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ドイツの女性ジャーナリストがインドの児童労働の実態を潜入調査。

以前記事にしたカカオにまつわる児童労働の作品より重苦しい出だしで最初はなんだかちょっと嫌な気がしたのだが、実際には見事としか言いようの無い作品であった。

バイヤーを装い現場を訪れるのはカカオの作品と同じ手法。
だが、その現場はカカオ農園で働かされている児童達よりも深刻そうだ。

狭い部屋に押し込められ10時間以上もアクセサリーを作り続け、寝るのも同じ場所だ。

体を常時ゆする子供達の姿が映し出され、それは精神に異常を来たしている証拠と言う。

現場だけでなく、中間業者、ドイツの輸入業者まできっちり追って、名前も公表する。

現地の活動家に同行し、現場から子供達を奪還する作戦も記録。

続いては石材採掘現場で働く子供達を追う。

か細い体でハンマーを打ち下ろす子供達。

埃にまみれた赤ん坊が泣き、それを同じく埃にまみれた姉が抱き寄せる。
姉と言ってもまだ3,4歳の幼子だ。

「ウチは児童労働を行う業者とは取引してません。」と自信に満ちたドイツの業者に輸入元の現場の映像を見せると業者は戸惑い、その後その現地業者との取引をやめた。

ここに一つ問題の根の深さがある。
ドイツの業者がただの悪徳業者であれば取り締まり強化で解決に近づく。
しかし現地業者によって児童労働は隠蔽されており、ドイツ業者もそれを鵜呑みにして騙されていたわけである。

我々消費者が意識を持って「児童労働とは無縁」とされる商品を買っても、実態は児童労働によって生産されている可能性があるという事なのだ。

そしてこの作品はそれを暴いている点に最も意味がある。

こういった作品は我々視聴者に知らせるだけじゃなく、業界に直接インパクトを与える事になる。

取材拒否されないように最初は普通の取材として迫って行くので業者は思いっきり映像に顔を出し、「児童労働は絶対に認めない。」的な発言をする。

その上で事実を突きつける。

これは当該業者だけでなく、業界全体が恐怖するハズだ。

いつ何時自分が槍玉に上がるか分からない。
その恐怖が現地情報を鵜呑みにせずよりシビアに児童労働廃絶に努力する事になる。

この作品はそれを狙っている所もあるだろう。

児童労働の現場、商品を扱う業者、そして消費者、関係する全ての人々へインパクトを与え、根絶に貢献していると思われる見事な作品であった。

って、他人事のように絶賛するだけじゃなく、消費者である我々も商品選択によって児童労働に貢献しなくちゃあいけないのだが、そこは難しい。

抽象的になっちゃうが、消費中心をやめる方向にシフトし、安い海外製品は控え、値は張っても生産過程とその影響が見えやすい商品を購入する方向が望ましいのだろう。



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