2011年07月23日
甘いチョコレート 苦い現実
<BS世界のドキュメンタリー>にて視聴
チョコの原料となるカカオ生産において児童労働が問題になっているって話。
この話は世界規模で行われている搾取の象徴的な一例で、そんなに真新しさはなかったのだが、より具体例を知れたので観た価値はあったかなと。
全体的には児童労働で作られたカカオでチョコ作って先進国の消費者に売ろうとするという実にユニークな内容で、偽善臭さがない。
結果としてはいとも簡単に販売ができてしまう。
そしてその商品に「この商品は児童労働で作られました。」ってラベルを貼って売ろうとするが、誰も買わない。
「児童労働は良くない。」と思っているから。
しかし実際にはほとんどのチョコレートに児童労働で作られたカカオが使われている。
児童労働を排して作られた商品も存在する。
その代表格として「フェアトレード」が有名であるが、
作品ではそのフェアトレードの商品にまでメスを入れ、現地の取材を通して隠蔽された児童労働が存在し、そこで産まれたカカオがフェアトレード商品の原料にも入り込んでいる可能性を証明した。
ただ決してフェアトレードを批判したいのではなく、フェアトレードですら排斥しきれない厳しい現実を告発したという事だ。
明るいタッチのこの作品は実際に売られた子供達を助けたりしながら、締めとしてもう少しチョコレートに払う代金を増やす事で児童労働が減らせるという前向きな提言をして終わる。
児童労働の問題は複雑である。
昔から農家において子供が労働力となるのはどの世界でも当たり前である。
それをなんでもかんでも「子供の未来を奪っているからダメ!」と言うのはそれはそれで問題である。
それが伝統であり、文化であり、それ故に幸せという事もあるだろうからだ。
問題となるものだけ「児童労働」としてそれなりの定義はされているものの、現実的に線を引くのは難しい話だ。
とは言え作品で紹介された例は明らかなものからギリギリなものまで「まあ問題だよね。」と感じられるものに限定されていた。
そのおかげで一応知っていたハズなのにチョコを買う気が随分とそがれ、ほとんど買わなくなった。なんだか随分単純な精神構造してるなと自分でも驚く。
チョコに限らず多くのものになんらかの問題はあるハズなので、そういう作品ばっか観てたら痩せられるかもしれない。
いや、そうなったらそうなったで自給自足してでも色々食っちゃうかもしれない。
チョコを食う我が子に
「そのチョコはお前と同じくらいの子が毎日一日中働いてとった豆でできてんだぞ。それなのに彼らはチョコ買えるだけの金すらもらえず生まれてから一度もチョコ食った事ないんだぞ。」
とかいらんこと言ってしまった。ちっ。
この記事へのコメント