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2024年09月17日
人文科学から始める技術文の翻訳18
次の例文を見てみよう。
【中文】
(5)放重量查出装置1,作为负荷受转盘18和这个转盘18上的物体19的重量,把这个负荷一边转换为负荷转动力矩一边转自由自在的支持转盘18的支撑手段20,由在对应负荷转动力矩的驱动力矩旋转驱动上述转盘18的电动机3和查出这台电动机3的负荷转动力矩从负荷转动力矩和负荷相互关系间接地测量转盘18上的物体19的重量的负荷测量装置2变成的构成。(熊野明2011)
@用語の説明
重量查出装置:重量検出装置、负荷:荷重、转盘:ターンテーブル、负荷转动力矩:負荷トルク、转换为:〜に変換する、电动机:モーター、负荷测量装置:荷重測定装置。
A構文の説明
作为〜受〜「〜として〜を受ける」という動詞文で始まり、一边〜一边〜「〜しながら〜する」という並列文の中に、把〜转换为〜「〜を〜に変換する」と转自由自在的支持〜「回転自由に〜を支える」という2つの動詞文が入っている。続いてそれが修飾する支撑手段20「支持手段20」と、由在对应〜「〜に対応する〜によって」を受けて、旋转驱动〜「〜を回転駆動する」が修飾する上述转盘18的电动机3「上述のターンテーブル18のモーター3」と、查出这台电动机3的负荷转动力矩「このモーター3の負荷トルクを検出して」从负荷转动力矩和负荷相互关系间接地「負荷トルクと荷重との相互関係から」测量转盘18上的物体19的重量「ターンテーブル18上の物体19の重量を測定する」が修飾する负荷测量装置2「荷重測定装置2」とを構成要素とする、という文章である。
3つの構成要素が解析できればよいだろう。
B英語に準ずる考察
「1.1 因果関係」で説明した英日の技術文に関する「2段階の処理法」を中日にも試してみよう。英日と同じことが言えるかもしれないし、また中日に限った説明ができるかもしれない。
同様にして、「1.2 態の扱い」「1.3否定構文」で説明した英日の分析法が中日にも適応可能かどうか考えてみる。
表16
2段階の処理法 ここは直訳調で訳出した。
態の用法 能動態のため日本語も能動態で訳出した。
否定構文 なし
時制 現在形
全体の訳は次のようになる。
【和訳】
(6)重量検出装置1は、ターンテーブル18とこのターンテーブル18上の物体19の重量を荷重として受け、この荷重を負荷トルクに変換しながら、自在の回転でターンテーブル18を支える支持手段20と、負荷トルクに対応した駆動トルクにより回転駆動する上述のターンテーブル18のモーター3と、このモーター3の負荷トルクを検出して負荷トルクと荷重との相互関係から間接的にターンテーブル18上の物体19の重量を測定する荷重測定装置2とからなる構成になっている。
花村嘉英(2015)「人文科学から始める技術文の翻訳」より
【中文】
(5)放重量查出装置1,作为负荷受转盘18和这个转盘18上的物体19的重量,把这个负荷一边转换为负荷转动力矩一边转自由自在的支持转盘18的支撑手段20,由在对应负荷转动力矩的驱动力矩旋转驱动上述转盘18的电动机3和查出这台电动机3的负荷转动力矩从负荷转动力矩和负荷相互关系间接地测量转盘18上的物体19的重量的负荷测量装置2变成的构成。(熊野明2011)
@用語の説明
重量查出装置:重量検出装置、负荷:荷重、转盘:ターンテーブル、负荷转动力矩:負荷トルク、转换为:〜に変換する、电动机:モーター、负荷测量装置:荷重測定装置。
A構文の説明
作为〜受〜「〜として〜を受ける」という動詞文で始まり、一边〜一边〜「〜しながら〜する」という並列文の中に、把〜转换为〜「〜を〜に変換する」と转自由自在的支持〜「回転自由に〜を支える」という2つの動詞文が入っている。続いてそれが修飾する支撑手段20「支持手段20」と、由在对应〜「〜に対応する〜によって」を受けて、旋转驱动〜「〜を回転駆動する」が修飾する上述转盘18的电动机3「上述のターンテーブル18のモーター3」と、查出这台电动机3的负荷转动力矩「このモーター3の負荷トルクを検出して」从负荷转动力矩和负荷相互关系间接地「負荷トルクと荷重との相互関係から」测量转盘18上的物体19的重量「ターンテーブル18上の物体19の重量を測定する」が修飾する负荷测量装置2「荷重測定装置2」とを構成要素とする、という文章である。
3つの構成要素が解析できればよいだろう。
B英語に準ずる考察
「1.1 因果関係」で説明した英日の技術文に関する「2段階の処理法」を中日にも試してみよう。英日と同じことが言えるかもしれないし、また中日に限った説明ができるかもしれない。
同様にして、「1.2 態の扱い」「1.3否定構文」で説明した英日の分析法が中日にも適応可能かどうか考えてみる。
表16
2段階の処理法 ここは直訳調で訳出した。
態の用法 能動態のため日本語も能動態で訳出した。
否定構文 なし
時制 現在形
全体の訳は次のようになる。
【和訳】
(6)重量検出装置1は、ターンテーブル18とこのターンテーブル18上の物体19の重量を荷重として受け、この荷重を負荷トルクに変換しながら、自在の回転でターンテーブル18を支える支持手段20と、負荷トルクに対応した駆動トルクにより回転駆動する上述のターンテーブル18のモーター3と、このモーター3の負荷トルクを検出して負荷トルクと荷重との相互関係から間接的にターンテーブル18上の物体19の重量を測定する荷重測定装置2とからなる構成になっている。
花村嘉英(2015)「人文科学から始める技術文の翻訳」より
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人文科学から始める技術文の翻訳17
次の例文を見てみよう。
【中文】
(3)所述带盒切换机构将所述带盒安装机构抬高至脱离于所述带盒支撑机构的位置后,不再接触所述带盒支撑机构,以使所述带盒支撑机构恢复至初始角度。(燃える弁理士しかく丸HP)
@用語の説明
所述:前述の、带:りぼん、盒:ケース、切换:切り替え、机构:機構、将;〜を、安装:取り付ける、抬高:高く引き上げる、至:至るまで、脱离:離脱する、于:〜に、支撑:支える、位置:位置、后:後ろ、不再:もはや〜しない、接触:接触する、以:〜によって、使:〜させる、恢复:回復する、初始:最初の、角度:角度
A構文の説明
所述带盒切换机构「前述のリボンケースを切り替える機構」が主語で、将所述带盒「前述のリボンケースを」安装机构「機構に取り付けて」、動詞句の抬高至脱离「離脱するまで高く持ち上げる」の場所語となる于所述带盒支撑机构的位置后「前述のリボンケースを支える機構の位置の背後で」を受けて、不再接触所述带盒支撑机构「もはや前述のリボンケースに接触せずに機構を支え」、以使所述带盒支撑机构恢复至初始角度「もって前述のリボンケースに機構を支えさせて最初の角度まで回復させる」となる。
B英語に準ずる考察
表15
2段階の処理法 例えば、所述带盒切换机构「前述のリボンケースを切り替える機構」を「機構が前述のリボンケースを切り替えると」にして、「前述のリボンケースを機構に取り付けて」を「前述のリボンケースが機構に付いて」にする。
態の用法 最後の文が使役態。日本語も使役で訳出。
否定構文 なし
時制 現在形
全体の訳は次のようになる。
【和訳】
(4)機構が前述のリボンケースを切り替えると、そのリボンケースが機構に付いて、リボンケースを支える機構の位置の背後で離脱するまで高く持ち上げ、もはや前述のリボンケースに接触せずに機構を支えて、そのリボンケースに機構を支えさせて最初の角度まで回復させる。
花村嘉英(2015)「人文科学から始める技術文の翻訳」より
【中文】
(3)所述带盒切换机构将所述带盒安装机构抬高至脱离于所述带盒支撑机构的位置后,不再接触所述带盒支撑机构,以使所述带盒支撑机构恢复至初始角度。(燃える弁理士しかく丸HP)
@用語の説明
所述:前述の、带:りぼん、盒:ケース、切换:切り替え、机构:機構、将;〜を、安装:取り付ける、抬高:高く引き上げる、至:至るまで、脱离:離脱する、于:〜に、支撑:支える、位置:位置、后:後ろ、不再:もはや〜しない、接触:接触する、以:〜によって、使:〜させる、恢复:回復する、初始:最初の、角度:角度
A構文の説明
所述带盒切换机构「前述のリボンケースを切り替える機構」が主語で、将所述带盒「前述のリボンケースを」安装机构「機構に取り付けて」、動詞句の抬高至脱离「離脱するまで高く持ち上げる」の場所語となる于所述带盒支撑机构的位置后「前述のリボンケースを支える機構の位置の背後で」を受けて、不再接触所述带盒支撑机构「もはや前述のリボンケースに接触せずに機構を支え」、以使所述带盒支撑机构恢复至初始角度「もって前述のリボンケースに機構を支えさせて最初の角度まで回復させる」となる。
B英語に準ずる考察
表15
2段階の処理法 例えば、所述带盒切换机构「前述のリボンケースを切り替える機構」を「機構が前述のリボンケースを切り替えると」にして、「前述のリボンケースを機構に取り付けて」を「前述のリボンケースが機構に付いて」にする。
態の用法 最後の文が使役態。日本語も使役で訳出。
否定構文 なし
時制 現在形
全体の訳は次のようになる。
【和訳】
(4)機構が前述のリボンケースを切り替えると、そのリボンケースが機構に付いて、リボンケースを支える機構の位置の背後で離脱するまで高く持ち上げ、もはや前述のリボンケースに接触せずに機構を支えて、そのリボンケースに機構を支えさせて最初の角度まで回復させる。
花村嘉英(2015)「人文科学から始める技術文の翻訳」より
人文科学から始める技術文の翻訳16
5 中国語の技術文
5.1 特許関連
現在、中国の大学で日本語教師をする傍ら、これまでの自分のキャリアを展開させるために、中国語も勉強中である。以下では中国語の技術文についてひとこと述べる。
中文からの和訳で問題になるのは、構文の取り方である。漢字が連なるため、品詞の識別がしにくいし、同じ漢字でも意味がいくつもあるため、解析が難しい。
【中文】
(1)本发明的目的是提供一种灌装机包装袋接收夹持装置,该装置可在转盘的连续运转中实现夹持组件准确接收,并夹持送袋装置传递过来的包装袋。(燃える弁理士しかく丸HP))
@用語の説明
灌装机:飲料充填機、包装:包装する、袋:袋、接收:受け取る、夹持:挟み持つ、装置:装置、该:この、在:〜に、转盘:ターンテーブル、连续:連続する、运转:動く、中:中、实现:実現する、组件:モジュール、准确:正確である、送:運送する、传递:送り伝える、过来:やってくる
A構文の説明
本发明的目的という主語で始まり、提供一种灌装机包装袋接收夹持装置は、「ある種の飲料充填機が提供する包装用袋を受け取って挟み持つ装置」となる。次の文の主語は该装置「この装置」であり、在转盘的连续运转中「ターンテーブルで連続して動きながら」、实现夹持组件准确接收「モジュールを挟み持って正確に受け取る」ことができ、并「その上」夹持送袋装置「袋を挟み持って送る装置」が主語となり、传递过来的包装袋「やってくる包装用袋を送り伝える」と解析できる。
B英語に準ずる考察
「1.1 因果関係」で説明した英日の技術文に関する「2段階の処理法」を中日にも試してみよう。英日と同じことが言えるかもしれないし、また中日に限った説明ができるかもしれない。同様にして、「1.2 態の扱い」「1.3否定構文」で説明した英日の分析法が中日にも適応可能かどうか考えてみる。
表14
2段階の処理法 例えば、「夹持送袋装置」は「装置が袋を挟み持って送ると」にし、「传递过来的包装袋」は「その包装用袋が伝わっていく」にする。
態の用法 能動態のため、日本語も能動態で訳出した。
否定構文 なし
時制 現在形
全体の訳は次のようになる。
【和訳】
(2)本発明の目的は、ある種の飲料充填機が提供する包装用袋を受け取って挟み持つ装置に関するもので、この装置はターンテーブルで連続して動きながら、モジュールを挟み持って正確に受け取ることができ、その上、装置が袋を挟み持って送るとその包装用袋が伝わっていく。
花村嘉英(2015)「人文科学から始める技術文の翻訳」より
5.1 特許関連
現在、中国の大学で日本語教師をする傍ら、これまでの自分のキャリアを展開させるために、中国語も勉強中である。以下では中国語の技術文についてひとこと述べる。
中文からの和訳で問題になるのは、構文の取り方である。漢字が連なるため、品詞の識別がしにくいし、同じ漢字でも意味がいくつもあるため、解析が難しい。
【中文】
(1)本发明的目的是提供一种灌装机包装袋接收夹持装置,该装置可在转盘的连续运转中实现夹持组件准确接收,并夹持送袋装置传递过来的包装袋。(燃える弁理士しかく丸HP))
@用語の説明
灌装机:飲料充填機、包装:包装する、袋:袋、接收:受け取る、夹持:挟み持つ、装置:装置、该:この、在:〜に、转盘:ターンテーブル、连续:連続する、运转:動く、中:中、实现:実現する、组件:モジュール、准确:正確である、送:運送する、传递:送り伝える、过来:やってくる
A構文の説明
本发明的目的という主語で始まり、提供一种灌装机包装袋接收夹持装置は、「ある種の飲料充填機が提供する包装用袋を受け取って挟み持つ装置」となる。次の文の主語は该装置「この装置」であり、在转盘的连续运转中「ターンテーブルで連続して動きながら」、实现夹持组件准确接收「モジュールを挟み持って正確に受け取る」ことができ、并「その上」夹持送袋装置「袋を挟み持って送る装置」が主語となり、传递过来的包装袋「やってくる包装用袋を送り伝える」と解析できる。
B英語に準ずる考察
「1.1 因果関係」で説明した英日の技術文に関する「2段階の処理法」を中日にも試してみよう。英日と同じことが言えるかもしれないし、また中日に限った説明ができるかもしれない。同様にして、「1.2 態の扱い」「1.3否定構文」で説明した英日の分析法が中日にも適応可能かどうか考えてみる。
表14
2段階の処理法 例えば、「夹持送袋装置」は「装置が袋を挟み持って送ると」にし、「传递过来的包装袋」は「その包装用袋が伝わっていく」にする。
態の用法 能動態のため、日本語も能動態で訳出した。
否定構文 なし
時制 現在形
全体の訳は次のようになる。
【和訳】
(2)本発明の目的は、ある種の飲料充填機が提供する包装用袋を受け取って挟み持つ装置に関するもので、この装置はターンテーブルで連続して動きながら、モジュールを挟み持って正確に受け取ることができ、その上、装置が袋を挟み持って送るとその包装用袋が伝わっていく。
花村嘉英(2015)「人文科学から始める技術文の翻訳」より
人文科学から始める技術文の翻訳15
次の文は、モントリオール万博の映写技術に関する明細書の一部分である。
(11)Die verschiedenen oben beschriebenen Gestaltung bestreffen ein Ausführungs-
beispiel der Erfindung. In einer alternativen Ausführung können die Projektionsflächen reflektiert sein and von im Zuschauerraum installierten Projektoren beleuchtet werden. Statt der beschriebenen einen Bühne für Live-Darstellungen können deren zwei oder mehere, ebenso können zwei oder mehere Plateaus für Musiker vorhanden sein. Ferner können für die Zuschauer einfache Sitze oder auch nur Stehplätze vorgesehen sein. Auch das Gebäude kann in herkömmlicher Weise fest gebaut sein.(ドイツ特許庁公開特許公報10021981A1)
@用語の説明
Projektionsflächen(投影面)、Zuschauerraum(観客席)、Live-Darstellungen(ライブショー)、Plateaus(舞台)、einfache Sitze(簡易シート)、Stehplätze(立見席)。
A構文の説明
特許文にしては、一文が短いために比較的つかみやすい。但し、ドイツ語で発達しているテーマ・レーマが崩れないように注意すること。
B英語に準ずる考察 表13
2段階の処理法 崩さずに素直に訳出した。
態の用法 二番目の文の述部は「reflektiert sein」「beleuchtet werden」と状態受動と受動態であるが、いずれも日本語は能動態で訳出した。
否定構文 意味上の否定。auch nur Stehplätzeは「その他はなくて、立見席だけでも」と立見席を強調している。
時制 現在形
全体の訳は次のようになる。
【和訳】
(12)上述された様々な形態は、本発明の実施例に該当する。その他の例では投影面が反射して、観客席に設置されたプロジェクターでも照らすことができる。ライブショー用に説明された一舞台の代わりに、ニ舞台以上が設置でき、ミュージシャン用にも二舞台以上の設置ができる。さらに観客用に簡易シートまたは立見席だけでも装備することができる。建物も従来の方法でしっかりと建てられる。
花村嘉英(2015)「人文科学から始める技術文の翻訳」より
(11)Die verschiedenen oben beschriebenen Gestaltung bestreffen ein Ausführungs-
beispiel der Erfindung. In einer alternativen Ausführung können die Projektionsflächen reflektiert sein and von im Zuschauerraum installierten Projektoren beleuchtet werden. Statt der beschriebenen einen Bühne für Live-Darstellungen können deren zwei oder mehere, ebenso können zwei oder mehere Plateaus für Musiker vorhanden sein. Ferner können für die Zuschauer einfache Sitze oder auch nur Stehplätze vorgesehen sein. Auch das Gebäude kann in herkömmlicher Weise fest gebaut sein.(ドイツ特許庁公開特許公報10021981A1)
@用語の説明
Projektionsflächen(投影面)、Zuschauerraum(観客席)、Live-Darstellungen(ライブショー)、Plateaus(舞台)、einfache Sitze(簡易シート)、Stehplätze(立見席)。
A構文の説明
特許文にしては、一文が短いために比較的つかみやすい。但し、ドイツ語で発達しているテーマ・レーマが崩れないように注意すること。
B英語に準ずる考察 表13
2段階の処理法 崩さずに素直に訳出した。
態の用法 二番目の文の述部は「reflektiert sein」「beleuchtet werden」と状態受動と受動態であるが、いずれも日本語は能動態で訳出した。
否定構文 意味上の否定。auch nur Stehplätzeは「その他はなくて、立見席だけでも」と立見席を強調している。
時制 現在形
全体の訳は次のようになる。
【和訳】
(12)上述された様々な形態は、本発明の実施例に該当する。その他の例では投影面が反射して、観客席に設置されたプロジェクターでも照らすことができる。ライブショー用に説明された一舞台の代わりに、ニ舞台以上が設置でき、ミュージシャン用にも二舞台以上の設置ができる。さらに観客用に簡易シートまたは立見席だけでも装備することができる。建物も従来の方法でしっかりと建てられる。
花村嘉英(2015)「人文科学から始める技術文の翻訳」より
人文科学から始める技術文の翻訳14
次の文は、牽引ロープ一式のエレベーターに関する明細書の一部分である。特許の根底にある課題の説明のため、課題は何かがつかめるように訳出するとよい。
【独文】
(9)Vorliegenden Erfindung liegt die Aufgabe zugrunde, den Seilaufzug des Hauptpatentes dahingehend zu verbessern, daß die Möglichkeit besteht, die Antriebseinheit mit ihrem Betonsockel in jeder beliebigen Etage eiens Gebäudes anzuordnen, und daß die Zugseile des Gegengewichtes nicht durch Löcher im Betonsockel hindurch eingefädelt werden müssen.(ドイツ連邦共和国特許庁 公開資料19752232 A1)
@用語
Seilaufzug(ロープ式エレベーター)、Antriebseinheit(駆動装置)、Betonsockel(コンクリート台)、Gegengewicht(対重、つり合いの重り)、einfädeln(針穴に糸を通す)。
A構文
主文と従属の関係になる二つのdaß文を従えていて、dahingehendがこれらの従属文を調節する副詞として効いてくる。
B英語に準ずる考察 表12
2段階の処理法 例えば、二つ目のdaß文の主部「die Zugseile des Gegengewichtes」は「対重をロープで牽引すると」にする。述部は「ロープがコンクリート台を通らなければならない」にする。
態の用法 受動態、日本語はできるだけ能動態で書く。
否定構文 「nicht durch Löcher」は「穴を通らなくてもよい」と名詞を否定している。
時制 現在形
全体の訳は次のようになる。
【和訳】
(10)提出された本発明の根底には、コンクリート台の付いた駆動装置を建物の任意の階に配置でき、対重をロープで牽引するとコンクリート台の穴を通らなくてもよいように主な特許のロープ式エレベーターを改良するという課題がある。
花村嘉英(2015)「人文科学から始める技術文の翻訳」より
【独文】
(9)Vorliegenden Erfindung liegt die Aufgabe zugrunde, den Seilaufzug des Hauptpatentes dahingehend zu verbessern, daß die Möglichkeit besteht, die Antriebseinheit mit ihrem Betonsockel in jeder beliebigen Etage eiens Gebäudes anzuordnen, und daß die Zugseile des Gegengewichtes nicht durch Löcher im Betonsockel hindurch eingefädelt werden müssen.(ドイツ連邦共和国特許庁 公開資料19752232 A1)
@用語
Seilaufzug(ロープ式エレベーター)、Antriebseinheit(駆動装置)、Betonsockel(コンクリート台)、Gegengewicht(対重、つり合いの重り)、einfädeln(針穴に糸を通す)。
A構文
主文と従属の関係になる二つのdaß文を従えていて、dahingehendがこれらの従属文を調節する副詞として効いてくる。
B英語に準ずる考察 表12
2段階の処理法 例えば、二つ目のdaß文の主部「die Zugseile des Gegengewichtes」は「対重をロープで牽引すると」にする。述部は「ロープがコンクリート台を通らなければならない」にする。
態の用法 受動態、日本語はできるだけ能動態で書く。
否定構文 「nicht durch Löcher」は「穴を通らなくてもよい」と名詞を否定している。
時制 現在形
全体の訳は次のようになる。
【和訳】
(10)提出された本発明の根底には、コンクリート台の付いた駆動装置を建物の任意の階に配置でき、対重をロープで牽引するとコンクリート台の穴を通らなくてもよいように主な特許のロープ式エレベーターを改良するという課題がある。
花村嘉英(2015)「人文科学から始める技術文の翻訳」より
人文科学から始める技術文の翻訳13
次の文は、自動車やオートバイなどに使用されているディスクブレーキに関する明細書の一部分である。複雑な文章の構造や専門用語を素早く理解した上で、特許文の文体に合わせて翻訳をつけていく。
【独文】
(7)Die Erfindung bezieht sich auf eine mechanische Betätigungsvorrichtung für eine Teilbelagscheibenbremse, bei der durch Verschwenken eines Betätigungsbehegels in einer zur Bremsscheibe parallelen Ebene die beiderseits der Bremsscheibe angeordneten Bremsbacken gegensinnig bewegt und dadurch gegen Umwandlung der Schwenkbewegung des Betätigungsbehegels in eine zu seiner Schwenkebene senkrecht stehende Bewegungsrichtung zum Andrücken der Bremsbacken zwei nacheinander wirksame Übersetzungsstufen vorgesehen sind, von denen, gleich Schwenkbereich des Hebels vorausgesetzt, die erste Stufe einen größeren und die zweite Stufe einen kleineren Bremsbackenweg liefert.(ドイツ連邦共和国特許庁 公開資料1264176)
@用語
特許文に慣れるまで専門の辞典を何度も繰り返して調べるとよい。ここでは、Betätigungsvorrichtung(作動装置)、Betätigungsbehegel(作動レバー)、Bremsscheibe(ブレーキディスク)、Bremsbacken(ブレーキシュー)、dadurch(全文を受けて、それによりとする)、gegen Umwandlung(逆らって向きを変え)、zu seiner Schwenkebene senkrecht stehende Bewegungsrichtung(旋回レベルと垂直となる方向)、vorsehen(装備する)、vorausgesetzt(〜を前提にして)、Bremsbackenweg(ブレーキシューの経路)を挙げておく。
A構文
この文は、Teilbelagscheibenbremse(部分コーディングのディスクブレーキ)を先行詞とする関係代名詞bei derが二つの従属文を従えていて、そのうち後者はÜbersetzungsstufen(ギア装置)を先行詞とする関係代名詞von denenが後続の説明をしている。これは途中にピリオドのない特許文特有の長い一文になっている。
B英語に準ずる考察 表11
2段階の処理法 例えば、bei der以下の関係文の主部の「die beiderseits der Bremsscheibe angeordneten Bremsbacken」は「ブレーキシューがブレーキディスクの両側に配置されると」にし、述部は「逆方向への動きが生じ」にする。
態の用法 同じ関係文の述部にbewegt (ist) やvorgesehen istが使われている。他動詞の過去分詞とseinの人称変化との組み合せは、状態の受動を表している。
否定構文 なし
時制 現在形
全体の訳は次のようになる。
【和訳】
(8)本発明は、ブレーキディスクと平行レベルで作動レバーを回すことにより、ブレーキディスクの両側に配置されたブレーキシューが逆方向に働き、それにより、作動レバーの旋回が旋回レベルと垂直になるブレーキシュー加圧の方向へ変更することに逆らって、並列に作用する二段式ギア装置が装備された部分コーティングのディスクブレーキ用のメカニカルな作動装置に関する。レバーの回転範囲が同じことを前提に、二段式ギア装置のうち一段目はこれまでよりも大きなブレーキシューの経路を、そして二段目はこれまでよりも小さなブレーキシューの経路を提供する。
花村嘉英(2015)「人文科学から始める技術文の翻訳」より
【独文】
(7)Die Erfindung bezieht sich auf eine mechanische Betätigungsvorrichtung für eine Teilbelagscheibenbremse, bei der durch Verschwenken eines Betätigungsbehegels in einer zur Bremsscheibe parallelen Ebene die beiderseits der Bremsscheibe angeordneten Bremsbacken gegensinnig bewegt und dadurch gegen Umwandlung der Schwenkbewegung des Betätigungsbehegels in eine zu seiner Schwenkebene senkrecht stehende Bewegungsrichtung zum Andrücken der Bremsbacken zwei nacheinander wirksame Übersetzungsstufen vorgesehen sind, von denen, gleich Schwenkbereich des Hebels vorausgesetzt, die erste Stufe einen größeren und die zweite Stufe einen kleineren Bremsbackenweg liefert.(ドイツ連邦共和国特許庁 公開資料1264176)
@用語
特許文に慣れるまで専門の辞典を何度も繰り返して調べるとよい。ここでは、Betätigungsvorrichtung(作動装置)、Betätigungsbehegel(作動レバー)、Bremsscheibe(ブレーキディスク)、Bremsbacken(ブレーキシュー)、dadurch(全文を受けて、それによりとする)、gegen Umwandlung(逆らって向きを変え)、zu seiner Schwenkebene senkrecht stehende Bewegungsrichtung(旋回レベルと垂直となる方向)、vorsehen(装備する)、vorausgesetzt(〜を前提にして)、Bremsbackenweg(ブレーキシューの経路)を挙げておく。
A構文
この文は、Teilbelagscheibenbremse(部分コーディングのディスクブレーキ)を先行詞とする関係代名詞bei derが二つの従属文を従えていて、そのうち後者はÜbersetzungsstufen(ギア装置)を先行詞とする関係代名詞von denenが後続の説明をしている。これは途中にピリオドのない特許文特有の長い一文になっている。
B英語に準ずる考察 表11
2段階の処理法 例えば、bei der以下の関係文の主部の「die beiderseits der Bremsscheibe angeordneten Bremsbacken」は「ブレーキシューがブレーキディスクの両側に配置されると」にし、述部は「逆方向への動きが生じ」にする。
態の用法 同じ関係文の述部にbewegt (ist) やvorgesehen istが使われている。他動詞の過去分詞とseinの人称変化との組み合せは、状態の受動を表している。
否定構文 なし
時制 現在形
全体の訳は次のようになる。
【和訳】
(8)本発明は、ブレーキディスクと平行レベルで作動レバーを回すことにより、ブレーキディスクの両側に配置されたブレーキシューが逆方向に働き、それにより、作動レバーの旋回が旋回レベルと垂直になるブレーキシュー加圧の方向へ変更することに逆らって、並列に作用する二段式ギア装置が装備された部分コーティングのディスクブレーキ用のメカニカルな作動装置に関する。レバーの回転範囲が同じことを前提に、二段式ギア装置のうち一段目はこれまでよりも大きなブレーキシューの経路を、そして二段目はこれまでよりも小さなブレーキシューの経路を提供する。
花村嘉英(2015)「人文科学から始める技術文の翻訳」より
人文科学から始める技術文の翻訳12
4 特許文
4.1 翻訳技法
2005年6月、日本の政府が管理する知的財産戦略本部は、「知的財産戦略計画2005」をまとめた。ここでは特に日米欧の特許相互認証について考えてみる。この取り組みの目標は世界特許システムの構築である。毎年、国内及び海外に同時に出願する企業が増えている。その折、手続きや費用の負担や審査の複雑さや遅延が問題になる。そのため世界共通の基盤となる特許システムを構築し、手続きの合理化や審査の相違及び重複を少なくすることが、特許制度を利用する側と運営する側との共通の利点になる。
日米欧の特許システムとは、日本、米国及び欧州が相互に承認する仕組みである。日米欧の企業による技術開発や実務レベルはほぼ同レベルにあるため、他国における特許審査を活用することを目的とし、さらに特許権の付与については従来通り各国の特許庁がするため、属地的ではなくなる。(3)
米国と日本の特許明細書は、記載項目についてほぼ対応している。しかし、項目が記載される順番が異なる。翻訳の際には、記載順序についても変更する必要がある。ここでは特にクレームの書き方について説明する。クレームは独占的な権利を得るべき発明技術の範囲を文字通り表現しており、先行技術に触れることなくできるだけ範囲を広げて記載し、不明確でなく複数の解釈ができないように一語一語厳選するため、この部分の翻訳は難しいとされる。
【英文】
(1)An information apparatus according to Claim 1, wherein the power of said recording light source is controlled by a control unit in accordance with the type of said recording medium.(知財翻訳研究所編1999)
@用語
ここでは、in accordance with(〜に応じて)、according to Claim 1, wherein(〜を特徴とする請求項1に記載の)を挙げておく。
A構文
この文章は、wherein以下が従属文となって、クレームの内容を説明している。
B考察 表8
2段階の処理法 特許文の場合、according to Claim 1, whereinが「〜を特徴とする請求項1に記載の〜」という定訳になる。
態の用法 英文の受動態はそのまま受動態に和訳する。
否定構文 なし
時制 現在形
【和訳】
(2)記録媒体の種類に応じて記録光源の出力が制御装置によって制御されることを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
【英文】
(3)An information recording apparatus, comprising: a receiver unit for receiving information to be recorded in the form of a binary electric signal, wherein a light beam from a recording light source is modulated in accordance with the received signal so as to form, through an optical system, a beam spot on a recording medium in which recording is to be made.(知財翻訳研究所編1999)
@用語
ここでは、comprising(〜を有し)、binary electric signal (2値化電気信号)、light beam(記録光)、light source(光源)、modulate(変調する)、so as to form(〜して〜を形成する)、optical system(光学系)、recording medium(記録媒体)を挙げておく。
A構文
comprising 以下で装置の形態を説明し、wherein 以下の従属文で装置の機能を説明し、so asで結果的にクレームの内容の後半を述べている。
B考察 表9
2段階の処理法 An information recording apparatus, 〜, wherein〜は、「〜することに特徴がある情報記録装置」という訳になる。
態の用法 受動態 a light beam from a recording light source is modulated in accordance with〜は、「〜に応じて光源からの記録光を変調して」と能動態で訳出し、to 不定詞のto be recorded やis to be madeは受動態で訳出する。
否定構文 なし
時制 現在形
【和訳】
(4)記録されるべき情報を2値化電気信号の形で受け取る受信部を有し、受信された信号に応じて光源からの記録光を変調して光学系を介して記録されるべき記録媒体に光スポットを形成することに特徴がある情報記録装置。
花村嘉英(2015)「人文科学から始める技術文の翻訳」より
4.1 翻訳技法
2005年6月、日本の政府が管理する知的財産戦略本部は、「知的財産戦略計画2005」をまとめた。ここでは特に日米欧の特許相互認証について考えてみる。この取り組みの目標は世界特許システムの構築である。毎年、国内及び海外に同時に出願する企業が増えている。その折、手続きや費用の負担や審査の複雑さや遅延が問題になる。そのため世界共通の基盤となる特許システムを構築し、手続きの合理化や審査の相違及び重複を少なくすることが、特許制度を利用する側と運営する側との共通の利点になる。
日米欧の特許システムとは、日本、米国及び欧州が相互に承認する仕組みである。日米欧の企業による技術開発や実務レベルはほぼ同レベルにあるため、他国における特許審査を活用することを目的とし、さらに特許権の付与については従来通り各国の特許庁がするため、属地的ではなくなる。(3)
米国と日本の特許明細書は、記載項目についてほぼ対応している。しかし、項目が記載される順番が異なる。翻訳の際には、記載順序についても変更する必要がある。ここでは特にクレームの書き方について説明する。クレームは独占的な権利を得るべき発明技術の範囲を文字通り表現しており、先行技術に触れることなくできるだけ範囲を広げて記載し、不明確でなく複数の解釈ができないように一語一語厳選するため、この部分の翻訳は難しいとされる。
【英文】
(1)An information apparatus according to Claim 1, wherein the power of said recording light source is controlled by a control unit in accordance with the type of said recording medium.(知財翻訳研究所編1999)
@用語
ここでは、in accordance with(〜に応じて)、according to Claim 1, wherein(〜を特徴とする請求項1に記載の)を挙げておく。
A構文
この文章は、wherein以下が従属文となって、クレームの内容を説明している。
B考察 表8
2段階の処理法 特許文の場合、according to Claim 1, whereinが「〜を特徴とする請求項1に記載の〜」という定訳になる。
態の用法 英文の受動態はそのまま受動態に和訳する。
否定構文 なし
時制 現在形
【和訳】
(2)記録媒体の種類に応じて記録光源の出力が制御装置によって制御されることを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
【英文】
(3)An information recording apparatus, comprising: a receiver unit for receiving information to be recorded in the form of a binary electric signal, wherein a light beam from a recording light source is modulated in accordance with the received signal so as to form, through an optical system, a beam spot on a recording medium in which recording is to be made.(知財翻訳研究所編1999)
@用語
ここでは、comprising(〜を有し)、binary electric signal (2値化電気信号)、light beam(記録光)、light source(光源)、modulate(変調する)、so as to form(〜して〜を形成する)、optical system(光学系)、recording medium(記録媒体)を挙げておく。
A構文
comprising 以下で装置の形態を説明し、wherein 以下の従属文で装置の機能を説明し、so asで結果的にクレームの内容の後半を述べている。
B考察 表9
2段階の処理法 An information recording apparatus, 〜, wherein〜は、「〜することに特徴がある情報記録装置」という訳になる。
態の用法 受動態 a light beam from a recording light source is modulated in accordance with〜は、「〜に応じて光源からの記録光を変調して」と能動態で訳出し、to 不定詞のto be recorded やis to be madeは受動態で訳出する。
否定構文 なし
時制 現在形
【和訳】
(4)記録されるべき情報を2値化電気信号の形で受け取る受信部を有し、受信された信号に応じて光源からの記録光を変調して光学系を介して記録されるべき記録媒体に光スポットを形成することに特徴がある情報記録装置。
花村嘉英(2015)「人文科学から始める技術文の翻訳」より
人文科学から始める技術文の翻訳11
【例文】
(7)Wir behandeln Informationen und Geschäftsgeheimnisse vertraulich. Mitarbeitende, die Zutritt zu vertraulichen Informationen oder Geschäftsgeheimnisse von Uster Gruppe oder einer Tochtergesellschaft haben, dürfen diese Informationen nicht an Dritte (dazu zählen auch Freunde oder Familienangehörige) weitergeben oder sie zu anderen als geschäftlichen Zwecken verwenden.
@用語
ここでは、Geschäftsgeheimnisse(企業秘密)、Tochtergesellschaft(子会社)、Familienangehörige(家族の構成員)
A構文
第二文は、主語が関係文を従えていて、述語は助動詞dürfenとweitergeben及びverwendenによる枠構造である。
B考察 表7
2段階の処理 最初の文は、主語がWirのため受動文として和訳する。第二文の主語Mitarbeitendeは関係代名詞die を受けていて、述語は助動詞dürfenとweitergeben及びverwendenによる枠構造である。
態の用法 能動態
否定構文 dürfen〜nicht an Dritte weitergebenは、「第三者に渡してはならない」という禁止の意味。
時制 現在形
【和訳】
(8)情報と企業機密は秘密裏に処理される。Uster グループまたは子会社の内密な情報または企業機密に立ち入ることができる従業員は、第三者 (これには友人または家族の構成員も含まれる) に情報を渡したり、仕事の目的以外で情報を使用してはならない。
花村嘉英(2015)「人文科学から始める技術文の翻訳」より
(7)Wir behandeln Informationen und Geschäftsgeheimnisse vertraulich. Mitarbeitende, die Zutritt zu vertraulichen Informationen oder Geschäftsgeheimnisse von Uster Gruppe oder einer Tochtergesellschaft haben, dürfen diese Informationen nicht an Dritte (dazu zählen auch Freunde oder Familienangehörige) weitergeben oder sie zu anderen als geschäftlichen Zwecken verwenden.
@用語
ここでは、Geschäftsgeheimnisse(企業秘密)、Tochtergesellschaft(子会社)、Familienangehörige(家族の構成員)
A構文
第二文は、主語が関係文を従えていて、述語は助動詞dürfenとweitergeben及びverwendenによる枠構造である。
B考察 表7
2段階の処理 最初の文は、主語がWirのため受動文として和訳する。第二文の主語Mitarbeitendeは関係代名詞die を受けていて、述語は助動詞dürfenとweitergeben及びverwendenによる枠構造である。
態の用法 能動態
否定構文 dürfen〜nicht an Dritte weitergebenは、「第三者に渡してはならない」という禁止の意味。
時制 現在形
【和訳】
(8)情報と企業機密は秘密裏に処理される。Uster グループまたは子会社の内密な情報または企業機密に立ち入ることができる従業員は、第三者 (これには友人または家族の構成員も含まれる) に情報を渡したり、仕事の目的以外で情報を使用してはならない。
花村嘉英(2015)「人文科学から始める技術文の翻訳」より
人文科学から始める技術文の翻訳10
【例文】
(5)Kartellrechtliche Bestimmungen gelten in der Regel nicht nur für das geschäftliche Handeln innerhalb eines bestimmten Landes selbst, sondern erfassen auch Transaktionen ausserhalb des Landes, wenn diese wesentliche Auswirkungen auf den Binnenwettbewerb haben.
@用語
ここでは、Kartellrechtliche Bestimmungen(カルテル法の規定)、in der Regel (通常)、selbst(自動的に)、Binnenwettbewerb(内部の競争)、
A構文
Kartellrechtliche Bestimmungenが主語で、gilt für〜が述語であり、そこにnicht nur〜sondern auch〜が重なる。後半の従属文は、sondern auch以下に掛かる。
B考察 表6
2段階の処理法 主語は「Kartellrechtliche Bestimmungen」で、述語は「gilt für〜」である。これに「nicht nur〜sondern auch〜」が重なるが、前後半で対比が出るように考える。例えば、「業務行為に適用されるが、〜にも適用される」とする。
態の用法 述語の「gilt für〜」は能動態。
否定構文 nicht nur〜sondern auch は、それに続くzu不定詞句を否定している。
時制 現在形
【和訳】
(6)カルテル法の規定は、通常、特定の国で自動的に業務行為に適用されるが、内部の競争に本質的に作用する場合は、国外での業務行為にも適用される。
花村嘉英(2015)「人文科学から始める技術文の翻訳」より
(5)Kartellrechtliche Bestimmungen gelten in der Regel nicht nur für das geschäftliche Handeln innerhalb eines bestimmten Landes selbst, sondern erfassen auch Transaktionen ausserhalb des Landes, wenn diese wesentliche Auswirkungen auf den Binnenwettbewerb haben.
@用語
ここでは、Kartellrechtliche Bestimmungen(カルテル法の規定)、in der Regel (通常)、selbst(自動的に)、Binnenwettbewerb(内部の競争)、
A構文
Kartellrechtliche Bestimmungenが主語で、gilt für〜が述語であり、そこにnicht nur〜sondern auch〜が重なる。後半の従属文は、sondern auch以下に掛かる。
B考察 表6
2段階の処理法 主語は「Kartellrechtliche Bestimmungen」で、述語は「gilt für〜」である。これに「nicht nur〜sondern auch〜」が重なるが、前後半で対比が出るように考える。例えば、「業務行為に適用されるが、〜にも適用される」とする。
態の用法 述語の「gilt für〜」は能動態。
否定構文 nicht nur〜sondern auch は、それに続くzu不定詞句を否定している。
時制 現在形
【和訳】
(6)カルテル法の規定は、通常、特定の国で自動的に業務行為に適用されるが、内部の競争に本質的に作用する場合は、国外での業務行為にも適用される。
花村嘉英(2015)「人文科学から始める技術文の翻訳」より
人文科学から始める技術文の翻訳9
【例文】
(3)Das Kartellrecht gilt für alle geschäftlichen Vereinbarungen, unabhängig von deren Form, sowie für die Geschäftsführung im Allgemeinen. Es gilt dagegen normalerweise nicht für geschäftliche Transaktionen zwischen verschiedenen Gesellschaften innerhalb der Uster Gruppe. (Uster グループ行動基準より)
@用語
ここでは、Kartellrecht(カルテル法)、gilt für〜(〜に適用される)、unabhängig von〜(〜に関係なく)、Geschäftsführung(業務執行)、Transaktionen(業務行為)
A構文
最初の文は、Kartellrechtが主語で、gilt für〜sowie für〜が述語。次の文は、dagegenで受けて反対の内容を説明している。
B考察 表5
2段階の処理法 第一文と第二文は、主語が「Kartellrecht」で、述語は「gilt für〜sowie für〜」である。これを「AはBである」と二段に考える。例えば、「カルテル法の適用は〜である」。それに対して、「〜には適用されない」とする。
態の用法 述語の「gilt für〜」は能動態。
否定構文 「Es gilt dagegen normalerweise nicht für〜」は、それに対してという対比の意味になる。
時制 現在形
【和訳】
(4)カルテル法は、形式とは関係なく全ての業務協定ならびに一般に業務執行に適用される。それに対して、通常Uster グループ内の様々な企業間の業務上の行為には適用されない。
花村嘉英(2015)「人文科学から始める技術文の翻訳」より
(3)Das Kartellrecht gilt für alle geschäftlichen Vereinbarungen, unabhängig von deren Form, sowie für die Geschäftsführung im Allgemeinen. Es gilt dagegen normalerweise nicht für geschäftliche Transaktionen zwischen verschiedenen Gesellschaften innerhalb der Uster Gruppe. (Uster グループ行動基準より)
@用語
ここでは、Kartellrecht(カルテル法)、gilt für〜(〜に適用される)、unabhängig von〜(〜に関係なく)、Geschäftsführung(業務執行)、Transaktionen(業務行為)
A構文
最初の文は、Kartellrechtが主語で、gilt für〜sowie für〜が述語。次の文は、dagegenで受けて反対の内容を説明している。
B考察 表5
2段階の処理法 第一文と第二文は、主語が「Kartellrecht」で、述語は「gilt für〜sowie für〜」である。これを「AはBである」と二段に考える。例えば、「カルテル法の適用は〜である」。それに対して、「〜には適用されない」とする。
態の用法 述語の「gilt für〜」は能動態。
否定構文 「Es gilt dagegen normalerweise nicht für〜」は、それに対してという対比の意味になる。
時制 現在形
【和訳】
(4)カルテル法は、形式とは関係なく全ての業務協定ならびに一般に業務執行に適用される。それに対して、通常Uster グループ内の様々な企業間の業務上の行為には適用されない。
花村嘉英(2015)「人文科学から始める技術文の翻訳」より