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2024年09月15日
芥川龍之介の「河童」の相関関係について4
A 言語の認知(動から静への思考):1ある、2ない →1、4
B 人工知能:1認識、2心的操作 →4、1
◆A、Bそれぞれの平均値を出す。
Aの平均:(1 + 4)÷ 2 = 2.5
Bの平均:(4 + 1 )÷ 2 = 2.5
◆A、Bそれぞれの偏差を計算する。偏差=各データ−平均値
Aの偏差:(1 – 2.5)、(4 – 2.5)= -1.5、1.5
Bの偏差:(4 – 2.5)、(1– 2.5)= 1.5、-1.5
◆A、Bの偏差をそれぞれ2乗する。
Aの偏差2乗 = 2.25、2.25
Bの偏差2乗 = 2.25、2.25
◆AとBの偏差同士の積を計算する
(Aの偏差)x(Bの偏差)= 2.25、2.25
◆AとBを2乗したものを合計する。
Aの偏差を2乗したものの合計 = 2.25 + 2.25 = 4.5
Bの偏差を2乗したものの合計 = 2.25 + 2.25 = 4.5
◆Aの偏差xBの偏差の合計を計算する。2.25 + 2.25 = 4.5
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の相関関係について」より
B 人工知能:1認識、2心的操作 →4、1
◆A、Bそれぞれの平均値を出す。
Aの平均:(1 + 4)÷ 2 = 2.5
Bの平均:(4 + 1 )÷ 2 = 2.5
◆A、Bそれぞれの偏差を計算する。偏差=各データ−平均値
Aの偏差:(1 – 2.5)、(4 – 2.5)= -1.5、1.5
Bの偏差:(4 – 2.5)、(1– 2.5)= 1.5、-1.5
◆A、Bの偏差をそれぞれ2乗する。
Aの偏差2乗 = 2.25、2.25
Bの偏差2乗 = 2.25、2.25
◆AとBの偏差同士の積を計算する
(Aの偏差)x(Bの偏差)= 2.25、2.25
◆AとBを2乗したものを合計する。
Aの偏差を2乗したものの合計 = 2.25 + 2.25 = 4.5
Bの偏差を2乗したものの合計 = 2.25 + 2.25 = 4.5
◆Aの偏差xBの偏差の合計を計算する。2.25 + 2.25 = 4.5
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の相関関係について」より
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芥川龍之介の「河童」の相関関係について3
3 小説の場面に適用する
表1 河童の訪問
それから僕は二三日ごとにいろいろの河童の訪問を受けました。僕の病はS博士によれば早発性痴呆症ということです。しかしあの医者のチャックは、僕は早発性痴呆症患者ではない、早発性痴呆症患者はS博士をはじめ、あなたがた自身だと言っていました。意味思考 1、人工知能2
医者のチャックも来るくらいですから、学生のラップや哲学者のマッグの見舞いにきたことはもちろんです。が、あの漁夫のバッグのほかに昼間はだれも尋ねてきません。意味思考 2、人工知能2
ことに二三匹いっしょに来るのは夜、―それも月のある夜です。僕はゆうべも月明りの中に硝子ガラス会社の社長のゲエルや哲学者のマッグと話をしました。のみならず音楽家のクラバックにもヴァイオリンを一曲弾いてもらいました。意味思考 2、人工知能2
そら、向こうの机の上に黒百合の花束がのっているでしょう?あれもゆうべクラバックが土産に持ってきてくれたものです。(僕は後ろを振り返ってみた。が、もちろん机の上には花束も何ものっていなかった。)
意味思考 2、人工知能2
それからこの本も哲学者のマッグがわざわざ持ってきてくれたものです。ちょっと最初の詩を読んでごらんなさい。いや、あなたは河童の国の言葉を御存知になるはずはありません。では代わりに読んでみましょう。これは近ごろ出版になったトックの全集の一冊です。2、人工知能1
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の相関関係について」より
表1 河童の訪問
それから僕は二三日ごとにいろいろの河童の訪問を受けました。僕の病はS博士によれば早発性痴呆症ということです。しかしあの医者のチャックは、僕は早発性痴呆症患者ではない、早発性痴呆症患者はS博士をはじめ、あなたがた自身だと言っていました。意味思考 1、人工知能2
医者のチャックも来るくらいですから、学生のラップや哲学者のマッグの見舞いにきたことはもちろんです。が、あの漁夫のバッグのほかに昼間はだれも尋ねてきません。意味思考 2、人工知能2
ことに二三匹いっしょに来るのは夜、―それも月のある夜です。僕はゆうべも月明りの中に硝子ガラス会社の社長のゲエルや哲学者のマッグと話をしました。のみならず音楽家のクラバックにもヴァイオリンを一曲弾いてもらいました。意味思考 2、人工知能2
そら、向こうの机の上に黒百合の花束がのっているでしょう?あれもゆうべクラバックが土産に持ってきてくれたものです。(僕は後ろを振り返ってみた。が、もちろん机の上には花束も何ものっていなかった。)
意味思考 2、人工知能2
それからこの本も哲学者のマッグがわざわざ持ってきてくれたものです。ちょっと最初の詩を読んでごらんなさい。いや、あなたは河童の国の言葉を御存知になるはずはありません。では代わりに読んでみましょう。これは近ごろ出版になったトックの全集の一冊です。2、人工知能1
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の相関関係について」より
芥川龍之介の「河童」の相関関係について2
相関の作り方
シナジーのメタファーのために作成しているデータベースは、データの種類で見ると、俗に言う測れないカテゴリーデータからなる。数量データといわれる身長、体重、気温、湿度などとは異なり、値が連続ではなく飛び飛びで離散的となる。前野(2012)によると、カテゴリーデータは、対象の性質を表したり、現象や区別を表したりする。性別、好き、嫌い、うまい、まずい、おもしろいなどあるものの性質や現象が示される。
相関とは原因から結果が生じ、それが互いに関係しあっていることをいう。また、相関関係があるとは、ある測定値の変化に対して他の測定値も変化する場合に使われる。相関の強さは、ピアソンの相関係数で表す。合わせて共分散という統計用語が重要になる。
(1) 共分散の公式
共分散=[(xの各データ−xの平均値)x(yの各データ−yの平均値)]の和/データ数
=[(xの偏差)x(yの偏差)]の和/データ数
= xとyの偏差積の和/データ数
正の相関があると0より大きく、負の相関があると0より小さくなる。
(2) 相関係数(ピアソン)
相関係数=XYの偏差平方和/√(Xの偏差平方和)x(Yの偏差平方和)
「河童」の問題解決の場面を使用して、簡単な例を見てみよう。
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の相関関係について」より
シナジーのメタファーのために作成しているデータベースは、データの種類で見ると、俗に言う測れないカテゴリーデータからなる。数量データといわれる身長、体重、気温、湿度などとは異なり、値が連続ではなく飛び飛びで離散的となる。前野(2012)によると、カテゴリーデータは、対象の性質を表したり、現象や区別を表したりする。性別、好き、嫌い、うまい、まずい、おもしろいなどあるものの性質や現象が示される。
相関とは原因から結果が生じ、それが互いに関係しあっていることをいう。また、相関関係があるとは、ある測定値の変化に対して他の測定値も変化する場合に使われる。相関の強さは、ピアソンの相関係数で表す。合わせて共分散という統計用語が重要になる。
(1) 共分散の公式
共分散=[(xの各データ−xの平均値)x(yの各データ−yの平均値)]の和/データ数
=[(xの偏差)x(yの偏差)]の和/データ数
= xとyの偏差積の和/データ数
正の相関があると0より大きく、負の相関があると0より小さくなる。
(2) 相関係数(ピアソン)
相関係数=XYの偏差平方和/√(Xの偏差平方和)x(Yの偏差平方和)
「河童」の問題解決の場面を使用して、簡単な例を見てみよう。
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の相関関係について」より
芥川龍之介の「河童」の相関関係について1
1 先行研究
昭和初期の日本を風刺した芥川龍之介(1892−1927)の「河童」の一場面を使用し、人間社会と反対の価値を持つ河童の世界を描きながら、そこに遥かに人間味のあることを狂人に語らせる。執筆時には、逆転の論理、弱者の勝利といった現代にも通じる発想があったに違いない。
この小論では、自作のデータベースを使用して相関関係を考察する。言語の認知のカラムは、思考の流れ、即ち、逆転の思考が1ある、2ない、情報の認知のカラムは、人工知能が1機知、2批判である。
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の相関関係について」より
昭和初期の日本を風刺した芥川龍之介(1892−1927)の「河童」の一場面を使用し、人間社会と反対の価値を持つ河童の世界を描きながら、そこに遥かに人間味のあることを狂人に語らせる。執筆時には、逆転の論理、弱者の勝利といった現代にも通じる発想があったに違いない。
この小論では、自作のデータベースを使用して相関関係を考察する。言語の認知のカラムは、思考の流れ、即ち、逆転の思考が1ある、2ない、情報の認知のカラムは、人工知能が1機知、2批判である。
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の相関関係について」より
芥川龍之介の「河童」の執筆脳について9
4 まとめ
芥川龍之介の執筆時の脳の活動を調べるために、まず受容と共生からなるLのストーリーを文献により組み立てた。次に、「河童」のLのストーリーをデータベース化して、最後に特定したところを実験で確認した。そのため、テキスト共生によるシナジーのメタファーについては、一応の研究成果が得られている。
この種の実験をおよそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人60人対40人、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識してできるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。
参考文献
片野善夫 ほすぴ164号 日本成人病予防協会 2018
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風社 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默−ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖 中国日語教学研究会上海分会論文集 2018 241-249
花村嘉英 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について-「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日語教学研究会上海分会論文集 2019 276-283
芥川龍之介 河童・戯作三昧 角川文庫 2008
芥川龍之介の執筆時の脳の活動を調べるために、まず受容と共生からなるLのストーリーを文献により組み立てた。次に、「河童」のLのストーリーをデータベース化して、最後に特定したところを実験で確認した。そのため、テキスト共生によるシナジーのメタファーについては、一応の研究成果が得られている。
この種の実験をおよそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人60人対40人、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識してできるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。
参考文献
片野善夫 ほすぴ164号 日本成人病予防協会 2018
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風社 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默−ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖 中国日語教学研究会上海分会論文集 2018 241-249
花村嘉英 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について-「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日語教学研究会上海分会論文集 2019 276-283
芥川龍之介 河童・戯作三昧 角川文庫 2008
芥川龍之介の「河童」の執筆脳について8
表3 情報の認知
A 表2と同じ。情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 2
B 表2と同じ。情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 2
C 表2と同じ。情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 2
D 表2と同じ。情報の認知1 1、情報の認知2 2、情報の認知3 2
E 表2と同じ。情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2
A:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
B:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
C:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
D:情報の認知1は@ベースとプロファイル、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
E:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
結果
芥川は、この場面で早発性痴呆症患者は精神病を患う狂人ではなく、精神病院の院長や日本国民であると説明したかった。つまり、思考の流れに逆転の論理という推論があるため、「風刺と精神病」と「機知と批判」という組が相互に作用する。
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の執筆脳について」より
A 表2と同じ。情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 2
B 表2と同じ。情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 2
C 表2と同じ。情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 2
D 表2と同じ。情報の認知1 1、情報の認知2 2、情報の認知3 2
E 表2と同じ。情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2
A:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
B:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
C:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
D:情報の認知1は@ベースとプロファイル、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
E:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
結果
芥川は、この場面で早発性痴呆症患者は精神病を患う狂人ではなく、精神病院の院長や日本国民であると説明したかった。つまり、思考の流れに逆転の論理という推論があるため、「風刺と精神病」と「機知と批判」という組が相互に作用する。
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の執筆脳について」より
芥川龍之介の「河童」の執筆脳について7
【連想分析2】
情報の認知1(感覚情報)
感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。このプロセルのカラムの特徴は、@ベースとプロファイル、Aグループ化、B条件反射である。
情報の認知2(記憶と学習)
外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。未知の情報は、またカテゴリー化される。このプロセスは、経験を通した学習になる。このプロセルのカラムの特徴は、@旧情報、A新情報である。
情報の認知3(計画、問題解決、推論)
受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でない場合は、推論が必要になる。このプロセルのカラムの特徴は、@計画から問題解決へ、A問題未解決から推論へである。
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の執筆脳について」より
情報の認知1(感覚情報)
感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。このプロセルのカラムの特徴は、@ベースとプロファイル、Aグループ化、B条件反射である。
情報の認知2(記憶と学習)
外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。未知の情報は、またカテゴリー化される。このプロセスは、経験を通した学習になる。このプロセルのカラムの特徴は、@旧情報、A新情報である。
情報の認知3(計画、問題解決、推論)
受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でない場合は、推論が必要になる。このプロセルのカラムの特徴は、@計画から問題解決へ、A問題未解決から推論へである。
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の執筆脳について」より
芥川龍之介の「河童」の執筆脳について6
分析例
1 河童の訪問を受ける場面。
2 この小論では、「河童」の購読脳を「風刺と精神病」と考えているため、意味4の思考の流れ、動から静へのありなしに注目する。
3 意味1 @視覚A聴覚B味覚C嗅覚D触覚、意味2 @喜A怒B哀C楽、意味3振舞い @直示A隠喩B記事なし、意味4逆転@ありAなし
4 人工知能 @機知A批判
テキスト共生の公式
ステップ1:意味1、2、3、4を合わせて解析の組「機知と批判」を作る。
ステップ2:動から静への精神状態から「芥川龍之介と逆転の思考」という組を作り、解析の組と合わせる。
A:「@視覚+A聴覚」+@喜+A逆転なし+@直示という解析の組を、@機知とA批判からなる人工知能@と合わせる。
B:「@視覚+A聴覚」+C楽+A逆転なし+@直示という解析の組を、@機知とA批判からなる人工知能@と合わせる。
C:@視覚+C楽+A逆転なし+@直示という解析の組を、@機知とA批判からなる人工知能@と合わせる。
D:@視覚+@喜+A逆転なし+@直示という解析の組を、@機知とA批判からなる人工知能@という組と合わせる。
E:@視覚+B哀+@逆転あり+@直示という解析の組を、@機知とA批判からなる人工知能Aいう組と合わせる。
結果 表2については、テキスト共生の公式が適用される。
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の執筆脳について」より
1 河童の訪問を受ける場面。
2 この小論では、「河童」の購読脳を「風刺と精神病」と考えているため、意味4の思考の流れ、動から静へのありなしに注目する。
3 意味1 @視覚A聴覚B味覚C嗅覚D触覚、意味2 @喜A怒B哀C楽、意味3振舞い @直示A隠喩B記事なし、意味4逆転@ありAなし
4 人工知能 @機知A批判
テキスト共生の公式
ステップ1:意味1、2、3、4を合わせて解析の組「機知と批判」を作る。
ステップ2:動から静への精神状態から「芥川龍之介と逆転の思考」という組を作り、解析の組と合わせる。
A:「@視覚+A聴覚」+@喜+A逆転なし+@直示という解析の組を、@機知とA批判からなる人工知能@と合わせる。
B:「@視覚+A聴覚」+C楽+A逆転なし+@直示という解析の組を、@機知とA批判からなる人工知能@と合わせる。
C:@視覚+C楽+A逆転なし+@直示という解析の組を、@機知とA批判からなる人工知能@と合わせる。
D:@視覚+@喜+A逆転なし+@直示という解析の組を、@機知とA批判からなる人工知能@という組と合わせる。
E:@視覚+B哀+@逆転あり+@直示という解析の組を、@機知とA批判からなる人工知能Aいう組と合わせる。
結果 表2については、テキスト共生の公式が適用される。
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の執筆脳について」より
芥川龍之介の「河童」の執筆脳について5
3 データベースの作成・分析
データベースの作成法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容は、それぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。しかし、共生は、作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。
【データベースの作成】
表1 「河童」のデータベースのカラム
文法1 名詞の格 龍之介の助詞の使い方を考える。
文法2 態 能動、受動、使役。
文法3 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形。
文法4 様相 可能、推量、義務、必然。
意味1 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
意味2 喜怒哀楽 情動との接点。瞬時の思い。
意味3 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
意味4 思考の流れ 逆転あり、なし。
医学情報 病跡学との接点 受容と共生の共有点。構文や意味の解析から得た組「心の静止と凝視」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。
情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。例えば、ベースとプロファイルやグループ化または条件反射。
情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。その際、未知の情報についてはカテゴリー化する。学習につながるため。記憶の型として、短期、作業記憶、長期(陳述と非陳述)を考える。
情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
人工知能 エキスパートシステム 1機知と2批判。
【連想分析1】
表2 受容と共生のイメージ合わせ
河童の訪問を受ける場面
A それから僕は二三日ごとにいろいろの河童の訪問を受けました。僕の病はS博士によれば早発性痴呆症ということです。しかしあの医者のチャックは、僕は早発性痴呆症患者ではない、早発性痴呆症患者はS博士をはじめ、あなたがた自身だと言っていました。意味1 1+2、意味2 1、意味3 2、意味4 1
B 医者のチャックも来るくらいですから、学生のラップや哲学者のマッグの見舞いにきたことはもちろんです。が、あの漁夫のバッグのほかに昼間はだれも尋ねてきません。
意味1 1+2、意味2 4、意味3 2、意味4 1
C ことに二三匹いっしょに来るのは夜、―それも月のある夜です。僕はゆうべも月明りの中に硝子ガラス会社の社長のゲエルや哲学者のマッグと話をしました。のみならず音楽家のクラバックにもヴァイオリンを一曲弾いてもらいました。意味1 1、意味2 4、意味3 2、意味4 1
D そら、向こうの机の上に黒百合の花束がのっているでしょう?あれもゆうべクラバックが土産に持ってきてくれたものです。(僕は後ろを振り返ってみた。が、もちろん机の上には花束も何ものっていなかった。)
意味1 1、意味2 1、意味3 2、意味4 1
E それからこの本も哲学者のマッグがわざわざ持ってきてくれたものです。ちょっと最初の詩を読んでごらんなさい。いや、あなたは河童の国の言葉を御存知になるはずはありません。では代わりに読んでみましょう。これは近ごろ出版になったトックの全集の一冊です。意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の執筆脳について」より
データベースの作成法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容は、それぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。しかし、共生は、作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。
【データベースの作成】
表1 「河童」のデータベースのカラム
文法1 名詞の格 龍之介の助詞の使い方を考える。
文法2 態 能動、受動、使役。
文法3 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形。
文法4 様相 可能、推量、義務、必然。
意味1 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
意味2 喜怒哀楽 情動との接点。瞬時の思い。
意味3 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
意味4 思考の流れ 逆転あり、なし。
医学情報 病跡学との接点 受容と共生の共有点。構文や意味の解析から得た組「心の静止と凝視」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。
情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。例えば、ベースとプロファイルやグループ化または条件反射。
情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。その際、未知の情報についてはカテゴリー化する。学習につながるため。記憶の型として、短期、作業記憶、長期(陳述と非陳述)を考える。
情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
人工知能 エキスパートシステム 1機知と2批判。
【連想分析1】
表2 受容と共生のイメージ合わせ
河童の訪問を受ける場面
A それから僕は二三日ごとにいろいろの河童の訪問を受けました。僕の病はS博士によれば早発性痴呆症ということです。しかしあの医者のチャックは、僕は早発性痴呆症患者ではない、早発性痴呆症患者はS博士をはじめ、あなたがた自身だと言っていました。意味1 1+2、意味2 1、意味3 2、意味4 1
B 医者のチャックも来るくらいですから、学生のラップや哲学者のマッグの見舞いにきたことはもちろんです。が、あの漁夫のバッグのほかに昼間はだれも尋ねてきません。
意味1 1+2、意味2 4、意味3 2、意味4 1
C ことに二三匹いっしょに来るのは夜、―それも月のある夜です。僕はゆうべも月明りの中に硝子ガラス会社の社長のゲエルや哲学者のマッグと話をしました。のみならず音楽家のクラバックにもヴァイオリンを一曲弾いてもらいました。意味1 1、意味2 4、意味3 2、意味4 1
D そら、向こうの机の上に黒百合の花束がのっているでしょう?あれもゆうべクラバックが土産に持ってきてくれたものです。(僕は後ろを振り返ってみた。が、もちろん机の上には花束も何ものっていなかった。)
意味1 1、意味2 1、意味3 2、意味4 1
E それからこの本も哲学者のマッグがわざわざ持ってきてくれたものです。ちょっと最初の詩を読んでごらんなさい。いや、あなたは河童の国の言葉を御存知になるはずはありません。では代わりに読んでみましょう。これは近ごろ出版になったトックの全集の一冊です。意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の執筆脳について」より
芥川龍之介の「河童」の執筆脳について4
結局、精神病院の院長は、狂人が早発性痴呆症患者であるという。しかし、セカンドオピニオン役の河童の国に生きる医者のチャックは、狂人ではなく、院長や来院者こそが早発性痴呆症患者であるとする。つまり、狂人は、本当のことがわかっていて、院長や聞き手の方がわかっていないとする。また、河童の国でも裁判官が失職すると発狂して精神病院に送られる。もし芥川が見舞いに行くとしたら、何をするのか。精神的な治療として聖書を進めたかもしれない。そこで、「河童」の執筆脳は、「機知と批判」にする。
確かに晩年の芥川は、強い精神衰弱と戦いながらの執筆であったため、最後の力を振り絞ったに違いない。7月24日、田端の自宅でヴェローナとジャールを多量に服用し自殺する。枕元には聖書が置いてあった。
人間の皮膚のにおいに閉口した。目や口よりも鼻が妙に恐ろしい気を起させるとある。ほすぴ164号(片野2018)によると、嗅覚は、他の五感と信号のルートが異なり、視床を通らず直接嗅覚野から大脳辺縁系の買い場や偏桃体といった本能行動や感情、記憶を司る部分に伝わる。さらに、海馬ではその匂いが過去に嗅いだにおいかどうかという情報が加わる。情動を司る扁桃体に伝わると、変なにおいなどの評価が下される。恐ろしい気を起させる理由はここにある。
狂人は、事業に失敗した話になると、乱暴になる。汽車に乗ろうとして巡査に捕まり、病院に入れられた。病院でもどうやら日本の社会や人物の欠陥、罪悪のことを遠回しに批判していた。狂人の方が本当のことを理解している。シナジーのメタファーは、「芥川龍之介と逆転の論理」にする。逆転の論理の一例にド・モルガンの定理がある。真偽の記号の意味を逆にして考えればよい。
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の執筆脳について」より
確かに晩年の芥川は、強い精神衰弱と戦いながらの執筆であったため、最後の力を振り絞ったに違いない。7月24日、田端の自宅でヴェローナとジャールを多量に服用し自殺する。枕元には聖書が置いてあった。
人間の皮膚のにおいに閉口した。目や口よりも鼻が妙に恐ろしい気を起させるとある。ほすぴ164号(片野2018)によると、嗅覚は、他の五感と信号のルートが異なり、視床を通らず直接嗅覚野から大脳辺縁系の買い場や偏桃体といった本能行動や感情、記憶を司る部分に伝わる。さらに、海馬ではその匂いが過去に嗅いだにおいかどうかという情報が加わる。情動を司る扁桃体に伝わると、変なにおいなどの評価が下される。恐ろしい気を起させる理由はここにある。
狂人は、事業に失敗した話になると、乱暴になる。汽車に乗ろうとして巡査に捕まり、病院に入れられた。病院でもどうやら日本の社会や人物の欠陥、罪悪のことを遠回しに批判していた。狂人の方が本当のことを理解している。シナジーのメタファーは、「芥川龍之介と逆転の論理」にする。逆転の論理の一例にド・モルガンの定理がある。真偽の記号の意味を逆にして考えればよい。
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の執筆脳について」より