2011年10月21日
プルパン 〜あずき菓子はオモニの愛〜
韓国の母子家庭ドキュメンタリー。
7歳の娘と5歳の息子を抱える母親はガンに侵されていた。
それだけで泣ける話である事は分かりきっていて嫌だったのだが、やっぱり泣かされる。
子供がまあ健気にがんばるんだ。
抗がん剤治療に苦しむ母親を思ってマッサージしたり、夜遅くまで働く母親に心配かけまいと身の回りの事全部やったり。
かわいそうでかわいそうで。。
とまぁ、前半は非常にいいんです。
でもこれはドキュメンタリーな訳で、様々な周辺情報が気になる。
明かされる情報はどうやら旦那とは離婚したらしいって位で、こんな状況で母親が働かなきゃいけないって事は生活保護とかの制度が整っていないって事?とか旦那からの養育費は?とか、親族の助けは?友達は?とか全く見えてこない。
それが描かれないって事はそういうのが「全部無い」という非常にかわいそうな状況の人達なのかなと、かわいそう度が増して行き、母親が死んだ後の子供達はどうなるのかが最も気になってくる。
がしかし、母親は病状が悪化して行き、仕事ができなくなるが、特に変わらず生活をする。
あれ?じゃあやっぱり生活保護ないしは養育費とかあったの?
じゃあなんで無理して働いてたの?
というモヤモヤした気持ちになってきて、更には母親がまだ元気なうちに撮影をやめ、亡くなる事もその後の子供達の事も、テロップで済ませてしまう。
しかも子供達は「姉夫婦に引き取られた」だそうである。
がっくりである。
姉夫婦いるんじゃん。。
じゃあその人達も出してよ。ドキュメンタリーでしょうよ。
リアルな状況をしっかりと提示した上で、母親がどういう決断をし、どういう行動を取っていくのか、それが間違っていようが正しかろうが問題ではなく、そういうリアルこそが様々な事を考えさせる事になるのでは?
結局そういうのを全部隠す事で意図的にかわいそう度をまして行き、ただのカタルシスドラマ風になってしまっている。
しかもこの母親が美人なんです。あ、そうか、韓流ドラマなのか。。
ちゃんと周辺情報も描いてくれれば非常に良質なドキュメンタリーになったと思われるだけに、残念です。
これじゃあ「かわいそう。」以外に何も思いようが無い。
この記事へのコメント