2011年08月05日
ソンミ村 虐殺の真実
BS世界のドキュメンタリーにて視聴
<シリーズ ベトナム戦争>
戦争において虐殺はつき物と言っても良いくらいだが、根本的にどういった理由でこうも暴走していくのか、一つの事例を丁寧に追う事で普遍的な仕組みそのものも浮かび上がってくる。
前後編使って丁寧に検証し、よくもまあここまで詳細に調べたなと関心する程一人一人の詳細な行動や発言まで明らかにする。
物質的に戦闘力に劣る勢力は次第にゲリラ化し、非戦闘員との境目があいまいになっていく。
ゲリラは民間人として暮らし、いや、民間人そのものが兵士でもあるという状況が生まれ、対抗勢力は常に闇から、仲間と思っていた民間人から攻撃され続ける恐怖に晒され続ける。
やがて全ての人が敵に見え、殺す対象になってしまう。
そして虐殺が起こり、終わってみれば殺されたほとんどの人は非戦闘員であった。
正常な思考回路であれば一目瞭然の子供でさえ、危険な兵士に見ていたという事のようだ。
これは現代の戦争でも本質的に同じ事が起こり得るのだろう。
単に「虐殺がありました。」という認識はあまり意味の無い事なのかもしれない。
より実態に迫っていて始めて問題の本質に近づけるのだなと感じた。
最近の映画「ハート・ロッカー」でも戦闘員と非戦闘員の曖昧さが描写されていたが、「正義」や「報復」は、「人が殺しあう」という現実とそれが生み出す複雑な状況を慎重に考慮した上で決断していかなくてはならないのであろう。
そして慎重に考慮するならば、こうも世界中に「正義の戦争」が多数存在する事は無いだろう。
ちなみにベトナム3部作、JFKなどで有名なオリバーストーンがブルースウィリス主演でこのソンミ村を題材にした「pinkville」って映画が作られるって話が何年か前にあったらしいけど、どうなっちゃったんだろうか?
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