2017年06月28日
「自由」というもの 〜サマーヒルスクール訪問@ 〜 イギリス、サフォーク州、レイストンにて
2007年5月25日(金)
緑の芝生に覆われた広い敷地の中を、入り口から一番近い建物に向けて歩いていくと、事務所らしき所に辿りついた。
中の女性に訪問の約束をしている旨を伝えると、笑顔で歓迎してくれた。
そして、日本のどこから?と聞かれたので「大阪」だと答えると、なぜか目を輝かせて喜んでくれ、歓迎ぶりにさらに熱が入ったようだった。
そして「日本人の生徒がいるから呼んで来る」と言って、すでに近くにいた小さな女の子に「それまで相手しててね」と頼んでどこかへ行った。
その女の子も日本人で、なんとなく9歳くらいかな?という感じだった。
それで彼女に「日本人は何人いるの?」と尋ねたところ「16人います」とのことだった。
「16人!!」・・・( ゚д゚)
「学校全部で何人いるの?」
「だいたい70人〜80人くらい」
・・・ということは5分の1が日本人ということになる・・・ビックリ!
後で聞いたところによると地元イギリス人も同じくらいだとのこと・・・なんだかフクザツな心境だった。
やがて、2人の男の子を連れて、さっきの女性が戻ってきた。
どうやら年長らしい一人はサマーヒルのベテランという感じのさわやかな少年、主に彼が色々説明をしてくれた。
もう一人は、落ち着いた優しい感じで、主にサポート&フォローという形で、「サマーヒルツアー」が始まった(๑•̀ㅂ•́)و✧
途中で、他の日本人の子ども達が何人かそのツアーに加わって、学校中を案内してくれた。
結論から言うと、これなら、世界中の人がこの学校を理想とし、モデルにしようとするのもまったく納得がいった(≧▽≦)
気持ちのいい緑の芝生、そこらじゅうにある大きな木々、
手づくりの遊具、さらにプールや広いグラウンド、などのそろった広い敷地。
その中には、教室に加えて子ども達の寮や、先生方の住んでいる家もあった。
中には古い列車か車みたいな家もあって「窓際のトットちゃん」を思い出した。
基本的に、高い建物はほとんどなくて、横に長い木造の建物が多く、周囲の自然に見事にマッチしていた。
全体として、居心地がよさそう。
開放的で、閉じた感じがまったくない。
木の上の居場所やバーベキューの道具とベンチなど、あちこちに「楽しむための道具」が用意されていた。
教室の中も見れるところは見せてくれた。
木工のための道具、数や図形などに関するおもしろそうな道具などなど・・・。
まったく、自分が子どもだったらとっても楽しいだろう環境だった(*゚∀゚)
実際、案内してくれた子ども達はみんな、とてもいい表情をしていて「ここは何でも自由なの」と、生き生きと語ってくれた。
さて、その自由についてだが、、、今の日本の教育現場に立っている人の中で、「自由」と聞いて「すばらしいもの」と感じる人は、もしかしてそれほど多くないかもしれない。
かくいう私も、その当時は「自由」と聞くと何かしら不安な気持ちにさせられていた。それは、過去の現場経験によるものからかもしれない。
今の子ども達には、安易には「自由」を与えることができない。
いざ与えられると、「何をしていいのか分からない」それは、大人にとっても同じこと。
まったく無くせば、子どもはそれを求めて何らかの動きを起こすし、また、それがその時すぐとは限らない。
子どもも相手を見て行動する術を知っているから、反抗して危険だと感じる相手には無理には動かない。
「この相手なら大丈夫そうだ」と感じる相手に行動を起こすのである。
また、与えすぎると今度は、とどまるところを知らない。自分を制御することができないのである。
もしくは、どこまでかの線引きがわからない。
かくして、それを「力」で押さえつけざるをえなくなってしまう。
さらにほんのちょっとのケガでも「責任」がどうのとクレームが来る時代なのだ。
ちょっと自由にさせると、ケンカ、ケガということは日常茶飯事。
安全に気を使えばつかうほど、子ども達から「自由」をうばうことになってしまう。
実際のところ、日本で今「木登り」が自由な学校など、どれくらいあるだろうか。
「自由」の与え方次第で学級運営が決まると言ってもいいくらいかもしれない。
もちろん、その加減をとてもうまくされて、子どもが生き生きしている学級はたくさんある。
そして、今の現場の厳しさが「自由」の与え方だけで決まるものでもないことも当たり前の事実である。(色々な要素が絡み合っている)
しかし、ある一つのキーワードになっていることは確かなような気がする。どこで、どのようにして「自由」を与えるか・・・。
そして、現実問題として「カリキュラム」というものがある。自由な時間を少しでも多く与えてあげたいと思っても、「こなさなければならないノルマ」が存在する。
さらに通知表での「評価」というものが、1年中、子ども達と先生をありとあらゆる角度から、がんじがらめにしている。
だからこそ、カリキュラムもなく「授業にでることすらも自由(自己責任)」というこのサマーヒルを実際に見てみたいと思ったのだった。
(つづく)
自由な「学び」を選べるなら、、、何を選びますか?
実際の旅に役立つ情報編へは、こちら
ヨーロッパの自由学校訪問記 〜情報編〜
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中の女性に訪問の約束をしている旨を伝えると、笑顔で歓迎してくれた。
そして、日本のどこから?と聞かれたので「大阪」だと答えると、なぜか目を輝かせて喜んでくれ、歓迎ぶりにさらに熱が入ったようだった。
そして「日本人の生徒がいるから呼んで来る」と言って、すでに近くにいた小さな女の子に「それまで相手しててね」と頼んでどこかへ行った。
その女の子も日本人で、なんとなく9歳くらいかな?という感じだった。
それで彼女に「日本人は何人いるの?」と尋ねたところ「16人います」とのことだった。
「16人!!」・・・( ゚д゚)
「学校全部で何人いるの?」
「だいたい70人〜80人くらい」
・・・ということは5分の1が日本人ということになる・・・ビックリ!
後で聞いたところによると地元イギリス人も同じくらいだとのこと・・・なんだかフクザツな心境だった。
やがて、2人の男の子を連れて、さっきの女性が戻ってきた。
どうやら年長らしい一人はサマーヒルのベテランという感じのさわやかな少年、主に彼が色々説明をしてくれた。
もう一人は、落ち着いた優しい感じで、主にサポート&フォローという形で、「サマーヒルツアー」が始まった(๑•̀ㅂ•́)و✧
途中で、他の日本人の子ども達が何人かそのツアーに加わって、学校中を案内してくれた。
結論から言うと、これなら、世界中の人がこの学校を理想とし、モデルにしようとするのもまったく納得がいった(≧▽≦)
気持ちのいい緑の芝生、そこらじゅうにある大きな木々、
手づくりの遊具、さらにプールや広いグラウンド、などのそろった広い敷地。
その中には、教室に加えて子ども達の寮や、先生方の住んでいる家もあった。
中には古い列車か車みたいな家もあって「窓際のトットちゃん」を思い出した。
基本的に、高い建物はほとんどなくて、横に長い木造の建物が多く、周囲の自然に見事にマッチしていた。
全体として、居心地がよさそう。
開放的で、閉じた感じがまったくない。
木の上の居場所やバーベキューの道具とベンチなど、あちこちに「楽しむための道具」が用意されていた。
教室の中も見れるところは見せてくれた。
木工のための道具、数や図形などに関するおもしろそうな道具などなど・・・。
まったく、自分が子どもだったらとっても楽しいだろう環境だった(*゚∀゚)
実際、案内してくれた子ども達はみんな、とてもいい表情をしていて「ここは何でも自由なの」と、生き生きと語ってくれた。
さて、その自由についてだが、、、今の日本の教育現場に立っている人の中で、「自由」と聞いて「すばらしいもの」と感じる人は、もしかしてそれほど多くないかもしれない。
かくいう私も、その当時は「自由」と聞くと何かしら不安な気持ちにさせられていた。それは、過去の現場経験によるものからかもしれない。
今の子ども達には、安易には「自由」を与えることができない。
いざ与えられると、「何をしていいのか分からない」それは、大人にとっても同じこと。
まったく無くせば、子どもはそれを求めて何らかの動きを起こすし、また、それがその時すぐとは限らない。
子どもも相手を見て行動する術を知っているから、反抗して危険だと感じる相手には無理には動かない。
「この相手なら大丈夫そうだ」と感じる相手に行動を起こすのである。
また、与えすぎると今度は、とどまるところを知らない。自分を制御することができないのである。
もしくは、どこまでかの線引きがわからない。
かくして、それを「力」で押さえつけざるをえなくなってしまう。
さらにほんのちょっとのケガでも「責任」がどうのとクレームが来る時代なのだ。
ちょっと自由にさせると、ケンカ、ケガということは日常茶飯事。
安全に気を使えばつかうほど、子ども達から「自由」をうばうことになってしまう。
実際のところ、日本で今「木登り」が自由な学校など、どれくらいあるだろうか。
「自由」の与え方次第で学級運営が決まると言ってもいいくらいかもしれない。
もちろん、その加減をとてもうまくされて、子どもが生き生きしている学級はたくさんある。
そして、今の現場の厳しさが「自由」の与え方だけで決まるものでもないことも当たり前の事実である。(色々な要素が絡み合っている)
しかし、ある一つのキーワードになっていることは確かなような気がする。どこで、どのようにして「自由」を与えるか・・・。
そして、現実問題として「カリキュラム」というものがある。自由な時間を少しでも多く与えてあげたいと思っても、「こなさなければならないノルマ」が存在する。
さらに通知表での「評価」というものが、1年中、子ども達と先生をありとあらゆる角度から、がんじがらめにしている。
だからこそ、カリキュラムもなく「授業にでることすらも自由(自己責任)」というこのサマーヒルを実際に見てみたいと思ったのだった。
(つづく)
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