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2017年07月03日
予期せぬ再会と、3度目の、ロンドンへの旅〜イギリス東部・サフォーク州にて〜
ところで、レイストンを出発する前に、気になっていることが一つあった。
サマーヒルスクールの昨日のランチ代を払っていなかったことである。
一番初めに訪問したフレネ学校では、きっちりと請求され、美味しい給食をいただいた。
2回目のサンド・スクールでは「働かざるもの、食うべからず」といったようなことがホームページにも書いてあったので、ありがたくいただいた後で、食器洗いを手伝った。
しかし、サマーヒルではその必要がなかったし、お金を払おうにも事務所が閉まってから出てきたので払えなかった。
節約旅行をしている私だったが、バランス的に「甘え過ぎる」ことも「自己犠牲」的なこともどちらも嫌いな私は、払うべきものは払っておきたかった。
しかし、もう一度行くとしても今日は土曜日だから事務所は閉まっているだろう。帰ってからゆっくりお礼を送ることにするか・・・という結論に達した。
今日の予定は、レイストンを10時50分発のバスで出発。
サクスマンダム発 11時40分の列車に乗って、ロンドンのリバプールストリートには3時頃到着というものだった。
・・・ということは、4時にはまたあのユースに戻れるだろう。
この時点で時間は9時15分くらい。
前の日に、図書館で道を聞いた時にパソコンがあるのを目ざとくチェックしていた私は、バスに乗る前に図書館に行きたかった。
ホテルのチェックアウトの時間を聞くと、11時ということだったので荷物はそのまま置いて図書館に出かけた。
この学校訪問の旅は、常にどこかの学校や関係者とメールで連絡を取りながらの旅だったから、どうしてもインターネットは不可欠だった。
そして、イタリア、フランスでは無料だったネット料金が、ここイギリスのユースでは15分1ポンド(約250円)という状況だったから、無料で使える図書館などはとてもありがたい存在なのだった。
期待通り、通りすがりの一旅行者でも、使うことを許可してくれた。この時は、次のデンマークから始まる北欧の旅の下調べをすることができた。
1時間後、気がつくとバスの時間まであと20分という状況だった。図書館の親切なおばさんにお礼を言って、ホテルに戻り、荷物をまとめてチェックアウトした。例の金髪の彼女は、とてもいい笑顔で手をふってくれた。
バス停には45分に着き、ほっとひと息・・・ぼーっとしながらバスを待った。
すると、何だか見覚えのある姿が道の向こうから走ってきた。
「あれ〜っ?誰かと思ったら」と驚いた顔をしている。
なんと昨日の飛行機少年・シービ君(ネット名)だった。
「ここから出発するんだね」
「そう、あともう2・3分だからすごい偶然!町には用事で来たの?」
「うん、買い物にね。あと頼まれ物も」
それを聞いて、私もピンっとひらめいて、急いでごそごそと荷物を探って、自分で作った絵葉書と書くものを取り出して、
サマーヒルの事務室あてにメッセージを書き、2ポンド硬貨をその中に入れた。
「昨日のランチ代払ってなかったからって、伝えて渡してくれる?」とお願いした。
「別にそんなのいいのに」
「だって、みんなの親御さんはたくさん、学費とか払ってるんだし・・・ただ食いは私の主義に反するからね」
「そっか・・・わかった。今日はよく頼まれ物をする日だなあ」と、笑った。
サマーヒルの子ども達は、休みの日なんかにこうやってよく町に出てくるらしい。
50分になったが、バスはまだ来ない。
話は、またしても昨日のように「夢」の話になり、なんと「もしも日本に学校を作るんだったら、そっちの学校に行こうかな?」と言ってくれた。
彼は、サマーヒルに来ていることで、親御さんに経済的に負担をかけていることをかなり気にしていたから、なおさらだった。
「ただ、今はまだ無理だから早くても5年後か、もしかしたら10年後か・・・」
「そっか・・・じゃあもう大人になってるから無理か・・・」
「ところがね・・・私の夢の学校というか村はね、何歳からでも何歳まででも学べる場なの・笑
だから来たい時に来れる、そんな村が夢なのね。」
「そっか〜、じゃ大丈夫だ」
「うん、ここでこうして偶然また会えたでしょう?こういうのって絶対何か意味があるっていう気がするの。絶対きっとまた会えると思うから」
「かもね」と、言ったちょうどその時、バスが来た。
私は急いでカメラを取り出して、この偶然の再会を記念して写真を撮り、バスに乗り込んだ。
「またね!」と手を振り、彼はしばらく見送ってくれていた。
バスはのどかな田舎道を、来た道とは少し違うルートを取りながら、サクスマンダムの駅に向かい、来た時とは違うバス停で降ろされた。
まだ出発の時間まで30分近くあったので、少し寄り道をしながら駅に向かった。
自然食品のお店、電器店、昔の道具のミニ博物館のような所にも立ち寄りながら、お昼ご飯になりそうなものをさがしたが、なかなかみつからない。
駅のすぐそばのピザ屋さんをのぞいてみたが、10ポンド(約2500円)からしかない(^^”)
とても手が出ない。
あと10分しかないのに、もう少し遠くに行ってみようと少し道をそれたのが間違いだった。
あと3分という時に、まだ駅からだいぶ離れたところにいた私は、またしてもダッシュで駅に向かうハメになった。
ギリギリセーフ!しかし、まったく学習しないヤツだなあと、我ながらあきれてしまった。
帰りの列車は、行きのように直通ではなく、途中で乗り換えが2回もあった。
しかも、何だかよく分からないが、列車の切符を買ったはずなのに、もらった確認のメールには、、「by BUS」という表示があるのが不思議だった。
しかし、特に気にはしていなかった。
さらにおかしなことには、イプスウィッチ到着13:10
出発 13:04となっていた。どういうこっちゃ?
まあ、こういう時は乗客の流れを見て、必要なら聞けばいいかと思い、流れにまかせて動いていた。
すると、イプスウィッチで乗り換えて、次にたどり着いたコーチェスターという所で、やっとみつけたパン屋さんで、リンゴとクロワッサンをみつけて買っていると、構内アナウンスを聞いて乗客がみんな一斉に駅の外に走り出した。
私も、一緒に外に出て、見てみると、赤やら青やら色々な色のバスがたくさんいた。
一番近いバスの運転手さんに「リバプールストリートへは?」と聞くと、「あっちの赤いのがそうだ」と教えてくれた。
乗る前に確認すると、確かに間違いなかった。なんでバスかは不思議だったが、この際ロンドンにたどり着ければそれでいい。
乗り込むと、すでに乗っている乗客の視線が一斉に注がれる、この辺りでは日本人は珍しいのかな?
確かに、ガイドブックには載ってない地方だし・・・その視線をかわしながら、後ろの方の座席にどっかと座った。
やれやれ、これで再三のコメディにはならなくて済んだようだ。と安心して、お腹がすいていた私はさっき買ったお昼ご飯に手をつけ、座ってものの何分もしないうちにバスは発車した。(あぶないあぶない)
そして、心地よい眠りにおちたまま、バスはロンドンに到着した。ここ2週間で、3度目のロンドン到着だった。
(つづく)
実際の旅に役立つ情報編へは、こちら
ヨーロッパの自由学校訪問記 〜情報編〜
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サマーヒルスクールの昨日のランチ代を払っていなかったことである。
一番初めに訪問したフレネ学校では、きっちりと請求され、美味しい給食をいただいた。
2回目のサンド・スクールでは「働かざるもの、食うべからず」といったようなことがホームページにも書いてあったので、ありがたくいただいた後で、食器洗いを手伝った。
しかし、サマーヒルではその必要がなかったし、お金を払おうにも事務所が閉まってから出てきたので払えなかった。
節約旅行をしている私だったが、バランス的に「甘え過ぎる」ことも「自己犠牲」的なこともどちらも嫌いな私は、払うべきものは払っておきたかった。
しかし、もう一度行くとしても今日は土曜日だから事務所は閉まっているだろう。帰ってからゆっくりお礼を送ることにするか・・・という結論に達した。
今日の予定は、レイストンを10時50分発のバスで出発。
サクスマンダム発 11時40分の列車に乗って、ロンドンのリバプールストリートには3時頃到着というものだった。
・・・ということは、4時にはまたあのユースに戻れるだろう。
この時点で時間は9時15分くらい。
前の日に、図書館で道を聞いた時にパソコンがあるのを目ざとくチェックしていた私は、バスに乗る前に図書館に行きたかった。
ホテルのチェックアウトの時間を聞くと、11時ということだったので荷物はそのまま置いて図書館に出かけた。
この学校訪問の旅は、常にどこかの学校や関係者とメールで連絡を取りながらの旅だったから、どうしてもインターネットは不可欠だった。
そして、イタリア、フランスでは無料だったネット料金が、ここイギリスのユースでは15分1ポンド(約250円)という状況だったから、無料で使える図書館などはとてもありがたい存在なのだった。
期待通り、通りすがりの一旅行者でも、使うことを許可してくれた。この時は、次のデンマークから始まる北欧の旅の下調べをすることができた。
1時間後、気がつくとバスの時間まであと20分という状況だった。図書館の親切なおばさんにお礼を言って、ホテルに戻り、荷物をまとめてチェックアウトした。例の金髪の彼女は、とてもいい笑顔で手をふってくれた。
バス停には45分に着き、ほっとひと息・・・ぼーっとしながらバスを待った。
すると、何だか見覚えのある姿が道の向こうから走ってきた。
「あれ〜っ?誰かと思ったら」と驚いた顔をしている。
なんと昨日の飛行機少年・シービ君(ネット名)だった。
「ここから出発するんだね」
「そう、あともう2・3分だからすごい偶然!町には用事で来たの?」
「うん、買い物にね。あと頼まれ物も」
それを聞いて、私もピンっとひらめいて、急いでごそごそと荷物を探って、自分で作った絵葉書と書くものを取り出して、
サマーヒルの事務室あてにメッセージを書き、2ポンド硬貨をその中に入れた。
「昨日のランチ代払ってなかったからって、伝えて渡してくれる?」とお願いした。
「別にそんなのいいのに」
「だって、みんなの親御さんはたくさん、学費とか払ってるんだし・・・ただ食いは私の主義に反するからね」
「そっか・・・わかった。今日はよく頼まれ物をする日だなあ」と、笑った。
サマーヒルの子ども達は、休みの日なんかにこうやってよく町に出てくるらしい。
50分になったが、バスはまだ来ない。
話は、またしても昨日のように「夢」の話になり、なんと「もしも日本に学校を作るんだったら、そっちの学校に行こうかな?」と言ってくれた。
彼は、サマーヒルに来ていることで、親御さんに経済的に負担をかけていることをかなり気にしていたから、なおさらだった。
「ただ、今はまだ無理だから早くても5年後か、もしかしたら10年後か・・・」
「そっか・・・じゃあもう大人になってるから無理か・・・」
「ところがね・・・私の夢の学校というか村はね、何歳からでも何歳まででも学べる場なの・笑
だから来たい時に来れる、そんな村が夢なのね。」
「そっか〜、じゃ大丈夫だ」
「うん、ここでこうして偶然また会えたでしょう?こういうのって絶対何か意味があるっていう気がするの。絶対きっとまた会えると思うから」
「かもね」と、言ったちょうどその時、バスが来た。
私は急いでカメラを取り出して、この偶然の再会を記念して写真を撮り、バスに乗り込んだ。
「またね!」と手を振り、彼はしばらく見送ってくれていた。
バスはのどかな田舎道を、来た道とは少し違うルートを取りながら、サクスマンダムの駅に向かい、来た時とは違うバス停で降ろされた。
まだ出発の時間まで30分近くあったので、少し寄り道をしながら駅に向かった。
自然食品のお店、電器店、昔の道具のミニ博物館のような所にも立ち寄りながら、お昼ご飯になりそうなものをさがしたが、なかなかみつからない。
駅のすぐそばのピザ屋さんをのぞいてみたが、10ポンド(約2500円)からしかない(^^”)
とても手が出ない。
あと10分しかないのに、もう少し遠くに行ってみようと少し道をそれたのが間違いだった。
あと3分という時に、まだ駅からだいぶ離れたところにいた私は、またしてもダッシュで駅に向かうハメになった。
ギリギリセーフ!しかし、まったく学習しないヤツだなあと、我ながらあきれてしまった。
帰りの列車は、行きのように直通ではなく、途中で乗り換えが2回もあった。
しかも、何だかよく分からないが、列車の切符を買ったはずなのに、もらった確認のメールには、、「by BUS」という表示があるのが不思議だった。
しかし、特に気にはしていなかった。
さらにおかしなことには、イプスウィッチ到着13:10
出発 13:04となっていた。どういうこっちゃ?
まあ、こういう時は乗客の流れを見て、必要なら聞けばいいかと思い、流れにまかせて動いていた。
すると、イプスウィッチで乗り換えて、次にたどり着いたコーチェスターという所で、やっとみつけたパン屋さんで、リンゴとクロワッサンをみつけて買っていると、構内アナウンスを聞いて乗客がみんな一斉に駅の外に走り出した。
私も、一緒に外に出て、見てみると、赤やら青やら色々な色のバスがたくさんいた。
一番近いバスの運転手さんに「リバプールストリートへは?」と聞くと、「あっちの赤いのがそうだ」と教えてくれた。
乗る前に確認すると、確かに間違いなかった。なんでバスかは不思議だったが、この際ロンドンにたどり着ければそれでいい。
乗り込むと、すでに乗っている乗客の視線が一斉に注がれる、この辺りでは日本人は珍しいのかな?
確かに、ガイドブックには載ってない地方だし・・・その視線をかわしながら、後ろの方の座席にどっかと座った。
やれやれ、これで再三のコメディにはならなくて済んだようだ。と安心して、お腹がすいていた私はさっき買ったお昼ご飯に手をつけ、座ってものの何分もしないうちにバスは発車した。(あぶないあぶない)
そして、心地よい眠りにおちたまま、バスはロンドンに到着した。ここ2週間で、3度目のロンドン到着だった。
(つづく)
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