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2020年09月21日

田山花袋の「蒲団」で執筆脳を考える1

1 はじめに

 文学分析は、通常、読者による購読脳が問題になる。一方、シナジーのメタファーは、作家の執筆脳を研究するためのマクロに通じる分析方法である。基本のパターンは、まず縦が購読脳で横が執筆脳になるLのイメージを作り、次に、各場面をLに読みながらデータベースを作成し、全体を組の集合体にする。そして最後に、双方の脳の活動をマージするために、脳内の信号のパスを探す、若しくは、脳のエリアの機能を探す。これがミクロとマクロの中間にあるメゾのデータとなり、狭義の意味でシナジーのメタファーが作られる。この段階では、副専攻を増やすことが重要である。 
 執筆脳は、作者が自身で書いているという事実及び作者がメインで伝えようと思っていることに対する定番の読み及びそれに対する共生の読みと定義する。そのため、この小論では、トーマス・マン(1875−1955)、魯迅(1881−1936)、森鴎外(1862−1922)に関する執筆脳に関する私の著作を先行研究とする。また、これらの著作の中では、それぞれの作家の執筆脳として文体を取り上げ、とりわけ問題解決の場面を分析の対象にしている。さらに、マクロの分析について地球規模とフォーマットのシフトを意識してナディン・ゴーディマ(1923−2014)を加えると、“The Late Bourgeois World”執筆時の脳の活動が意欲と組になることを先行研究に入れておく。 
 筆者の持ち場が言語学のため、購読脳の分析の際に、何かしらの言語分析を試みている。例えば、トーマス・マンには構文分析があり、魯迅にはことばの比較がある。そのため、全集の分析に拘る文学の研究者とは、分析のストーリーに違いがある。言語の研究者であれば、全集の中から一つだけシナジーのメタファーのために作品を選び、その理由を述べればよい。なおLのストーリーについては、人文と理系が交差するため、機械翻訳などで文体の違いを調節するトレーニングが推奨される。
 なお、メゾのデータを束ねて何やら予測が立てば、言語分析や翻訳そして資格に基づくミクロと医学も含めたリスクや観察の社会論からなるマクロとを合わせて、広義の意味でシナジーのメタファーが作られる。

花村嘉英(2020)「田山花袋の『蒲団』の執筆脳について」より

2020年09月19日

五木寛之の「冬のひまわり」で執筆脳を考える8

4 まとめ  

 五木寛之の執筆時の脳の活動を調べるために、まず受容と共生からなるLのストーリーを文献により組み立てた。次に、「冬のひまわり」のLのストーリーをデータベース化し、最後に特定したところを実験で確認した。そのため、テキスト共生によるシナジーのメタファーについては、一応の研究成果が得られている。
 この種の実験をおよそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人65人対35人、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識してできるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。 

参考文献

五木寛之 冬のひまわり (解説 影山勲) 新潮文庫 1995
日本成人病予防協会 健康管理士一般指導員受験対策講座テキスト3 ヘルスケア出版 2014
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默−ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖 中国日語教学研究会上海分会論文集 2018  
花村嘉英 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について−「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日語教学研究会上海分会論文集 2019
花村嘉英 社会学の観点からマクロの文学を考察する−危機管理者としての作家について 中国日語教学研究会上海分会論文集 2020

五木寛之の「冬のひまわり」で執筆脳を考える7

表3 情報の認知

A 表2と同じ。 情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2、人工知能 1
B 表2と同じ。 情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2、人工知能 1
C 表2と同じ。 情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2、人工知能 1
D 表2と同じ。 情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2、人工知能 1
E 表2と同じ。 情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 1、人工知能 1

A:情報の認知1はBその他の条件、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へ、人工知能は@規制である。
B:情報の認知1はBその他の条件、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へ、人工知能は@規制である。  
C:情報の認知1はBその他の条件、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へ、人工知能は@規制である。
D:情報の認知1はBその他の条件、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へ、人工知能は@規制である。  
E:情報の認知1はBその他の条件、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へ、人工知能は@規制ある。       

結果  
 
 堕胎の手術の責任を被った良介は、どこか矛盾のある人であり、愛することと共に生活することに違いを感じている。他に好きな男がいる女を想い続ける良助の人柄は、自己規制のたまものである。苦行の解決の道を教えてくれる仏教的人間のイメージがある麻子は、そうした良助の規制に沿って次第に自己の問題を解決していく。そのため、「冬のひまわり」の購読脳「違和と自己規制」は、執筆脳の「規制と問題解決」と相互に作用する。

花村嘉英(2020)「五木寛之の『冬のひまわり』の執筆脳について」より

五木寛之の「冬のひまわり」で執筆脳を考える6

【連想分析2】

情報の認知1(感覚情報)  
 感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。このプロセルのカラムの特徴は、@ベースとプロファイル、Aグループ化、Bその他の条件である。
 
情報の認知2(記憶と学習)  
 外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。未知の情報は、またカテゴリー化される。このプロセスは、経験を通した学習になる。このプロセルのカラムの特徴は、@旧情報、A新情報である。

情報の認知3(計画、問題解決、推論)  
 受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でない場合は、推論が必要になる。このプロセルのカラムの特徴は、@計画から問題解決へ、A問題未解決から推論へである。

花村嘉英(2020)「五木寛之の『冬のひまわり』の執筆脳について」より

五木寛之の「冬のひまわり」で執筆脳を考える5

分析例  

1 麻子が堕胎の手術を受ける場面。  
2 この小論では、「冬のひまわり」の執筆脳を「規制と問題解決」と考えているため、意味3の思考の流れ、規制に注目する。  
3 文法@現在形A過去形B未来形、意味1@視覚A聴覚B味覚C嗅覚D触覚 、意味2 @喜A怒B哀C楽、意味3規制@ありAなし、意味4振舞い @直示A隠喩B記事なし
4 人工知能 @規制、A問題解決     
 
テキスト共生の公式   
 
ステップ1:意味1、2、3、4を合わせて解析の組「違和と自己規制」を作る。
ステップ2:購読の解析の組と執筆脳の「規制と問題解決」という組を合わせる。  

A:A過去形+@視覚+B哀+@規制あり+@直示という解析の組を、@規制+A問題解決という組と合わせる。
B:A過去形+@視覚+B哀+A規制なし+@直示という解析の組を、@規制+A問題解決という組と合わせる。  
C:A過去形+@視覚+@喜+@規制あり+@直示という解析の組を、@規制+A問題解決という組と合わせる。 
D:A過去形+@視覚+B哀+@規制あり+@直示という解析の組を、@規制+A問題解決という組と合わせる。
E:A過去形+@視覚+B哀+@規制あり+@直示という解析の組を、@規制+A問題解決という組と合わせる。    

結果  表2については、テキスト共生の公式が適用される。

花村嘉英(2020)「五木寛之の『冬のひまわり』の執筆脳について」より

五木寛之の「冬のひまわり」で執筆脳を考える4

【連想分析1】
表2 受容と共生のイメージ合わせ

A 「ぜんぶ私の責任です。申し訳ありません」良介の説明に母親は納得していない様子だったが、それでも、ただひたすら頭を下げている良介をみていると、考えることがあるらしく、それ以上、麻子を追求することはあきらめたようだった。文法 2、意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1

B その日からまた麻子は、昔のように口数すくない、やや陰気な娘にもどった。八月が過ぎ、九月も下中にさしかかった頃、麻子は思いがけない体の変調に気づいた。これまでそんなに大幅に狂ったことのない生理がやってこなかったのだ。文法 2、意味1 1、意味2 3、意味3 2、意味4 1

C 麻子は、いろいろ悩んだ末に、結局、敦賀のちかくの海ぞいの小学校に努めている大野良介の勤務先をたずねた。突然あらわれた麻子を見て、良介は意外そうな顔をした。しかし何も言わずに、人気のない静かな海岸に麻子をつれていくと、無言でうながすように彼女をみた。
文法 2、意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1

D 「また、お願いがあるんです」と、麻子は言った。良介は黙っていた。「産婦人科のお医者さんに見ていただきたいんです。どこか病院へ連れていっていただけませんか」。
文法 2、意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1

E それだけで良介は何もかも理解したようだった。彼はしばらくぼんやりと秋の日の照り返える青黒い海をながめていたが、やがてうなずいて、わかりました、と言った。
文法 2、意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1

花村嘉英(2020)「五木寛之の『冬のひまわり』の執筆脳について」より

五木寛之の「冬のひまわり」で執筆脳を考える3

3 データベースの作成・分析

 データベースの作成法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
 こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容は、それぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。しかし、共生は、作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。

【データベースの作成】

表1 「冬のひまわり」のデータベースのカラム

文法1 名詞の格 五木寛之の助詞の使い方を考える。
文法2 態 能動、受動、使役。
文法3 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形。
文法4 様相 可能、推量、義務、必然。
意味1 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
意味2 喜怒哀楽 情動との接点。瞬時の思い。
意味3 思考の流れ 規制ありなし
意味4 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
医学情報 病跡学との接点 受容と共生の共有点。購読脳「違和と自己規制」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。
情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。例えば、ベースとプロファイルやグループ化または条件反射。
情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。その際、未知の情報についてはカテゴリー化する。学習につながるため。記憶の型として、短期、作業記憶、長期(陳述と非陳述)を考える。
情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
人工知能 規制と問題解決 エキスパート システム 規制は、おきてとかきまりのこと、規律を立てた制限であり、問題解決は、縺れた事件や問題を処理すること。  

花村嘉英(2020)「五木寛之の『冬のひまわり』の執筆脳について」より

五木寛之の「冬のひまわり」で執筆脳を考える2

2 「冬のひまわり」のLのストーリー 

 五木寛之(1932−)は、現代を解くキーワードとして仏教を想定している。強い自己規制の中で生きる人間を描くには、仏教的な人間を取り込む必要性がある。「冬のひまわり」(1985)の中でも日常の違和を積極的に肯定している。 
 影山(1994)によると、寺の門徒が宿泊した宿屋の娘遠野麻子、彼女と青春を共にしたカーデザイナー森谷透そして福井の吉崎にある浄土真宗の檀家の総代を勤めた家柄の三男で小学校の先生をしている大野良介が織り成す抑制された二つの愛の形が描かれている。
 麻子の母は、保険の外交員をしていた。彼女が短大生になると不調を訴えるようになる。退職し自宅から病院に通うもすっかり老け込んでしまう。
 森谷と一度だけ結ばれた麻子は、体調の変化に気づき産婦人科を訪れ、堕胎の手術を受ける。しかし、責任は良助が被る。他に好きな人がいるのに、麻子のことを一生想い続けられるような人物が好きだという良助は、どこか矛盾がある人間である。麻子の母親は、相変わらず慢性の糖尿病と高血圧を患っている。 
 矛盾している良助は、人を愛することと共に生活することは別の問題だという。純粋に愛し合っている者同士が長いこと一緒に生活することはない。そうでないものを麻子と作るために結婚したとする良助に日常への違和を五木寛之は積極的に肯定している。そこで購読脳は、「違和と自己規制」にする。
また、五木寛之は、50歳を過ぎたころから仏教に関する発言が多くなる。苦行の解決の道を教えてくれる仏教 的人間をイメージした「冬のひまわり」の執筆脳は、「規制と問題解決」にする。そこでこの作品のシナジーのメタファーは、「五木寛之と規制」である。 

花村嘉英(2020)「五木寛之の『冬のひまわり』の執筆脳について」より

五木寛之の「冬のひまわり」で執筆脳を考える1

1 先行研究

 文学分析は、通常、読者による購読脳が問題になる。一方、シナジーのメタファーは、作家の執筆脳を研究するためのマクロに通じる分析方法である。基本のパターンは、まず縦が購読脳で横が執筆脳になるLのイメージを作り、次に、各場面をLに読みながらデータベースを作成し、全体を組の集合体にする。そして最後に、双方の脳の活動をマージするために、脳内の信号のパスを探す、若しくは、脳のエリアの機能を探す。これがミクロとマクロの中間にあるメゾのデータとなり、狭義の意味でシナジーのメタファーが作られる。この段階では、副専攻を増やすことが重要である。 
 執筆脳は、作者が自身で書いているという事実及び作者がメインで伝えようと思っていることに対する定番の読み及びそれに対する共生の読みと定義する。そのため、この小論では、トーマス・マン(1875−1955)、魯迅(1881−1936)、森鴎外(1862−1922)の執筆脳に関する私の著作を先行研究とする。また、これらの著作の中では、それぞれの作家の執筆脳として文体を取り上げ、とりわけ問題解決の場面を分析の対象にしている。さらに、マクロの分析について地球規模とフォーマットのシフトを意識してナディン・ゴーディマ(1923−2014)を加えると、“The Late Bourgeois World”執筆時の脳の活動が意欲と組になることを先行研究に入れておく。 
 筆者の持ち場が言語学のため、購読脳の分析の際に、何かしらの言語分析を試みている。例えば、トーマス・マンには構文分析があり、魯迅にはことばの比較がある。そのため、全集の分析に拘る文学の研究者とは、分析のストーリーに違いがある。文学の研究者であれば、全集の中から一つだけシナジーのメタファーのために作品を選び、その理由を述べればよい。なおLのストーリーについては、人文と理系が交差するため、機械翻訳などで文体の違いを調節するトレーニングが推奨される。
 なお、メゾのデータを束ねて何やら予測が立てば、言語分析や翻訳そして資格に基づくミクロと医学も含めたリスクや観察の社会論からなるマクロとを合わせて、広義の意味でシナジーのメタファーが作られる。

花村嘉英(2020)「五木寛之の『冬のひまわり』の執筆脳について」より

2020年09月17日

開高健の「裸の王様」で執筆脳を考える8

4 まとめ

 開高健の執筆時の脳の活動を調べるために、まず受容と共生からなるLのストーリーを文献により組み立てた。次に、「裸の王様」のLのストーリーをデータベース化し、最後に特定したところを実験で確認した。そのため、テキスト共生によるシナジーのメタファーについては、一応の研究成果が得られている。
 この種の実験をおよそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人60人対40人、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識してできるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。 

参考文献

花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默−ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖 中国日語教学研究会上海分会論文集 2018  
花村嘉英 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について−「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日語教学研究会上海分会論文集 2019
花村嘉英 社会学の観点からマクロの文学を考察する−危機管理者としての作家について 中国日語教学研究会上海分会論文集 2020
開高健 裸の王様 (解説 佐々木基一) 新潮文庫 2012
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花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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