた女性が声をかけてくれた。
「ノー・・・」(いいえ)と言いながら上半身を起こすと、8歳か9歳くらいかと思われる金髪の娘さんと目が合った。
「グッドモーニング」と声をかけたが、何を言ってるか分からないという表情で返事はない。
「娘はまだ英語が分からないの」
デンマークでは、高学年になったら英語を勉強するとのこと。母国語を大事にしているらしい。
そして、その子はだまって手に持った色とりどりの積み木を積んでいった。
私がじっと見ていると、うれしい様子で、少し得意げ・笑
私はその前年6年生の算数を受け持った時のことを思い出していた。立体の勉強だった。
教科書にある、サイコロ状の積み木がいくつありますか?
という問題を初めて提示した時、その描かれている奥行きを、きちんと理解していた児童の数があまりにも少なかったのだ。
今の子ども達は、平面に描かれた立体の奥行きを想像することができない!
それは、正直かなりのショックだった。
それだけ、実際の生活で立体物に触れる機会がないということなのだろう。
私達の頃は、自分で「ヒミツ基地」などを作ったり、立体物を作りだすという作業は身近な体験だった。
積み木遊びもその一つだった。
こうなったら、実際に体験させるしかない。子ども達がどんな反応をするか分からなかったが、教具室にあるブロックを片っ端から集め、みがき、授業で子ども達に配った。
思いがけず、彼らはものすごく喜んだ。喜び過ぎて授業にならないくらいだった。6年生が・・・だ。
「後で、自由に遊ぶ時間を作るから今は、授業に集中しようね」と言って、やっと授業ができた。
黒板に貼った見本と同じ形を作ってみようという内容。さすがに吸収力がはやい子ども達、すぐになんなくできるようになった。
しかし、ほんの何回かやっただけでは、まだ平面に描かれた立体を読み取れない子もいた。やはり、もっと幼い頃からの体験が大切だと痛感した。
そして、目の前で幼い子が楽しそうに積み木遊びをしている。私は興味しんしんだった。
そしてお母さんに「いつも、こういった遊びをしているの?」と聞くと、「Yes」とのこと。
そして、驚いたことに「Are you a teacher?」(あなたは先生?)と聞かれた。
びっくりして「Yes」と答えるとやっぱり・・・という表情・・・するどい^^”
デンマークでは、幼い頃にこういった遊びや指先を使う体験をさせることがとても大切だと考えられているらしい。
「ベリーグッド!」(すばらしい!)と言うと、にこっと笑った。
そして、写真を撮らせてもらってもいいかと聞くと、喜んで・・・と答えてくれた。
さらに、明日訪問する予定のRyという町の場所がよく分からなかったので、「Ryって知ってますか?」と聞くと、持っていた詳しい地図を広げて、今いるオーフスと、そこからちょっと西に行ったところにある小さな町を指差した。
そこには「Ry」と、ちゃんとあった。
そしてペンで印をつけると、「私達はもう使わないから、よかったらあげるわ」と、地図をさしだし、荷物の整理も終わったらしく、
「じゃあ、私達はもう出発しますから・・・」と、笑顔で部屋を出て行った。
私も笑顔で「ありがとう!」と応えた。
その後を見ると、積み木の入った木箱がちょこんと置いてある。
「もしや忘れ物?」と思ってあわてたが、実は、その積み木はユースのどの部屋にも置いてあるものだった。
ちなみにテレビは、談話室にしか見当たらなかった。
デンマークらしい^^
(つづく)
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